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クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界 単行本(ソフトカバー) – 2021/9/15
ヤニス・バルファキス
(著),
江口 泰子
(翻訳)
購入を強化する
斎藤幸平氏、絶賛!
「株式市場をぶっ壊せ。21世紀の革命は、いま始まったばかりだ」
「公平で正しい民主主義」が実現した2025年にいるもう一人の自分と遭遇した。分岐点は2008年、そうリーマンショックがあった年だ。2011年に「ウォール街を占拠せよ」と叫んだ、強欲な資本家と政治家に対する民衆の抗議活動はほどなく終わったが、「もう一つの世界」では別の発展をたどることになった。資本主義消滅後のパラレルワールドは、はたして新たなユートピアなのか、それとも?
『父が娘に語る、美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』著者による衝撃のストーリー!
資本主義が滅びた「もう一つの世界」では……。
→銀行がなくなる
残るのは中央銀行1行だけ
→株式市場がなくなる
社員は1人1株、議決権1票
→独占巨大資本がなくなる
GAFA消滅
→格差がなくなる
中央銀行が国民全員に定額を給付
→上司がいなくなる
好きな相手とチームをつくり基本給は全員同額
分岐点は2008年/この世界と異なる選択をした「もう一つの世界」/パラレルワールド/S F/経済学/ギリシャ哲学/オルタナティブストーリー/デジタル化はプロレタリア化/資本主義の終焉?/新しい社会主義?/サッチャリズム/スターリン/ジェフ・ベゾス/リーマンブラザーズ/貨幣/土地/議決権/強欲資本家/1人1株1票/スター社員も新入社員も基本給は均等割/パーキャブ口座/ヒエラルキーの消滅/銀行の消滅/イデオロギー/コーポ・サンディカリズム/家父長制/恋愛至上主義/フェミニズム/アクティビスト/リベラリスト/ワルキューレの騎行/ヘパイストスの狂気
「株式市場をぶっ壊せ。21世紀の革命は、いま始まったばかりだ」
「公平で正しい民主主義」が実現した2025年にいるもう一人の自分と遭遇した。分岐点は2008年、そうリーマンショックがあった年だ。2011年に「ウォール街を占拠せよ」と叫んだ、強欲な資本家と政治家に対する民衆の抗議活動はほどなく終わったが、「もう一つの世界」では別の発展をたどることになった。資本主義消滅後のパラレルワールドは、はたして新たなユートピアなのか、それとも?
『父が娘に語る、美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』著者による衝撃のストーリー!
資本主義が滅びた「もう一つの世界」では……。
→銀行がなくなる
残るのは中央銀行1行だけ
→株式市場がなくなる
社員は1人1株、議決権1票
→独占巨大資本がなくなる
GAFA消滅
→格差がなくなる
中央銀行が国民全員に定額を給付
→上司がいなくなる
好きな相手とチームをつくり基本給は全員同額
分岐点は2008年/この世界と異なる選択をした「もう一つの世界」/パラレルワールド/S F/経済学/ギリシャ哲学/オルタナティブストーリー/デジタル化はプロレタリア化/資本主義の終焉?/新しい社会主義?/サッチャリズム/スターリン/ジェフ・ベゾス/リーマンブラザーズ/貨幣/土地/議決権/強欲資本家/1人1株1票/スター社員も新入社員も基本給は均等割/パーキャブ口座/ヒエラルキーの消滅/銀行の消滅/イデオロギー/コーポ・サンディカリズム/家父長制/恋愛至上主義/フェミニズム/アクティビスト/リベラリスト/ワルキューレの騎行/ヘパイストスの狂気
- 本の長さ362ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2021/9/15
- 寸法13 x 2.2 x 18.9 cm
- ISBN-104065219507
- ISBN-13978-4065219508
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商品の説明
著者について
ヤニス・バルファキス
1961年アテネ生まれ。経済学部教授として長年にわたり、英国、オーストラリア、ギリシャ、米国で教鞭をとる。2015年、ギリシャ経済危機のさなかにチプラス政権の財務大臣に就任。緊縮財政策を迫るEUに対して大幅な債務減免を主張し、注目を集めた。2016年、DiEM25((Democracy in Europe Movement 2025:民主的ヨーロッパ運動2025)を共同で設立。2018年、米国の上院議員バーニー・サンダース氏らとともにプログレッシブ・インターナショナル(Progressive International)を立ち上げる。世界中の人々に向けて、民主主義の再生を語り続けている。主な著書に、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ダイヤモンド社)『わたしたちを救う経済学――破綻したからこそ見える世界の真実』(Pヴァイン)『黒い匣――密室の権力者たちが狂わせる世界の運命』(明石書店)『世界牛魔人――グローバル・ミノタウロス:米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』(那須里山舎)などがある。
江口 泰子
法政大学法学部卒業。編集事務所、広告企画会社勤務を経て翻訳業に従事。訳書に、『結局、自分のことしか考えない人たち――自己愛人間への対応術』(草思社)、『ケネディ暗殺 50年目の真実』『21世紀の脳科学――人生を豊かにする3つの「脳力」』(以上、講談社)、『ブレグジット秘録――英国がEU離脱という「悪魔」を解き放つまで』『ザ・フォーミュラ――科学が解き明かした「成功の普遍的法則」』(以上、光文社)、『140字の戦争――SNSが戦場を変えた』『2030――世界の大変化を「水平思考」で展望する』(以上、早川書房)ほか多数。
1961年アテネ生まれ。経済学部教授として長年にわたり、英国、オーストラリア、ギリシャ、米国で教鞭をとる。2015年、ギリシャ経済危機のさなかにチプラス政権の財務大臣に就任。緊縮財政策を迫るEUに対して大幅な債務減免を主張し、注目を集めた。2016年、DiEM25((Democracy in Europe Movement 2025:民主的ヨーロッパ運動2025)を共同で設立。2018年、米国の上院議員バーニー・サンダース氏らとともにプログレッシブ・インターナショナル(Progressive International)を立ち上げる。世界中の人々に向けて、民主主義の再生を語り続けている。主な著書に、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ダイヤモンド社)『わたしたちを救う経済学――破綻したからこそ見える世界の真実』(Pヴァイン)『黒い匣――密室の権力者たちが狂わせる世界の運命』(明石書店)『世界牛魔人――グローバル・ミノタウロス:米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』(那須里山舎)などがある。
江口 泰子
法政大学法学部卒業。編集事務所、広告企画会社勤務を経て翻訳業に従事。訳書に、『結局、自分のことしか考えない人たち――自己愛人間への対応術』(草思社)、『ケネディ暗殺 50年目の真実』『21世紀の脳科学――人生を豊かにする3つの「脳力」』(以上、講談社)、『ブレグジット秘録――英国がEU離脱という「悪魔」を解き放つまで』『ザ・フォーミュラ――科学が解き明かした「成功の普遍的法則」』(以上、光文社)、『140字の戦争――SNSが戦場を変えた』『2030――世界の大変化を「水平思考」で展望する』(以上、早川書房)ほか多数。
カスタマーレビュー
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元ギリシャの蔵相だったバルファキス氏が今現在とこれからの経済の仕組みを小説の形式で語った書。
時制が現在、過去、近過去、少し先の未来、更に少し先の未来と錯綜しますが、あまり複雑にならずに読めます。
小説なので、架空の登場人物が語り手や主要な役割で出てきますが、そのキャラのやりとりの中から今何が問題になっているのか、過去にどうすべきだったか、これからどうすべきかが論じられている、判り易い小説でした。
著者が一番言いたかった事を端的にかいつまむと、将来の経済体制では銀行をなくし、国の中央銀行から個人向けにパーソナル・キャピタルを実施して、庶民に金をくばる、という事でいいでしょうか(多分:違ったらすいません)。これは日本の左派の経済でも言われている進化した資本主義レフト3.0と同じ理論でしょうか(こちらも多分:違ったらすいません)。仮にコロナが終息して、人類が21世紀から22世紀とかまだまだ続くとしたら、どういう経済体制が好ましいかを考えて小説化した作品だと思いました。
思えば20世紀は資本主義と共産主義の実験期間で、どちらが上手く行くかの競争でしたが、1世紀経ったら両方ともあまり上手くいかなかった様な感想なので、これからは今までの経済の仕組みから脱却して、新しい経済体制をとらなければならない、という著者の熱意を感じました。
国家を揺るがす多国籍企業、主にネット関連の会社に対する批判も出てきますが、私も実を言えばそういう会社の術中のはまってしまった時期がありました。ここのレビューも書き込みたい(役に立ったというフィードバックを増やしたい、自分の見識や読解力を誇示したい)と言う理由で小説を読んだり、音楽を聴いたり、映画のDVDを観たり、という依存症ビジネスの罠にはまってしまいましたが、途中でそれだと本末転倒なのに気がついたので、読みたくて読んだ小説等、聴きたくて聴いた音楽、観たくて観た映画の感想を書く様にしております。鑑賞の仕方も、どうゆうレビューを書かないといけないかと考えながらの接し方になってしまって、依存症型ビジネスの思惑に絡めとられてしまったのに気づいたので、以後はただ読んだり、聴いたり、観たりという風に心がけております。カル・ニューポート氏の「デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方」にも依存症ビジネスに対する警鐘を読み取りましたが、本書でもそういう部分があるので、今はあまり役に立ったフィードバックやランキング等にあまり気にしない様にしております。
「父が娘に語る~」同様凄く読み易い作品でしたが、人に依ってはそうでもない、つまらないという見識もあろうかと思いますが、ひとまず読んでみてから感想を持った方がいいと思います。
資本主義、共産主義から脱却して、21世紀から22世紀にかけての経済体制への提言の小説。是非ご一読を。
時制が現在、過去、近過去、少し先の未来、更に少し先の未来と錯綜しますが、あまり複雑にならずに読めます。
小説なので、架空の登場人物が語り手や主要な役割で出てきますが、そのキャラのやりとりの中から今何が問題になっているのか、過去にどうすべきだったか、これからどうすべきかが論じられている、判り易い小説でした。
著者が一番言いたかった事を端的にかいつまむと、将来の経済体制では銀行をなくし、国の中央銀行から個人向けにパーソナル・キャピタルを実施して、庶民に金をくばる、という事でいいでしょうか(多分:違ったらすいません)。これは日本の左派の経済でも言われている進化した資本主義レフト3.0と同じ理論でしょうか(こちらも多分:違ったらすいません)。仮にコロナが終息して、人類が21世紀から22世紀とかまだまだ続くとしたら、どういう経済体制が好ましいかを考えて小説化した作品だと思いました。
思えば20世紀は資本主義と共産主義の実験期間で、どちらが上手く行くかの競争でしたが、1世紀経ったら両方ともあまり上手くいかなかった様な感想なので、これからは今までの経済の仕組みから脱却して、新しい経済体制をとらなければならない、という著者の熱意を感じました。
国家を揺るがす多国籍企業、主にネット関連の会社に対する批判も出てきますが、私も実を言えばそういう会社の術中のはまってしまった時期がありました。ここのレビューも書き込みたい(役に立ったというフィードバックを増やしたい、自分の見識や読解力を誇示したい)と言う理由で小説を読んだり、音楽を聴いたり、映画のDVDを観たり、という依存症ビジネスの罠にはまってしまいましたが、途中でそれだと本末転倒なのに気がついたので、読みたくて読んだ小説等、聴きたくて聴いた音楽、観たくて観た映画の感想を書く様にしております。鑑賞の仕方も、どうゆうレビューを書かないといけないかと考えながらの接し方になってしまって、依存症型ビジネスの思惑に絡めとられてしまったのに気づいたので、以後はただ読んだり、聴いたり、観たりという風に心がけております。カル・ニューポート氏の「デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方」にも依存症ビジネスに対する警鐘を読み取りましたが、本書でもそういう部分があるので、今はあまり役に立ったフィードバックやランキング等にあまり気にしない様にしております。
「父が娘に語る~」同様凄く読み易い作品でしたが、人に依ってはそうでもない、つまらないという見識もあろうかと思いますが、ひとまず読んでみてから感想を持った方がいいと思います。
資本主義、共産主義から脱却して、21世紀から22世紀にかけての経済体制への提言の小説。是非ご一読を。
2021年9月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
革ジャンを着こなすことで有名な経済学者のヤニス・バルファキスが資本主義に代わる「別の選択肢」をSF小説という形式で発表したと聞いて、共産主義圏崩壊後長らく資本主義社会に代わるリアルな代案を左派が三十年以上も出せずに来ているこの状況にようやく転機が訪れるのかと期待しつつこの本を買ったのだが、結論だけ先に言うと「もう一つの世界」はレーニンも真っ青のエリート左翼的な妄想にすぎず、これだったら鼻をつまんで今の資本主義社会に生きる方がまだマシだと思わずにはいられなかった。経済学者や財務大臣として緊張感のある言動を行っていた頃のバルファキスの面影はもはやこの本にはなく、三流小説家が政治的に正しいパラレルワールド設定に左翼的妄想を混ぜて書いたらこうなるという程度の作品になってしまっている。表紙もクソったれ資本主義などと煽っているが、それが倒れたあとのもう一つの世界の方がブルシットの匂いが格段にキツイと感じたのは評者だけではあるまい。
具体的な例を挙げると、例えば世界各国の官僚が有権者に見えないところで粛々と重要な政治決定をしている今のこの官僚対有権者の力関係を変えるためのアイデアとして「ウィキブロワーズ」というハッカー集団が世界中のスマホやタブレットにウイルスをしのばせ、感染が十分に進んだ時点でウイルスを起動すると世界中のあらゆる人のあらゆる端末の内容が自由に見られるようになるという筋書きが語られている。たしかにこうすれば例えば霞ヶ関官僚のメールのやりとりなども読めるようになるが、その代償として日本国民全員がネット上や街の監視カメラにアクセスして互いの行動をいつでもどこでも監視できるようになるというのはディストピアそのものと言うべきではないだろうか。それに一度そのようなハッキングが成功したとしても、政府官僚は重要な情報をコンピューターやスマホではなく紙に書いて記録するようになるだけだろう。現にこの世界のウィキリークスのジュリアン・アサンジも最も重要なやりとりはデジタルデバイスを一切使わずに紙で行っている。そこをバルファキスは暗号学の初歩もおさえず過度な透明性がもたらす社会的害悪に対する反省も一切行わないまま、ただ透明性の最大化さえすれば善良な市民たちはその透明性を権力の監視のためだけに活用するだろう、だからあとは万事うまくいくはずだというナイーブなドグマを臆面もなく語っているのだから、もしギリシャに日本や台湾みたいなデジタル省を設置する場合にはギリシャ国民の身のためにもバルファキスだけはデジタル大臣に任命してはいけない。
あと投資に関しても銀行という仲介役を廃止して個人が自分の口座から直接企業に投資できるようにせよというアイデアも出ているが、あれだけ金融化を入念に分析し続けてきたバルファキスが言うこととは思えないような粗っぽい提案だ。そもそも実体経済と金融経済の乖離は1980年代以降の金融市場の自由化が発端であり、より具体的には貯蓄銀行と投資銀行の合併の合法化が鍵だということは多くの専門家が指摘してきたとおりだ。そこを資産は持っていても投資の知識はないという顧客のために投資を代行しいくばくかの手数料をいただくというビジネスモデルを一律廃止せよというのは、資産のブタ積みを促進するか、あるいはいかがわしい投資アドバイザーの闇市場を拡大することもありえるし、最悪の場合は投資決定をすべて資産の保有主の「自己決定」「自己責任」に還元して世界を巨大なカジノに変容させることにもなりかねない。資本主義を乗り越えるどころか、極端なカジノ資本主義が実現してしまうわけだ。
もう一つの世界では企業や職場のあり方もなかなかぶっ飛んでいて、これを読むとバルファキスが口では労働者の味方と言っているが実は普通の職場の現実や企業の経営者の課題などを一切理解していないということが露呈してしまう。例えば株式市場を廃止して一人一株一票というシステムで企業をまわせと言うが、このアイデアがうまくいくためにはそもそも世の中の大半の人たちが企業に正社員として就職していることが前提となる。日本ではすでに40%に近い割合の労働者が非正規で雇われているため、フリーランスや自営業も含め多くの労働者や共同事業者がこの一人一株一票制度からは除外される。さらに言うと入社したばかりで経験も浅くノウハウもなく会社の内部で試行錯誤をしたこともない新入社員たちが、長年会社を支え続けてきた経験豊かなベテラン社員と同じくらい強い決定権を社内でもつということが企業経営にとっていかに有害に働きうるかということをバルファキスはまったく考察できていない。そもそも実際の民主主義社会でもTランプやBルソナーロやA倍S三などのトンデモ政治家が民主的に選ばれてしまうという実態がある中で、一人一株一票の企業経営が悪しきポピュリズムの餌食にならない保証が一体どこにあるというのか。それに企業経営に関する決定は面倒なものが多く、本当ならば他の仕事に専念した方がよっぽどいいと感じている社員たちを無理矢理経営の決定に参加させるのはいかがなものか。何ならば経営に限らず商品やサービスのデザインや流通などもすべて民主的に多数決で決めたほうが首尾一貫していて良いのではないかなどと嫌味の一つも言いたくなってしまう。
また給料の話でもバルファキスのアイデアは噴飯もので、もう一つの世界では昇給制が廃止され、社員は全員一律同じ基本給をもらい、ボーナスで稼ぎの差が出るというのだ。まず企業の給与形態を政府がトップダウンで決定している時点でアウトだと思うが、百歩譲って政府に企業の給与形態を一律強制する力を与えても良いのだと仮定しても、基本給を一律にするというのはどう考えてもヤバい。ボーナスの金額の決め方の案もなかなか才能にあふれており、ボーナスシーズンになると社員全員に一人100票の報償ポイントが配られ、社員同士が互いに投票をし、集計時に獲得した報償ポイントが多ければ多いほどボーナス金額が上がるという仕組みにするらしく、また社内で癒着や汚職がないように、誰が誰に何票投票したのかということが社員全員に知れ渡るような3D映像インスタレーションが社内に設置されると言うのだ。しかもそうして得た報償ポイントは退社後も各人につきまとい、転職活動の際の採用基準の一つとしても使われるらしい。人事に一度も携わったことがない経済学者の妄想とはかくも薄っぺらなものなのかと唖然とさせられる。人材評価をそこまで徹底的に民主化(というよりも多数決化)したいのならば、いっそ大学の成績も教授の判断などではなく学生同士の投票によって決定させてみたらどうか。
他にも中央銀行に全国民が「積立」「相続」「配当」の三つの口座を保有するという案も出ており、このうち「配当」は所得税ではなく土地税と法人税のみに基づいているので従来の生活保護のような制度がもたらす労働者と失業者の間の分断は起こらないと主張されているが、そもそも企業が民主化されて社員が経営判断に直接関わっている状況では労働者は5%の法人税の支払いを所得税とほぼ同じように経験するはずであり、そういう意味では労働者と失業者の分断は経営者と失業者の分断に置き換えられるだけで、むしろますます悪化するのではないか。また株式市場も廃止され高い利益をあげ続ける動機がほとんどないもう一つの世界の企業の収入からたった5%の税を徴収するだけで得られる配当金がはたして生活保護の代わりになるのかという疑問も残るが、ここも数量的な分析は一切行われずフィールグッドな物語が語られるのみである。そもそもこの積立・相続・配当のアイデアはピケティの『資本とイデオロギー』が元ネタと思われるが、少なくともピケティは入念な歴史的分析に基づいてもう少し現実的な財源論を展開しているし、配当と生活保護を別物として考えることができている。フランスやイギリスの左派政党の経済顧問として活躍しつつその研究業績が専門家の間で広く認められているピケティと、財務大臣期の激戦のトラウマを抱えつつ野党の政治家として再当選した後にSF小説を書いているバルファキスの対比は、以前のバルファキスを知るファンを何とも残念な気持ちにさせるものだ。
ついでにもう一つツッコミを入れておくと、話の冒頭でコスタが発明する快楽最大化マシン「HALPEVAM」の元ネタはロバート・ノージックの「体験マシン」だと思われるが、ノージックの思考実験では功利主義を批判し幸福の実現だけでは人は満たされないのだという主張に説得力を与えるためにこのマシンが登場する。ノージックの議論の詳細は割愛するが、バルファキスのSF小説でこのマシンのパクリ版が誤作動して開示したもう一つの世界からの電信を手掛かりとして出てくる妄想の数々を読んでいると、あるいはHALPEVAMが正常に作動して人間が幸福の実現だけに没頭しているような世の中の方がマシなのではないかという思いが強まっていく。批判ばかりでもアレなのでフォローを入れておくと、ノージックのこの思考実験は「架空の幸福よりも現実での不幸な人生の方が生きる価値がある」という結論へ議論を持っていくための装置でもあるわけで、バルファキスの小説でもある意味これに忠実なオチがついており、資本主義へのオルタナティブに逃げ込むのではなくあくまで今のこの世界の資本主義を変えるために闘争を続けていこうみたいなエンディングになっているのはノージック的なビジョンにある程度忠実だとも言える。ただこのエンディングが悪くないだけに、そこへ至るまでの議論のあまりの稚拙さが二重にも三重にも悔やまれるのだが。
所詮はSF小説なのだからそこまで真面目に内容を批判することもないだろうという反論はあるかもしれないが、曲がりなりにも政治家であり左派の一部の人たちの間では影響力もあるバルファキスが資本主義に代わる別の選択肢を提示するのだと意気込んで発表した作品なのだから、単なるエンタメとして読めというのもどうも腑に落ちない。作中で飛び交う数々の妄想的提案の非現実性を自覚した上であえてこれをこのエンディングで無効化しているのだとすればなかなかの高等戦術だが、おそらくバルファキス本人や周辺のバル推し層はそんなシニカルな深読みが正解だとは思っていないだろう。資本主義社会で食い扶持を稼ぐ日常に疲れてひとときの現実逃避を求めるリベラル読者にはお薦めできないこともないので、そうした欲求をうまく満たしているという点では星2つくらいはつけようという気になったが、資本主義を本気で乗り越え社会を本気で良くしたいと思っている読者はこの本を読んでもガックリするだけなのでもう少しまともにリサーチされた本を読んだ方がいい。作中でアイリスが言う「心を慰めてくれる噓を求める人間の欲求を軽く見ないことね」という警告の言葉を、批判的皮肉を込めつつここに反復しておく。
具体的な例を挙げると、例えば世界各国の官僚が有権者に見えないところで粛々と重要な政治決定をしている今のこの官僚対有権者の力関係を変えるためのアイデアとして「ウィキブロワーズ」というハッカー集団が世界中のスマホやタブレットにウイルスをしのばせ、感染が十分に進んだ時点でウイルスを起動すると世界中のあらゆる人のあらゆる端末の内容が自由に見られるようになるという筋書きが語られている。たしかにこうすれば例えば霞ヶ関官僚のメールのやりとりなども読めるようになるが、その代償として日本国民全員がネット上や街の監視カメラにアクセスして互いの行動をいつでもどこでも監視できるようになるというのはディストピアそのものと言うべきではないだろうか。それに一度そのようなハッキングが成功したとしても、政府官僚は重要な情報をコンピューターやスマホではなく紙に書いて記録するようになるだけだろう。現にこの世界のウィキリークスのジュリアン・アサンジも最も重要なやりとりはデジタルデバイスを一切使わずに紙で行っている。そこをバルファキスは暗号学の初歩もおさえず過度な透明性がもたらす社会的害悪に対する反省も一切行わないまま、ただ透明性の最大化さえすれば善良な市民たちはその透明性を権力の監視のためだけに活用するだろう、だからあとは万事うまくいくはずだというナイーブなドグマを臆面もなく語っているのだから、もしギリシャに日本や台湾みたいなデジタル省を設置する場合にはギリシャ国民の身のためにもバルファキスだけはデジタル大臣に任命してはいけない。
あと投資に関しても銀行という仲介役を廃止して個人が自分の口座から直接企業に投資できるようにせよというアイデアも出ているが、あれだけ金融化を入念に分析し続けてきたバルファキスが言うこととは思えないような粗っぽい提案だ。そもそも実体経済と金融経済の乖離は1980年代以降の金融市場の自由化が発端であり、より具体的には貯蓄銀行と投資銀行の合併の合法化が鍵だということは多くの専門家が指摘してきたとおりだ。そこを資産は持っていても投資の知識はないという顧客のために投資を代行しいくばくかの手数料をいただくというビジネスモデルを一律廃止せよというのは、資産のブタ積みを促進するか、あるいはいかがわしい投資アドバイザーの闇市場を拡大することもありえるし、最悪の場合は投資決定をすべて資産の保有主の「自己決定」「自己責任」に還元して世界を巨大なカジノに変容させることにもなりかねない。資本主義を乗り越えるどころか、極端なカジノ資本主義が実現してしまうわけだ。
もう一つの世界では企業や職場のあり方もなかなかぶっ飛んでいて、これを読むとバルファキスが口では労働者の味方と言っているが実は普通の職場の現実や企業の経営者の課題などを一切理解していないということが露呈してしまう。例えば株式市場を廃止して一人一株一票というシステムで企業をまわせと言うが、このアイデアがうまくいくためにはそもそも世の中の大半の人たちが企業に正社員として就職していることが前提となる。日本ではすでに40%に近い割合の労働者が非正規で雇われているため、フリーランスや自営業も含め多くの労働者や共同事業者がこの一人一株一票制度からは除外される。さらに言うと入社したばかりで経験も浅くノウハウもなく会社の内部で試行錯誤をしたこともない新入社員たちが、長年会社を支え続けてきた経験豊かなベテラン社員と同じくらい強い決定権を社内でもつということが企業経営にとっていかに有害に働きうるかということをバルファキスはまったく考察できていない。そもそも実際の民主主義社会でもTランプやBルソナーロやA倍S三などのトンデモ政治家が民主的に選ばれてしまうという実態がある中で、一人一株一票の企業経営が悪しきポピュリズムの餌食にならない保証が一体どこにあるというのか。それに企業経営に関する決定は面倒なものが多く、本当ならば他の仕事に専念した方がよっぽどいいと感じている社員たちを無理矢理経営の決定に参加させるのはいかがなものか。何ならば経営に限らず商品やサービスのデザインや流通などもすべて民主的に多数決で決めたほうが首尾一貫していて良いのではないかなどと嫌味の一つも言いたくなってしまう。
また給料の話でもバルファキスのアイデアは噴飯もので、もう一つの世界では昇給制が廃止され、社員は全員一律同じ基本給をもらい、ボーナスで稼ぎの差が出るというのだ。まず企業の給与形態を政府がトップダウンで決定している時点でアウトだと思うが、百歩譲って政府に企業の給与形態を一律強制する力を与えても良いのだと仮定しても、基本給を一律にするというのはどう考えてもヤバい。ボーナスの金額の決め方の案もなかなか才能にあふれており、ボーナスシーズンになると社員全員に一人100票の報償ポイントが配られ、社員同士が互いに投票をし、集計時に獲得した報償ポイントが多ければ多いほどボーナス金額が上がるという仕組みにするらしく、また社内で癒着や汚職がないように、誰が誰に何票投票したのかということが社員全員に知れ渡るような3D映像インスタレーションが社内に設置されると言うのだ。しかもそうして得た報償ポイントは退社後も各人につきまとい、転職活動の際の採用基準の一つとしても使われるらしい。人事に一度も携わったことがない経済学者の妄想とはかくも薄っぺらなものなのかと唖然とさせられる。人材評価をそこまで徹底的に民主化(というよりも多数決化)したいのならば、いっそ大学の成績も教授の判断などではなく学生同士の投票によって決定させてみたらどうか。
他にも中央銀行に全国民が「積立」「相続」「配当」の三つの口座を保有するという案も出ており、このうち「配当」は所得税ではなく土地税と法人税のみに基づいているので従来の生活保護のような制度がもたらす労働者と失業者の間の分断は起こらないと主張されているが、そもそも企業が民主化されて社員が経営判断に直接関わっている状況では労働者は5%の法人税の支払いを所得税とほぼ同じように経験するはずであり、そういう意味では労働者と失業者の分断は経営者と失業者の分断に置き換えられるだけで、むしろますます悪化するのではないか。また株式市場も廃止され高い利益をあげ続ける動機がほとんどないもう一つの世界の企業の収入からたった5%の税を徴収するだけで得られる配当金がはたして生活保護の代わりになるのかという疑問も残るが、ここも数量的な分析は一切行われずフィールグッドな物語が語られるのみである。そもそもこの積立・相続・配当のアイデアはピケティの『資本とイデオロギー』が元ネタと思われるが、少なくともピケティは入念な歴史的分析に基づいてもう少し現実的な財源論を展開しているし、配当と生活保護を別物として考えることができている。フランスやイギリスの左派政党の経済顧問として活躍しつつその研究業績が専門家の間で広く認められているピケティと、財務大臣期の激戦のトラウマを抱えつつ野党の政治家として再当選した後にSF小説を書いているバルファキスの対比は、以前のバルファキスを知るファンを何とも残念な気持ちにさせるものだ。
ついでにもう一つツッコミを入れておくと、話の冒頭でコスタが発明する快楽最大化マシン「HALPEVAM」の元ネタはロバート・ノージックの「体験マシン」だと思われるが、ノージックの思考実験では功利主義を批判し幸福の実現だけでは人は満たされないのだという主張に説得力を与えるためにこのマシンが登場する。ノージックの議論の詳細は割愛するが、バルファキスのSF小説でこのマシンのパクリ版が誤作動して開示したもう一つの世界からの電信を手掛かりとして出てくる妄想の数々を読んでいると、あるいはHALPEVAMが正常に作動して人間が幸福の実現だけに没頭しているような世の中の方がマシなのではないかという思いが強まっていく。批判ばかりでもアレなのでフォローを入れておくと、ノージックのこの思考実験は「架空の幸福よりも現実での不幸な人生の方が生きる価値がある」という結論へ議論を持っていくための装置でもあるわけで、バルファキスの小説でもある意味これに忠実なオチがついており、資本主義へのオルタナティブに逃げ込むのではなくあくまで今のこの世界の資本主義を変えるために闘争を続けていこうみたいなエンディングになっているのはノージック的なビジョンにある程度忠実だとも言える。ただこのエンディングが悪くないだけに、そこへ至るまでの議論のあまりの稚拙さが二重にも三重にも悔やまれるのだが。
所詮はSF小説なのだからそこまで真面目に内容を批判することもないだろうという反論はあるかもしれないが、曲がりなりにも政治家であり左派の一部の人たちの間では影響力もあるバルファキスが資本主義に代わる別の選択肢を提示するのだと意気込んで発表した作品なのだから、単なるエンタメとして読めというのもどうも腑に落ちない。作中で飛び交う数々の妄想的提案の非現実性を自覚した上であえてこれをこのエンディングで無効化しているのだとすればなかなかの高等戦術だが、おそらくバルファキス本人や周辺のバル推し層はそんなシニカルな深読みが正解だとは思っていないだろう。資本主義社会で食い扶持を稼ぐ日常に疲れてひとときの現実逃避を求めるリベラル読者にはお薦めできないこともないので、そうした欲求をうまく満たしているという点では星2つくらいはつけようという気になったが、資本主義を本気で乗り越え社会を本気で良くしたいと思っている読者はこの本を読んでもガックリするだけなのでもう少しまともにリサーチされた本を読んだ方がいい。作中でアイリスが言う「心を慰めてくれる噓を求める人間の欲求を軽く見ないことね」という警告の言葉を、批判的皮肉を込めつつここに反復しておく。
2022年1月29日に日本でレビュー済み
以前に実体経済よりもマネー経済の規模の方が格段に大きいということを知り驚いた。
最近は、ベーシックインカムに関する議論を随所で見かけるが、
政治経済の現状からベーシックインカムを実現するための移行段階が示されていないと感じていた。
本書では、その移行段階がSF的に明示されていると感じた。
しかし、単なる空想物語ではなく、学術的な論理的な裏付けを持っていることが窺えた。
それは、脚注の多さに示されていると感じた。
しかし、自分程度の経済知識では、それらを十分に理解し検証することは不可能だとも感じる。
誰か本当に世界の政治経済の仕組みを理解している学者に本書を検討してほしいと思う。
但し、会社の社員一人一株制度は納得できなかった。
少なくとも成果によって給料が決まる課長以上のマネージメント層と時給で働く平社員とで区別されるべきだと考える。
また、後半(7章以降)はよく理解できなかった。
最近は、ベーシックインカムに関する議論を随所で見かけるが、
政治経済の現状からベーシックインカムを実現するための移行段階が示されていないと感じていた。
本書では、その移行段階がSF的に明示されていると感じた。
しかし、単なる空想物語ではなく、学術的な論理的な裏付けを持っていることが窺えた。
それは、脚注の多さに示されていると感じた。
しかし、自分程度の経済知識では、それらを十分に理解し検証することは不可能だとも感じる。
誰か本当に世界の政治経済の仕組みを理解している学者に本書を検討してほしいと思う。
但し、会社の社員一人一株制度は納得できなかった。
少なくとも成果によって給料が決まる課長以上のマネージメント層と時給で働く平社員とで区別されるべきだと考える。
また、後半(7章以降)はよく理解できなかった。
2021年11月18日に日本でレビュー済み
SF仕立てで行き詰った資本主義現代社会をパラレルワールドというSF仕立てで説明しようとしているのですが、小説としては面白くないです。登場人物の書き分けができておらず、全員同じに読めます。
小説形式ではなく、ノンフィクションとして書いた方が良かったのではないでしょうか。
著者も作家ではありませんし。
書かれている社会は大変興味深い世界で、すべてを市場にしてしまう資本主義を倒し、地球を破滅させないためにどうするか、という説明は非常に興味深いです。こんな社会であれば、いいと思います。
しかし、残念なことに地球の資源の収奪という観点の解決策が示されていません。この点が不満に思います。斉藤幸平氏が絶賛、と書かれていますが、本当でしょうか?
小説形式ではなく、ノンフィクションとして書いた方が良かったのではないでしょうか。
著者も作家ではありませんし。
書かれている社会は大変興味深い世界で、すべてを市場にしてしまう資本主義を倒し、地球を破滅させないためにどうするか、という説明は非常に興味深いです。こんな社会であれば、いいと思います。
しかし、残念なことに地球の資源の収奪という観点の解決策が示されていません。この点が不満に思います。斉藤幸平氏が絶賛、と書かれていますが、本当でしょうか?









