タイトルの「クジラアタマの王様」は、主人公の案内役兼ラスボスである「ハシビロコウ」のラテン語の呼び名である。
製菓会社の広報担当・岸、人気アイドル・小沢、そして本作のキーマンともいうべき県議会議員・池野内。岸の製菓会社の新商品を機縁にして、この3人が出会ってからこの奇妙な物語は始まる。
簡単に言えばパラレルワールドものなんだろう。しかし、3人の単なる妄想という事も否定できない。夢の中で巨大なモンスターと戦うなんて、そんなRPGみたいな展開、誰が信用するだろうか。普通ならそう考える。しかし、次々と起こる奇妙な事件の前に翻弄され、徐々に夢の、RPGの世界に深入りしていく3人。彼らがモンスターに負ければ、現実世界でも良からぬ事件が起きてしまう。虚構と現実の境目がますます分からなくなっていく。
序盤から出ていたハシビロコウをボスに、製菓会社が設置したがっていたビジョンが最後に役立つなど、伏線もきっちり回収している。クライマックスの描写から考えて、やはりRPGの世界は3人の妄想だったと思った。最後は夢ではなく、現実の自分の力で悪い奴を倒したんだから。
とにかく、小難しい事は考えずに頭をカラッポにして読んだ方が楽しめそう。
クジラアタマの王様 (日本語) 単行本 – 2019/7/9
伊坂 幸太郎
(著)
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本の長さ384ページ
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言語日本語
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出版社NHK出版
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発売日2019/7/9
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ISBN-104140057068
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ISBN-13978-4140057063
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。打ち勝つべき現実とは、いったい何か。巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリーによって、伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放つ。
著者について
伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)
1971年生まれ、千葉県出身。東北大学法学部卒。2000年、「オーデュボンの祈り」で新潮ミステリー俱楽部賞を受賞し、デビュー。04年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞を、短編「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。08年には『ゴールデンスランバー』で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞、14年、『マリアビートル』で大学読書人大賞を受賞。その他の小説に『シーソーモンスター』『フーガはユーガ』『ホワイトラビット』『AX』『サブマリン』『陽気なギャングは三つ数えろ』『火星に住むつもりかい?』などがある。
1971年生まれ、千葉県出身。東北大学法学部卒。2000年、「オーデュボンの祈り」で新潮ミステリー俱楽部賞を受賞し、デビュー。04年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞を、短編「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。08年には『ゴールデンスランバー』で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞、14年、『マリアビートル』で大学読書人大賞を受賞。その他の小説に『シーソーモンスター』『フーガはユーガ』『ホワイトラビット』『AX』『サブマリン』『陽気なギャングは三つ数えろ』『火星に住むつもりかい?』などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊坂/幸太郎
1971年生まれ、千葉県出身。東北大学法学部卒。2000年、『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞を、短編「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。08年には『ゴールデンスランバー』で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞、14年、『マリアビートル』で大学読書人大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1971年生まれ、千葉県出身。東北大学法学部卒。2000年、『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞を、短編「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。08年には『ゴールデンスランバー』で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞、14年、『マリアビートル』で大学読書人大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2019/7/9)
- 発売日 : 2019/7/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 384ページ
- ISBN-10 : 4140057068
- ISBN-13 : 978-4140057063
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- 39,756位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 740位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 1,382位日本文学
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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2019年7月13日に日本でレビュー済み
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23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年9月29日に日本でレビュー済み
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伊坂さんの作品はどれも好きで、いつも読ませていただいていますが、今回のは正直かなり残念な内容でした。
まず、ストーリーが1軸で、複数の世界が最後に繋がる爽快感は一切ありません。夢の話も一辺倒で、特に捻りがないものを繰り返しています。火事の話も、同じ話の繰り返しで、同じなら毎回そんな説明しなくて良いのにと、シンプルにくどかったです。
次に、個人的に気になってしまった表現が2つ。
1つ目は「〜のように」という意味で「〜よろしく」という言い回しが必要以上に多用されていること。
今までそんな表現してたっけ?という気持ちと、使われ方も心地よくは無く、途中からストレスで読み進められないレベルで気になってしまいました。
また後半から出てくる「パスカ」という表現も使われ方が異常で、意味的からして「スマホ」で良いのに、何故読者に馴染みのない言葉に置き換えるかも謎で、かつバカの1つ覚えのように高頻度で出て来て非常に気になりました。
10年以上前から伊坂さんの作品を読ませていただいている身としては、お勧めできる作品ではなかったです。
まず、ストーリーが1軸で、複数の世界が最後に繋がる爽快感は一切ありません。夢の話も一辺倒で、特に捻りがないものを繰り返しています。火事の話も、同じ話の繰り返しで、同じなら毎回そんな説明しなくて良いのにと、シンプルにくどかったです。
次に、個人的に気になってしまった表現が2つ。
1つ目は「〜のように」という意味で「〜よろしく」という言い回しが必要以上に多用されていること。
今までそんな表現してたっけ?という気持ちと、使われ方も心地よくは無く、途中からストレスで読み進められないレベルで気になってしまいました。
また後半から出てくる「パスカ」という表現も使われ方が異常で、意味的からして「スマホ」で良いのに、何故読者に馴染みのない言葉に置き換えるかも謎で、かつバカの1つ覚えのように高頻度で出て来て非常に気になりました。
10年以上前から伊坂さんの作品を読ませていただいている身としては、お勧めできる作品ではなかったです。
ベスト500レビュアー
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パラレルワールドもの。安易と言えば安易であり、とくにあっちの世界の物語の魅力が薄い印象でした(漫画パートを引き立たせるためにわざとか?)。けれども、こっちの世界のウイットに飛んだ会話と、ぽんと15年間飛ばしたりするテンポが心地よく、あっという間に楽しく読み終えました。
ただ次回は出来れば、異世界や超能力やSFチックな道具立てなしに、現実世界の中でひねりにひねってさらにひねくったような伊坂作品を読んでみたいです。映像とのコラボも漫画とのコラボもやって気が済んだら(まだ音楽とのコラボなんかがありそうな気もするが)、筆一本で驚かす原点に戻ってもらいたいものです。
ただ次回は出来れば、異世界や超能力やSFチックな道具立てなしに、現実世界の中でひねりにひねってさらにひねくったような伊坂作品を読んでみたいです。映像とのコラボも漫画とのコラボもやって気が済んだら(まだ音楽とのコラボなんかがありそうな気もするが)、筆一本で驚かす原点に戻ってもらいたいものです。
2019年7月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まずは挿し絵革命とばかりに、挿し絵を最大限に活かした画期的なアイデアの使い方が見事で、
革命的な試みを堪能させられました!
事件としては、菓子メーカーに勤める主人公の会社の異物混入事件等、現実的なものばかりで、
今までは未来を描いてるような非現実な事件が多い伊坂さんとしては意外でしたが、もう1つの世界との関わりが伊坂さんらしいSF要素として見事に活かされており、
終盤に向けての伏線の活かし方も見事で、面白く楽しめました(^-^*)/
ただ作品全体のクオリティとしては、☆5が続いた『AX』~『シーソーモンスター』までと比べると、若干物足りない☆4となり少し落ちますが、
それでも挿し絵革命というアイデアは見事で、充分読む価値がある作品です!
革命的な試みを堪能させられました!
事件としては、菓子メーカーに勤める主人公の会社の異物混入事件等、現実的なものばかりで、
今までは未来を描いてるような非現実な事件が多い伊坂さんとしては意外でしたが、もう1つの世界との関わりが伊坂さんらしいSF要素として見事に活かされており、
終盤に向けての伏線の活かし方も見事で、面白く楽しめました(^-^*)/
ただ作品全体のクオリティとしては、☆5が続いた『AX』~『シーソーモンスター』までと比べると、若干物足りない☆4となり少し落ちますが、
それでも挿し絵革命というアイデアは見事で、充分読む価値がある作品です!
ベスト1000レビュアー
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洒落たリズム感ある会話劇と作中の小さなディテールが最後でかっちりハマっていく小気味いい伊坂節が楽しめる作品です。
現実パートと夢パートともいえる二つのパラレルワールドのお話との側面があり、新しい試みとして夢パートにはコマ割りされた漫画イラストが挿入されています。最初のページでイラストが目に入ってきた時は戸惑いましたが、川口澄子氏によるこのイラストが実に味があり良い感じです。
面白く読めました。
現実パートと夢パートともいえる二つのパラレルワールドのお話との側面があり、新しい試みとして夢パートにはコマ割りされた漫画イラストが挿入されています。最初のページでイラストが目に入ってきた時は戸惑いましたが、川口澄子氏によるこのイラストが実に味があり良い感じです。
面白く読めました。
2019年7月29日に日本でレビュー済み
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マリアビートルを境にここ数作の伊坂作品に期待と落胆を繰り返していた身としては作者がなんかやる!という感触だけは掴めたのでほっとしています。
物語自体はまぁ平易で従来の伏線と回収あるいは洒脱で思わずくすっと笑えるようなウィットからすれば小粒で程遠いのですが、なかなか味のある挿し絵?のチカラを借りて微笑ましく読める小品となっています。
ともあれ伊坂帰った〜の期待を抱かせるものであることに違いはありません。
次の一手が楽しみです。
物語自体はまぁ平易で従来の伏線と回収あるいは洒脱で思わずくすっと笑えるようなウィットからすれば小粒で程遠いのですが、なかなか味のある挿し絵?のチカラを借りて微笑ましく読める小品となっています。
ともあれ伊坂帰った〜の期待を抱かせるものであることに違いはありません。
次の一手が楽しみです。
2019年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
夢の中の出来事が現実世界に影響を及ぼしているのか?
苦境におちいった時、夢の中で怪物と戦い勝利すれば・・・
主人公を含む三人は夢の中で共闘し現実世界でも同じピンチを乗り越えてきていた
それは果たして偶然か否か、答えはクジラアタマの王様が知っている・・・のか?
伊坂さんは普通の小説を書くことに飽きてしまったんでしょうか?
今回は幕間に絵本の挿絵のような無声漫画?を差し込む形での出版です
思えば私が伊坂作品に初めて触れたモダンタイムスも漫画家とのコラボでしたね
まぁそのままでも素敵な作品を作り出すことのできる作家さんなのであまり変化球ばかり
投げられてもちょっとなぁと思ってしまいました
あと主人公がちょっとウィットに富みすぎてる気がして少しマイナスでしたかね
新作が出る度に期待値が上がってしまいますが次作も期待しております
苦境におちいった時、夢の中で怪物と戦い勝利すれば・・・
主人公を含む三人は夢の中で共闘し現実世界でも同じピンチを乗り越えてきていた
それは果たして偶然か否か、答えはクジラアタマの王様が知っている・・・のか?
伊坂さんは普通の小説を書くことに飽きてしまったんでしょうか?
今回は幕間に絵本の挿絵のような無声漫画?を差し込む形での出版です
思えば私が伊坂作品に初めて触れたモダンタイムスも漫画家とのコラボでしたね
まぁそのままでも素敵な作品を作り出すことのできる作家さんなのであまり変化球ばかり
投げられてもちょっとなぁと思ってしまいました
あと主人公がちょっとウィットに富みすぎてる気がして少しマイナスでしたかね
新作が出る度に期待値が上がってしまいますが次作も期待しております