メディア掲載レビューほか
同時期にニューヨークで録音したスタンダード集『ストリート&アベニュー』と同日発売盤で,こちらは全曲メンバーのオリジナル曲集。彼らのジャズは60年代の{新主流派}の現代版といえるが,新加入の井上祐一を得てサウンドは洗練度を深めた。潔癖・整然。
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
大坂昌彦&原朋直クインテットの新作は、ニューヨーク録音。スタンダード集とオリジナル集の2作が同時にリリースされるが、こちらはオリジナル。大坂、原の自作曲各3曲に加え、ほかのメンバーもそれぞれ1曲ずつ提供している。全曲がオリジナルということもあって、このグループの方向性がより出た内容になっているようだ。大坂のスウィング感あふれるドラミングと、原のブリリアントなトランペット・ソロが核となって、5人のメンバーが有機的に絡み合っていくところなどは、レギュラー・ユニットならではの展開だろう。ちよっと凝ったメロディを持つテーマと、スウィンギーなソロとの対比も面白い。新加入の井上祐一のピアノもイマジネーション豊かなプレイで、バンド全体を鼓舞している。手垢がいっぱい付いていそうなオーソドックスな4ビート・ジャズを、なんとか新鮮なものにしようとしている彼らの姿勢は、おおいに評価したい。ヘタなベテランよりも、はるかに“いい”ジャズだと思う。 (熊谷美広) --- 1997年06月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)