3世紀頃に編まれたと思われる『ギリシア哲学者列伝』文庫第2巻。今回は、かのアリストテレスに始まり、
リュコン、ディオゲネス、ゼノン、ディオニュシオスら22名の哲学者について語られる。
それぞれの哲学者の生い立ち、諸々の事物に関するさまざまな学説、人々との問答、著作リスト、遺言、書簡などが述べられる。
「立派に生きるつもりがないなら、なぜ生きているのか」という厳しい問いから、下手な射手を見て「ここなら当たらない」と
的の傍に座った、というような面白いエピソード・発言まであり、時に考えさせられ時に笑わせてくれる。
本巻では、ストア学派の創始者であるキプロスのゼノン(「アキレスと亀」ではないほうのゼノンである)に、
全体の3分の1のページが割かれている。更に、ゼノンの生涯については簡潔に済ませ、後は全てストア学派の解説にあてられている。
哲人たちのエピソードに比してやや退屈或いは難解に感じられる箇所もあるかもしれないが、
学問や感覚の分類、文法に関する議論、さまざまな種類の命題とその真偽、詭弁、徳や善悪に関する定義と分類、
月蝕や四季の移り変わりなどの天文・気象論に至るまで、幅広い事柄が論じられていて興味深い。
多くの点に納得させられると同時に健康は別に善でない、など意外な主張もあり、おもしろく読めた。
既に、地球は丸いと言われている点や、蝕が科学的に説明されている点も注目に値する。
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