本書を通して感じるのは、筆者のやさしい目線である。
ギャンブル依存への対処はさまざまだ。依存を病気としてとらえ、「治療」という選択肢もあれば、借金問題としてとらえ「債務整理」という選択肢もある。もちろん、これを合わせてというケースも少なくないはずだ。
しかし、いずれにせよ、現在困っている状態(ギャンブルをやめられない、借金が膨大になった)だけに固執し、それだけをどうにかしたところで、本当の問題解決にはならない。
依存はさまざまな要因が積み重なった末に出てきたものであり、「からまりあった根っこの部分をやさしくほぐしていかなければならない」という視点に立ち、本人の気持ちに寄り添いうことが大事だと、筆者は繰り返し述べている。
「当事者=加害者、家族=被害者」「ギャンブル依存=人間失格」というレッテルを剥がし、たとえギャンブル依存があったとしても、当事者・家族には幸せに生きる道があるという希望を持たせてくれる。
筆者自身、「突き放し」などの、典型的な対処法を実践していた歴史を持っているからこそ、「寄り添いの大切さ」に説得力がある。
そして、タイトルにあるように、「ギャンブル依存」があったとしても、希望を持って「生きる」道を本書は示してくれる。
ギャンブル依存からの脱却は茨の道ではあるが、こんな風にあたたかな手を差し伸べてくれる専門家がいることに希望を感じると同時に、専門家として日々、悩み、考え、時に傷つき、祈るような気持ちで相談者とともに歩んでいるのが伝わってきて、胸が熱くなる。
ギャンブル依存に苦しむ当事者そして支援者に是非読んで欲しいとともに、誰もがギャンブル依存に陥る可能性がある昨今、幅広い読者に訴える一冊である。
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