サブタイトルに「女子高生雑誌Cawaii !の誕生と終焉」とあるとおり、「Cawaii !」の立ち上げからの試行錯誤、リニューアル、衰退期のあがき、そしてフィニッシュまでの過程がかなり具体的に描かれている。実際に編集者として関わっていた著者が歴代編集長から話を聞き出した内容とあって、女子高生ブーム、ギャル・ブームと雑誌媒体とのかかわりが明快であった。また、携帯の普及と雑誌の衰退との関係も示唆的に述べられている。
とりわけおもしろかったのは競合誌や姉妹誌との関係だった。おなじ版元から出ていたギャルズライフや直接競合していたegg、そして終盤に激突したポップティーン、ageha、さらにはティーン誌の定番セブンティーンなどとの相対的な位置づけや、S Cawaii やハナチューなど同一版元内で上下に展開した雑誌の影響などは、ああ、やはりそういうことだったのか、と納得できた点が多かった。
ひとつ意外だったのはポップティーンとの関係で、じつは本書の中盤ぐらいまではまるで出てこなかった。ギャル誌といえばポップティーン、egg、Cawaii ! の併読率が高く、それに東京ストリートニュースを加えた4誌が代表格のはずなのだが、途中まではまるで無視されていたかのような扱いだった。ようやく言及が増えたのは21世紀に入ってからなのだが、90年代後半のポップティーンは逆に言えば競合誌としてそれほど脅威でなかったということなのだろうか。
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