オーストラリア空軍で最高位の撃墜王でありながら、実態が語られる事の少なかった人物、クライブ・コールドウェル。
破天荒な人物でありながらも、自伝を残していなかったがために、その活躍と戦歴は断片的なものでありました。
ましてや和書でコールドウェルに触れているものは片手で数えられる程度しかなく、それも数十年前のもので、目にする機会はほとんでありませんでした。
“Clive Caldwell,Air Ace”がオーストラリア人の女性著書で出版されたのを知った時には驚きとともに嬉しく購入してしましいましたが、更には日本人女性による邦訳版が発売された時には心底驚いてしまいました。
著作者であるクリスティン・アレキサンダー氏はご主人と共に軍事関連の書籍を扱う古書店を営んでおり、そもそも特殊な人物であるといえます。
コールドウェルの戦歴とは反比例して、まとまった記述が少ないのに疑問を感じて、執念ともいえる調査の末に本書を記しました。
コールドウェルという人物は外見だけではなく、なみ外れた能力を持ち併せた完璧超人といえる人物でした。
身長189センチ、頭脳明晰、スポーツ万能、ハンサムでありながらも、その性格は何処か変わったものを持っていました。
銀行の退職時に拳銃を射ってみたり、パイロットになるために年齢詐称、パイロットになってからもアルコール取引をしたり並外れた人物でもありました。
戦闘機に乗っても射撃能力、発想など突出しており、エースになると同時に新たな訓練方法なども編み出しました。
シャドーシューティングという射撃訓練方法、P-40を戦闘爆撃機として使えるか爆弾を搭載しての実験などを進んで行なっています。
更にはP-40を火力、機動力、耐久性などで優れた戦闘機とし、Bf-109相手にも対抗できるのを実証しています(ドイツのエース機を撃墜)。
オーストラリア本土に帰還してからも戦いは続き、スピットファイアで202空の零戦、陸軍の一式戦と戦う事になりますが、北アフリカで戦った時の格闘戦を行なってしまい、大損害を出してしまいました。
その後にアルコール取引の件で軍法会議にかけられ・・・
簡単に記してもこれだけ人物と著作であるのがわかります。
著者はこの本を書くために各種書籍はもちろんのこと、元部下、同僚からの日記、写真、証言、軍の公式記録など多岐に渡っています。
これ程の内容の著書が邦訳化されるのは、全く予想していませんでした。
唯一残念なところは、邦訳者であるマクマーン智子氏はあまり軍事関連の著作を読んだ事がないのか、「飛行隊」を「中隊」、「戦闘航空群」を「戦闘大隊」、「戦隊」を「航空戦隊」と記しています。
もっとも、これだけの内容、未公開の写真(しかも原版よりも写真の印刷がいい)を含んでこの値段は大変お買い得といえます。
また新たなる空戦史が日本語で読めるようになりました、嬉しい事です。
秋葉原の書泉にて購入済み。
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キラーと呼ばれた男 ~オーストラリア人エースパイロットの栄光と挫折~(発行:有限会社津雲) 単行本(ソフトカバー) – 2011/9/15
| クリステン アレキサンダー (著) 著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます この著者の 検索結果 を表示 |
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当初は個人主義者と見られていたクライブ・コルドウェルは、のちに優れた戦闘機パイロットとなり、部下たちから敬愛される献身的なリーダーとなった。しかしオーストラリア空軍内 の制約には馴染まず、その功績にもかかわらずアルコール取引と、いわゆる「モロタイ島の反乱」のために公の取り調べを受けることになる……。それでもコルドウェルはオーストラリ ア国民からの高い支持と尊敬を受け続けた。
伝説のパイロット、クライブ・コルドウェル。本書では彼の新人戦闘機パイロットから航空団飛行隊長へと出世する経過を詳細に記すとともに、彼が闘った空中戦を細部にわたって再現 。任務に邁進する一人の男の人生を生き生きと蘇らせた。公式記録や個人所蔵の資料のみならず、コルドウェルの個人的な資料をも丹念に調べ上げた大作で、資料としても大変貴重なも のとなっている。
「その勇気、熱意、技能、そしてリーダーとしての疑いようのない並外れた能力は航空団全員への刺激となっており、最高の栄誉を受けるに値する」――殊勲章感状より。
クライブ・コルドウェル:27.5機の公式撃墜記録を達成し、第二次世界大戦においてオーストラリア人戦闘機パイロットとして最高のスコアを記録。さらに彼は中東と大西洋の二つの戦 域においてエースの地位を得た――これはオーストラリア人パイロットとしては唯一の存在となっている。
伝説のパイロット、クライブ・コルドウェル。本書では彼の新人戦闘機パイロットから航空団飛行隊長へと出世する経過を詳細に記すとともに、彼が闘った空中戦を細部にわたって再現 。任務に邁進する一人の男の人生を生き生きと蘇らせた。公式記録や個人所蔵の資料のみならず、コルドウェルの個人的な資料をも丹念に調べ上げた大作で、資料としても大変貴重なも のとなっている。
「その勇気、熱意、技能、そしてリーダーとしての疑いようのない並外れた能力は航空団全員への刺激となっており、最高の栄誉を受けるに値する」――殊勲章感状より。
クライブ・コルドウェル:27.5機の公式撃墜記録を達成し、第二次世界大戦においてオーストラリア人戦闘機パイロットとして最高のスコアを記録。さらに彼は中東と大西洋の二つの戦 域においてエースの地位を得た――これはオーストラリア人パイロットとしては唯一の存在となっている。
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社出版共同販売
- 発売日2011/9/15
- 寸法2 x 15 x 21 cm
- ISBN-109784861800573
- ISBN-13978-4861800573
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
クライブ・コルドウェルは27.5機の公式撃墜記録を達成し、第二次世界大戦においてオーストラリア人戦闘機パイロットとして最高のスコアを記録した。さらにコルドウェルは中東と大西洋の二つの戦域においてエースの地位を得た―これはオーストラリア人パイロットとしては唯一の例となっている。本書は、コルドウェルの軍功を称えるものである。著者は、コルドウェルが新人戦闘機パイロットから航空団飛行隊長へと出世する経過を詳細に記すとともに、彼が闘った空中戦を細部にわたって再現している。さらに、バリー調査委員会と軍法会議に関しても前例のない考察が加えられている。
著者について
著者:クリステン・アレキサンダー(Kristen Alexander)
オーストラリア、キャンベラ在住。オーストラリアの軍事史を専門に扱う古書店を夫とともに経営。オーストラリア軍事歴史協会委員会書記。
訳者:マクマーン智子(McMahon Tomoko)
大阪大学文学部史学科卒。書籍・雑誌の編集者を経て、英国の公立図書館、パブリックスクールの司書として勤務。広報・広告関係及び書籍の翻訳を手掛ける。訳書はデニス・オコナー 『田舎暮らしの猫――トビー・ジャグと過ごした英国の四季』ほか。
オーストラリア、キャンベラ在住。オーストラリアの軍事史を専門に扱う古書店を夫とともに経営。オーストラリア軍事歴史協会委員会書記。
訳者:マクマーン智子(McMahon Tomoko)
大阪大学文学部史学科卒。書籍・雑誌の編集者を経て、英国の公立図書館、パブリックスクールの司書として勤務。広報・広告関係及び書籍の翻訳を手掛ける。訳書はデニス・オコナー 『田舎暮らしの猫――トビー・ジャグと過ごした英国の四季』ほか。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
アレキサンダー,クリステン
オーストラリア、キャンベラ在住。オーストラリアの軍事史を専門に扱う古書店を夫とともに経営。オーストラリア軍事歴史協会委員会書記
マクマーン/智子
大阪大学文学部史学科卒。書籍・雑誌の編集者を経て、英国の公立図書館、パブリックスクールの司書として勤務。広報・広告関係及び書籍の翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
オーストラリア、キャンベラ在住。オーストラリアの軍事史を専門に扱う古書店を夫とともに経営。オーストラリア軍事歴史協会委員会書記
マクマーン/智子
大阪大学文学部史学科卒。書籍・雑誌の編集者を経て、英国の公立図書館、パブリックスクールの司書として勤務。広報・広告関係及び書籍の翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- ASIN : 4861800579
- 出版社 : 出版共同販売 (2011/9/15)
- 発売日 : 2011/9/15
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 392ページ
- ISBN-10 : 9784861800573
- ISBN-13 : 978-4861800573
- 寸法 : 2 x 15 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 888,501位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 2,972位日中・太平洋戦争
- - 21,358位日本史一般の本
- - 90,318位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年5月2日に日本でレビュー済み
スピットファイアで零戦と戦った部隊の指揮官でもありながら、これまでほとんど語られることのなかったクライブ・コールドウェル。その素顔を知る一冊となっている。
第二次世界大戦は連合国側の勝利で終わったが、その連合国側にしても当初はパイロットの練度の低さ、戦法のまずさ、支援体制の貧弱さが目立った。
オーストラリア空軍からイギリス空軍を経てアフリカ戦線に参加したコールドウェルは、自ら改良し、上層部に訴えかけ、改善していく。その源はスポーツマンとして、ビジネスマンとして成功し培ってきたものもあるだろう。
それにしても30歳近くでの入隊とはいえ、4年間で少尉から大佐まで昇進するのは凄いことであり旧日本陸海軍ではあり得なかった事だ。こういう部分にも旧日本軍と連合国軍との差を感じずにはいられなかった。
国家に多大な貢献をしていながら、アルコールの不正輸出で軍法会議にかけられ降格させられるとは、まさに不遇としか言いようがない。
第二次世界大戦は連合国側の勝利で終わったが、その連合国側にしても当初はパイロットの練度の低さ、戦法のまずさ、支援体制の貧弱さが目立った。
オーストラリア空軍からイギリス空軍を経てアフリカ戦線に参加したコールドウェルは、自ら改良し、上層部に訴えかけ、改善していく。その源はスポーツマンとして、ビジネスマンとして成功し培ってきたものもあるだろう。
それにしても30歳近くでの入隊とはいえ、4年間で少尉から大佐まで昇進するのは凄いことであり旧日本陸海軍ではあり得なかった事だ。こういう部分にも旧日本軍と連合国軍との差を感じずにはいられなかった。
国家に多大な貢献をしていながら、アルコールの不正輸出で軍法会議にかけられ降格させられるとは、まさに不遇としか言いようがない。
2011年10月23日に日本でレビュー済み
第二次大戦のオーストラリア人撃墜王クライブ・コルドウェルの戦闘記録、伝記である。私にとっては、何より主人公のキャラクターが際だっていることがおもしろかった。
何事にも自信に溢れたアスリートてあり、痩身でハンサム。保険セールスマンとして成功しながらも第二次大戦という「大勝負」に戦闘機乗りとして参加したいという一念から、英連邦航空訓練計画の訓練生に書類を改ざん、年齢を若く詐称して応募するという強引な冒険好きである。同時に北アフリカへ出征前に結婚し、各任地において妻へのプレゼントを買い集めるという愛妻家の側面もみせている。さらに自己主張の強い性格から、戦果を吹聴したり、皮肉の効いた報告書を書いて上官の不興を買うことなどもあって、ついに些細なことから軍法会議にかけられる事にもなる。リーダーとしても有能で、大佐まで出世したものの、なによりも空中戦で戦果をあげることが本人の目標であり、生え抜きの軍人ではなかったため、思い通りにならない軍隊という組織には馴染めなかったようだ。退役後は経営者として成功するが、偶然の機会から撃墜したドイツ軍パイロットの兄弟と手紙を交わすことになり、かつての対戦者の具体的情報はその後の人生に影を落とすことにもなった。
十分な戦技訓練もなく前線に投入されるという実態も含めて、現代の戦争と比較すると、大戦の記録とはいえどこか軍記物語のような側面も感じられて、時代の流れを覚える。また、おおむね劣勢であった豪州本土防衛におけるスピットファイアーを使っての日本軍との交戦の内情なども解って興味深かった。
不満足な点といえば、巻頭に北アフリカと豪州―ニューギニア近辺の地図が添付されているものの、どういうわけか地名は英文であり、しかもどこかの地図をコピーにかけたまま、修正なし。中央部が歪んだりしているのは不細工。左開きで横書きなのには面食らったが、読み出して内容に気持ちが乗ると気にならなくはなったけど。
何事にも自信に溢れたアスリートてあり、痩身でハンサム。保険セールスマンとして成功しながらも第二次大戦という「大勝負」に戦闘機乗りとして参加したいという一念から、英連邦航空訓練計画の訓練生に書類を改ざん、年齢を若く詐称して応募するという強引な冒険好きである。同時に北アフリカへ出征前に結婚し、各任地において妻へのプレゼントを買い集めるという愛妻家の側面もみせている。さらに自己主張の強い性格から、戦果を吹聴したり、皮肉の効いた報告書を書いて上官の不興を買うことなどもあって、ついに些細なことから軍法会議にかけられる事にもなる。リーダーとしても有能で、大佐まで出世したものの、なによりも空中戦で戦果をあげることが本人の目標であり、生え抜きの軍人ではなかったため、思い通りにならない軍隊という組織には馴染めなかったようだ。退役後は経営者として成功するが、偶然の機会から撃墜したドイツ軍パイロットの兄弟と手紙を交わすことになり、かつての対戦者の具体的情報はその後の人生に影を落とすことにもなった。
十分な戦技訓練もなく前線に投入されるという実態も含めて、現代の戦争と比較すると、大戦の記録とはいえどこか軍記物語のような側面も感じられて、時代の流れを覚える。また、おおむね劣勢であった豪州本土防衛におけるスピットファイアーを使っての日本軍との交戦の内情なども解って興味深かった。
不満足な点といえば、巻頭に北アフリカと豪州―ニューギニア近辺の地図が添付されているものの、どういうわけか地名は英文であり、しかもどこかの地図をコピーにかけたまま、修正なし。中央部が歪んだりしているのは不細工。左開きで横書きなのには面食らったが、読み出して内容に気持ちが乗ると気にならなくはなったけど。