本書は執筆が2005年とやや古いものの、キャピタルが今も尊敬される資産運用会社であることは変わっていません。投資哲学のみならず、複数ファンドマネージャー制度や自社株の分配制度など、キャピタルの運用会社としてのユニークさの源泉を知るのにとても役立つ良書だと思います。
個人的に印象的だったのは、資産運用は個人主義が幅を利かせることが多い俗人的なビジネスであるにも関わらず、キャピタルにおいてはチームワークが重要視されるという点です。「スター・プレーヤーはいらない!」という刺激的なタイトルの章が設けられていることからもわかる通り、キャピタルではどれほど才能を持っていても個人によるスタンドプレーは許されず、複数人によって徹底的に議論された上に意思決定が成されるとのこと。ヘッジファンドで活躍するようなファンドマネージャーにとっては窮屈でしょうが、組織として継続的に結果を出し続けるには、非常に合理的な設計だと思います。何故なら、少数の個人に依存するビジネスモデルは持続的でないからです。その人が事故に遭ったら?その人が転職したら?結局、継続的な組織設計とは、いかに普通の人々(あるいは継続的に調達可能な程度に優秀な人々)で、コストを超えるパフォーマンスを出すか、だと思います。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
キャピタル 驚異の資産運用会社 単行本 – 2005/2/19
チャールズ・エリス
(著)
長期投資で驚異の快進撃を続ける運用会社、キャピタルの知られざる実像を描いた話題作。卓抜な投資戦略、複数ファンドマネジャー制、長期評価を軸とする人事・報酬体系など、その成功を支える経営の秘密に迫る。
- 本の長さ284ページ
- 言語日本語
- 出版社日本経済新聞出版
- 発売日2005/2/19
- ISBN-104532351367
- ISBN-13978-4532351366
この商品を見た後に買っているのは?
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
メディア掲載レビューほか
キャピタル
世界最大級の資産運用会社、米キャピタル。長期の運用で過去50年以上、業界全体の上位4分の1以下に落ちたことがないという快進撃を続ける。非上場企業で、マスコミを避け、宣伝も嫌っている同社の実像はほとんど知られていない。本書はキャピタルの歴史を振り返り、成功の要因を探る。
世界最大級の資産運用会社、米キャピタル。長期の運用で過去50年以上、業界全体の上位4分の1以下に落ちたことがないという快進撃を続ける。非上場企業で、マスコミを避け、宣伝も嫌っている同社の実像はほとんど知られていない。本書はキャピタルの歴史を振り返り、成功の要因を探る。
著者は、創立者ジョナサン・ラブラスをはじめとする経営陣の思想が、キャピタルの骨格を形成したと指摘する。彼は長期的な思考の重視、徹底したリサーチに基づく忍耐強い運用、顧客サービスの重視といった基本的な価値基準を作った。市場環境や流行に左右されない運用・投資の方針は、こうした企業文化の下で定着した。
また、知識産業では、「スター」がもてはやされがちだが、キャピタルは個人のエゴよりもチームプレーを優先する文化を確立している。特徴的なのが複数マネジャーシステム。複数のファンドマネジャーがポートフォリオの一部ずつに銘柄選択責任を持つこの制度を取り入れたことで、資産額の拡大にも柔軟に対応でき、人材の引き抜きに悩まされることなく、高い運用実績を上げることに成功した。
個人主義が浸透した一般的な米企業とは趣の異なる優良企業の内幕を知ることができ興味深い。
(日経ビジネス 2005/03/21 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「BOOK」データベースより)
マスコミを避け、宣伝を嫌い、ひたすら長期運用に賭けるプロ集団。その波乱に満ちた人間ドラマを鮮烈に描いた話題作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
エリス,チャールズ
1937年生まれ。エール大学卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀のMBA、ニューヨーク大学でPhD取得。ロックフェラー基金、ドナルドソン・ラフキン・ジェンレットを経て、1972年グリニッジ・アソシェーツを設立。以後、30年にわたり代表パートナーとして、投資顧問会社や投資銀行などの経営・マーケティング戦略に関する調査、コンサルティングに腕を振るう。2001年6月代表パートナーを退任。現在同社取締役、エール大学基金投資委員会委員長、バンガード取締役。この間、全米公認証券アナリスト協会会長などを歴任
鹿毛/雄二
しんきんアセットマネジメント投信社長。1964年東京大学経済学部卒業。同年日本長期信用銀行入行。長銀インターナショナル(ロンドン)副社長、日本長期信用銀行証券運用企画部長などを経て、1993年長銀投資顧問社長。1998年LTCB・UBSブリンソン投資顧問会長。2000年UBSアセットマネジメント会長兼社長。2001年UBSグローバル・アセット・マネジメント会長。2003年6月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1937年生まれ。エール大学卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀のMBA、ニューヨーク大学でPhD取得。ロックフェラー基金、ドナルドソン・ラフキン・ジェンレットを経て、1972年グリニッジ・アソシェーツを設立。以後、30年にわたり代表パートナーとして、投資顧問会社や投資銀行などの経営・マーケティング戦略に関する調査、コンサルティングに腕を振るう。2001年6月代表パートナーを退任。現在同社取締役、エール大学基金投資委員会委員長、バンガード取締役。この間、全米公認証券アナリスト協会会長などを歴任
鹿毛/雄二
しんきんアセットマネジメント投信社長。1964年東京大学経済学部卒業。同年日本長期信用銀行入行。長銀インターナショナル(ロンドン)副社長、日本長期信用銀行証券運用企画部長などを経て、1993年長銀投資顧問社長。1998年LTCB・UBSブリンソン投資顧問会長。2000年UBSアセットマネジメント会長兼社長。2001年UBSグローバル・アセット・マネジメント会長。2003年6月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1分以内にKindleで キャピタル 驚異の資産運用会社 (日本経済新聞出版) をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
登録情報
- 出版社 : 日本経済新聞出版 (2005/2/19)
- 発売日 : 2005/2/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 284ページ
- ISBN-10 : 4532351367
- ISBN-13 : 978-4532351366
- Amazon 売れ筋ランキング: - 271,943位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 209位企業動向
- - 726位金融・ファイナンス (本)
- - 10,697位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.8
星5つ中の3.8
32 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年12月2日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
ベスト500レビュアーVINEメンバー
キャピタルという資産運用会社がいかに始まりいかに成長していったのかを描いた本。
登場人物がカタカナであったり、愛称であったりでわかりずらい。年代もテーマごとにグチャグチャなので自分の頭の中で組み合わせていくしかない。
「こんな会社にお金を預けたい!」という刺激的な帯がついていたが、どちらかというと「こんな会社で働きたい!作りたい!」という内容。従業員の離職率が同業他社に較べてなぜ格段に低いのか、などの組織運営という意味では大変勉強になる本。
物語としては表面的な印象を拭い切れず面白みに欠ける。
装丁が私好みで妙に期待が大きすぎたのかもしれません。
色んな意味で確かに「驚異の資産運用会社」ですが、何を期待しているのかによります。顧客としては驚異でもなんでもないでしょう。従業員や経営者の立場で読めば驚異に感じるところは多々出てきます。
登場人物がカタカナであったり、愛称であったりでわかりずらい。年代もテーマごとにグチャグチャなので自分の頭の中で組み合わせていくしかない。
「こんな会社にお金を預けたい!」という刺激的な帯がついていたが、どちらかというと「こんな会社で働きたい!作りたい!」という内容。従業員の離職率が同業他社に較べてなぜ格段に低いのか、などの組織運営という意味では大変勉強になる本。
物語としては表面的な印象を拭い切れず面白みに欠ける。
装丁が私好みで妙に期待が大きすぎたのかもしれません。
色んな意味で確かに「驚異の資産運用会社」ですが、何を期待しているのかによります。顧客としては驚異でもなんでもないでしょう。従業員や経営者の立場で読めば驚異に感じるところは多々出てきます。
VINEメンバー
『敗者のゲーム』のエリスの本なので、資産運用のノンフィクションだろうなと思って読みました。キャピタルが会社の名前であることは、読むまで知りませんでした。MSCIインデックスのCのCapital社なのですね。内容は、キャピタル社の資産運用の秘訣も描かれていますが、むしろ会社経営の話でした。小さな会社から大きな会社へと成長するときに生じる問題点を、どのように解決していったかを、いろいろなエピソードと登場人物の役割と性格を通して描かれています。人に投資して、働きやすい職場、質素なオフィス環境、資産運用と同様、人にも長期的な視点で接して育てていくことが難しくて大事であることが良く分かります。
2005年12月4日に日本でレビュー済み
本書を読む際は、以下の点を理解したうえで読んでいただきたい。
まず、本書の難点として、
1.登場人物が多い上、横文字だから誰が誰だかわからなくなる。
2.ノンフィクション小説として読むには内容が単調すぎる。
3.金融の基本的知識が必要
が挙げられる。
また、本書で「運用の秘訣」を学べるわけではない。むしろ経営や組織についての示唆に富んでいる。
本書を読む際には、以上のことをわかったうえでないと、期待を裏切ることになると思われる(私も裏切られたひとりです…)。
まず、本書の難点として、
1.登場人物が多い上、横文字だから誰が誰だかわからなくなる。
2.ノンフィクション小説として読むには内容が単調すぎる。
3.金融の基本的知識が必要
が挙げられる。
また、本書で「運用の秘訣」を学べるわけではない。むしろ経営や組織についての示唆に富んでいる。
本書を読む際には、以上のことをわかったうえでないと、期待を裏切ることになると思われる(私も裏切られたひとりです…)。
2005年3月18日に日本でレビュー済み
本書では、普段「縁遠い」と思われがちな米系資産運用会社
の様々な姿を描いている。
最近は原油・穀物・金など上昇基調にあり、また他方、国内不動産
市況も活況と呈してきた中、中古物件の買い価格が逆に上昇して
運用懸念が中期的に潜在するといった激しい動きと変化にある。
しかし、相場は人間が恣意的につくるものだと自身は思っているので
それにかかわる人間の姿が本書では垣間見れるだろう。
の様々な姿を描いている。
最近は原油・穀物・金など上昇基調にあり、また他方、国内不動産
市況も活況と呈してきた中、中古物件の買い価格が逆に上昇して
運用懸念が中期的に潜在するといった激しい動きと変化にある。
しかし、相場は人間が恣意的につくるものだと自身は思っているので
それにかかわる人間の姿が本書では垣間見れるだろう。
VINEメンバー
Amazonで購入
キャピタルという資産運用会社の成長秘話が書かれてあります。
専門用語などはあまりないものの、金融用語をある程度知ってないと理解に苦しむかもしれません。
でも、基本は物語なので楽しめます。
登場人物が多いのが難点かな。
私は、途中で、誰が誰やらわからなくなりました。
ただ、わからなくなっても、成長企業の理由は学べます。
人材を育てて、のびのび仕事ができる環境をいかに作るかが大切だと読み取りました。
この本を読んで、資産運用方法を学ぼうと思ったら、期待はずれに終わるかもしれません。
資産運用方法として私が参考にできたのは、最後の15章ぐらいでしょうか。
成長企業の秘話を読んで自分の会社に活用するのが、この本から実践できることだと思います。
専門用語などはあまりないものの、金融用語をある程度知ってないと理解に苦しむかもしれません。
でも、基本は物語なので楽しめます。
登場人物が多いのが難点かな。
私は、途中で、誰が誰やらわからなくなりました。
ただ、わからなくなっても、成長企業の理由は学べます。
人材を育てて、のびのび仕事ができる環境をいかに作るかが大切だと読み取りました。
この本を読んで、資産運用方法を学ぼうと思ったら、期待はずれに終わるかもしれません。
資産運用方法として私が参考にできたのは、最後の15章ぐらいでしょうか。
成長企業の秘話を読んで自分の会社に活用するのが、この本から実践できることだと思います。