本書の筆者と同様、自身も北京に駐在しながらこの国の変化のスピードを目の当たりにしてきた一人として、感想を記したい。
駐在員仲間の間で評判になっていると聞き本書を手に取ってみたが、単なる事象の羅列ではなく、中国で起きている数々の変化を、時に自身の体験を交えながら、また時には詳細に調べ上げたデータを駆使しながらわかりやすく解説してくれており、上海へ出張する往復の機内で一気に読了した。
私自身中国で暮らす日系企業の駐在員として、日本本社や中国を知らない友人達に、いかにして生の中国を伝えるかに腐心してきたが、本書が代弁してくれている内容は非常に多い。中国ビジネスに関わる読者が多かろうが、是非、中国に行ったことがない、中国を知らない方にこそ読んでいただきたい。本書は決して単純な中国礼賛本ではない。もちろん日本を卑下した自虐本でもない。自らが北京に居を構え、キャッシュレス社会を切り口に、実に見事に現在の中国事情の一面を伝えてくれている。中国に対する感情は人それぞれであり、無理に好きになる必要はないが、この国がすでに相当な力をつけ、日々イノベーションを起こし続けていることは紛れも無い事実である。本書を通じてそれを知る日本人が増え、自身の、自国の将来について思いを巡らせるきっかけになれば、筆者も本望なのではないか。
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