なかなか具体的なことが書いていないので交渉術を学ぶビジネス書としては実践的とは言えませんが、どのような心持ちで交渉に臨むべきかという原則については学ぶことができます。
ただ、この本の出色なところは、交渉術の教科書という点にあるのではなく、国際政治の裏側をキッシンジャーという重要なプレーヤーを通じて描いた点にあるのではないかと思います。
私自身、大学では国際政治を専攻していたので、なるほど、と唸ることが何度もありました。
著者の記述は、キッシンジャーの交渉術の卓越性から教訓を得る本ということもあり、基本的にはキッシンジャーを称賛するものですが、批判的な見解の紹介も交えるなど、中立性を保とうとした跡も見えます。
訳はこなれていて読みやすいです。
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キッシンジャー超交渉術 単行本 – 2019/1/11
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キッシンジャーの「戦略的交渉術」を徹底分析した初の本
「世界最高のネゴシエーターは誰か?」
この質問を1375大学の国際関係学に携わる1615人の学者にしたところ、最も多くの支持を集めたのがヘンリー・キッシンジャーでした。
辛口の作家のウォルター・アイザックソンでさえ、キッシンジャーを「20世紀で最も重要なアメリカの交渉者」と評価しています。
ネゴシエーターとしてのキッシンジャーの輝かしい実績は、誰も否定できません。東西冷戦下、世界が憎悪に満ちあふれ、一触即発だった時代、
キッシンジャーは中国、中東、ソビエトと、一見不可能に思えるような交渉をいくつもまとめてきました。
90歳代の今でも、キッシンジャーは外交の重鎮として活躍し、バラク・オバマからドナルド・トランプ、ウラジーミル・プーチン、アンゲラ・メルケル、習近平まで、
多岐にわたる世界の指導者から意見を求められています。
キッシンジャーがどんな活動をしてきたかは自身の伝記や他の研究者・作家が、これまで数々の作品を世に送り出しています。
ところが驚くべきことに、キッシンジャーの交渉術に関しては、これまで詳しく分析されてきませんでした。
著者3人は、ハーバード・ビジネススクール、ハーバード・ケネディスクール、ハーバード・ロースクールの教授で、交渉の専門家・研究者。
ハーバードを代表する三つの大学院の英知を結集して、キッシンジャーの交渉を徹底分析し、エッセンスを抽出したのが本書です。
キッシンジャーは本書に自ら序文を寄せただけでなく、長時間にわたるインタビュー取材に全面的に協力しました。
外交政策や政治に関心のある読者だけでなく、交渉に関わっているあらゆる職種に役立つ内容になっています。
パワフルで視野が広く、目的からぶれず、粘り強く、硬軟使い分け、一見関係のなさそうな状況に活路を見いだしてゲームの流れを変えたり、
時に隠密行動や嘘を器用に使いこなすキッシンジャーの交渉アプローチは、政治やビジネス、日常生活でタフな交渉をしなければならない人々に、大変参考になります。
「世界最高のネゴシエーターは誰か?」
この質問を1375大学の国際関係学に携わる1615人の学者にしたところ、最も多くの支持を集めたのがヘンリー・キッシンジャーでした。
辛口の作家のウォルター・アイザックソンでさえ、キッシンジャーを「20世紀で最も重要なアメリカの交渉者」と評価しています。
ネゴシエーターとしてのキッシンジャーの輝かしい実績は、誰も否定できません。東西冷戦下、世界が憎悪に満ちあふれ、一触即発だった時代、
キッシンジャーは中国、中東、ソビエトと、一見不可能に思えるような交渉をいくつもまとめてきました。
90歳代の今でも、キッシンジャーは外交の重鎮として活躍し、バラク・オバマからドナルド・トランプ、ウラジーミル・プーチン、アンゲラ・メルケル、習近平まで、
多岐にわたる世界の指導者から意見を求められています。
キッシンジャーがどんな活動をしてきたかは自身の伝記や他の研究者・作家が、これまで数々の作品を世に送り出しています。
ところが驚くべきことに、キッシンジャーの交渉術に関しては、これまで詳しく分析されてきませんでした。
著者3人は、ハーバード・ビジネススクール、ハーバード・ケネディスクール、ハーバード・ロースクールの教授で、交渉の専門家・研究者。
ハーバードを代表する三つの大学院の英知を結集して、キッシンジャーの交渉を徹底分析し、エッセンスを抽出したのが本書です。
キッシンジャーは本書に自ら序文を寄せただけでなく、長時間にわたるインタビュー取材に全面的に協力しました。
外交政策や政治に関心のある読者だけでなく、交渉に関わっているあらゆる職種に役立つ内容になっています。
パワフルで視野が広く、目的からぶれず、粘り強く、硬軟使い分け、一見関係のなさそうな状況に活路を見いだしてゲームの流れを変えたり、
時に隠密行動や嘘を器用に使いこなすキッシンジャーの交渉アプローチは、政治やビジネス、日常生活でタフな交渉をしなければならない人々に、大変参考になります。
- 本の長さ408ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2019/1/11
- ISBN-104822255832
- ISBN-13978-4822255831
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ビジネス交渉、外交、裁判に活用できる「史上最高の交渉者」の奥義に学ぶ。
著者について
ジェームズ・K・セベニウス
ハーバード・ビジネススクール教授(ゴードン・ドナルドソン・プロフェッサー)。同校のMBA(経営学修士)コースに交渉学をいち早く導入し、学生や上級管理者に高度な交渉について教えている。
また、ハーバード・ロースクールのハーバード交渉学プロジェクトのディレクターと、実践にフォーカスした教育機関であるハーバード大学交渉術研究所の副所長も務めている。
ハーバード・ケネディスクールの教授時代、ハーバード大学・マサチューセッツ工科大学・タフツ大学の連携による「偉大な交渉者賞」の座長を務めた。交渉戦略を専門とするラックス・セベニウスLLCを共同創業し、
世界各国の政府やトップ企業を顧客に、困難な交渉について助言している。さらに、ブラックストーン・グループや米国商務省にも助言する。
ヴァンダービルト大学を卒業後、スタンフォード大学エンジニアリングスクールで修士号、ハーバード大学でビジネス経済学の博士号を取得。著書に Negotiating the Law of the Sea、
共著に『最新ハーバード流 3D交渉術』(CCCメディアハウス)、The Manager as Negotiator(どちらもデービッド・ラックスとの共著)がある。
『最新ハーバード流 3D交渉術』と The Manager as Negotiator は交渉学の教科書として国内外で広く用いられている。
R・ニコラス・バーンズ
ハーバード・ケネディスクール教授(ロイ・アンド・バーバラ・グッドマン・ファミリー・プロフェッサー)。外交術と国際関係を専門とする。
外交の未来プロジェクトのディレクターであり、中東・インド・南アジアプログラムの責任者を務める。政府への貢献により国務長官功労賞を受賞した。アスペン・ストラテジー・グループの取締役、
コーエン・グループの上級相談役、インテグリス社の取締役会のメンバーでもある。
ジョン・ケリー元国務長官の外交政策委員会のメンバーであり、外交評議会やスペシャル・オリンピックス・インターナショナルなど数多くの非営利団体のために働いた。アメリカ芸術科学アカデミー、
セント・ジョン勲章、レッド・ソックス・ネーションのメンバーでもある。ボストン大学の学士号とジョンズ・ホプキンズ大学スクール・オブ・アドバンスト・インターナショナル・スタディーズの修士号のほか、
12の名誉学位を授与された。
ロバート・H・ムヌーキン
ハーバード・ロースクール教授および、ハーバード大学交渉学研究所の所長であり、ハーバード交渉学研究プロジェクトのディレクター。紛争解決の分野における指導的学者で、自らの学際的な手法を、
商業上の紛争や政治紛争における交渉と解決に幅広く活かしてきた。これまでに10冊の本を執筆または編集した。最近の著書 Bargaining with the Devil:When to Negotiate, When to Fight では、きわめて重要な意思決定について掘り下げている。
著書 Beyond Winning:Negotiating to Create Value in Deals and Disputes は、弁護士が建設的な交渉について学ぶための教科書として世界中で読まれている。ムヌーキンは、ハーバード大学とハーバード・ロースクールを卒業後、
最高裁判所のジョン・M・ハラン判事の法律顧問を務め、サンフランシスコで弁護士を開業した。ハーバード・ロースクールの教授になる前は、長年にわたってスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとり、
スタンフォード紛争・交渉センターを創設し、そのディレクターを務めた。同センターは、交渉の障壁を克服することに焦点を当てた学際的なグループである。
ヘンリー・キッシンジャー
アメリカの外交官であり、政治学者である。リチャード・ニクソン大統領とジェラルド・フォード大統領の政権で、国家安全保障問題担当大統領補佐官と国務長官を兼任した。
交渉によってベトナム戦争の停戦を導いた功績により、1973年にノーベル平和賞を受賞した。公職を退いた後も、一流企業の重役や米国大統領を含む世界のリーダーが、キッシンジャーに助言を求めている。
野中香方子
翻訳家 お茶の水女子大学文教育学部卒業。主な訳書に『China2049』『2052』『シリコンバレー式よい休息』(ともに日経BP社)、『隷属なき道』『トランプ』(ともに文藝春秋)、『ジェネリック』(みすず書房)などがある。
ハーバード・ビジネススクール教授(ゴードン・ドナルドソン・プロフェッサー)。同校のMBA(経営学修士)コースに交渉学をいち早く導入し、学生や上級管理者に高度な交渉について教えている。
また、ハーバード・ロースクールのハーバード交渉学プロジェクトのディレクターと、実践にフォーカスした教育機関であるハーバード大学交渉術研究所の副所長も務めている。
ハーバード・ケネディスクールの教授時代、ハーバード大学・マサチューセッツ工科大学・タフツ大学の連携による「偉大な交渉者賞」の座長を務めた。交渉戦略を専門とするラックス・セベニウスLLCを共同創業し、
世界各国の政府やトップ企業を顧客に、困難な交渉について助言している。さらに、ブラックストーン・グループや米国商務省にも助言する。
ヴァンダービルト大学を卒業後、スタンフォード大学エンジニアリングスクールで修士号、ハーバード大学でビジネス経済学の博士号を取得。著書に Negotiating the Law of the Sea、
共著に『最新ハーバード流 3D交渉術』(CCCメディアハウス)、The Manager as Negotiator(どちらもデービッド・ラックスとの共著)がある。
『最新ハーバード流 3D交渉術』と The Manager as Negotiator は交渉学の教科書として国内外で広く用いられている。
R・ニコラス・バーンズ
ハーバード・ケネディスクール教授(ロイ・アンド・バーバラ・グッドマン・ファミリー・プロフェッサー)。外交術と国際関係を専門とする。
外交の未来プロジェクトのディレクターであり、中東・インド・南アジアプログラムの責任者を務める。政府への貢献により国務長官功労賞を受賞した。アスペン・ストラテジー・グループの取締役、
コーエン・グループの上級相談役、インテグリス社の取締役会のメンバーでもある。
ジョン・ケリー元国務長官の外交政策委員会のメンバーであり、外交評議会やスペシャル・オリンピックス・インターナショナルなど数多くの非営利団体のために働いた。アメリカ芸術科学アカデミー、
セント・ジョン勲章、レッド・ソックス・ネーションのメンバーでもある。ボストン大学の学士号とジョンズ・ホプキンズ大学スクール・オブ・アドバンスト・インターナショナル・スタディーズの修士号のほか、
12の名誉学位を授与された。
ロバート・H・ムヌーキン
ハーバード・ロースクール教授および、ハーバード大学交渉学研究所の所長であり、ハーバード交渉学研究プロジェクトのディレクター。紛争解決の分野における指導的学者で、自らの学際的な手法を、
商業上の紛争や政治紛争における交渉と解決に幅広く活かしてきた。これまでに10冊の本を執筆または編集した。最近の著書 Bargaining with the Devil:When to Negotiate, When to Fight では、きわめて重要な意思決定について掘り下げている。
著書 Beyond Winning:Negotiating to Create Value in Deals and Disputes は、弁護士が建設的な交渉について学ぶための教科書として世界中で読まれている。ムヌーキンは、ハーバード大学とハーバード・ロースクールを卒業後、
最高裁判所のジョン・M・ハラン判事の法律顧問を務め、サンフランシスコで弁護士を開業した。ハーバード・ロースクールの教授になる前は、長年にわたってスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとり、
スタンフォード紛争・交渉センターを創設し、そのディレクターを務めた。同センターは、交渉の障壁を克服することに焦点を当てた学際的なグループである。
ヘンリー・キッシンジャー
アメリカの外交官であり、政治学者である。リチャード・ニクソン大統領とジェラルド・フォード大統領の政権で、国家安全保障問題担当大統領補佐官と国務長官を兼任した。
交渉によってベトナム戦争の停戦を導いた功績により、1973年にノーベル平和賞を受賞した。公職を退いた後も、一流企業の重役や米国大統領を含む世界のリーダーが、キッシンジャーに助言を求めている。
野中香方子
翻訳家 お茶の水女子大学文教育学部卒業。主な訳書に『China2049』『2052』『シリコンバレー式よい休息』(ともに日経BP社)、『隷属なき道』『トランプ』(ともに文藝春秋)、『ジェネリック』(みすず書房)などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
セベニウス,ジェームズ・K.
世界の企業や政府が抱える最も困難な交渉について、分析や助言を行っている。ハーバード・ビジネススクール教授(ゴードン・ドナルドソン・プロフェッサー)。同校のMBA(経営学修士)コースに交渉学をいち早く導入し、学生や上級管理者に高度な交渉について教えている。また、ハーバード・ロースクールのハーバード交渉学プロジェクトのディレクターと、実践にフォーカスした教育機関であるハーバード大学交渉術研究所(Program on Negotiation)の副所長も務めている。ハーバード・ケネディスクールの教授時代、ハーバード大学・マサチューセッツ工科大学・タフツ大学の連盟による「偉大な交渉者賞」の座長を務めた。交渉戦略を専門とするラックス・セベニウスLLCを共同創業し、世界各国の政府やトップ企業を顧客に、困難な交渉について助言している。さらに、ブラックストーン・グループや米国商務省にも助言する。ヴァンダービルト大学を卒業後、スタンフォード大学エンジニアリングスクールで修士号、ハーバード大学でビジネス経済学の博士号を取得
バーンズ,R.ニコラス
ハーバード・ケネディスクール教授(ロイ・アンド・バーバラ・グッドマン・ファミリー・プロフェッサー)。外交術と国際関係を専門とする。外交の未来プロジェクトのディレクターであり、中東・インド・南アジアプログラムの責任者を務める。政府への貢献により国務長官功労賞を受賞した。アスペン・ストラテジー・グループの取締役、コーエン・グループの上級相談役、インテグリス社の取締役会のメンバーでもある。ジョン・ケリー元国務長官の外交政策委員会のメンバーであり、外交評議会やスペシャル・オリンピックス・インターナショナルなど数多くの非営利団体のために働いた。アメリカ芸術科学アカデミー、セント・ジョン勲章、レッド・ソックス・ネーションのメンバーでもある。ボストン大学の学士号とジョンズ・ホプキンズ大学スクール・オブ・アドバンスト・インターナショナル・スタディーズの修士号のほか、12の名誉学位を授与された
ムヌーキン,ロバート・H.
ハーバード・ロースクール教授および、ハーバード大学交渉学研究所の所長であり、ハーバード交渉学研究プロジェクトのディレクター。紛争解決の分野における指導的学者で、自らの学際的な手法を、商業上の紛争や政治紛争における交渉と解決に幅広く活かしてきた。これまでに10冊の本を執筆または編集した。最近の著書Bargaining with the Devil:When to Negotiate,When to Fightでは、きわめて重要な意思決定について掘り下げている。著書Beyond Winning:Negotiating to Create Value in Deals and Disputesは、弁護士が建設的な交渉について学ぶための教科書として世界中で読まれている。ムヌーキンは、ハーバード大学とハーバード・ロースクールを卒業後、最高裁判所のジョン・M・ハラン判事の法律顧問を務め、サンフランシスコで弁護士を開業した。ハーバード・ロースクールの教授になる前は、長年にわたってスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとり、スタンフォード紛争・交渉センターを創設し、そのディレクターを務めた
野中/香方子
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
世界の企業や政府が抱える最も困難な交渉について、分析や助言を行っている。ハーバード・ビジネススクール教授(ゴードン・ドナルドソン・プロフェッサー)。同校のMBA(経営学修士)コースに交渉学をいち早く導入し、学生や上級管理者に高度な交渉について教えている。また、ハーバード・ロースクールのハーバード交渉学プロジェクトのディレクターと、実践にフォーカスした教育機関であるハーバード大学交渉術研究所(Program on Negotiation)の副所長も務めている。ハーバード・ケネディスクールの教授時代、ハーバード大学・マサチューセッツ工科大学・タフツ大学の連盟による「偉大な交渉者賞」の座長を務めた。交渉戦略を専門とするラックス・セベニウスLLCを共同創業し、世界各国の政府やトップ企業を顧客に、困難な交渉について助言している。さらに、ブラックストーン・グループや米国商務省にも助言する。ヴァンダービルト大学を卒業後、スタンフォード大学エンジニアリングスクールで修士号、ハーバード大学でビジネス経済学の博士号を取得
バーンズ,R.ニコラス
ハーバード・ケネディスクール教授(ロイ・アンド・バーバラ・グッドマン・ファミリー・プロフェッサー)。外交術と国際関係を専門とする。外交の未来プロジェクトのディレクターであり、中東・インド・南アジアプログラムの責任者を務める。政府への貢献により国務長官功労賞を受賞した。アスペン・ストラテジー・グループの取締役、コーエン・グループの上級相談役、インテグリス社の取締役会のメンバーでもある。ジョン・ケリー元国務長官の外交政策委員会のメンバーであり、外交評議会やスペシャル・オリンピックス・インターナショナルなど数多くの非営利団体のために働いた。アメリカ芸術科学アカデミー、セント・ジョン勲章、レッド・ソックス・ネーションのメンバーでもある。ボストン大学の学士号とジョンズ・ホプキンズ大学スクール・オブ・アドバンスト・インターナショナル・スタディーズの修士号のほか、12の名誉学位を授与された
ムヌーキン,ロバート・H.
ハーバード・ロースクール教授および、ハーバード大学交渉学研究所の所長であり、ハーバード交渉学研究プロジェクトのディレクター。紛争解決の分野における指導的学者で、自らの学際的な手法を、商業上の紛争や政治紛争における交渉と解決に幅広く活かしてきた。これまでに10冊の本を執筆または編集した。最近の著書Bargaining with the Devil:When to Negotiate,When to Fightでは、きわめて重要な意思決定について掘り下げている。著書Beyond Winning:Negotiating to Create Value in Deals and Disputesは、弁護士が建設的な交渉について学ぶための教科書として世界中で読まれている。ムヌーキンは、ハーバード大学とハーバード・ロースクールを卒業後、最高裁判所のジョン・M・ハラン判事の法律顧問を務め、サンフランシスコで弁護士を開業した。ハーバード・ロースクールの教授になる前は、長年にわたってスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとり、スタンフォード紛争・交渉センターを創設し、そのディレクターを務めた
野中/香方子
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 日経BP (2019/1/11)
- 発売日 : 2019/1/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 408ページ
- ISBN-10 : 4822255832
- ISBN-13 : 978-4822255831
- Amazon 売れ筋ランキング: - 131,307位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 138位戦略・戦術
- - 288位起業家関連書籍
- - 339位ビジネス交渉・心理学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.5
星5つ中の4.5
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ベスト1000レビュアー
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3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年12月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界を動かしてきた博士本人が直接伝授するような話。
日本の政治家も研究してほしいと思う。
日本の政治家も研究してほしいと思う。
VINEメンバー
大統領補佐官、国務長官としてニクソン政権、フォード政権のもとで働いたキッシンジャー博士も95歳になるという。それ以降、今日にいたるまでその政治的手腕は高く評価されている。本書は、博士の交渉能力に焦点を当てている。その交渉手腕を示すために、博士の果たした政治的役割・成果についても記されるので、複雑に絡んだ冷戦下の様相を知る上でも役立つし、博士の(失敗も含めた)仕事のダイジェストとして読むこともできる。「交渉者キッシンジャーからの重要な教訓」というまとめページには15の教訓が示され、本文中には「他の交渉への応用ポイント」というコラムも用意されている。歴史的国際問題を思い起こしつつ、日常に活かせるハイレベルのビジネス書となっている。
本書の目的については「イントロダクション 最高の交渉者、キッシンジャー 本書で言いたいこと」に以下のようにある。
強い影響力を備えた国務長官にして、外交的手腕に長けた歴史学者で、外交政策の分析家でもあるキッシンジャーについては、他者も彼自身も無数の言葉を綴ってきた。数多い好意的な、あるいは批判的な評論家と共に、キッシンジャー自身も、数々の交渉で自らが果たした役割を記録してきた。だが驚いたことに、これまでに、交渉者としてのキッシンジャーの記録を真剣に、かつ総合的に、考察した人はいなかった。本書はキッシンジャーの重要な交渉を総覧し、共通する特徴を見つけ出すことによってキッシンジャーの交渉アプローチと、その背後にあるロジック、戦略、戦術を、批判精神を忘れずに探究しようとするのが目的だ。私たちの目的は、それが国家間、国内、あるいは公的、私的にかかわらず、現代の紛争や交渉上の難題を理解し、取り組むための手引きとなる洞察を生み出すことだ(p8)
本書を通じて読者は、気が遠くなるほど複雑で魅惑的な交渉の数々に出会うことだろう。キッシンジャーが多くの難題をどう解決したかを学び、そこから洞察を得れば、困難な交渉でも格段に良い結果を出せるようになるはずだ。そうした洞察には以下のものが含まれる。・・省略・・(p27)
本書全体を通して読者は、交渉においてキッシンジャーが、戦略へのズームアウトと、面前の相手へのズームインを繰り返したことと、その重要性を理解するだろう。交渉には多くの側面があるが、その土台には、どれほど独創的な交渉の技術を用いたとしても、最終的な成功をもたらすのは、基本的な前提の正しさ、関係者の本音の見極め、歴史、政治、経済、文化に対する深い知識だということだ。状況判断が間違っていたりした場合は、いくら交渉術を駆使しても、価値ある結果を導くことはできない。キッシンジャーという偉大な交渉者について学ぶことで、私たちはビジネス、法律、政治の交渉をはるかに巧みにこなせるようになるだろう。(p28)
最終章では、「ヘンリー・キッシンジャーの交渉術の核心」として15のポイントが解説される。また、邦訳への「解説」として田村次朗(慶応義塾大学法学部教授、交渉学協会理事長)が「キッシンジャーの交渉術から日本人が学ぶべきこと」と題して寄稿している。
本書の目的については「イントロダクション 最高の交渉者、キッシンジャー 本書で言いたいこと」に以下のようにある。
強い影響力を備えた国務長官にして、外交的手腕に長けた歴史学者で、外交政策の分析家でもあるキッシンジャーについては、他者も彼自身も無数の言葉を綴ってきた。数多い好意的な、あるいは批判的な評論家と共に、キッシンジャー自身も、数々の交渉で自らが果たした役割を記録してきた。だが驚いたことに、これまでに、交渉者としてのキッシンジャーの記録を真剣に、かつ総合的に、考察した人はいなかった。本書はキッシンジャーの重要な交渉を総覧し、共通する特徴を見つけ出すことによってキッシンジャーの交渉アプローチと、その背後にあるロジック、戦略、戦術を、批判精神を忘れずに探究しようとするのが目的だ。私たちの目的は、それが国家間、国内、あるいは公的、私的にかかわらず、現代の紛争や交渉上の難題を理解し、取り組むための手引きとなる洞察を生み出すことだ(p8)
本書を通じて読者は、気が遠くなるほど複雑で魅惑的な交渉の数々に出会うことだろう。キッシンジャーが多くの難題をどう解決したかを学び、そこから洞察を得れば、困難な交渉でも格段に良い結果を出せるようになるはずだ。そうした洞察には以下のものが含まれる。・・省略・・(p27)
本書全体を通して読者は、交渉においてキッシンジャーが、戦略へのズームアウトと、面前の相手へのズームインを繰り返したことと、その重要性を理解するだろう。交渉には多くの側面があるが、その土台には、どれほど独創的な交渉の技術を用いたとしても、最終的な成功をもたらすのは、基本的な前提の正しさ、関係者の本音の見極め、歴史、政治、経済、文化に対する深い知識だということだ。状況判断が間違っていたりした場合は、いくら交渉術を駆使しても、価値ある結果を導くことはできない。キッシンジャーという偉大な交渉者について学ぶことで、私たちはビジネス、法律、政治の交渉をはるかに巧みにこなせるようになるだろう。(p28)
最終章では、「ヘンリー・キッシンジャーの交渉術の核心」として15のポイントが解説される。また、邦訳への「解説」として田村次朗(慶応義塾大学法学部教授、交渉学協会理事長)が「キッシンジャーの交渉術から日本人が学ぶべきこと」と題して寄稿している。
2019年5月13日に日本でレビュー済み
すごく面白く、また、ビジネスでも、営業、企画立案、プロジェクトマネジメント等役立つ内容だと思います。
「交渉」という言葉は、直感的には誤解を招きやすく、本書で説明している事は、対外政策推進、合意形成、複雑なステークホルダーが関係する中での新しい現実を作り上げる実践方法全般についてであり、相手との話し合いの中で有利な結論を得る方法ーいわゆる一般的な交渉術、については、そのごく一部としてしか扱われていない。恐らく、本来「交渉」というものは、そうしたもの全般を含めたものととらえるべきだ、という著者の強い主張がある為、あえてわざと「交渉術」という言葉を使っているのだろう。
説明されている手法は、書名(あるいはキッシンジャーという名前)から連想しがちな魔術的なトリックについてではなく、極めて常識的な正攻法を説明している。キッシンジャーの姿勢は、いわば、作家・演出家兼役者であり、自身でシナリオを描きつつ、必要に応じて自身も役者として出演する、というものだ。
特徴的な主張は「ズームアウト」だ。つまり、ある相手と個別の話し合いに入る前の段階で、まず、戦略的道義的に、最終的に実現を目指すゴールを明確化し、それを実現する為に、視野を広げ、内外のどのようなステークホルダーに、どの順番でどう働きかけ、どうさせるようにすべきか、という現実的に実効性のある戦術、シナリオ(交渉キャンペーン)を定める事を説いている。途中不測の事態が発生したら、手段、戦術を柔軟に再考し、ゴールの実現を目指す、ということも必要になるのは、一般的な戦略、戦術論同様だ。
本文にあるように、ローデシアに黒人多数支配を認めさせる為の交渉キャンペーンの説明は、その方法を説明するモデルケースとしてわかりやすい。まず、道義的である他、ソ連、キューバのアフリカへの影響力を削ぐ、という戦略の観点から、ローデシアで黒人多数支配を認めさせる、という事をゴール、基本的前提として設定する。そして、それを、ローデシアの指導者スミスに直接要請しても拒絶される為、ローデシアに強い影響を持つ南アフリカにそのゴールを支持させることを目指し、その為に、英国、前線アフリカ諸国などと交渉する、という戦術、交渉キャンペーンを策定し、それを遂行し、最終的に、ローデシアに黒人多数支配を認めさせる、というゴールを達成している。
この他、北ベトナムとの交渉では、交渉進展の為には、北ベトナムの軍事的勝利が確実、という計算を狂わせる必要がある、という結論に達し、あえて、軍事行動をとる、という判断をしており、実力行使も含め、交渉のテーブルの外で、相手に影響を及ぼすアクションも必要に応じて実行している。
「ズームイン」は、個別の交渉の方法についてで、世間一般では、交渉、というと、これを指すと思われる。特に、強調されているのは、相手の人格、文化、バックグラウンドに対する理解だ。例えば、毛沢東を、狂信的なイデオロギーの持ち主だが、強靭な精神を持ち、無慈悲で実利的であり、側近を闇に葬ってきた、と評している。この他、国による意思決定の違いの理解の重要性も指摘している。例えば、日本の首相は、国民の総意の管理人にすぎず、自ら総意を形成するわけではない、この為、本人に対して、熱心に説得しても無駄である、というようなことを指摘している。そして、そうした背景を理解した上で、一般的には、交渉、目指すべき像、についての哲学的議論から始め、信頼を得ることの重要性を説いている。こうした指摘も、むしろ、極めて正道を説いているように思える。
ベトナム和平合意についての説明は泣けてくる。絶対的に不利な条件を引き継いでも、広い視野で未来も見据え、ベトナムで屈服する事は、世界のアメリカに対する信頼を失わせる結果となり、容認できない、と(人により議論はあるだろうが)道義的戦略的にゴールを設定し、それを何とか実現する為に、知恵の限りを尽くし、中ソ対立を利用した、米ソ中三角関係を構築する、等、次々に交渉の前線を開き、かつ、覚悟を持ってあえて軍事行動に出る、という決断をし、国内の批判に耐える、というできる事すべて行い、何とか、目的を達成し、アメリカの信頼を守ろうと闘っている。本書では、この例は、軍事行動により交渉を有利にする例として説明されているが、個人的には、「交渉」にとって必要なのは、視野、知性、戦略の他、大義、意志、行動、胆力、粘り、である事を説く事例として意義があるように思える。
ところで、個別のケース、人物から、一般的な方法論として、抽象化し、それを、他に適用する、という発想が、いかにもアメリカらしいと感じる。アメリカ人のエリートは、こうした方法論を学び、「交渉」に臨んでくることを考えると、徒手空拳では対抗できないだろう。
個人的に、同時に、大東亜戦争の開戦経緯や、戦時中の軍事行動についての本を同時に読んでいた。大東亜戦争では、緒戦は日本は連勝していたが、戦術をアメリカに研究され、軍事行動のみならず産業も含めて、どのように対抗するか研究され、その後連敗する事に至った。一般化できる方法論を、視野を広げて、研究する必要性を感じる。
また、大東亜戦争開戦前に、もし、日本に「キッシンジャー」がいれば、と思わずにいられない。国益を守る為、広い視野で世界情勢を分析し、日中戦争の泥沼から抜け出し、アメリカ、外国の干渉を排除する為の、統合戦略、基本的前提を明確化した上で、それを実現する戦術を組み立て、自らアクターとなり実現する、意志、視野、知力、胆力、気力を持った人物ーキッシンジャーがいれば、日本人が誰も望まない日米開戦、敗戦の悲劇は避けられたのではないだろうか。
「交渉」という言葉は、直感的には誤解を招きやすく、本書で説明している事は、対外政策推進、合意形成、複雑なステークホルダーが関係する中での新しい現実を作り上げる実践方法全般についてであり、相手との話し合いの中で有利な結論を得る方法ーいわゆる一般的な交渉術、については、そのごく一部としてしか扱われていない。恐らく、本来「交渉」というものは、そうしたもの全般を含めたものととらえるべきだ、という著者の強い主張がある為、あえてわざと「交渉術」という言葉を使っているのだろう。
説明されている手法は、書名(あるいはキッシンジャーという名前)から連想しがちな魔術的なトリックについてではなく、極めて常識的な正攻法を説明している。キッシンジャーの姿勢は、いわば、作家・演出家兼役者であり、自身でシナリオを描きつつ、必要に応じて自身も役者として出演する、というものだ。
特徴的な主張は「ズームアウト」だ。つまり、ある相手と個別の話し合いに入る前の段階で、まず、戦略的道義的に、最終的に実現を目指すゴールを明確化し、それを実現する為に、視野を広げ、内外のどのようなステークホルダーに、どの順番でどう働きかけ、どうさせるようにすべきか、という現実的に実効性のある戦術、シナリオ(交渉キャンペーン)を定める事を説いている。途中不測の事態が発生したら、手段、戦術を柔軟に再考し、ゴールの実現を目指す、ということも必要になるのは、一般的な戦略、戦術論同様だ。
本文にあるように、ローデシアに黒人多数支配を認めさせる為の交渉キャンペーンの説明は、その方法を説明するモデルケースとしてわかりやすい。まず、道義的である他、ソ連、キューバのアフリカへの影響力を削ぐ、という戦略の観点から、ローデシアで黒人多数支配を認めさせる、という事をゴール、基本的前提として設定する。そして、それを、ローデシアの指導者スミスに直接要請しても拒絶される為、ローデシアに強い影響を持つ南アフリカにそのゴールを支持させることを目指し、その為に、英国、前線アフリカ諸国などと交渉する、という戦術、交渉キャンペーンを策定し、それを遂行し、最終的に、ローデシアに黒人多数支配を認めさせる、というゴールを達成している。
この他、北ベトナムとの交渉では、交渉進展の為には、北ベトナムの軍事的勝利が確実、という計算を狂わせる必要がある、という結論に達し、あえて、軍事行動をとる、という判断をしており、実力行使も含め、交渉のテーブルの外で、相手に影響を及ぼすアクションも必要に応じて実行している。
「ズームイン」は、個別の交渉の方法についてで、世間一般では、交渉、というと、これを指すと思われる。特に、強調されているのは、相手の人格、文化、バックグラウンドに対する理解だ。例えば、毛沢東を、狂信的なイデオロギーの持ち主だが、強靭な精神を持ち、無慈悲で実利的であり、側近を闇に葬ってきた、と評している。この他、国による意思決定の違いの理解の重要性も指摘している。例えば、日本の首相は、国民の総意の管理人にすぎず、自ら総意を形成するわけではない、この為、本人に対して、熱心に説得しても無駄である、というようなことを指摘している。そして、そうした背景を理解した上で、一般的には、交渉、目指すべき像、についての哲学的議論から始め、信頼を得ることの重要性を説いている。こうした指摘も、むしろ、極めて正道を説いているように思える。
ベトナム和平合意についての説明は泣けてくる。絶対的に不利な条件を引き継いでも、広い視野で未来も見据え、ベトナムで屈服する事は、世界のアメリカに対する信頼を失わせる結果となり、容認できない、と(人により議論はあるだろうが)道義的戦略的にゴールを設定し、それを何とか実現する為に、知恵の限りを尽くし、中ソ対立を利用した、米ソ中三角関係を構築する、等、次々に交渉の前線を開き、かつ、覚悟を持ってあえて軍事行動に出る、という決断をし、国内の批判に耐える、というできる事すべて行い、何とか、目的を達成し、アメリカの信頼を守ろうと闘っている。本書では、この例は、軍事行動により交渉を有利にする例として説明されているが、個人的には、「交渉」にとって必要なのは、視野、知性、戦略の他、大義、意志、行動、胆力、粘り、である事を説く事例として意義があるように思える。
ところで、個別のケース、人物から、一般的な方法論として、抽象化し、それを、他に適用する、という発想が、いかにもアメリカらしいと感じる。アメリカ人のエリートは、こうした方法論を学び、「交渉」に臨んでくることを考えると、徒手空拳では対抗できないだろう。
個人的に、同時に、大東亜戦争の開戦経緯や、戦時中の軍事行動についての本を同時に読んでいた。大東亜戦争では、緒戦は日本は連勝していたが、戦術をアメリカに研究され、軍事行動のみならず産業も含めて、どのように対抗するか研究され、その後連敗する事に至った。一般化できる方法論を、視野を広げて、研究する必要性を感じる。
また、大東亜戦争開戦前に、もし、日本に「キッシンジャー」がいれば、と思わずにいられない。国益を守る為、広い視野で世界情勢を分析し、日中戦争の泥沼から抜け出し、アメリカ、外国の干渉を排除する為の、統合戦略、基本的前提を明確化した上で、それを実現する戦術を組み立て、自らアクターとなり実現する、意志、視野、知力、胆力、気力を持った人物ーキッシンジャーがいれば、日本人が誰も望まない日米開戦、敗戦の悲劇は避けられたのではないだろうか。