コンスタンティノス・カヴァフィスは、現代ギリシャを代表する最高の詩人の一人。同じみすず書房から、この本の訳者の一人中井久夫の翻訳で、既に『カヴァフィス全詩集』が刊行されている。
カヴァフィスについては、例えば「イタカー」とか「野蛮人を待つ」とか、その詩は大分人口に膾炙した感があるが、その生涯については断片的にしか知られてこなかった。
リデルのこの本は現在の時点で最も信頼に足るカヴァフィスの伝記であり、本書はそれを出来る限り忠実に日本語に移しかえたものである。そこでは青年期から晩年にまでの
この詩人の生涯が丹念に辿られている。
本書の中身もさることながら、二人の訳者による周到な解説も素晴らしい。「カヴァフィスの受容と変容」と題した茂木によるカヴァフィスの受容史と、中井による長い
「訳者あとがき」は、特に今後日本でカヴァフィスを研究しようとする人間にとって、ここから全てが始まる出発点となるだろう。
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