著者は自宅の池にカワセが来るという環境でカワセミを観察しておられる。写真はカワセミの生態をよく把握した上で撮影したものである。生態に関する説明も、カワセミに名前を付けるなど、個体の特徴を引き出すように工夫している。カワセミは、全体に、孤独な小鳥という印象を受けるが、その美しい姿、愛らしい表情からは想像しにくいものである。
「ヨネちゃんが来なくなった次の日、氏神様の横の林道でカワセミのコバルトブルーの羽とオレンジの胸毛が散乱しているのを妻が発見しました。ツミかハヤブサに殺られたものと思われました。」(第一章 翡翠色の奇跡)「実は三年前の夏、巣穴の中へアオダイショウが入ってしまったのです。(中略)盛んにカワセミが入って産室を掘っている時なのでとても心配しましたが、幸いカワセミは喰われずにすみました。かなり後に聞いたのですが、ヘビが一度入ると体臭が移ってなんの鳥でも決して入らないということでした。」(第二章 届いた想い)
エピローグに、「カワセミのドラマは、心温まるものもあれば、死と隣り合わせという自然の厳しさ、残酷さを伝えるものもあった。熊下の豊かな自然を描いただけでなく、身近な環境破壊も指摘した。それが全国に住む、無数の人々に届けられた。」と、著者の公共電波を通じた発信活動について述べている。
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