元・現場のエンジニアとしては...この言葉は「わが意を得たり!」という感じです。
...かなり僭越ではありますが。
「...この科学と工学の違いもまた「わかる」と「できる」との違いに通じている」(P221)
現場では、ビーカー試験の結果や公式だけでは...配管の抵抗とか反応の時間遅れとか高速に
なった時の摩擦とかあって...やれないのですが...かといって、理論を知らなくてよいわけでも
なくて、おかしなことが起こった時は、一度理論に戻って考え直すことが必要でした。こうし
たところが、臨床の現場と臨床心理の理論、心理療法の考え方との間を行き来するところと
似ているなぁ~とは、カウンセリングの現場に立つようになってから考えていたことです。
菅野さんが、さらに(ずっと)先に行っていることがわかるのは、ここです。「「もし、
その仮説が間違っていたらどうするんですか?」昔、私が”仮説-検証論者”に訊いてみた。
「間違っていたとわかったら、新しい仮説を立てるんです」あまりにも予想通りの回答だった。
「それもまた間違っていたら?」という質問を私は吞み込んだ。自分の仮説の正しさにこだわ
っているらしい相手にはそうするしかない。...あなたは他の仮説を、つまり可能性をもっと考
えはしないのか?という問いだった」...間違っていたらごめんなさいなのですが...どうもこの
記載は、なにかひとつの心理療法の理論(考え方)へのこだわりについて話してくれているら
しいとも思うのですが...菅野さんのカウンセリングの組み立て方を教えてくれるこの本を読む
と、もっともっと広くて泥臭い考え方まで可能性を広げるのだ...とも読めるのです。
認知症の女性、統合失調症者との対話から説きはじめるこの本は、一貫して、『こだわり』
の排除と『コンテキスト』の考慮を教えてくれているように思います。
この本もまた、いま手にできたことに感謝です。
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