佐々涼子さんの新刊『エンド・オブ・ライフ』(集英社インターナショナル・発行)を読み終えました。京都の診療所を舞台に、在宅医療に関わる医師や看護師、そして患者たちの6年間を追ったノンフィクション・・・と概要だけで片付けてしまうには余りにも重い内容でした。佐々さんはその診療所でひとりの男性看護師と出会います。ところが取材中、男性は自らもガンに冒され、49歳の若さで亡くなってしまいます。さらに佐々さんも、取材中に難病で母親を亡くします。在宅で献身的に母の介護を続ける父親の姿は、佐々さんにとって「家族とは何か」「自分の家で亡くなるとは何か」「生きる意味とは何か」・・・在宅看護の現場を取材する上で多くの示唆を与えてくれたことでしょう。看護師の男性との出会いと別れを縦軸に、佐々さん自身の体験を横軸に、幸せな命の閉じかたを考えさせてくれた、素晴らしい作品でした。陳腐な表現ですが、人は記憶の中で永遠に生き続ける・・・昨年、母を失って得た、「死」に対する私の感慨です。佐々さんの作品が、その思いを脳裡に甦らせてくれました。
※佐々さんのこの本、装丁もとても素敵です。ジャケットの写真も美しいですし、ジャケットを外すと、本体と標題紙の前にある遊び紙、さらに栞ひもがスカイブルーで統一されていて、重い内容を希望に満ちたものにするため、優しく包み込んでくれているようです。編集者のアイディアでしょうか。出版に関わった多くの方の愛情に包まれて産み出された幸せな本だなぁ、と思います。
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