- 文庫: 272ページ
- 出版社: 新潮社; 改版 (1970/4/17)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4101112010
- ISBN-13: 978-4101112015
- 発売日: 1970/4/17
- 商品パッケージの寸法: 14.8 x 10.5 x 2 cm
- おすすめ度: 17件のカスタマーレビュー
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商品の説明
内容紹介
性の享楽を斡旋演出するエロ事師たちの猥雑きわまりない生態を描き、
その底にひそむパセティックな心情を引出した型破りの小説。
お上の目をかいくぐり、世の男どもにあらゆる享楽の手管を提供する、これすなわち「エロ事師」の生業なり――
享楽と猥雑の真っ只中で、したたかに棲息する主人公・スブやん。他人を勃たせるのはお手のものだが、彼を取り巻く男たちの性は、どこかいびつで滑稽で苛烈で、そして切ない……正常なる男女の美しきまぐわいやオーガズムなんぞどこ吹く風、ニッポン文学に永遠に屹立する傑作。
本書「解説」より
何ともかとも言いようのない、いわば悪趣味の極致とも言うべき赤裸々な文章ではあるけれど、これによってもお分りの通り、野坂昭如氏は、きわめて特異なスタイリストとしての自分の領土から一歩も踏み外してはいないのである。赤裸々ではあるが野卑ではなく、露骨ではあるが下品ではないという、その文章表現上の秘密は、たぶん、この氏の独自なスタイルにあると思って差支えなかろう。スタイルとは、とりも直さず、現実を調理する調理人たる小説家の、その庖丁さばきの謂(いい)である。
――澁澤龍彦(小説家)
野坂昭如(1930-2015)
神奈川県鎌倉生れ。早大中退。様々な職を経て、コラムニストとして活躍。1963(昭和38)年の処女小説『エロ事師たち』で、性的主題を辛辣かつユーモラスに追求、俄然注目される。1967年には、占領下の世相に取材した「アメリカひじき」、戦争・空襲・焼跡の体験を描いた「火垂るの墓」を発表。翌年、この両作で直木賞受賞。1997(平成9)年『同心円』で吉川英治文学賞を、2002年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞する。他の代表作に『骨餓身峠死人葛』『一九四五・夏・神戸』等。
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