普段、こういった自己啓発系の書籍には関心が無いのですが、何故か、たまたま読んでいた書籍の関連項目に出てきて、自分の置かれている状況に向いているような気がして購入しました。
本書ではエッセンシャル思考をする人と、そうでない人の対比を示しながら、物事を「より少なく、でもより良く」こなしていく事が勧められています。
取捨選択の大切さや、マルチタスクの非合理性を唱えていて、恐らく誰でも生きていれば実感しているような事を丁寧に書き綴っている印象です。
恐らく、独特な道徳観や死生観、宗教観のある日本人にとっては真新しいことは何も無いと思います。
ここ何年も、海外の成功者、特に欧米人は瞑想(昨今はマインドフルネスと呼ばれますが)や気(チャクラ等)といった東洋の、特に仏教に元を成す文化に熱心ですが、この辺の概念が生まれつき備わっている日本人の私にしてみると、彼らの考えるそうした概念はどうにも胡散臭くて、独り善がりな自己陶酔にしか見えません。
本書で言う「エッセンシャル思考」も、言わばそうした考えの上澄みのようなもので、所謂「意識高い系」の人が喜んで食いつくような香りに満ちています。
著者は大企業の経営者向けのセミナーやカウンセリング、コンサルティングを営んでいる人のようで、成功しているIT企業の重役といった人物が、エッセンシャル思考の好例、或いは悪例として登場します。
各チャプターごとに、そういった人々に著者がどのようなアドバイスをして、彼らが行動や思考を改善し、どんな結果を生んだかを説明していくので、プロセスは分かりやすいのですが、では私を含めた一般市民、その他大勢の人々にも当て嵌められるのかと言うと、どうにも浮世離れした成功者同士の馴れ合いにしか感じませんでした。
結局、この本を書いている人も、そこに登場する人も、社会的な勝ち組なんです。
そのような人々が如何にご高説を垂れても、私個人としては何も響かないと言うか、「え、だからどうしたの?」という感覚しか覚えませんでした。
こういった類の本を敬遠してきましたが、読んでみて改めて感じたのは、何か答えや道しるべが欲しくて自己啓発本を手に取るくらいなら、その時間と労力と金を、自分のやるべき事、やりたい事に注ぐべきだという事でした。
これは根性論でもなんでもありません。
あのヨーダの言葉の方がよほど私を強めてくれます。
「Do, or do not. There is no try.」(やるかやらぬかだ。やってみるでは無い)
こういった本を読んで「人生観が変わった」と言えてしまうくらいの小さな人生観なら、そンな人は端から成功なんて出来ないでしょうし、それでもそういった人々に書籍が売れる事で、その本の著者だけがますます成功者になっていく仕組みなんだな、と思いました。
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