絹川みちほが可愛い。これだけでプレイする価値がある。
本作は伏線とミスリードの張り方がとても上手かった。テーマである虫と黴を匂わす事柄が、怪異や探索マップ、登場人物やモブ含めての言動の随所に散りばめられており、物語が後半に進むと共にこと細かく強調されてくるのは圧巻であった。学園に紛れているシビトは誰なのか。物語の終盤ではある程度推測可能であるが、ここにはミスリードも含まれており、確定的な推測が難しく、何よりシビトはコイツだと信じたくない、違っていて欲しい…といつの間にかプレイヤーが八敷の感情と同調していたりと、最後まで感情を揺さぶられる物語に仕上がっている。また本作は例の如くマルチエンディングであるが、BADとGOODエンド共にとても含みがあって一見の価値あり。BADエンドは八敷の表情に、GOODエンドはその後の行動に彼らしさが出ていて、世界観に深みを持たせている。
登場する怪異は過去一の良いデザインかと思われる。本編を1周した後に1度怪異デザインを見直してみると怪異を構成するテーマに隠されている、本編の核心に迫る伏線に鳥肌が立った。ただし死印やNGに登場した観音兵や殺人桃のようなカッコイイデザインの怪異が居なかったのが個人的に残念なところ。しかしラスボス含めてどんなに憎たらしい怪異でも、いざ祓ってしまえば最後は同情してしまう話の持っていき方は相変わらず素晴らしい。
本作で登場する人物は死印の続編ということもあり、印人が一通り出てくるので死印ファンには堪らない…と思いきや明らかに出番が少ない(というか名前しか出てこない)キャラが居るのが残念。チョイ役貰えたすずちゃん良かったね。逆に新規キャラクターの方が目立っているので、あくまでも死印ではなく死噛ってタイトルだということだろうか。
ストーリーを1周するのに私は約10時間かかり、同行者別に追加で1周、BADエンドとGOODエンドの回収、同行者死亡ルートの回収もあったので、ビジュアルホラーADVにしてはちゃんとボリュームがある。
最後に隠しエンディングについて述べる。本作は前述のBADとGOOD以外に、トロフィーにも記載されてない真のエンディングがある。これにたどり着くには、物語中盤の超絶分かりずらいルート分岐(一応終盤にヒントはある)をしなければならなく、初見では運が無いとたどり着けない。手っ取り早く済ませたい人は攻略サイトを見ることをオススメする。ノーヒントでたどり着きたい人は、過去一テキストログとの格闘が続くだろう。
だが隠しエンディングはその労力に見合う素晴らしいものだと思う。ご都合主義だろうと言われても構わない。ただただその結末にプレイヤーも八敷も間違いなく救われる。八敷はどんなに危険な目に会っても、相手がどんなに凶悪な怪異でも、心情に寄り添う形で解決してきたが、毎回目に見える形として報われることは無かった。真下の言う通り死者に同情するだけ無駄だった訳だが、このエンディングは八敷が怪異と真摯に向き合った結果迎えた結末である。怪異の恨みだけでなく願いも聞き届け続けた八敷が初めて明確に報われたエンディングなので、なんかもうとにかくこれだけは見て欲しい。





