【HERE'S NEGAN】は【ウォーキング・デッド】の敵キャラの中で恐ろしく暴力的なニーガンの物語である。ニーガンと言えば物語に初登場する否や(リック一行の)グレンを(自分の凶器)”ルシール”で殺めて、物語を見る者に対して凄まじい衝撃を与えた敵キャラである。
【ウォーキング・デッド】の敵キャラでニーガンが(物語に)登場する以前の恐ろしく残忍な敵キャラと言えばガバナーであったが、ニーガンはガバナーを凌ぐ恐ろしく残忍で度を越えた暴力的な敵キャラだ。それ故にニーガンが【ウォーキング・デッド】を代表する敵キャラに至ったことは確かにことであろう。
かく言う俺自身(仮に)人から「【ウォーキング・デッド】の敵キャラでパッと思い付く敵キャラは誰か?」と尋ねられたら「ガバナー」とは答えず「ニーガン」と答えるだろう。何せ俺自身もニーガンがグレンを”ルシール”で殺めるシーンを初めて見た時「こいつはガバナー以上にとんでもない奴だ!」と思うと同時に相当な衝撃を受けたほどだ。
(これはあくまで俺個人の意見と味方に過ぎないが)【ウォーキング・デッド】の敵キャラの中でニーガンほど物語を見たりする者に対して過度な衝撃を与えた人物はいないだろう。
さて、【HERE'S NEGAN】は(上記に挙げた通り)ニーガンの物語で、物語の中で彼(ニーガンが)世界が屍食人鬼(ウォーカー)に支配される以前の世界で何の仕事をしていたのか、他にニーガンは本来どのような人物であったのか等を知ることができる。
俺は【HERE'S NEGAN】を読んで「(ニーガンは)根っからの悪人でなかったんだな」ということを知ることができた。今では多くのゴロツキを従えていた悪党の中の悪党であったが、ニーガンはこの【HERE'S NEGAN】の中では正真正銘の悪党として描かれていない。(この様なことを書くと、グレンファンの方には大変申し訳ないが)ニーガンは(その実)気の毒な人物でもある。
この事は既に多くの方がご存知だと思うので、書くまでもないと思うがニーガンには(自身の凶器の名前の由来となった)ルシールという名の妻がいた。しかし、ルシールは重い病気を患った末に夫(ニーガン)よりも早く黄泉の国へ召されてしまう。
ルシールの死がニーガンの心に深い傷を負わせてしまった事は言うまでもない。愛する者を亡くした者の悲しみと心の傷が癒えるまでには相当な時間がかかる。その同時にニーガンは黄泉の国へ召されたはずの妻が屍食人鬼となって息を吹き返すのも目にしている。
自分よりも早く黄泉の国へ召された妻が屍食人鬼となって息を吹き返す。この事はニーガンにとって冗談抜きで残酷なものであった事は確かだろう(とはいえ、ニーガンも後にマギーのグレンを殺めるのだから、何から何まで同情することはできないが)。
その他は、物語の終盤でニーガンが独裁者として変化した時のセリフ、
「そこのデカ金玉野郎を見てみろ。わかるだろ。じゃあ言わせてもらうぞ。俺に従え。さもないとお前等の尿道から身体の奥深くまで這い進んでデカ金玉に直接誤解の余地なく教えてやらなきゃならねえ。そうだろ…お前等は自分を糞山の大将だと思ってて他人から糞をもらうことには慣れてねえつもりだろうが、これから状況は変わるんだよ。このネガンがいるからにはな」
俺はニーガンの上記に挙げたセリフに対して「人間というのは文明や法律や制度が失われた世界では遅かれ早かれ独裁者に目覚めてしまうんだな」と思った(全員が全員という訳でないが)。
【HERE'S NEGAN】については書きたい事が他にあるが、これ以上書くとこの本を未だ読んでいない方のお楽しみを奪ってしまう事になるので、この辺でやめておく。
俺的に【HERE'S NEGAN】は【ウォーキング・デッド】好きならば読んで損はないと一冊だと思う。かく言う俺もこの【HERE'S NEGAN】を面白く読む事ができたのと同時にニーガンの事についてより知る事ができた。
そして「【ウォーキング・デッド】は好きだけど、【HERE'S NEGAN】は未だ読んだ事がないよ」という方は機会があったらこの【HERE'S NEGAN】を是非とも読んでみて欲しい。
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