アメリカのシリコンヴァレーから多くの若者がヴェンチャー企業の立ち上げに成功し、またその中の多くがナスダック市場への株式上場も果たしてきた。イーロン・マスクもその一人だった。彼の上場企業もコンピューターソフトの会社だった。上場後、彼の会社はネットオークション大手のeBayに買収され、イーロンは180億円の巨財を若くして手に入れる。その後も彼は設立に関わった企業の売却によって資産を膨張させ続けた。まるで「わらしべ長者」のようだった。
しかし彼は普通の長者伝説の主人公とはまるで違った人間だった。わらしべ長者の物語は主人公が大金持ちになったところで、めでたしめでたしとして終了するのだが、イーロンは手にした巨額資金を宇宙ロケットの開発に投じ最終的には人類の火星移住を実現したいという途轍もなく大きな野望を抱いているのだった。彼の野望はこれまではNASAをはじめとする国家規模でのみ計画されたような壮大なものであり無論常識では考えられない。しかし、これまでの人類の歴史は非常識の偉人が常識を破り新しい道を切り開いてきた過去を我々に示している。イーロンは人類の歴史に名を残すことになるのかもしれない、そういう人間なのだ。
僕はこの本を読むまで、イーロン・マスクとは電気自動車専業のヴェンチャー テスラ・モーターズを起業し、この会社を電気自動車の企業としては世界一の会社に押し上げた男だと認識していた。日産など自動車大手を押さえてナンバーワンになることはすごいことだが、電気自動車で地球の環境悪化を食い止めることは火星移住計画の実現までの時間稼ぎの手段の一つだというイーロンにかかると、彼の野望の中では通過点に過ぎないような気さえしてくる。
その通過点の事業においてすら、インフラ整備について国家の力を当てにしていない。ここに僕は既存の自動車産業大手とイーロンの最大の立ち位置の違いがあると思う。イーロンは彼がオーナーであるソーラー・シティーズに給電所横に太陽光発電施設を作らせる。太陽光発電設備と電気自動車への給電所を一体とした設備を十分に配置することにより電気自動車の普及を促す。
ところが日本の自動車大手の場合は給電インフラにまで自らが全面的に手を突っ込むほどのリスクをとるところは恐らくないだろう。トヨタの燃料電池車「ミライ」にしても、水素ステーションの整備にかかるリスクまで全面的に請け負う勇気はトヨタにはないはずだ。それにトヨタは水素製造のための電力を原子力発電所から持ってくることすら計画しているのかもしれない。国家的計画との関係が匂ってしようがない。燃料電池車の普及はテスラの電気自動車の普及より大幅に遅れることは目に見えている。
この本が発行されたのは2013年、そして今は2016年である。時の流れは速い。米カリフォルニアからブレークしたトヨタのHVプリウスはカリフォルニアではもう環境基準を満たせなくなった。プリウスは既に過去の車である。日本ではまだ環境車だと思ってこれにしがみついているようではトヨタにも未来はない。
イーロンのことを知るにつれて日本の古い経営者達に対して苛立ちを感じるのは僕だけではないはず。
それはおいておいて、しばしイーロンの活躍を注視してゆきたい。
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イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者 単行本 – 2013/12/6
購入を強化する
“ビジネスパーソン・オブ・ザ・イヤー 2013 ランキング1位! (米Fortune誌)"
“21世紀の「最高の発明家」 (米The Atlantic誌)"
米有名誌で破格の扱いを受けるビジネスマン、イーロン・マスク。
スティーブ・ジョブズを超える、全米一有名な男の正体とは?
スティーブ・ジョブズを超える、いま全米一有名な男。
スタンフォード大を2日で辞めてペイパルを興し170億円を得て、
ロケット会社(スペースX)、電気自動車会社(テスラモーターズ)を立ち上げ、
民間初の宇宙ロケットで国際宇宙ステーションドッキングに成功。
世界最速のスーパーカーも発売。
電気自動車、太陽光発電(ソーラーシティ)で環境を守り、
宇宙ロケットで人類を火星に送り込む……。
彼は稀代のホラ吹きか、未来への先導者か! ?
イーロン・マスクについて描かれた世界初! の書籍。
【目次】
はじめに
1章 降臨―南アフリカから来た男
・暗闇が怖かった少年
・スタンフォードを2日で辞める
・現代版わらしべ長者
・チェルノブイリ原発事故を逃れた家族
・イーロン・マスク追放される
・ペイパルの「関ヶ原の戦い」
・NASAがやらなきゃ、オレがやる
・原理に立ち返る
・電気自動車に取りつかれた男たち
・投資家の剛腕
・二つのクラッシュの違い
2章 難航―人生最悪の時
・日本人が知らない南アフリカ
・ファルコン1を打ち上げろ
・いきなりの失敗
・宇宙は遠い
・ついにファルコン1が飛んだ
・高まるテスラ社への期待
・ロードスター開発現場の混乱
・失敗しても、前を向け
・イーロンの度量と先見
・誰かテスラのCEOをやってくれ
・テスラ倒産! ?
・二度あることは三度ある
・妻との出会い、そして
・仕事か、家庭か
・銀行にキャッシュがない
・絶対に諦めない男
3章 前進―未来を見る
・ロードスターの衝撃
・ポルシェより速い
・日本のお家芸「電池」
・効率はガソリン車の2倍
・破格量のバッテリー搭載
・ジェットコースターのような乗り心地
・鳥のさえずりが聞こえる
・暗黒の2008年を越えて
・バッテリー切れの高級車
・未来を手にする方法
4章 信念―宇宙へ道
・インターネットの外へ
・ベンチャー企業がロケットを打ち上げる
・竜に乗って夢を追え
・米ソ冷戦とロケット紛争
・ケネディからブッシュへ
・理系の頭と文系の交渉力
・NASAのデッカイ金庫
・コスト意識がない業界
・官僚的な巨大宇宙企業たち
・インターネットから飛び出そう
5章 独創―PCの電池で車を走らせる
・モデルSの誕生
・空気抵抗を減らせ
・騒音にも種類がある
・ジョブズも欲しかった車
・トヨタと提携
・カネは上手に使う
・未来のアメリカの工場
・赤字でも株式上場
6章 異端―ロケット作りの革命
・世界初、国際宇宙ステーションとドッキング
・毎月、ロケットを打ち上げる
・特許は出さない
・設計はシンプルに
・フラットな組織で
・廊下で“フラッシュモブ"
・理想と現実の隙間を生める
・コストダウンに“革命的"はない
・頭の固いベンダー
・アマゾン創業者が目指した宇宙
・再利用できるロケットを作る
・高い目標を持ち続ける
7章 野望―人類を火星に送り込む
・ファルコン・ヘビーで火星へ
・中国の病巣と限界
・NASAからのお墨付き
・ヘンリー・フォードとの共通点
・普通の人が乗る宇宙ロケット
・強敵との攻防
・宇宙でキャッシュは使えない
・価値あるお金の使い方
・高速充電ステーション
・成功のレシピ
・充電時間をもっと短く
・GMの栄光と衰退
・21世紀のガソリンスタンド
・カリフォルニアに恋をして
・住宅の屋根を発電所に
8章 運命―地球を救え
・黒字になってこそできること
・国からの借金はとっとと返す
・売れる性能、売れるデザイン
・ニューヨーク・タイムズの批判記事
・事実と違う!
・変化を望まない人々
・正念場はこれからだ
・シェール革命
・地球を救う戦い
おわりに
イーロン・マスク年表
“21世紀の「最高の発明家」 (米The Atlantic誌)"
米有名誌で破格の扱いを受けるビジネスマン、イーロン・マスク。
スティーブ・ジョブズを超える、全米一有名な男の正体とは?
スティーブ・ジョブズを超える、いま全米一有名な男。
スタンフォード大を2日で辞めてペイパルを興し170億円を得て、
ロケット会社(スペースX)、電気自動車会社(テスラモーターズ)を立ち上げ、
民間初の宇宙ロケットで国際宇宙ステーションドッキングに成功。
世界最速のスーパーカーも発売。
電気自動車、太陽光発電(ソーラーシティ)で環境を守り、
宇宙ロケットで人類を火星に送り込む……。
彼は稀代のホラ吹きか、未来への先導者か! ?
イーロン・マスクについて描かれた世界初! の書籍。
【目次】
はじめに
1章 降臨―南アフリカから来た男
・暗闇が怖かった少年
・スタンフォードを2日で辞める
・現代版わらしべ長者
・チェルノブイリ原発事故を逃れた家族
・イーロン・マスク追放される
・ペイパルの「関ヶ原の戦い」
・NASAがやらなきゃ、オレがやる
・原理に立ち返る
・電気自動車に取りつかれた男たち
・投資家の剛腕
・二つのクラッシュの違い
2章 難航―人生最悪の時
・日本人が知らない南アフリカ
・ファルコン1を打ち上げろ
・いきなりの失敗
・宇宙は遠い
・ついにファルコン1が飛んだ
・高まるテスラ社への期待
・ロードスター開発現場の混乱
・失敗しても、前を向け
・イーロンの度量と先見
・誰かテスラのCEOをやってくれ
・テスラ倒産! ?
・二度あることは三度ある
・妻との出会い、そして
・仕事か、家庭か
・銀行にキャッシュがない
・絶対に諦めない男
3章 前進―未来を見る
・ロードスターの衝撃
・ポルシェより速い
・日本のお家芸「電池」
・効率はガソリン車の2倍
・破格量のバッテリー搭載
・ジェットコースターのような乗り心地
・鳥のさえずりが聞こえる
・暗黒の2008年を越えて
・バッテリー切れの高級車
・未来を手にする方法
4章 信念―宇宙へ道
・インターネットの外へ
・ベンチャー企業がロケットを打ち上げる
・竜に乗って夢を追え
・米ソ冷戦とロケット紛争
・ケネディからブッシュへ
・理系の頭と文系の交渉力
・NASAのデッカイ金庫
・コスト意識がない業界
・官僚的な巨大宇宙企業たち
・インターネットから飛び出そう
5章 独創―PCの電池で車を走らせる
・モデルSの誕生
・空気抵抗を減らせ
・騒音にも種類がある
・ジョブズも欲しかった車
・トヨタと提携
・カネは上手に使う
・未来のアメリカの工場
・赤字でも株式上場
6章 異端―ロケット作りの革命
・世界初、国際宇宙ステーションとドッキング
・毎月、ロケットを打ち上げる
・特許は出さない
・設計はシンプルに
・フラットな組織で
・廊下で“フラッシュモブ"
・理想と現実の隙間を生める
・コストダウンに“革命的"はない
・頭の固いベンダー
・アマゾン創業者が目指した宇宙
・再利用できるロケットを作る
・高い目標を持ち続ける
7章 野望―人類を火星に送り込む
・ファルコン・ヘビーで火星へ
・中国の病巣と限界
・NASAからのお墨付き
・ヘンリー・フォードとの共通点
・普通の人が乗る宇宙ロケット
・強敵との攻防
・宇宙でキャッシュは使えない
・価値あるお金の使い方
・高速充電ステーション
・成功のレシピ
・充電時間をもっと短く
・GMの栄光と衰退
・21世紀のガソリンスタンド
・カリフォルニアに恋をして
・住宅の屋根を発電所に
8章 運命―地球を救え
・黒字になってこそできること
・国からの借金はとっとと返す
・売れる性能、売れるデザイン
・ニューヨーク・タイムズの批判記事
・事実と違う!
・変化を望まない人々
・正念場はこれからだ
・シェール革命
・地球を救う戦い
おわりに
イーロン・マスク年表
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2013/12/6
- 寸法1.7 x 12.8 x 18.8 cm
- ISBN-104023312541
- ISBN-13978-4023312548
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
スタンフォード大を2日で辞めてペイパルを興して資金を得、ポルシェより速い電気自動車をつくり、民間で初めて国際宇宙ステーションドッキングに成功。電気自動車、太陽光発電で環境を守り、宇宙ロケットで火星を目指す。今世紀、世界No.1「発明家」。この男が未来への先導者だ!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
竹内/一正
1957年岡山県生まれ。徳島大学工学部大学院修了、米国ノースウェスタン大学客員研究員。松下電器産業(現パナソニック)にエンジニアとして入社。PC用磁気記録メディアの新製品開発、海外ビジネスに従事。その後、アップルコンピュータ社にてマーケティングに携わる。日本ゲートウェイ(株)を経てメディアリング(株)の代表取締役などを歴任。現在、ビジネスコンサルタント事務所「オフィス・ケイ」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1957年岡山県生まれ。徳島大学工学部大学院修了、米国ノースウェスタン大学客員研究員。松下電器産業(現パナソニック)にエンジニアとして入社。PC用磁気記録メディアの新製品開発、海外ビジネスに従事。その後、アップルコンピュータ社にてマーケティングに携わる。日本ゲートウェイ(株)を経てメディアリング(株)の代表取締役などを歴任。現在、ビジネスコンサルタント事務所「オフィス・ケイ」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2013/12/6)
- 発売日 : 2013/12/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 240ページ
- ISBN-10 : 4023312541
- ISBN-13 : 978-4023312548
- 寸法 : 1.7 x 12.8 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 183,296位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 339位ビジネス人物伝 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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PHEVに乗っています。日本の急速充電器の屋根に、太陽光発電のパネルがないのが不思議に思いました。国が一時的に補助金を出して、ユーザーを引き込み時期がきたら打ち切る。こんな発想しかできない、我が国。自然エネルギーで電気をつくり、充電してモーターで走る。合理的だと思います。 本年4月から、急速充電器の電気代を払うようになりました。メーカーによって、同じ電気を充電しても支払料金に差がある。こんなことしていて、自動車の排出するCO2
を減らすことができるのだろうか?この国は、出来ることをしない。従来のしがらみの上でしか物事を考えられない。 よその国では、いまある技術で、出来ることから始め、将来を変えていく方向で進めている。燃料電池車の研究をされるのもいい。燃料の水素を作るのに、ガソリン以上にCO2を排出するという。
どこが、エコカーか?Co2をガソリン以上に排出する燃料を使って、何の意味があるのか?今の技術でできることをしないメーカーに価値はない。地球はそこまで来ている。CO2の排出量を減らす方法を提供してくれる素晴らしい経営者であるとしみじみ思う。発想の転換をするべきである。
を減らすことができるのだろうか?この国は、出来ることをしない。従来のしがらみの上でしか物事を考えられない。 よその国では、いまある技術で、出来ることから始め、将来を変えていく方向で進めている。燃料電池車の研究をされるのもいい。燃料の水素を作るのに、ガソリン以上にCO2を排出するという。
どこが、エコカーか?Co2をガソリン以上に排出する燃料を使って、何の意味があるのか?今の技術でできることをしないメーカーに価値はない。地球はそこまで来ている。CO2の排出量を減らす方法を提供してくれる素晴らしい経営者であるとしみじみ思う。発想の転換をするべきである。



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