4楽章からなる大作という意味では「海洋地形学」的な面がありますが、サウンド的にはむしろ「究極」の2曲目「Turn of the century 」とか同5曲目「Awaken」あるいは特に「キーズ・トゥ・アセンション」のなかのイエス最後の大曲「That, that is」の香りに近く、これらを優しく、美しく、清らかで落ち着きのあるものとして、快適性が高まった感じでしょうか。本作が「究極」のあとイエスを初脱退したころのアンダーソンで、プログレ時代後期のあの時点でのリリースだったなら。。。絶対ゴールドディスクものだな、などとくだらん夢想が湧きました。けれど時空を経た2016年だからこそアンダーソンもまたストルトもこのような、ある意味で静謐なる境地に達したともいえるのでしょう。プログレというよりは(プログレだとおもうのですが)、「美」に満ちたシンフォニックロックの良作アルバムとおもいます。自分は古い人間でリアルタイム「こわれもの」「危機」世代で、コピーバンドで学園祭などでイエスの曲を演奏していた手合いですが、当時とてつもなく斬新にきこえたアンダーソン/イエスが、このストルトとのコラボ作ではフツウにきけるというかそれも超えて、やすらぎの音楽のようにさえきこえます。時代がついに彼らに追いついたのかななどというきもいたします。