いや~、本当におもしろかったです!「奇想の画家たち」というタイトルからしてワクワク。どうしてこんな不可思議な世界を思いつくのか、どうしてこんなに不気味な絵が描けるのか、そんな画家たちも、著者美帆子さんの手にかかると、愛すべきイラストとともに面白いエピソード満載、奇人変人とおぼしき近寄りがたい大画家たちが、ググッとそばに寄ってきてくれました。数々の犯罪をおかしたカラバッジョがこれらの素晴らしい絵画を生み出したのは驚異。ゴヤの前代未聞の王族の肖像画も驚きでした。面白さにつられてどんどん読んでしまうのがもったいない内容です。これまでの3冊同様著者のここまで調べ上げられた熱意に頭がさがります。
奇想絵画の系譜と題してこれまでの流れがその当時の代表的な絵画作品とともに提示されていて、流れがわかるのもうれしいです。この本片手に今すぐ彼らの絵を見に行きたい衝動に駆られました。イラストで読むシリーズ、4冊目のこの本も大切な私の永久保存本です。
イラストで読む 奇想の画家たち (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2014/12/19
杉全 美帆子
(著)
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本の長さ128ページ
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言語日本語
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出版社河出書房新社
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発売日2014/12/19
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ISBN-104309255582
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ISBN-13978-4309255583
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ちょっと不気味で、妙に心に残る絵を描いた画家の人生とは!?我が道を行く奇才の画家たちのおもしろエピソードが満載!豊富な作品とイラストでその生涯にせまる、待望の一冊。
著者について
神奈川県生まれ。女子美術大学絵画科洋画卒業。広告制作会社でグラフィックデザイナーとして働く。
イタリア留学し、08年アカデミア・ディ・フィレンツェを卒業。
著書『イラストで読むルネサンスの巨匠たち』など。
イタリア留学し、08年アカデミア・ディ・フィレンツェを卒業。
著書『イラストで読むルネサンスの巨匠たち』など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
杉全/美帆子
神奈川県生まれ。女子美術大学絵画科洋画卒業。広告制作会社、広告代理店でグラフィックデザイナーとして働く。2002年よりイタリアへ留学。2008年アカデミア・ディ・フィレンツェを卒業。2009年帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
神奈川県生まれ。女子美術大学絵画科洋画卒業。広告制作会社、広告代理店でグラフィックデザイナーとして働く。2002年よりイタリアへ留学。2008年アカデミア・ディ・フィレンツェを卒業。2009年帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2014/12/19)
- 発売日 : 2014/12/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 128ページ
- ISBN-10 : 4309255582
- ISBN-13 : 978-4309255583
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Amazon 売れ筋ランキング:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年3月25日に日本でレビュー済み
「発想がかわっていて、誰も描かなかった絵を描かずにはいられなかった画家たち」をイラストを駆使して紹介した本。うーん、最高に面白かった。愛すべき画家たちの生涯やエピソード、代表作などを愉しく知ることができる。面白いエピソードが満載だし、イラストを使っての紹介の仕方が素晴らしい。みんな結構、友人か理解者、伴侶に恵まれているんだよね。よかったよかったと思う。主に紹介されているのは、ボス、デューラー、カラヴァッジョ、ゴヤ、ブレイク、ルドン、ルソー。ブレイクの伴侶のキャサリン・バウチャーって最高だな。
2016年6月12日に日本でレビュー済み
まず本の構成がいいです。随所で当時の主流派と奇想画を比較しているおかげで、奇想画のどこがどのようにすごいかが明確に分かります。
内容は奇想画家たちの生き様が中心。意外と堅実で幸福な人生を送っている人が大半なのが意外です。当時画家として認められなくてもその圧倒的なエネルギーに惹かれる人が多かったということでしょうか。特にブレイク、ルドン、ルソーなどは家族や友人にも恵まれており、読んでいてこれらの人物のことをこちらも好きになってきます。その中でカラヴァッチョだけはワイルドな人生がすごいです。もっとも彼も生涯友人や庇護者に恵まれたようですが・・・
本書の唯一の難点は掲載されている絵が小さいこと。特にボスのような大画面に大量の人物が描かれるタイプの絵はほとんど詳細がわかりません。画集などをそれぞれ別に入手する必要があるでしょう。
内容は奇想画家たちの生き様が中心。意外と堅実で幸福な人生を送っている人が大半なのが意外です。当時画家として認められなくてもその圧倒的なエネルギーに惹かれる人が多かったということでしょうか。特にブレイク、ルドン、ルソーなどは家族や友人にも恵まれており、読んでいてこれらの人物のことをこちらも好きになってきます。その中でカラヴァッチョだけはワイルドな人生がすごいです。もっとも彼も生涯友人や庇護者に恵まれたようですが・・・
本書の唯一の難点は掲載されている絵が小さいこと。特にボスのような大画面に大量の人物が描かれるタイプの絵はほとんど詳細がわかりません。画集などをそれぞれ別に入手する必要があるでしょう。
2015年3月7日に日本でレビュー済み
奇想=近代~現代作家というイメージをくつがえすような。ルソーはわりと最近の画家だけど、それ以外の、近代以前の作家でもこれだけユニークな作家がいた、というのを世に知らしめているだけでも楽しい。イラストやマンガチックな説明でわかりやすく、ここの作家の人生や作風、どのあたりが見どころか、あと代表作が写真で載っているのもよい。ブレイクが詩人というのは知ってたけど画家なのは知らなかった。私の好きなボスが一番に取り上げられてるのがうれしい。巻末、私はどの作家タイプ?てな占い?がついてます。私は何度やってもデュラーかブレイクになってしまう、、、ボスがいいのに(しくしく)。カラバッジョやデュラーが奇想か?むしろちらっと紹介してるアルチンボルトやモローあたりのほうが奇想という言葉に近い気がするけど、というのは蛇足でしょうね。いい本です。
殿堂入りNo1レビュアーベスト10レビュアーVINEメンバー
杉全美帆子さんのイラストが随所で光っていました。女子美術大学絵画科洋画卒業の経歴ですので、本書の至る所で捉えられた画家の特徴な素敵な箇所のポイントは、的を射ています。
洋の東西を問わず、「奇想の画家」は実に個性的でした。本書では、ヒエロニムス・ボス、アルブレヒト・デューラー、カラヴァッジョ、フランシスコ・デ・ゴヤ、ウィリアム・ブレイク、オディロン・ルドン、アンリ・ルソーの7名の画家を取り上げ、代表作や年表、その肖像画や美術史における位置づけなどを作品とイラストで視覚に訴えるように編集して提示してありました。分かりにくさや取っつき難さは皆無でした。
筆者は冒頭で「『発想が変わっている』そして『誰も描かなかった絵を描かずにはいられなかった』画家たちにスポットライトを当てました」と述べています。
最初に当方も昔から関心を持っているボスを取り上げています。ボスの年表と当時のヨーロッパ史を比較すれば良く分かりますが、レオナルド・ダ・ヴィンチと同じ時代の画家です。筆者も21ページにそのことを取り上げていました。知識としては知っていますが、美術史の流れを見ても、この二人の偉大な天才が同じ時代に活躍したことが信じられません。
ボスの自画像は残していません。ただ、彼の肖像ではないかという作品から類推してイメージが作られていました。
初期の作品「七つの大罪(23p)」は机絵という珍しい形状をしています。マドリードのプラド美術館では水平において展示しています。ボスの描きたいモティーフの源流でしょう。分かり易さだけでなく、詳しさも兼ね備えています。このような工夫された美術書は様々な発見をもたらしてくれます。
ボスの代表作の「快楽の園」は、24ページから4ページにわたって紹介されていました。この「快楽の園(マドリード プラド美術館)」は、三連の祭壇画の形式っています。大きさも中央が220 cm × 195 cm、両翼220 cm × 97 cmと書かれていることから、イメージがつかめるでしょう。ただ、細部の描写の特異さをもう少し大きくして見てみたかったのも事実です。後の世代のシュルレアリスムの画家に与えた影響の大きさや有り得ない超現実的な描写の細部の面白さをもう少し取り上げていただいても良かったのでは、と思いました。読者もそのあたりは知りたかったところではないでしょうか。
ボスの特異性は大いに感じられるところでしょう。この描写力は時代を越えて地域を越えて伝わってきます。それが美術の力なのでしょうが。
アルブレヒト・デューラーが奇想の画家かどうかは意見が分かれると思います。
カラヴァッジョも同様ですが、その生きざまは奇想そのものでしょう。47ページのイラストがなかなか秀逸でした。是非見てください。
酒を飲んでは喧嘩に明け暮れ、狼藉を働き投獄されるという生き方でした。乱闘の後に殺人を犯して死刑宣告を受けた画家というのも珍しいでしょう。また逃亡の4年間、描いては逃げるという生活の中で残した作品群の素晴らしさと凄み、怖さは比類のないものです。38歳の時、ポルト・エルコレ近くで熱病に倒れて亡くなるまで、光と闇の中に浮かび上がる宗教画に表れる人間の業は彼自身の懺悔の記録のようでもありました。
本作でも多くの作品が紹介されています。カラヴァッジョが描く美術作品のリアリズムに驚き、それゆえその作品群は世界的に人気を博しています。それらの題材も構図もまさしくバロック時代の幕開けとでもいうべき見事な作風が多くの人を魅了してきました。後の画家たちに大きな影響を与えた作風で、光も影も構図も表情も全て見事な調和の中に、ダイナミックな動きが感じられる作品ばかりでしょう。
続く、フランシスコ・デ・ゴヤも奇想の画家かもしれません。68ページに掲載してある「裸のマハ」と「着衣のマハ」が有名ですが、次の一連の「黒い絵」にはビックリされることでしょう。この暗いタッチの絵画と昔、美術館で遭遇し、そのギャップに驚いたことを思い出しています。
46歳で完全に聴覚を喪失するわけで、華やかな宮廷画家としての活躍の一面、後年の戦争を描いた作品や「聾の家」のモティーフなど、まさしく光と影の両面を感じられる画家でした。
ウィリアム・ブレイクも好きな画家です。現代に通ずる作風は時代を越えて魅力を伝えてくれています。
オディロン・ルドンも当初は、本書で紹介されているように、黒の画面が大半の時代を過ごしています。筆者は「ほぼ黒という色彩に捧げられた人生(94p)」と称していました。
その後、象徴派として豊かな色彩を帯びた作風への変化は実に魅力的です。本書にも近い作風の絵画が掲載してありますが、三菱一号館美術館所蔵「グラン・ブーケ」の鮮やかな色彩は印象的です。
ラストはアンリ・ルソーでしたが、アルチンボルドの方がもっと奇想ですね。
洋の東西を問わず、「奇想の画家」は実に個性的でした。本書では、ヒエロニムス・ボス、アルブレヒト・デューラー、カラヴァッジョ、フランシスコ・デ・ゴヤ、ウィリアム・ブレイク、オディロン・ルドン、アンリ・ルソーの7名の画家を取り上げ、代表作や年表、その肖像画や美術史における位置づけなどを作品とイラストで視覚に訴えるように編集して提示してありました。分かりにくさや取っつき難さは皆無でした。
筆者は冒頭で「『発想が変わっている』そして『誰も描かなかった絵を描かずにはいられなかった』画家たちにスポットライトを当てました」と述べています。
最初に当方も昔から関心を持っているボスを取り上げています。ボスの年表と当時のヨーロッパ史を比較すれば良く分かりますが、レオナルド・ダ・ヴィンチと同じ時代の画家です。筆者も21ページにそのことを取り上げていました。知識としては知っていますが、美術史の流れを見ても、この二人の偉大な天才が同じ時代に活躍したことが信じられません。
ボスの自画像は残していません。ただ、彼の肖像ではないかという作品から類推してイメージが作られていました。
初期の作品「七つの大罪(23p)」は机絵という珍しい形状をしています。マドリードのプラド美術館では水平において展示しています。ボスの描きたいモティーフの源流でしょう。分かり易さだけでなく、詳しさも兼ね備えています。このような工夫された美術書は様々な発見をもたらしてくれます。
ボスの代表作の「快楽の園」は、24ページから4ページにわたって紹介されていました。この「快楽の園(マドリード プラド美術館)」は、三連の祭壇画の形式っています。大きさも中央が220 cm × 195 cm、両翼220 cm × 97 cmと書かれていることから、イメージがつかめるでしょう。ただ、細部の描写の特異さをもう少し大きくして見てみたかったのも事実です。後の世代のシュルレアリスムの画家に与えた影響の大きさや有り得ない超現実的な描写の細部の面白さをもう少し取り上げていただいても良かったのでは、と思いました。読者もそのあたりは知りたかったところではないでしょうか。
ボスの特異性は大いに感じられるところでしょう。この描写力は時代を越えて地域を越えて伝わってきます。それが美術の力なのでしょうが。
アルブレヒト・デューラーが奇想の画家かどうかは意見が分かれると思います。
カラヴァッジョも同様ですが、その生きざまは奇想そのものでしょう。47ページのイラストがなかなか秀逸でした。是非見てください。
酒を飲んでは喧嘩に明け暮れ、狼藉を働き投獄されるという生き方でした。乱闘の後に殺人を犯して死刑宣告を受けた画家というのも珍しいでしょう。また逃亡の4年間、描いては逃げるという生活の中で残した作品群の素晴らしさと凄み、怖さは比類のないものです。38歳の時、ポルト・エルコレ近くで熱病に倒れて亡くなるまで、光と闇の中に浮かび上がる宗教画に表れる人間の業は彼自身の懺悔の記録のようでもありました。
本作でも多くの作品が紹介されています。カラヴァッジョが描く美術作品のリアリズムに驚き、それゆえその作品群は世界的に人気を博しています。それらの題材も構図もまさしくバロック時代の幕開けとでもいうべき見事な作風が多くの人を魅了してきました。後の画家たちに大きな影響を与えた作風で、光も影も構図も表情も全て見事な調和の中に、ダイナミックな動きが感じられる作品ばかりでしょう。
続く、フランシスコ・デ・ゴヤも奇想の画家かもしれません。68ページに掲載してある「裸のマハ」と「着衣のマハ」が有名ですが、次の一連の「黒い絵」にはビックリされることでしょう。この暗いタッチの絵画と昔、美術館で遭遇し、そのギャップに驚いたことを思い出しています。
46歳で完全に聴覚を喪失するわけで、華やかな宮廷画家としての活躍の一面、後年の戦争を描いた作品や「聾の家」のモティーフなど、まさしく光と影の両面を感じられる画家でした。
ウィリアム・ブレイクも好きな画家です。現代に通ずる作風は時代を越えて魅力を伝えてくれています。
オディロン・ルドンも当初は、本書で紹介されているように、黒の画面が大半の時代を過ごしています。筆者は「ほぼ黒という色彩に捧げられた人生(94p)」と称していました。
その後、象徴派として豊かな色彩を帯びた作風への変化は実に魅力的です。本書にも近い作風の絵画が掲載してありますが、三菱一号館美術館所蔵「グラン・ブーケ」の鮮やかな色彩は印象的です。
ラストはアンリ・ルソーでしたが、アルチンボルドの方がもっと奇想ですね。