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![[中山 元]のアンドロイドの誕生: ラカンで読みとく『未来のイヴ』](https://m.media-amazon.com/images/I/51SFSL7BE7L._SY346_.jpg)
アンドロイドの誕生: ラカンで読みとく『未来のイヴ』 Kindle版
▼内容紹介
アンドロイドという言葉が初めて使われた記念的な長編小説『未来のイヴ』を、フランスの精神分析家ジャック・ラカンの理論「想像界、現実界、象徴界」で読みとく哲学者・中山元の独創的な論考。アンドロイドという夢にこめられた人間の自己愛と、近代の科学幻想が結びついた有名作品の骨子を、数々の名訳で知られる著者の訳しおろしによる豊富な引用で知ることができる。長大な原作を直接読むよりもはるかに理解しやすい、指おりの入門書としても成立している。中山文庫、創刊第8弾。
▼目次から
序 ピュグマリオン幻想
1 エディソンの人物像
2 エワルドの人物像
3 二人のミソジニー
4 契約
5 甲冑の乙女
6 二つの約束
7 人間への愛、機械への愛
8 ロボット、アンドロイド、機械
9 『未来のイヴ』の賭け
10 アリシアの変身
11 エワルドの恍惚と絶望
12 想像界の破綻
終りに アンドロイド幻想
▼著者紹介
中山 元 なかやま・げん
一九四九年生。哲学者、翻訳家。東京大学教養学部中退。
おもな著書に『思考の用語辞典』『賢者と羊飼い』『アレント入門』『フロイト入門』共に筑摩書房、『ハンナ・アレント〈世界への愛〉』『思考のトポス』『フーコー 思想の考古学』共に新曜社、『フーコー 生権力と統治性』河出書房新社、『自由の哲学者カント』光文社、『フロイトで読みとく分身小説』中山文庫(Kindle)など。
おもな訳書にハンナ・アレント『責任と判断』、ジャック・デリダ『パピエ・マシン』、ミシェル・フーコー『真理とディスクール パレーシア講義』共に筑摩書房、カント『純粋理性批判』、ニーチェ『善悪の彼岸』、ハイデガー『存在と時間』共に光文社、モーリス・ブランショ『書物の不在』月曜社、マルクス『資本論』、マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』共に日経BP社などがある。
▼本文冒頭
序
ピュグマリオン幻想
『未来のイヴ』は、フランスの象徴主義の詩人ヴィリエ・ド・リラダン伯爵(一八三八~一八八九)が出版した長編小説であり、当時、非常に人気のあった作品である。一八八五年から一八八六年にかけて新聞小説として発表され、同年に書物として刊行された。この書物は、アンドロイドという言葉が初めて使われた小説として名高いが、実際にも、ここに描かれた美しくて忠実で完璧な、人間以上の伴侶というアンドロイドの造形は、アシモフをはじめとする二○世紀のSFに大きな影響を与え、二一世紀の現代におけるロボットのイメージにまでつながっている。
いっぽうで、この作中のアンドロイド誕生の動機には強いナルシシズムを指摘することができる。またそこには今日からみると困惑するような女性蔑視も伴われている。本書では、このリラダンの『未来のイヴ』という小説を、精神分析の理論家のシャック・ラカンの理論、とくにその体系の根幹をなす「想像界、現実界、象徴界」という理論から読もうとしている。それによって、このナルシシズムの性質と、アンドロイドの誕生を支えた「ピュグマリオン幻想」を明らかにすることができるだろう。このあと述べるように、ピュグマリオン幻想は本質的には他者の否定であり、自己のための自己による理想を成就することで心の成長を止め、内的な死を呼びこむことさえある。しかしそれは同時に、創造性という相反するような性質とも結びついている。そして『未来のイヴ』ではこのピュグマリオン幻想が、急速に発達していく一九世紀後半の科学にたいする神秘的な期待や魔術性という、一種の科学幻想と融合しているのである。そこにこの作品の歴史的な独自性がある。
アンドロイドという言葉が初めて使われた記念的な長編小説『未来のイヴ』を、フランスの精神分析家ジャック・ラカンの理論「想像界、現実界、象徴界」で読みとく哲学者・中山元の独創的な論考。アンドロイドという夢にこめられた人間の自己愛と、近代の科学幻想が結びついた有名作品の骨子を、数々の名訳で知られる著者の訳しおろしによる豊富な引用で知ることができる。長大な原作を直接読むよりもはるかに理解しやすい、指おりの入門書としても成立している。中山文庫、創刊第8弾。
▼目次から
序 ピュグマリオン幻想
1 エディソンの人物像
2 エワルドの人物像
3 二人のミソジニー
4 契約
5 甲冑の乙女
6 二つの約束
7 人間への愛、機械への愛
8 ロボット、アンドロイド、機械
9 『未来のイヴ』の賭け
10 アリシアの変身
11 エワルドの恍惚と絶望
12 想像界の破綻
終りに アンドロイド幻想
▼著者紹介
中山 元 なかやま・げん
一九四九年生。哲学者、翻訳家。東京大学教養学部中退。
おもな著書に『思考の用語辞典』『賢者と羊飼い』『アレント入門』『フロイト入門』共に筑摩書房、『ハンナ・アレント〈世界への愛〉』『思考のトポス』『フーコー 思想の考古学』共に新曜社、『フーコー 生権力と統治性』河出書房新社、『自由の哲学者カント』光文社、『フロイトで読みとく分身小説』中山文庫(Kindle)など。
おもな訳書にハンナ・アレント『責任と判断』、ジャック・デリダ『パピエ・マシン』、ミシェル・フーコー『真理とディスクール パレーシア講義』共に筑摩書房、カント『純粋理性批判』、ニーチェ『善悪の彼岸』、ハイデガー『存在と時間』共に光文社、モーリス・ブランショ『書物の不在』月曜社、マルクス『資本論』、マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』共に日経BP社などがある。
▼本文冒頭
序
ピュグマリオン幻想
『未来のイヴ』は、フランスの象徴主義の詩人ヴィリエ・ド・リラダン伯爵(一八三八~一八八九)が出版した長編小説であり、当時、非常に人気のあった作品である。一八八五年から一八八六年にかけて新聞小説として発表され、同年に書物として刊行された。この書物は、アンドロイドという言葉が初めて使われた小説として名高いが、実際にも、ここに描かれた美しくて忠実で完璧な、人間以上の伴侶というアンドロイドの造形は、アシモフをはじめとする二○世紀のSFに大きな影響を与え、二一世紀の現代におけるロボットのイメージにまでつながっている。
いっぽうで、この作中のアンドロイド誕生の動機には強いナルシシズムを指摘することができる。またそこには今日からみると困惑するような女性蔑視も伴われている。本書では、このリラダンの『未来のイヴ』という小説を、精神分析の理論家のシャック・ラカンの理論、とくにその体系の根幹をなす「想像界、現実界、象徴界」という理論から読もうとしている。それによって、このナルシシズムの性質と、アンドロイドの誕生を支えた「ピュグマリオン幻想」を明らかにすることができるだろう。このあと述べるように、ピュグマリオン幻想は本質的には他者の否定であり、自己のための自己による理想を成就することで心の成長を止め、内的な死を呼びこむことさえある。しかしそれは同時に、創造性という相反するような性質とも結びついている。そして『未来のイヴ』ではこのピュグマリオン幻想が、急速に発達していく一九世紀後半の科学にたいする神秘的な期待や魔術性という、一種の科学幻想と融合しているのである。そこにこの作品の歴史的な独自性がある。
- 言語日本語
- 発売日2017/8/11
- ファイルサイズ1071 KB
登録情報
- ASIN : B074RLHT1Z
- 発売日 : 2017/8/11
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1071 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 187ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 232,942位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 785位文学理論
- - 6,639位評論・文学研究 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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