対馬は元寇の時に島民が皆殺しにあったというような短い記事をかつて読んだことがあった。記憶だが、本土からモンゴル追放後に上陸した武士たちが見たものは島中に逆さづりに吊るされた島民の遺体であったとあったように覚えている。どの本で読んだのかも忘れてしまったが、マンガは対馬の地頭である宗氏を助けて戦う鎌倉幕府の政争で敗れた武士や海賊、山賊の軍隊と、万葉時代に派遣された防人の軍隊、さらに安徳天皇も登場し、どこまでが史料に基づき、どこからが空想なのかも分からない世界だが、蒙古と戦うさまが描かれていて、きっとこんな戦闘があったのだろうなと思わせる展開をしていく。家族を人質を取られた島民が裏切る続け、団結はいつも内から崩されていく。それでも勝利の機会を与えられるのは、まさに殺された島民の霊魂の導きかと思わせる凄惨な戦いが繰り返される。モンゴル軍が、今でいう多国籍軍であることが人物の服装や人相で描き出されこの戦いは、モンゴルとモンゴル斑をお尻につけて生まれる、北方騎馬民族出身と言われる日本人との死を恐れぬ対馬を守るための、一所懸命の戦いとなっている。言えば数千年前に大陸から追われたモンゴル部族の一支族が再び災厄に遭ったようなものか。
こんな戦いでも気絶して死体に埋もれていた人とか、見つからずに生き延びた人がいて、絶滅は免れた島民がいた。豆酘の神社での亀卜占いが劇的に描かれて出てくる。今も亀卜は本土でも大嘗祭の献納米の候補地の選定に用いられて生きている。対馬にも同様に今も生きており、別に安徳天皇伝説も伝わり、独特の世界が、つまり、もう一つの皇室の国があるように描かれ、ここが日本の中心だと主張をしているようにも感じた。
隠された歴史を迫力ある世界に描き上げた。絵で景色、服装、等々が見えることもすごい。マンガに脱帽、敬礼。
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