ネタバレ注意
初めて読んだのは二十歳くらいの頃でしょうか、よく覚えてないんですけど…
以来、何度か読み返したのですが、大意は掴めるけれど、最後の一点が頭の中でどうしてもクリアにならない、という消化不良感が薄れてきたのは最近のことなので、私の場合は年齢を経る必要があったのかなと。
「恋」の脆さと先行き不透明な芸能界とがシンクロされて、恋に対する不安がより増幅されて読者の胸に迫ります。
「過去」に対する嫉妬も乗り越え、結婚という「未来」の保証も捨てて、主人公が臨んだ武道館コンサート。
誰よりも「安定」を望んでいたはずの彼女がそこで求めたのは、永遠の愛ではなく、男が何もかも捨てて自分に向ける、「アンコールを3回」するほどの「一瞬」の恋の激情だった…
この後二人は別れるか友人に着地していくかそれとも生涯のパートナーになるかはわからないけれど、いずれにせよ「恋」とは別の何かに変わってゆくのでしょう、それは生きていれば避けられないこと。
それでも、あの瞬間、二人の恋は確かに「真実」だったという、王子と姫は末永く幸せに暮らしました…的おとぎ話とは対極にある、限りなく「一瞬」の恋を追求した、一粒の結晶のように凝縮された恋の話だと思います。
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