全編のうち、冒頭2割とラスト2割はアレックス死後の反響についての記述です。おそらくそこが涙を誘う部分なのでしょうが、私は少し引いて醒めてしまい、泣くのとは程遠い感情で読みました。アレックスが死んだとき、同じ部屋には他に2羽のヨウムがいました。電話で1羽の死を知らされた著者はどうかアレックスでないように祈るという記述が冒頭にあるのですが、他の2羽ならいいんかい・・・。
死亡した後はアレックスとの間に一線を画す必要がなくなったので愛情をおもいっきり表現していいのだというエクスキューズが、これも冒頭に記されていますが、小説家ではなく学者なのだから、もう少し感情表現を抑えて書いてほしかった気がします。
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アレックスと私 (ハヤカワ文庫NF) Kindle版
価格 | 新品 | 中古品 |
人と動物は、音声を用いて会話できるのか? はるかな目標を掲げた研究者と一羽の天才ヨウムが過ごした、長くて短い30年の物語。解説/鈴木俊貴
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2020/10/1
- ファイルサイズ4522 KB
商品の説明
出版社からのコメント
亡くなった当時は、ABC、ニューヨーク・タイムズ、エコノミスト、TIME誌などで繰り返し報道され、ほかにマーガレット・アトウッドやテッド・チャンの作品にも登場するなど、アレックスは名実ともに世界一有名で、世界一大きな影響力をもつインコでした。彼が科学者とともに歩んだ旅路は、鳥という生きものについて、そしてヒトという動物のあり方について、多くのことを教えてくれます。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
「マタネ。愛シテル」それが最期の言葉だった。2007年9月、アレックスという名の天才ヨウム(オウム科)が31歳の若さで亡くなった。「鳥は“思考して話す”」という驚愕の事実を証明して―。CNN、ABC、タイム誌等で話題、全米に感動を巻き起こしたノンフィクション。これは女性科学者と鳥の、愛と苦悩と発見の記録である。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ペパーバーグ,アイリーン・M.
1949年ニューヨーク生まれ。MIT(マサチューセッツ工科大)卒、ハーバード大学大学院修了、化学物理学で博士号を取得。大学院修了後、アレックスとともにヨウムの研究を開始。研究を通して、ヨウムの認知能力およびコミュニケーション能力を明らかにしてきたほか、その能力を類人猿、イルカなどの海洋ほ乳類、そしてヒトの子どもと比較してきた。現在はブランダイス大学心理学部非常勤准教授、ハーバード大学非常勤研究員、同大学非常勤講師、アレックス財団会長
佐柳/信男
1970年東京生まれ。幼少期をアメリカとタイで10年間過ごす。国際基督教大学卒、同大学院博士前期課程を修了後、ラジオ番組制作会社勤務やフリーランス翻訳者・通訳者などを経て国際基督教大学大学院博士後期課程修了。博士(教育学)。専門は児童発達、教育心理学、動機づけ。現在は国際基督教大学教育研究所研究員、実践女子大学非常勤講師、明星大学非常勤講師、山梨英和大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
1949年ニューヨーク生まれ。MIT(マサチューセッツ工科大)卒、ハーバード大学大学院修了、化学物理学で博士号を取得。大学院修了後、アレックスとともにヨウムの研究を開始。研究を通して、ヨウムの認知能力およびコミュニケーション能力を明らかにしてきたほか、その能力を類人猿、イルカなどの海洋ほ乳類、そしてヒトの子どもと比較してきた。現在はブランダイス大学心理学部非常勤准教授、ハーバード大学非常勤研究員、同大学非常勤講師、アレックス財団会長
佐柳/信男
1970年東京生まれ。幼少期をアメリカとタイで10年間過ごす。国際基督教大学卒、同大学院博士前期課程を修了後、ラジオ番組制作会社勤務やフリーランス翻訳者・通訳者などを経て国際基督教大学大学院博士後期課程修了。博士(教育学)。専門は児童発達、教育心理学、動機づけ。現在は国際基督教大学教育研究所研究員、実践女子大学非常勤講師、明星大学非常勤講師、山梨英和大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B08K33H69R
- 出版社 : 早川書房 (2020/10/1)
- 発売日 : 2020/10/1
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 4522 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 273ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 23,869位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 56位ハヤカワ文庫 NF
- - 71位イギリス・アメリカのエッセー・随筆
- - 367位エッセー・随筆 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さくっと読めました。面白かった。研究者の日常というのは、どんな分野でも似通っているところがあって、ふとした描写に親近感が湧くことが多かった。
期待される感想とはちょっと違う気がするけど、生体について、しかも特定の(替えの効かない/効きにくい)生体を頼りに研究するっていうのは大変なんだなあと思った。本は死なない。写本は…まあ死ぬかもしれない。失火とかで。でも多くの場面で文献学研究者の扱う資料は無生物の記録です。
オウムを連れて各地を転々とする。研究費用を捻出し、受け入れてくれる研究機関を探し、見つかったら一緒に移動。生体の気まぐれに根気よく付き合い、病気やストレスに苦しまないように注意を払う。これ家族の話をしてるんじゃなくて、研究対象の話だからね。ここの部分がすごく真に迫って面白かった。
それに何と言っても、生体は死ぬ。アレックスの死はもちろん作者に深い悲しみを与えているけど、研究に従事する人間のひとりとして、私はその悲しみに含まれているのは絶対に「家族/友人を喪った悲しみ」だけではないと思った。情がないとかそういう話じゃなくて、それで研究が成り立ってる訳だからね。アカデミアのシビアさを忘れちゃいかんよ。
だから帯の「絶対泣きます」は伝えたいものが違っている気がした。そうじゃないやろ、作者はそういう風に消費される感動的な悲しみを書くためにこの本を書いたんじゃないやろと思ったから…
期待される感想とはちょっと違う気がするけど、生体について、しかも特定の(替えの効かない/効きにくい)生体を頼りに研究するっていうのは大変なんだなあと思った。本は死なない。写本は…まあ死ぬかもしれない。失火とかで。でも多くの場面で文献学研究者の扱う資料は無生物の記録です。
オウムを連れて各地を転々とする。研究費用を捻出し、受け入れてくれる研究機関を探し、見つかったら一緒に移動。生体の気まぐれに根気よく付き合い、病気やストレスに苦しまないように注意を払う。これ家族の話をしてるんじゃなくて、研究対象の話だからね。ここの部分がすごく真に迫って面白かった。
それに何と言っても、生体は死ぬ。アレックスの死はもちろん作者に深い悲しみを与えているけど、研究に従事する人間のひとりとして、私はその悲しみに含まれているのは絶対に「家族/友人を喪った悲しみ」だけではないと思った。情がないとかそういう話じゃなくて、それで研究が成り立ってる訳だからね。アカデミアのシビアさを忘れちゃいかんよ。
だから帯の「絶対泣きます」は伝えたいものが違っている気がした。そうじゃないやろ、作者はそういう風に消費される感動的な悲しみを書くためにこの本を書いたんじゃないやろと思ったから…
ベスト500レビュアー
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アイリーン・ペパーバーグ(1949年~)は、ニューヨーク生まれ、MIT卒、ハーバード大学大学院化学物理学博士課程修了の学者で、現在(2010年時点)ブランダイス大学心理学部非常勤准教授、ハーバード大学非常勤研究員・講師、アレックス財団会長。
本書は、著者がヨウムのアレックス(1976~2007年)とともに、ヨウムの認知能力・コミュニケーション能力を研究し、アレックスが「50の物体、7つの色、5つの形を認識し、数を6つまで数えることが可能で、2歳児の感情と5歳児の知性を持っていた」とする能力を獲得・発揮するに至ったノンフィクションである。原書は2008年に発表、日本語訳は2010年に出版され、2020年に文庫化された。
(尚、ヨウムとは、アフリカ西海岸の森林地帯に分布する大型インコで、体長33cm程度、体重300~500g程度、体の大半は淡灰色の縁取りのある灰色の羽毛に包まれている)
私は、この研究分野の専門知識は持たず、また、とりわけ鳥好きということでもなく、単に(純粋に)動物の認知・コミュニケーション能力に対する興味から本書を手に取ったが、読了して、とても興味深い内容だった。アレックスが死んでから10年以上が経ち、現在、類人猿やイルカやカラス(や他の動物)の認知能力がどのくらい明らかになっているのかわからないが、人間の言葉を使ったコミュニケーション能力を持つ動物はほかに聞いたことはないし、「クルミほどの脳しかない」(著者は何度もこの表現を使う)アレックスの示した能力は、やはり驚くべきものだ。
解説で、京都大学白眉センター特定助教の鈴木俊貴氏は次のように語っている。「アレックスにみつかった音声の模倣や意味の学習、概念形成といった能力は、どれも人間の言語の発達に必須であるが、その進化の道筋は未だ明らかでない。ひょっとすると、これらの認知能力は、生物進化のなかで複数回、独立の系統に現れたのかもしれないし、もっと原始的なところに共通の起源があるのかもしれない。この問いに答えるためには、今後、より多様な動物を対象として、思考や言語に関する比較研究を進めていく必要があるだろう。」
著者が研究を開始した40余年前には、ほとんどの専門家・学者から真剣に取り合ってさえもらえなかった研究(故に、著者は研究を続けるために大変苦労をした)が、動物たちの認知能力を解き明かし、更には我々人間の「心」の起源を探る上のヒントを与えてくれる端緒のひとつになるのかも知れないのだ。
また、本書は著者とアレックスの交流の物語にもなっている。著者は寧ろその側面を強く出そうとしたのか、研究に関するロジカルな説明は限られており、その点でやや物足りないのだが、見方を変えれば、それ故に感情移入をしやすく(特に、鳥好き、動物好きの人にとっては)、読み易いものになっていると言えるかもしれない。
(2021年3月了)
本書は、著者がヨウムのアレックス(1976~2007年)とともに、ヨウムの認知能力・コミュニケーション能力を研究し、アレックスが「50の物体、7つの色、5つの形を認識し、数を6つまで数えることが可能で、2歳児の感情と5歳児の知性を持っていた」とする能力を獲得・発揮するに至ったノンフィクションである。原書は2008年に発表、日本語訳は2010年に出版され、2020年に文庫化された。
(尚、ヨウムとは、アフリカ西海岸の森林地帯に分布する大型インコで、体長33cm程度、体重300~500g程度、体の大半は淡灰色の縁取りのある灰色の羽毛に包まれている)
私は、この研究分野の専門知識は持たず、また、とりわけ鳥好きということでもなく、単に(純粋に)動物の認知・コミュニケーション能力に対する興味から本書を手に取ったが、読了して、とても興味深い内容だった。アレックスが死んでから10年以上が経ち、現在、類人猿やイルカやカラス(や他の動物)の認知能力がどのくらい明らかになっているのかわからないが、人間の言葉を使ったコミュニケーション能力を持つ動物はほかに聞いたことはないし、「クルミほどの脳しかない」(著者は何度もこの表現を使う)アレックスの示した能力は、やはり驚くべきものだ。
解説で、京都大学白眉センター特定助教の鈴木俊貴氏は次のように語っている。「アレックスにみつかった音声の模倣や意味の学習、概念形成といった能力は、どれも人間の言語の発達に必須であるが、その進化の道筋は未だ明らかでない。ひょっとすると、これらの認知能力は、生物進化のなかで複数回、独立の系統に現れたのかもしれないし、もっと原始的なところに共通の起源があるのかもしれない。この問いに答えるためには、今後、より多様な動物を対象として、思考や言語に関する比較研究を進めていく必要があるだろう。」
著者が研究を開始した40余年前には、ほとんどの専門家・学者から真剣に取り合ってさえもらえなかった研究(故に、著者は研究を続けるために大変苦労をした)が、動物たちの認知能力を解き明かし、更には我々人間の「心」の起源を探る上のヒントを与えてくれる端緒のひとつになるのかも知れないのだ。
また、本書は著者とアレックスの交流の物語にもなっている。著者は寧ろその側面を強く出そうとしたのか、研究に関するロジカルな説明は限られており、その点でやや物足りないのだが、見方を変えれば、それ故に感情移入をしやすく(特に、鳥好き、動物好きの人にとっては)、読み易いものになっていると言えるかもしれない。
(2021年3月了)
2013年8月5日に日本でレビュー済み
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ヨウムは2歳児くらいの知能がある、ということらしいけれど、たしかに鳥というより小さな子供みたいに思えてくる。
面白いと思う言葉を何度も繰り返すとか、訓練に退屈するとわざと間違った答えを言ってさぼろうとするとか、ほかの訓練中の鳥にわざと間違った答えを教えるとか、けっこういい性格をしているところがまたかわいい。
あと実はゲイというか、長身の男性研究者に関心があったり、自分が吐いたエサをある男子学生に食べさせようとした、あたりもちょっと生々しいというか何となく息を呑みながら読んでしまった。誰かアレックスとラブラブになってそこも研究として提出しようという学生はいなかったのだろうか。
帯の時点でもうネタバレしているし、物語は彼の一生が終わったところから始まっているにも関わらず、最後のページのアイリーンとの会話、「アシタ、クル?」のくだりは切なくなったし、アイリーンが必死で「死んだという報告があったヨウムはアレックスではないかもしれない」という葛藤、本当はわかっていたけど、そう言えば現実が変わると思っていたかのようだった、のくだりは泣けた。
彼はあまりにも自由な精神の持ち主だったので、私は彼を所有したという感覚を一度も持ったことがない…これは、ペットでもなく、研究対象でなく、彼女にとってあくまでアレックスはアレックスだった、そう思ってこその一文だった気がした。
面白いと思う言葉を何度も繰り返すとか、訓練に退屈するとわざと間違った答えを言ってさぼろうとするとか、ほかの訓練中の鳥にわざと間違った答えを教えるとか、けっこういい性格をしているところがまたかわいい。
あと実はゲイというか、長身の男性研究者に関心があったり、自分が吐いたエサをある男子学生に食べさせようとした、あたりもちょっと生々しいというか何となく息を呑みながら読んでしまった。誰かアレックスとラブラブになってそこも研究として提出しようという学生はいなかったのだろうか。
帯の時点でもうネタバレしているし、物語は彼の一生が終わったところから始まっているにも関わらず、最後のページのアイリーンとの会話、「アシタ、クル?」のくだりは切なくなったし、アイリーンが必死で「死んだという報告があったヨウムはアレックスではないかもしれない」という葛藤、本当はわかっていたけど、そう言えば現実が変わると思っていたかのようだった、のくだりは泣けた。
彼はあまりにも自由な精神の持ち主だったので、私は彼を所有したという感覚を一度も持ったことがない…これは、ペットでもなく、研究対象でなく、彼女にとってあくまでアレックスはアレックスだった、そう思ってこその一文だった気がした。