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アルジェリア人質事件の深層: 暴力の連鎖に抗する「否テロ」の思想のために 単行本 – 2015/10/9
桃井 治郎
(著)
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二〇一三年一月一六日、北アフリカのアルジェリアで人質拘束事件が発生した。イスラーム武装勢力がアルジェリア南部の天然ガス施設と居住区を襲撃し、同施設で働く関係者を人質にとって立てこもった事件である。発生から数日後にはアルジェリア軍の介入によって武装集団は鎮圧されたが、その過程で日本人一〇名を含む四〇名の命が失われた。
このような悲劇的事件を前にして、「反テロリズム」を主張するのは、あまりにも当然で、いまさら議論の余地はないと思われるかもしれない。しかし、単に「テロリズムは悪であり、徹底的に根絶すべきだ」という意見を声高に主張するだけでは、問題を理解することにも、再発を防ぐことにもならないであろう。それはむしろ、現実の問題に対する思考を停止させ、問題の根源を見極める努力を放棄することにつながるのではないか。
本書では、こうした問題意識に基づき、アルジェリア人質事件の深層を多面的に探っていく。各章ではそれぞれ、「事件現場でなにが起きたのか」(第一章)、「事件の対応はいかなるものだったのか」(第二章)、「なぜアルジェリア政府は強硬策をとったのか」(第三章)、「テロリズムを生んだ社会的背景はなにか」(第四章)、「テロリズムの論理とはいかなるものか」(第五章)、「グローバル・テロリズムとはなにか」(第六章)、「テロリズムに抗するためになにをなすべきか」(第七章)を考える。特に第七章では、アルジェリア出身の作家アルベール・カミュの思想を援用しながら、この事件から学ぶべき教訓を考える。
事件からすでに二年半が過ぎた。その後も「テロ」は頻発し、われわれは目まぐるしい日常のなかで凄惨な記憶を風化させがちである。しかし、「安全保障」の名のもとに「対テロ戦争」がなし崩しに正当化されている今日、事件の真相と根源的な要因(=深層)を見つめ直し、悲劇が二度と起きない未来を思い描くことには重要な意味があると信ずる。本書を通じて、あらゆる暴力に抗う「否テロリズム」の思想を提示できればと思う。(ももい・じろう)
このような悲劇的事件を前にして、「反テロリズム」を主張するのは、あまりにも当然で、いまさら議論の余地はないと思われるかもしれない。しかし、単に「テロリズムは悪であり、徹底的に根絶すべきだ」という意見を声高に主張するだけでは、問題を理解することにも、再発を防ぐことにもならないであろう。それはむしろ、現実の問題に対する思考を停止させ、問題の根源を見極める努力を放棄することにつながるのではないか。
本書では、こうした問題意識に基づき、アルジェリア人質事件の深層を多面的に探っていく。各章ではそれぞれ、「事件現場でなにが起きたのか」(第一章)、「事件の対応はいかなるものだったのか」(第二章)、「なぜアルジェリア政府は強硬策をとったのか」(第三章)、「テロリズムを生んだ社会的背景はなにか」(第四章)、「テロリズムの論理とはいかなるものか」(第五章)、「グローバル・テロリズムとはなにか」(第六章)、「テロリズムに抗するためになにをなすべきか」(第七章)を考える。特に第七章では、アルジェリア出身の作家アルベール・カミュの思想を援用しながら、この事件から学ぶべき教訓を考える。
事件からすでに二年半が過ぎた。その後も「テロ」は頻発し、われわれは目まぐるしい日常のなかで凄惨な記憶を風化させがちである。しかし、「安全保障」の名のもとに「対テロ戦争」がなし崩しに正当化されている今日、事件の真相と根源的な要因(=深層)を見つめ直し、悲劇が二度と起きない未来を思い描くことには重要な意味があると信ずる。本書を通じて、あらゆる暴力に抗う「否テロリズム」の思想を提示できればと思う。(ももい・じろう)
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社新評論
- 発売日2015/10/9
- ISBN-104794810229
- ISBN-13978-4794810229
- UNSPSC-Code
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
蔓延する暴力主義との不断の闘争に向けて。事件の考察にカミュの問題作『反抗的人間』を重ねあわせ、「絶滅戦」を回避する抵抗の思想を立ち上げる。2013年1月の悲劇を解明する本邦初の書。
著者について
1971年、神奈川県生まれ。中部大学国際関係学部講師。博士(国際関係学)。2008-11年まで在アルジェリア日本国大使館専門調査員。著書に『「バルバリア海賊」の終焉:ウィーン体制の光と影』(風媒社、2015年)ほか。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
桃井/治郎
1971年、神奈川県生まれ。中部大学国際関係学部専任講師。筑波大学卒、中部大学大学院博士後期課程中退。博士(国際関係学)。中部高等学術研究所研究員、在アルジェリア日本国大使館専門調査員などを経て、現職。専攻は国際関係学、マグレブ地域研究、平和学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1971年、神奈川県生まれ。中部大学国際関係学部専任講師。筑波大学卒、中部大学大学院博士後期課程中退。博士(国際関係学)。中部高等学術研究所研究員、在アルジェリア日本国大使館専門調査員などを経て、現職。専攻は国際関係学、マグレブ地域研究、平和学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 新評論 (2015/10/9)
- 発売日 : 2015/10/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 232ページ
- ISBN-10 : 4794810229
- ISBN-13 : 978-4794810229
- Amazon 売れ筋ランキング: - 993,204位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 302位中東のエリアスタディ
- - 13,910位政治入門
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.6
星5つ中の4.6
4 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年11月3日に日本でレビュー済み
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日揮の10人が殺害されたテロ事件の詳細な経過と、歴史的背景が良く理解できました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2016年1月17日に日本でレビュー済み
著者が大学院時代に専攻した領域は平和学や人間の安全保障に関わる分野で、学位取得後、外務省の専門調査員としてアルジェリアに3年間駐在、その2年後に本書の前半で精緻に記録された日揮の社員が被害者の大半を占めるテロ事件が発生する。地中海地域におけるテロの歴史は古く、19世紀にまでバルバリア海賊(オスマン帝国)と欧米との海賊行為をめぐる調停の終結点の一つがウィーン会議であり、その後安定を得ながらも、イスラム教と他宗教との確執は、戦後から20世紀後半を経て今世紀にも多大なテロを継承せざるをえない状況である。
今回の事件を精緻にメディアの記録を集大成しながら、片方でテロの歴史的な位置づけや定義を政治理論に求めて、整理、テロを減らす方途を模索する。
奇しくもアルジェ出身の作家カミュの<不条理>概念を敷衍しながら、理論的な構築可能性を模索した好著、と云えよう。
今回の事件を精緻にメディアの記録を集大成しながら、片方でテロの歴史的な位置づけや定義を政治理論に求めて、整理、テロを減らす方途を模索する。
奇しくもアルジェ出身の作家カミュの<不条理>概念を敷衍しながら、理論的な構築可能性を模索した好著、と云えよう。