正義がどこにあるかは主人公に感情移入する際の一番のポイントだ。実はこの正義は嘘でも構わない。読み手が納得できればそれでよい。本巻で一番気になったのはそこだった。主人公の櫂少佐は家庭教師先の教え子の一人芝居に脚をとられ、帝大を中退する。そこへ海軍の首脳がその頭脳をスカウトにやってきて、結果、特例で入省する。そして巨大戦艦の省内コンペの不正を暴くため奮戦する。
ただ、導入にあたる本巻はそれほどスムーズな物語の進行とは言い難い。ただ、後半の戦艦長門の測量のあたりから本作の本領の片りんが見えてくる。数学と物理の知識があれば面白さは倍増する。それも高校1年生程度の知識で十分だ。
ただ、引っかかるのは主人公のよって立つ正義が大したことがないということ。一方の陣営の積算にごまかしがありそれは税金の無駄遣いだという指弾は相対的なものに過ぎない。実際のところ海軍の戦略は開戦までに揃えた軍備で決まる。もともと戦争中に海軍力を補強拡張するのは国力上ほとんどすべての国が不可能だった。それゆえに軍縮条約での保有割合は意味があった。それが無くなると国力に比例した軍備を整備することになる。その中身が巨大戦艦か航空母艦か護衛艦かは一段低いレベルの判断に過ぎない。使う税金は減らないのだ。
数学の天才がアイデアと理論を駆使するのは恰好が良いが、国家観が無いのに国家の根本にかかわる話に切り込もうとすることに説得力を持たせる方が困難なのではないか。
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アルキメデスの大戦(1) (ヤングマガジンコミックス) Kindle版
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言語日本語
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出版社講談社
-
発売日2016/5/6
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ファイルサイズ122741 KB
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ベスト500レビュアーVINEメンバー
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ベスト500レビュアー
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いきなり海軍少佐に任官しちゃうミラクル設定とかはもう無視せざるを得ないのですが、これは他の巻でもちょいちょい出てくる問題だと思います。
第1巻ですと永野修身大将の扱いが大変酷いものになります。永野修身大将はハンモック制度を廃止しようとしたり、日露戦争では砲撃で旅順基地や艦隊を心身共に破壊し尽したりと大変スキルフルな人間のはずなのですが、こちらの作品だと言っちゃ悪いですが山本五十六に利用されているだけの「チェストォォォォ!」みたいなお馬鹿キャラ扱いになっております。
かわぐちかいじ先生ほど設定が滅茶苦茶ではなくこの先の巻でも隼の開発者の某氏が取り上げられたりと評価できる点は多いのですが、折角なのですしもう少し研究して描いてほしいと思いました。
ただ、山本五十六の書き方は悪くないと思います。よく、山本五十六を高く評価し過ぎる方も多いですが、現実には空母機動部隊ドクトリンや航空優勢等は彼の功績だと思いますが、案外理屈倒れなところもあったりと戦後の座談会では評価は今一な方です。
頑迷なおっさん扱いされてる嶋田繁太郎なんかは連合艦隊長官になれば良かったと言われたりもしてます。まああまり海軍大臣には適任ではなかったようですが。
ただあえて言おう。海軍善玉論は全部嘘です。陸軍の和平工作を妨害したりとか海軍や政治家も案外救いようがありません。
第1巻ですと永野修身大将の扱いが大変酷いものになります。永野修身大将はハンモック制度を廃止しようとしたり、日露戦争では砲撃で旅順基地や艦隊を心身共に破壊し尽したりと大変スキルフルな人間のはずなのですが、こちらの作品だと言っちゃ悪いですが山本五十六に利用されているだけの「チェストォォォォ!」みたいなお馬鹿キャラ扱いになっております。
かわぐちかいじ先生ほど設定が滅茶苦茶ではなくこの先の巻でも隼の開発者の某氏が取り上げられたりと評価できる点は多いのですが、折角なのですしもう少し研究して描いてほしいと思いました。
ただ、山本五十六の書き方は悪くないと思います。よく、山本五十六を高く評価し過ぎる方も多いですが、現実には空母機動部隊ドクトリンや航空優勢等は彼の功績だと思いますが、案外理屈倒れなところもあったりと戦後の座談会では評価は今一な方です。
頑迷なおっさん扱いされてる嶋田繁太郎なんかは連合艦隊長官になれば良かったと言われたりもしてます。まああまり海軍大臣には適任ではなかったようですが。
ただあえて言おう。海軍善玉論は全部嘘です。陸軍の和平工作を妨害したりとか海軍や政治家も案外救いようがありません。
2019年4月11日に日本でレビュー済み
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戦艦造るか造らないかが開戦を決めるなんて
良くいる頭がいいと勘違いしてる人の独善でしかない
絵がいまひとつ
絵は外注なのですね
どおりで上手くならないわけだ
絵に対する気持ちが無いなら、潔く原作に徹すればいいのに
良くいる頭がいいと勘違いしてる人の独善でしかない
絵がいまひとつ
絵は外注なのですね
どおりで上手くならないわけだ
絵に対する気持ちが無いなら、潔く原作に徹すればいいのに
2019年9月6日に日本でレビュー済み
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まず、前提として
「無駄な戦艦を作って私腹を肥やしたい人」VS「税金の無駄遣いをやめさせて戦争を止めたい人」
という構図がある。
ファンタジーならともかく、こういう理屈をこねる楽しさをメインに据えているのであれば、時代の趨勢の描写に対してもリアリティがないと感情移入できないのは当然だ。この点完全に失敗している。
統計でも経済学でも様々な学問でモデルをつくって予測はするけど、当然複雑な現実を極めて単純化しているのであって実際にどうなるかはやってみないと多くは分からない。「航空機で軍艦を鎮めることができる」というのは当時世界最高の工業技術と武官の錬度を併せ持った日本が、真珠湾で初めて示し世界を震撼をさせたもので、模倣できたのもアメリカだけである。
この世界では「軍艦が無駄」というのが自明のこととして語られているがそんなはずはない。当時は誰も実際のところは分からなかったのである。従って、両者の衝突というのは完善懲悪の単純なものではない。
また、日本が貧しくなったから中国に膨張したとあるが、そういう話ではない。日本は山岳部が多く農耕を行える国土は限られている。お金があってもブロック経済で他国から食料を輸入するにはまず輸出して外貨を獲得しなければならず(現在のような通貨交換の市場は無い)、食料が不足していた。
よって、開拓できる土地を求めてメキシコや満州に移動したのである。このような移民は、化学肥料が開発され国際貿易ができるようになるまで続き、税金の無駄遣いをやめれば解決できる問題ではない。
当然だが移民と戦争は何の関連もない。現在日本に外国人が多く暮らしているがそれを戦争の前兆と捉える人はいないだろう。当時のアメリカにとって日本は油を大量購入してくれる大のお得意様であって、多くの人は日米の衝突はあり得ないと考えていた。
もちろん、武官の中にはアメリカが西へと膨張していく動きから、日本への挑戦を危険視していた人もわずかだがいた。しかし、劇中に描かれるように明確に戦争への可能性を予見できた人間などいるはずもなく、エスパーのようにしか見えない。
結果として見ていて何のリアリティもなく、ただただバカバカしいだけである。
「無駄な戦艦を作って私腹を肥やしたい人」VS「税金の無駄遣いをやめさせて戦争を止めたい人」
という構図がある。
ファンタジーならともかく、こういう理屈をこねる楽しさをメインに据えているのであれば、時代の趨勢の描写に対してもリアリティがないと感情移入できないのは当然だ。この点完全に失敗している。
統計でも経済学でも様々な学問でモデルをつくって予測はするけど、当然複雑な現実を極めて単純化しているのであって実際にどうなるかはやってみないと多くは分からない。「航空機で軍艦を鎮めることができる」というのは当時世界最高の工業技術と武官の錬度を併せ持った日本が、真珠湾で初めて示し世界を震撼をさせたもので、模倣できたのもアメリカだけである。
この世界では「軍艦が無駄」というのが自明のこととして語られているがそんなはずはない。当時は誰も実際のところは分からなかったのである。従って、両者の衝突というのは完善懲悪の単純なものではない。
また、日本が貧しくなったから中国に膨張したとあるが、そういう話ではない。日本は山岳部が多く農耕を行える国土は限られている。お金があってもブロック経済で他国から食料を輸入するにはまず輸出して外貨を獲得しなければならず(現在のような通貨交換の市場は無い)、食料が不足していた。
よって、開拓できる土地を求めてメキシコや満州に移動したのである。このような移民は、化学肥料が開発され国際貿易ができるようになるまで続き、税金の無駄遣いをやめれば解決できる問題ではない。
当然だが移民と戦争は何の関連もない。現在日本に外国人が多く暮らしているがそれを戦争の前兆と捉える人はいないだろう。当時のアメリカにとって日本は油を大量購入してくれる大のお得意様であって、多くの人は日米の衝突はあり得ないと考えていた。
もちろん、武官の中にはアメリカが西へと膨張していく動きから、日本への挑戦を危険視していた人もわずかだがいた。しかし、劇中に描かれるように明確に戦争への可能性を予見できた人間などいるはずもなく、エスパーのようにしか見えない。
結果として見ていて何のリアリティもなく、ただただバカバカしいだけである。
ベスト50レビュアー
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本作は実写映画公開され、評価も高いことを知り、Kindleで一話が無料購入できることから一話だけを読んでみました。
正直言いますと、個人的にはあまり”虫の好かない”作品です。
この作品には善悪二つの対立軸があります。
航空主兵主義派(正義?藤岡、山本、永野)と大艦巨砲主義派(悪?平山、嶋田、高任)が、新造戦艦を巡ってそのコンセプトと予算見積もりの相違から暗闘で向かい合うサスペンスになっているようです。
※登場人物の名前は実名かあるいは少々改変が行われているように思います。
主役の天才数学者、櫂直(かい ただし)は航空主兵主義派の一員に引き抜かれ行動することになりますが、受け身でなく、彼なりの正義感を以て自立・自律した行動をする男として設定・表現されています。
ここは私にとっては評価の分かれ目で、なんというか、いかにも現代的な発想と解釈で構成された物語という感覚で捉えてしまう自分には、主人公の立場に違和感を持ち感情移入ができない作品となってしまいます。
少しばかり歴史に興味を持つ者(私)にとっては、当時艦隊決戦か航空主兵かという建艦論争があったことは理解できますし、それによる派閥抗争もあっただろうということは想像できるのですが、立場は反対であったとしても当時の軍人にとって国に対する気持ちには共通したものがあったのではないかと思っています。
この主人公の立ち位置は「国」がありません。どこか別の国の人間のような空気を発散しています。
今の視点から見ると、所謂憲法9条、平和憲法護持派であって、日本に戦力を持たせること、愚かな指導者が戦争を起こすことを未然に防ぐというような思想に依っているように感じます。
そもそも日本が自分から戦争を欲した時は明治以来一度もありません。弱小国という立場をわきまえつつ外部から押し寄せてくる圧力を必死で払いのけてきたのも一面の真実ではないかと思っています。
明治維新期が日本の独立を脅かす脅威であったことは周知の通りだと思いますが、その危機に対して東アジア連合(日、清、朝鮮)で欧米に対抗しようとした明治政府(西郷)の目途はチャイナ・朝鮮の華夷思想によって拒否されました。
日本が他の国の近代化に絶望した結果、それが江華島事件につながり、後には清による日本への軍事的圧力であり恫喝でもあった「長崎事件」から日清戦争に至りました。
日清戦争で得た権益は「三国干渉」によって反故にされ、清から独立させた大韓民国は「事大主義」によりロシアの属国を選択しようとします。その朝鮮に対しロシアが進出し朝鮮半島に南下します。所謂「南下政策」というものです。
それを阻止するために行われたのが「日露戦争」。
天皇陛下が大本営を広島に移されるほど国家の命運を賭けた戦いでした。
その後脅かされる満洲の権益を守るため「満州事変」が起こりました。チャーチルはここを以て「第二次世界大戦」と規定していますが、日本にとっては国家防衛の意図から外れていたわけではないと思います。
※満洲ではテロが多発し残虐な日本人虐殺事件が頻発していました。
本作の視点はあくまでも戦後歴史教育の観点から書かれたものと私は考えてしまいます。
戦争には双方の正義があると言われます。
日本だけが悪い。昔の軍人は無脳で無責任で悪かったという価値観はいい加減払拭できないものでしょうか?
それから艦体を設計するために造艦を知る目的で巻き尺で戦艦の部分を計測する場面がありますが、現実的にはあり得ないと思います。
ゲームなどでも艦の設計ができるものがありますが、そこでは基本の艦体に色々なユニット(砲、機関、艦橋、煙突など)を組み合わせ、それによって重心や残りの積載量が変わり自分好みの艦を設計できるようになっています。
大雑把ではありますが、恐らく実際の艦船設計もそれに近いものがあり、従前のノウハウの蓄積を基に計画がなされていたのではないかと考えます。
逆に言えばそういう情報を持たない素人が巻き尺で軍艦を設計することなどできないと思うのですが・・・・。
価値観、科学的な根拠、どちらも煮詰めが足りないような作品という印象を受けました。
結果☆は甘く見積もっても3つと判断しています。
正直言いますと、個人的にはあまり”虫の好かない”作品です。
この作品には善悪二つの対立軸があります。
航空主兵主義派(正義?藤岡、山本、永野)と大艦巨砲主義派(悪?平山、嶋田、高任)が、新造戦艦を巡ってそのコンセプトと予算見積もりの相違から暗闘で向かい合うサスペンスになっているようです。
※登場人物の名前は実名かあるいは少々改変が行われているように思います。
主役の天才数学者、櫂直(かい ただし)は航空主兵主義派の一員に引き抜かれ行動することになりますが、受け身でなく、彼なりの正義感を以て自立・自律した行動をする男として設定・表現されています。
ここは私にとっては評価の分かれ目で、なんというか、いかにも現代的な発想と解釈で構成された物語という感覚で捉えてしまう自分には、主人公の立場に違和感を持ち感情移入ができない作品となってしまいます。
少しばかり歴史に興味を持つ者(私)にとっては、当時艦隊決戦か航空主兵かという建艦論争があったことは理解できますし、それによる派閥抗争もあっただろうということは想像できるのですが、立場は反対であったとしても当時の軍人にとって国に対する気持ちには共通したものがあったのではないかと思っています。
この主人公の立ち位置は「国」がありません。どこか別の国の人間のような空気を発散しています。
今の視点から見ると、所謂憲法9条、平和憲法護持派であって、日本に戦力を持たせること、愚かな指導者が戦争を起こすことを未然に防ぐというような思想に依っているように感じます。
そもそも日本が自分から戦争を欲した時は明治以来一度もありません。弱小国という立場をわきまえつつ外部から押し寄せてくる圧力を必死で払いのけてきたのも一面の真実ではないかと思っています。
明治維新期が日本の独立を脅かす脅威であったことは周知の通りだと思いますが、その危機に対して東アジア連合(日、清、朝鮮)で欧米に対抗しようとした明治政府(西郷)の目途はチャイナ・朝鮮の華夷思想によって拒否されました。
日本が他の国の近代化に絶望した結果、それが江華島事件につながり、後には清による日本への軍事的圧力であり恫喝でもあった「長崎事件」から日清戦争に至りました。
日清戦争で得た権益は「三国干渉」によって反故にされ、清から独立させた大韓民国は「事大主義」によりロシアの属国を選択しようとします。その朝鮮に対しロシアが進出し朝鮮半島に南下します。所謂「南下政策」というものです。
それを阻止するために行われたのが「日露戦争」。
天皇陛下が大本営を広島に移されるほど国家の命運を賭けた戦いでした。
その後脅かされる満洲の権益を守るため「満州事変」が起こりました。チャーチルはここを以て「第二次世界大戦」と規定していますが、日本にとっては国家防衛の意図から外れていたわけではないと思います。
※満洲ではテロが多発し残虐な日本人虐殺事件が頻発していました。
本作の視点はあくまでも戦後歴史教育の観点から書かれたものと私は考えてしまいます。
戦争には双方の正義があると言われます。
日本だけが悪い。昔の軍人は無脳で無責任で悪かったという価値観はいい加減払拭できないものでしょうか?
それから艦体を設計するために造艦を知る目的で巻き尺で戦艦の部分を計測する場面がありますが、現実的にはあり得ないと思います。
ゲームなどでも艦の設計ができるものがありますが、そこでは基本の艦体に色々なユニット(砲、機関、艦橋、煙突など)を組み合わせ、それによって重心や残りの積載量が変わり自分好みの艦を設計できるようになっています。
大雑把ではありますが、恐らく実際の艦船設計もそれに近いものがあり、従前のノウハウの蓄積を基に計画がなされていたのではないかと考えます。
逆に言えばそういう情報を持たない素人が巻き尺で軍艦を設計することなどできないと思うのですが・・・・。
価値観、科学的な根拠、どちらも煮詰めが足りないような作品という印象を受けました。
結果☆は甘く見積もっても3つと判断しています。
2020年4月28日に日本でレビュー済み
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「数学の天才だから」と、帝大生がいきなり技術少佐に任命されたり、平賀(平山)造船官が「艦名は大和だ」と言ってのけたりと……昔、「仮想戦記」を揶揄したひどい言い方に「火葬戦記」と罵る嫌な奴らがいたが、そういう残党が残っていたら口を極めて罵倒するような突っこみどころ満載の設定、考証で、正直言っておどろいた。
うーん……正直、考証をもっと真面目にやられた方がよかったのでは? と、疑問だけが膨らんだ一巻だった。
原作は途中から雑誌を立ち読みして知ったクチだから最初のころ、「こんな感じ」だったとは全然知らなかった。まあ、今進んでいる話でも「旧い大和と次世代大和が同時建造で進行中」とか「予算どう通したんだよ!」とか、いきなり北極海を中心とする核戦略が第二次大戦ベース世界で語られていたり「技術が戦略を確定する部分なのに、技術そのものがまだロクに出ていないのに戦略だけが先に語られるのはいかがなものか?」と疑問が大いに残る描写になっており、「強引だねえ」と苦笑せざるを得ない話になっているから「一巻からなるべくしてなったお話」とも言えるのだが。
うーん……正直、考証をもっと真面目にやられた方がよかったのでは? と、疑問だけが膨らんだ一巻だった。
原作は途中から雑誌を立ち読みして知ったクチだから最初のころ、「こんな感じ」だったとは全然知らなかった。まあ、今進んでいる話でも「旧い大和と次世代大和が同時建造で進行中」とか「予算どう通したんだよ!」とか、いきなり北極海を中心とする核戦略が第二次大戦ベース世界で語られていたり「技術が戦略を確定する部分なのに、技術そのものがまだロクに出ていないのに戦略だけが先に語られるのはいかがなものか?」と疑問が大いに残る描写になっており、「強引だねえ」と苦笑せざるを得ない話になっているから「一巻からなるべくしてなったお話」とも言えるのだが。