都市論の古典にして必読書。
なによりも,今なお新しいという感じを受けます。
「まちづくり」に関する言説は枚挙にいとまがありませんが,本書はその中でも別格。
なにか,ぼんやりとした主張なのではなく,非常に切れ味の鋭い分析なのです。
彼女は,アメリカにおける賑やかな地域を,足をつかって目で見ることから機能的に都市の抱える問題点を明らかにしました。
モータリゼーションの背景で進む都市の荒廃。これはまさに,現在の日本が抱えている問題そのもののように思えます。
アメリカ大都市の死と生 (日本語) 単行本 – 2010/4/7
ジェイン ジェイコブズ
(著)
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ISBN-104306072746
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ISBN-13978-4306072749
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版新
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出版社鹿島出版会
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発売日2010/4/7
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言語日本語
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本の長さ488ページ
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
都市論のバイブル、待望の全訳なる。近代都市計画への強烈な批判、都市の多様性の魅力、都市とは、明らかに複雑に結びついている有機体である―一九六一年、世界を変えた一冊の全貌。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ジェイコブズ,ジェイン
1916~2006年。アメリカ、ペンシルベニア州スクラントン生まれ。都市活動家、都市研究家、作家。1952年から十年間「アーキテクチュラル・フォーラム」誌の編集メンバーとなる。1968年にカナダに移住し、同国トロントで他界
山形/浩生
1964年東京生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務のかたわら、小説、経済、ネット文化、コンピュータ、建築、開発援助など広範な分野での翻訳および執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1916~2006年。アメリカ、ペンシルベニア州スクラントン生まれ。都市活動家、都市研究家、作家。1952年から十年間「アーキテクチュラル・フォーラム」誌の編集メンバーとなる。1968年にカナダに移住し、同国トロントで他界
山形/浩生
1964年東京生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務のかたわら、小説、経済、ネット文化、コンピュータ、建築、開発援助など広範な分野での翻訳および執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 鹿島出版会; 新版 (2010/4/7)
- 発売日 : 2010/4/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 488ページ
- ISBN-10 : 4306072746
- ISBN-13 : 978-4306072749
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- - 1,232位社会学概論
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年4月9日に日本でレビュー済み
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ベスト1000レビュアー
訳者の言うとおり、「商人道のスゝメ」→「市場の倫理 統治の倫理」から本書に到達しました。1961年の本なのに、今でもこの本の主張はそのまま有効なことに驚きます。目から鱗の名著でした。(ただし、訳者は「おばさんのおしゃべりのよう」と評してますが、長い上に、元の文章が読みづらい本でした。1/10くらいの紙数で書けそうな気がします。)
小生の印象に残った点は以下です。
・都市の活気は、人の目が届き、子供が遊べる歩道が源泉。歩道の脇の商店(含:飲食店)の店主/客や、絶えない歩行者が、一種の自治で治安を良くし、子供たちも育てる。逆に、居住専用区にしてしまうと、歩行者を減らし、活気を減らす。
・1階を歩道に向けた商店にするのはよい。屋台も効果的。
・住民の戸数密度は高い方が多様性が増し、活気が出る。ただし、一部屋に詰め込まれる人数は少ない方がいい。人口密度だけだとこの2つが区別できない。
・人がスパースな田園都市構想は、この点で間違っている。
・公園が活気を創るのではない。公園は、上記のような店舗付き歩道が隣接した時には活気に繋がるが、そうでなければ人が歩かず、治安悪化につながる。
・いい眺めがあっても人が公園に来るわけではない。人は、他の人を眺めに歩道や公園にやって来る。
・公共施設を公園に集めてはいけない。サンフランシスコのCity Centerのように人が歩かず、治安が悪化する。公共施設はダウンタウンや店舗のある街区に点在させるべき。
・古い建物は、賃料が安く、歩道の多様性に貢献する。古い建物を一掃してはならない。
・公園/新しい居住専用高層アパート/自動車(高速道路)を推進した、ル・コルビジェは間違っている。日陰の暗い公園には誰も来ない。19世紀の不衛生なロンドンからの脱出を目指した田園ユートピア構想は、都市の衛生状態が改善した今には有効ではない。
・スラム=治安が悪いとは限らない。人が長く住んでいるスラムは、却って治安が良い。窓から人が歩道を眺めていて、何かあれば介入する。(例:ボストンのノースエンド)
・所得制限付の低所得者住宅を作るのは良くない。所得が増えると住民が出ていかざるを得なくなり、地域の愛着に繋がらず、上記の効果に繋がらない。所得が増えれば家賃が上がる(家賃補助が減る)という形で、長く住んで貰うのが良い。中流階級を呼び戻すのではなく、中流階級が育つ街になる。
・道と道との間が長いのは、人が歩かない街区ができやすく良くない。
・道に接する長さが長すぎる建物は、多様性を減らすので良くない。
・活気ある風景と、それがはるか先まで続く見通しとが共存すると混乱を招く。2階の歩道上への張出しや、T字路などで視界を区切ると効果的。並木もよい。
・自動車は、広大な駐車場を必要とし、高密度性を失わせる。自動車を締め出すと、人が道路を自由に横断できるようになり活気が増す。公共交通機関/商店に荷を運ぶトラック/バス/タクシー以外の自動車は都市から締め出すべし。
・一方通行路にするとバスの乗客が減る。
・高速道路や線路沿いは、人通りが少なくなり、治安が悪化しがち。
・活気が出て人が集まると、効率よく稼げる業種が多く集まるが、来る人の多様性も失われることによって、人が歩く時間帯が限定され、その街区はさびれる。
・多様性、個別、ボトムアップ/帰納法が、都市の活気に繋がる。都市計画者の演繹法は、往々にして都市の破壊につながる。都市は、生物のような複雑系であり、部分ごとにすべて個別である。
・行政/建設業者は、怒涛のようなお金で、都市を(善意の思い込みで)壊していく。これに対抗できる政治力を持てる位の地域規模が必要。
公園が必ずしも善でないこと、単一の住宅/ビル/ショッピングセンタばかり並ぶ街区や自動車の多い都市は活気がないことなど、ごもっともと思いました。今の"スマート・コミュニティ"思想に足らない視点は「ボトムアップ」/「多様性」かもしれません。ル・コルビジェやユートピア田園都市を痛快に酷評しているこの本、都市に興味がある方は必読だと思います。
小生の印象に残った点は以下です。
・都市の活気は、人の目が届き、子供が遊べる歩道が源泉。歩道の脇の商店(含:飲食店)の店主/客や、絶えない歩行者が、一種の自治で治安を良くし、子供たちも育てる。逆に、居住専用区にしてしまうと、歩行者を減らし、活気を減らす。
・1階を歩道に向けた商店にするのはよい。屋台も効果的。
・住民の戸数密度は高い方が多様性が増し、活気が出る。ただし、一部屋に詰め込まれる人数は少ない方がいい。人口密度だけだとこの2つが区別できない。
・人がスパースな田園都市構想は、この点で間違っている。
・公園が活気を創るのではない。公園は、上記のような店舗付き歩道が隣接した時には活気に繋がるが、そうでなければ人が歩かず、治安悪化につながる。
・いい眺めがあっても人が公園に来るわけではない。人は、他の人を眺めに歩道や公園にやって来る。
・公共施設を公園に集めてはいけない。サンフランシスコのCity Centerのように人が歩かず、治安が悪化する。公共施設はダウンタウンや店舗のある街区に点在させるべき。
・古い建物は、賃料が安く、歩道の多様性に貢献する。古い建物を一掃してはならない。
・公園/新しい居住専用高層アパート/自動車(高速道路)を推進した、ル・コルビジェは間違っている。日陰の暗い公園には誰も来ない。19世紀の不衛生なロンドンからの脱出を目指した田園ユートピア構想は、都市の衛生状態が改善した今には有効ではない。
・スラム=治安が悪いとは限らない。人が長く住んでいるスラムは、却って治安が良い。窓から人が歩道を眺めていて、何かあれば介入する。(例:ボストンのノースエンド)
・所得制限付の低所得者住宅を作るのは良くない。所得が増えると住民が出ていかざるを得なくなり、地域の愛着に繋がらず、上記の効果に繋がらない。所得が増えれば家賃が上がる(家賃補助が減る)という形で、長く住んで貰うのが良い。中流階級を呼び戻すのではなく、中流階級が育つ街になる。
・道と道との間が長いのは、人が歩かない街区ができやすく良くない。
・道に接する長さが長すぎる建物は、多様性を減らすので良くない。
・活気ある風景と、それがはるか先まで続く見通しとが共存すると混乱を招く。2階の歩道上への張出しや、T字路などで視界を区切ると効果的。並木もよい。
・自動車は、広大な駐車場を必要とし、高密度性を失わせる。自動車を締め出すと、人が道路を自由に横断できるようになり活気が増す。公共交通機関/商店に荷を運ぶトラック/バス/タクシー以外の自動車は都市から締め出すべし。
・一方通行路にするとバスの乗客が減る。
・高速道路や線路沿いは、人通りが少なくなり、治安が悪化しがち。
・活気が出て人が集まると、効率よく稼げる業種が多く集まるが、来る人の多様性も失われることによって、人が歩く時間帯が限定され、その街区はさびれる。
・多様性、個別、ボトムアップ/帰納法が、都市の活気に繋がる。都市計画者の演繹法は、往々にして都市の破壊につながる。都市は、生物のような複雑系であり、部分ごとにすべて個別である。
・行政/建設業者は、怒涛のようなお金で、都市を(善意の思い込みで)壊していく。これに対抗できる政治力を持てる位の地域規模が必要。
公園が必ずしも善でないこと、単一の住宅/ビル/ショッピングセンタばかり並ぶ街区や自動車の多い都市は活気がないことなど、ごもっともと思いました。今の"スマート・コミュニティ"思想に足らない視点は「ボトムアップ」/「多様性」かもしれません。ル・コルビジェやユートピア田園都市を痛快に酷評しているこの本、都市に興味がある方は必読だと思います。
2013年11月27日に日本でレビュー済み
画一的な都市の再開発が都市の多様性と活力を奪うよ、という話
皮膚感覚としてなんとなく感じているような都市での違和感
例えば再開発された地区での居心地の悪さとか
ニュータウンの空虚さ、といったところも明確に描き出しているな
あるいは飲み屋なりがあって飲んだくれがいたとしても
それが人通りや人の目として機能するので治安上はいいけど
そういうのを排除して誰もいなくなると犯罪のリスクがあがるとか
新しい建物だけになって家賃相場が上昇して画一化、というのは
アキバなんかでも中央通りの東西でハッキリわかりことだよな
東側はでかいビルが沢山有るけど面白いテナントはないわけで
多様性や町の活力というのと表面上の高収益ってのは
あるいは活力のある町と整然とした町ってのはトレードオフで
それを認めることから議論は始まるんだろうな、とは思う
この本が鹿島出版会から出ているあたりに日本の奥深さがあると思うw
皮膚感覚としてなんとなく感じているような都市での違和感
例えば再開発された地区での居心地の悪さとか
ニュータウンの空虚さ、といったところも明確に描き出しているな
あるいは飲み屋なりがあって飲んだくれがいたとしても
それが人通りや人の目として機能するので治安上はいいけど
そういうのを排除して誰もいなくなると犯罪のリスクがあがるとか
新しい建物だけになって家賃相場が上昇して画一化、というのは
アキバなんかでも中央通りの東西でハッキリわかりことだよな
東側はでかいビルが沢山有るけど面白いテナントはないわけで
多様性や町の活力というのと表面上の高収益ってのは
あるいは活力のある町と整然とした町ってのはトレードオフで
それを認めることから議論は始まるんだろうな、とは思う
この本が鹿島出版会から出ているあたりに日本の奥深さがあると思うw
ベスト1000レビュアー
生きている街というのは、そこに住む人々が隣人のことを気にかけて多様に生きている街であることを説く。
対照的なのは、高層ビルと人びとの息遣いのない空間から成る近代都市である。
日本に置き換えてみると、地方の旧城下町などが住み良い町といえるだろうか。
新しく金をかけて建設した某研究学園都市などが、結局生活感のないものになってしまうことを深い人間的洞察をもって語る。
50年前の原著だが、戦後日本が新産都市などの試行錯誤を経たのちの現在だからこそ、共感するところが多い。
対照的なのは、高層ビルと人びとの息遣いのない空間から成る近代都市である。
日本に置き換えてみると、地方の旧城下町などが住み良い町といえるだろうか。
新しく金をかけて建設した某研究学園都市などが、結局生活感のないものになってしまうことを深い人間的洞察をもって語る。
50年前の原著だが、戦後日本が新産都市などの試行錯誤を経たのちの現在だからこそ、共感するところが多い。