1 本書は先ず、「100年冷戦史観」として「20世紀は、ソ連コミンテルンとの戦争であった」と規定している。
正にその通りである。19世紀末スイスの歴史家ブルクハルトは、今共産主義という妖怪が徘徊している、来る20世紀は共産主義と(欧州)文明の戦いの世紀となろう、文明が存続できるか否かは共産主義との戦いの結果次第である旨述べており、その通りになったのである。
2 本書から注目すべき点を抜粋要約すると次の通り。
(1)恒久平和の実現
レーニン:戦争は資本主義国同士が限られた資源を争奪する過程で不可避的に勃発する。恒久平和を実現するには、国際社会から資本主義国家をなくし、世界を共産主義化するしかない。
(2)レーニンの「敗戦革命論」~ロシア革命の応用
・ 資本主義国家間の矛盾対立を煽る
・ 資本主義国同士で戦争を起こさせる
・ 共産党員は「反戦平和運動」、自国が戦争に負けるように活動
・ 敗戦の混乱に乗じて政府を打倒し権力を奪う
(3)帝国主義国間の矛盾対立
レーニンは、(1920年12月)世界共産化のために帝国主義の間の矛盾と対立を利用することを提案し、特に、日米関係について、強大な資本主義(米)が弱い資本主義(日)が奪い集めたもの(中国)を全てその手から奪取しないと考えるのは滑稽である。…実践的課題は、この敵意を利用して彼らを互いにいがみ合わせることと述べている。
(4)第7回コミンテルン大会1935年
日、独という二つの反共国家=「ファシズム国家」と戦うために「統一戦線戦術」を定め、当面の敵である日、独、ポーランドを打倒のため、英、仏、米の資本主義諸国とも提携することを決定。
(5)これを受けた米国共産党の1935年運動方針は、
最終目標「アメリカにおける共産主義革命」
当面目標「日本やドイツから革命の祖国ソ連を守る」
○ 革命の祖国ソ連防衛のため~ソ連の当面の敵であるドイツ日本とアメリカの関係を悪化させ、アメリがドイツ日本に圧迫を加えるようアメリカを誘導する。
○ 宣伝方針
・ アメリカ国内でソ連の立場を積極的に擁護宣伝する
・ ドイツや日本に対して反対の空気を醸成する
(6)米国共産党「出版プロパガンダ部」が中心となって行った工作
○ 出版社工作
○ 記者・作家工作
○ 新聞社工作
○ 「平和民主主義のためのアメリカ連盟」
○ 「中国支援評議会」
○ 「日本の侵略に加担しないアメリカ委員会」
○ 「太平洋問題調査会」
これら各種団体を利用して世論工作を行い、
・ 共産主義とは、20世紀にアメリカニズム、最も進歩した「民主主義」。共産主義の実現が労働者に幸福をもたらす唯一の手段、ソ連こそは最も進歩した「デモクラシー」国家と宣伝する一方、
・ 日本については、「残虐な日本軍と可哀想な中国人」のイメージ宣伝を行うと共に、日本は明治維新後も専制的な軍国主義国家であったという「日本=ファシズム国家」論を展開し、その上で
・ 世界の「デモクラシー」諸国は一致団結して「ファシズム」国家と戦うべしと宣伝。
3 本書で提示されたのは、過去の問題ではない。現在、中韓両国による「従軍慰安婦」宣伝や「南京大虐殺」宣伝を見ていると、ソ連コミンテルンの宣伝謀略体質は中韓両国に引き継がれている感がする。
現在でも第二次世界大戦前の宣伝謀略の手法が反復されている。これに対して日本の外務省は何をしているのであろうか。外務省には国益のために戦う姿勢が全く欠乏しているのであるから、外務省とは別に情報省でも創設して日本の立場を世界に発信する必要があるのではないだろうか。
必読の本です。
4 小さな誤りを指摘しておきます。
(1)59頁「ルーズベルト民主党政権にソ連のスパイが多数入り込んでいることを、FBIは違法な盗聴により掴んでいた」旨の記載があるが、FBIの盗聴は大統領権限に基づく正当な行為であり、米国政府は過去も現在も違法行為とは考えていない。
(2)ヴェノナ解読の要因としては、フィンランドが1941年ソ連領事館から押収したコードブックの話だけが出てきている(ドイツから米陸軍が押収したのもこのコピーである)(70頁)が、むしろ、1944年にFBIがニューヨークのソ連アムトルグ(通商代表部の役割)事務所から通信の平文と暗号文を大量に窃取しており、この貢献が大きい。
(3)86頁「NSAの存在は1994年まで一般には知られていなかった」旨記載されているが、これは明白な誤り。NSAの存在は、1975年に公表されている。
(4)97頁「スターリンは一国社会主義を唱えて、世界共産化よりも、世界共産主義の祖国であるソ連防衛を重視した」旨記載しているが、誤解を生む記載である。スターリンにとっても、マルクス・レーニン主義者として最終目標は世界の共産化であることに変わりはないが、当時の情勢を踏まえて当面の目標として、革命の祖国ソ連防衛を重視したということである。
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アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄 (祥伝社新書) 新書 – 2016/8/31
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戦前の日本を戦争犯罪国家と断じた東京裁判史観を容認できないとする勢力は日本国内では根強いものがあるが、アメリカ国内には皆無であり、国際的な共感を得るのは不可能だと思っている人も多い。だがアメリカの世論も一枚岩ではなく、保守派の中には、東京裁判史観に疑問を持つグループもいる。 近年のヴェノナ文書をはじめとする新史料の公開によって、民主党のルーズヴェルト政権の内部にソ連のスパイが入り込んでいて、アメリカの国益を損なう外交が行なわれたことは揺るぎようのない事実となってきたことから、ソ連と中国共産党の台頭をもたらした第二次世界大戦と、日米開戦の責任は、ソ連とルーズヴェルトにあるする勢力が大きくなっている。 彼らは、日本の大東亜戦争が正しいと考えているわけではない。が、日本だけが悪かったとする東京裁判史観に対しては違和感をもっている。そのような歴史観を持つアメリカの政治勢力があることを我々は正確に理解すべきであり、彼らと連携することで、国際世論を盛り上げることも可能である。
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2016/8/31
- ISBN-104396114818
- ISBN-13978-4396114817
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商品の説明
出版社からのコメント
アメリカでは近年、メディアが伝えない保守派の中から、歴史観を見直す動きが顕著であり、少なくとも、「悪の日本VS正義のアメリカ」という東京裁判によって確定した構図は、打ち破られつつある。 アメリカの保守派の中には、東京裁判史観に疑問を持つグループが三つある。ソ連・中国の膨張主義に対抗するためには、日本の軍事行動は容認されるべきだったとする派。東京裁判自体が、実定国際法に反しているとする派。そして、ルーズヴェルト政権の内部に入り込んでいたソ連のスパイが対日戦争を誘導したとし、戦争の責任はソ連とルーズヴェルトにあるとする派の三つである。とりわけ一九九五年の「ヴェノナ文書」の公開によって、第三の勢力が確実に強まっている。 こうした実態が日本で報じられることはないが、我々はアメリカの実情を、正確に理解すべきであろう。
内容(「BOOK」データベースより)
日本だけが悪いのか!いまアメリカで進む歴史観の転換。アメリカを浸蝕したコミンテルンの魔手「ヴェノナ文書」が明かした日米開戦の真実。日本も、ルーズヴェルトも、嵌められた!
著者について
1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、主として安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。現在、評論家。著書に『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾』(展転社)、共著に『世界がさばく東京裁判』(明成社)、『日韓共鳴二千年史』(明成社、ヨゼフ・ロゲンドルフ賞受賞)、『日本人として知っておきたい皇室のこと』(PHP)、『戦後秘史インテリジェンス』(だいわ文庫)、『国士鼎談』(青林堂)など。監訳として『現代アメリカ保守主義運動小史』(明成社)。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
江崎/道朗
1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、主として安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。現在、評論家。共著に『日韓共鳴二千年史』(明成社、ヨゼフ・ロゲンドルフ賞受賞)、など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、主として安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。現在、評論家。共著に『日韓共鳴二千年史』(明成社、ヨゼフ・ロゲンドルフ賞受賞)、など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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著者について
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江崎道朗(えざき みちお)
1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。現在、評論家。
2014年5月号から『正論』に「SEIRON時評」を連載中。
著書に『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(祥伝社新書)、『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』(青林堂)ほか多数。
公式サイト ezakimichio.info
チャンネルくらら で動画を配信中
https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦後の教育を受けた私たちやその子供の世代は、意識するとしないにかかわらず東京裁判史観にしばられている。毎年8月15日が近づくと、二度と戦争をしません、という不戦の誓いが延々とテレビで流され、どうして日本はこのような間違った戦争を起こしてしまったのかという反省や日本内部の原因を探る番組が放送される。そして私たちの頭の中には戦争を起こした悪い日本ということが小学生以来刷り込まれている。大人になって「東京裁判は間違っていた」という考えを聞くことがあっても、それについて調べることさえ反動的・右翼的な行為と批判されそうな空気を多くの方が感じているのではないか。しかし私はついに東京裁判史観に踏み込むことにした。そして本書は、東京裁判って何なんだ、自虐史観と言われる歴史の見方は仕方ないのか、と思っているすべての日本人の必読書として推薦したい。新書版200ページ強とコンパクトながらこれまでの頭の中の霧が取り払われ、ぐいぐいと引き込まれるように歴史の真実に直面することができる。
著者の考えは、東京裁判はすべて間違っていて日本は悪くなかった、という考えではなく、東京裁判では敗戦国である日本しか裁いておらず物の見方が狭い、という考えだ。米英の責任、中ソの責任については全く問わず、また当時の帝国主義列強に植民地支配されていたインドなどの諸国の意見が反映されていない。そこで書名にあるようにアメリカ側の動きを中心に見て行くと、まず太平洋戦争開戦時アメリカ大統領であった民主党のフランクリン・ルーズベルトは日本を開戦に仕向けるよう対日圧迫外交を行っていた。
そのルーズベルトは側近のアルジャー・ヒスがソ連共産党=コミンテルンのスパイであったことが戦後まもなくタイム・マガジンの編集者から証言されたものの大きな動きにならずに立ち消えになっていたものが、1995年にアメリカ政府が情報公開法により公開したヴェノナ文書によってルーズベルトはヒスほかアメリカ政府内に入り込んだ多くのコミンテルンのスパイにより操られていた決定的な証拠が明らかになる。ヴェノナ文書とはアメリカ政府内を含む各所に配置されたコミンテルンのスパイとモスクワとの間で戦時中に交わされた暗号電報をアメリカ陸軍が傍受していたものを、1943~1980年にかけて米英共同で解読した文書のことだ。このように東西冷戦終結後に明らかになった事実により、アメリカ国内でも保守派の人の間ではこの戦争は日本だけが悪かったのではない、ということが常識になってきている。
またルーズベルトの一代前の共和党フーヴァー大統領の回想録(2011年出版)では、ルーズベルトの最大の誤りとしてソ連のスターリンと隠然たる同盟関係を結んだ直後に対日全面経済制裁を科すという挑発行為を行ったことを指摘しするなど、ルーズベルトの戦争責任を追及している。
東京裁判はアメリカを中心とする戦勝国が日本を裁いたとされるが、東京裁判実施当時にアメリカ国内は一枚岩ではなく、共和党を中心とする「ストロングジャパン派」やアメリカ軍部は批判的であった。ルーズベルトの後を継いだ民主党トルーマン大統領らの「ウィークジャパン派」が東京裁判を推し進め日本を徹底的に封じ込めた結果、中国大陸は共産主義に支配されることになってしまった。
また終戦直前の1945年2月に行われたヤルタ会談の密約の結果、日本は北方領土をソ連に占領されてしまったわけだが、このヤルタ会談について2005年共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領は史上最大の過ちの一つだと痛烈に非難した。ヤルタ会談では敗戦国の日独に侵略国家として戦争責任を追及し、軍事力を剥奪して徹底的に封じ込めることが確認されている。
アメリカ国内では保守系を中心に歴史の見直しが進んでいるのに日本では戦後一貫して日本が悪かったという東京裁判史観を見直す動きが全くない。アメリカの歴史学会も全体的には左派に偏向しているとのことだが、日本の歴史学会はほとんど完全に左派とのことで、大手メディアも東京裁判史観の修正ということを言いださないが、国政を左右する政治家、官僚の方々を始め、すべての日本国民に是非本書を読んでほしい。これで考えが少しでも変わらなければ、その人の頭はこれまで刷り込まれて来た考えが化石のように固まってしまっているか、そこから脱出する勇気がないと言わざるを得ない。
著者の考えは、東京裁判はすべて間違っていて日本は悪くなかった、という考えではなく、東京裁判では敗戦国である日本しか裁いておらず物の見方が狭い、という考えだ。米英の責任、中ソの責任については全く問わず、また当時の帝国主義列強に植民地支配されていたインドなどの諸国の意見が反映されていない。そこで書名にあるようにアメリカ側の動きを中心に見て行くと、まず太平洋戦争開戦時アメリカ大統領であった民主党のフランクリン・ルーズベルトは日本を開戦に仕向けるよう対日圧迫外交を行っていた。
そのルーズベルトは側近のアルジャー・ヒスがソ連共産党=コミンテルンのスパイであったことが戦後まもなくタイム・マガジンの編集者から証言されたものの大きな動きにならずに立ち消えになっていたものが、1995年にアメリカ政府が情報公開法により公開したヴェノナ文書によってルーズベルトはヒスほかアメリカ政府内に入り込んだ多くのコミンテルンのスパイにより操られていた決定的な証拠が明らかになる。ヴェノナ文書とはアメリカ政府内を含む各所に配置されたコミンテルンのスパイとモスクワとの間で戦時中に交わされた暗号電報をアメリカ陸軍が傍受していたものを、1943~1980年にかけて米英共同で解読した文書のことだ。このように東西冷戦終結後に明らかになった事実により、アメリカ国内でも保守派の人の間ではこの戦争は日本だけが悪かったのではない、ということが常識になってきている。
またルーズベルトの一代前の共和党フーヴァー大統領の回想録(2011年出版)では、ルーズベルトの最大の誤りとしてソ連のスターリンと隠然たる同盟関係を結んだ直後に対日全面経済制裁を科すという挑発行為を行ったことを指摘しするなど、ルーズベルトの戦争責任を追及している。
東京裁判はアメリカを中心とする戦勝国が日本を裁いたとされるが、東京裁判実施当時にアメリカ国内は一枚岩ではなく、共和党を中心とする「ストロングジャパン派」やアメリカ軍部は批判的であった。ルーズベルトの後を継いだ民主党トルーマン大統領らの「ウィークジャパン派」が東京裁判を推し進め日本を徹底的に封じ込めた結果、中国大陸は共産主義に支配されることになってしまった。
また終戦直前の1945年2月に行われたヤルタ会談の密約の結果、日本は北方領土をソ連に占領されてしまったわけだが、このヤルタ会談について2005年共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領は史上最大の過ちの一つだと痛烈に非難した。ヤルタ会談では敗戦国の日独に侵略国家として戦争責任を追及し、軍事力を剥奪して徹底的に封じ込めることが確認されている。
アメリカ国内では保守系を中心に歴史の見直しが進んでいるのに日本では戦後一貫して日本が悪かったという東京裁判史観を見直す動きが全くない。アメリカの歴史学会も全体的には左派に偏向しているとのことだが、日本の歴史学会はほとんど完全に左派とのことで、大手メディアも東京裁判史観の修正ということを言いださないが、国政を左右する政治家、官僚の方々を始め、すべての日本国民に是非本書を読んでほしい。これで考えが少しでも変わらなければ、その人の頭はこれまで刷り込まれて来た考えが化石のように固まってしまっているか、そこから脱出する勇気がないと言わざるを得ない。
2019年10月10日に日本でレビュー済み
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江崎氏の著作はこれで8冊目。これまたコストパフォーマンスの高い1冊。
コミンテルンとアメリカ共産党が、「ソ連」をドイツや日本から防衛するために、如何にして、メディア・労働者・反共のはずのキリスト教界・民主党・政府などに浸透し、反日世論を盛り上げたかの工作方法が詳細に書かれている。
(著者も書いている様に、保守派もこの工作活動には大いに学ぶことが多いと思う。)
特に、労働運動反対者や経営者も「ファシスト」とレッテル貼りしたのが印象的で、今のご時世も教訓にして気を付けなければならないと思った。
①労働者の利益や労働運動に反対するのは「ファシスト」
②経営者は全て「ファシスト」
③労働者にとって「デモクラシー」はファシズムより有利
④世界の「デモクラシー」諸国は団結して「ファシズム」国家と戦うべき、ソ連が最も進歩している「デモクラシー」国家
⑤最も進歩している「デモクラシー」で、20世紀の「アメリカニズム」こそ共産主義で、唯一の労働者に幸福をもたらす手段
また、江崎氏の著作の普及のお陰で、日本は「侵略者」であるという東京裁判史観のアメリカでの見直し機運やブッシュ大統領(息子)のヤルタ協定批判などが話題になっているが、日本の学者にはまだ動きが乏しい様に感じる。
江崎氏の分析では、主な理由は四つ。
第一に、アメリカでさえ、歴史学会やマスコミが左派リベラルに牛耳られており、彼らにとってヴェノナ文書は都合が悪いこと、
第二に、日本の学界、マスコミもほとんどが左派リベラルに牛耳られており、日本のアカデミズムでは、コミンテルン陰謀説を唱えると、大学に就職できないと言われていること、
第三に、アメリカの「ヴェノナ文書」本はアメリカの視点のため、日本人への意味が深まっていないこと、
第四に、ソ連やコミンテルンの研究者が、現在の日本にはほとんどいないこと。
コミンテルンとアメリカ共産党が、「ソ連」をドイツや日本から防衛するために、如何にして、メディア・労働者・反共のはずのキリスト教界・民主党・政府などに浸透し、反日世論を盛り上げたかの工作方法が詳細に書かれている。
(著者も書いている様に、保守派もこの工作活動には大いに学ぶことが多いと思う。)
特に、労働運動反対者や経営者も「ファシスト」とレッテル貼りしたのが印象的で、今のご時世も教訓にして気を付けなければならないと思った。
①労働者の利益や労働運動に反対するのは「ファシスト」
②経営者は全て「ファシスト」
③労働者にとって「デモクラシー」はファシズムより有利
④世界の「デモクラシー」諸国は団結して「ファシズム」国家と戦うべき、ソ連が最も進歩している「デモクラシー」国家
⑤最も進歩している「デモクラシー」で、20世紀の「アメリカニズム」こそ共産主義で、唯一の労働者に幸福をもたらす手段
また、江崎氏の著作の普及のお陰で、日本は「侵略者」であるという東京裁判史観のアメリカでの見直し機運やブッシュ大統領(息子)のヤルタ協定批判などが話題になっているが、日本の学者にはまだ動きが乏しい様に感じる。
江崎氏の分析では、主な理由は四つ。
第一に、アメリカでさえ、歴史学会やマスコミが左派リベラルに牛耳られており、彼らにとってヴェノナ文書は都合が悪いこと、
第二に、日本の学界、マスコミもほとんどが左派リベラルに牛耳られており、日本のアカデミズムでは、コミンテルン陰謀説を唱えると、大学に就職できないと言われていること、
第三に、アメリカの「ヴェノナ文書」本はアメリカの視点のため、日本人への意味が深まっていないこと、
第四に、ソ連やコミンテルンの研究者が、現在の日本にはほとんどいないこと。