他の方もおっしゃっていますが、筆者さん自身の体験と、データや現象の客観的分析が書かれた本です。
分析の方は、全体的に賞賛・非難ではなく、事実が淡々と書かれています。
【格差・移民の問題】
世界一の経済大国であると同時に、世界一の格差大国でもあるアメリカ。
ただ、格差が必ずしも悪いわけではなく、数十年分のデータを俯瞰すると、
格差は変わらないが、全体的な底上げは出来ているという見方もできるようですね。
また、アメリカは善意の寄付や団体、募金サイトも活発なようで、
この辺は日本の格差問題でも参考になるのではないかと思います。
人種差別の問題もありましたが、国を隠しても日本人は教育熱心なんだなと考えさせられます。
また、個性を出す一方、アメリカとの同化志向も強いことがうかがえます。
この辺が、日系とヒスパニック系の違いであり、
ヒスパニック系移民が多くなることでは、雇用以外の問題点にもつながっていきます。
格差については、トランプさんサンダースさん登場以前から民主党共和党での争点ですし、
どちらがより有権者を集められるかの綱引きでも重要です。
…2016年10月の段階では、政策競争ではなく、マイナス競争になってますけど。
【力の行使の問題】
銃規制に関する話は、筆者さんの経験・実感も踏まえて語られます。
こういう実情を聞くと、そう簡単になくせるものではないと考えさせられます。
国家としての力の行使は、日本の外交や軍事にも影響が大きい話題です。
シェール革命で中東への関心が薄まり、イスラエルやサウジアラビアは困っていそうですが、
日本も他人事ではありません。
中国とロシアの台頭もあり、それに対してアメリカがどう出るのかは、気になるところです。
アメリカと中国の経済・人口の対比などは、解り易く、しかし重要な話だと思います。
日本やアメリカへの選択肢も紹介され、こちらも面白いと思います。
【エネルギー革命の問題】
シェール革命によるテキサス州等への経済的影響と、
石油価格の変動による国際的な影響が紹介されます。
日本は比較的シェール革命の恩恵を受けやすい国ですし、アメリカにとっても日本は
有望な供給先でしょう。
また、ロシアに対しても、協力ではないにせよ日本に有利なカードを持つことができるとも、
紹介されます。
しかし、サウジアラビアを筆頭に、産油国としては大打撃で、打撃を受けつつも
社会保障などは維持しなければなりません。
これがまたテロリスト跋扈につながりそうなのが難しい所ですね。
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アメリカの大問題―百年に一度の転換点に立つ大国 (PHP新書) 新書 – 2016/6/15
髙岡 望
(著)
- Kindle版 (電子書籍)
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アメリカはいま、百年に一度の転換期に立ち、三つの大問題に直面している。第一は格差と移民の問題である。EUは100万人の難民で大騒ぎになったが、アメリカは過去25年にわたり年平均100万人の移民を受け入れており、2016年大統領選挙の争点となった。第二は力の行使の問題である。全家庭の43%が銃をもつ米国は力の行使を是とし、長年「世界の警察官」を自任してきたが、一転して孤立主義に立つ可能性が生じている。第三はエネルギーの問題である。シェール革命後どのようなエネルギー・モデルを構築するかによって、この超大国の命運は決まる――。
歴史的転換の本質を、2013年から2015年までヒューストン総領事を務めた著者が、外交官の目で読み解く。
●無保険者の苦悩/●アメリカでは「アソシエーション」が連帯をつくる/●年平均100万人の移民を受け入れている/●28%が銃所有者――銃社会の現実/●トランプ氏の主張は「孤立主義」ではない?/●「支離滅裂なアメリカ」の原因となった三つの不確実性/●シェール革命の経済的帰結/●油価急落のシェール開発への影響/●今後、アメリカが天然ガス市場を左右する
歴史的転換の本質を、2013年から2015年までヒューストン総領事を務めた著者が、外交官の目で読み解く。
●無保険者の苦悩/●アメリカでは「アソシエーション」が連帯をつくる/●年平均100万人の移民を受け入れている/●28%が銃所有者――銃社会の現実/●トランプ氏の主張は「孤立主義」ではない?/●「支離滅裂なアメリカ」の原因となった三つの不確実性/●シェール革命の経済的帰結/●油価急落のシェール開発への影響/●今後、アメリカが天然ガス市場を左右する
- 本の長さ277ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2016/6/15
- ISBN-10456982966X
- ISBN-13978-4569829661
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカはいま、百年に一度の転換期に立ち、三つの大問題に直面している。第一は格差と移民の問題。EUは100万人の難民で大騒ぎになったが、アメリカは過去25年に亘り年平均100万人の移民を受け入れており、16年大統領選挙の争点となった。第二は力の行使の問題。全家庭の43%が銃をもつ米国は力の行使を是とし、長年「世界の警察官」を自任してきたが、一転して孤立主義に立つ可能性が生じている。第三はエネルギーの問題。シェール革命後どのようなエネルギー・モデルを構築するかによって、この超大国の命運は決まる。歴史的転換の本質を外交官の目で読み解く。
著者について
前ヒューストン総領事
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高岡/望
1959年生まれ。東京大学教養学部国際関係論分科卒業。82年、外務省入省。83年よりオックスフォード大学ベリオールカレッジ留学(~85年)。93年、在エジプト日本国大使館。96年、在ニューヨーク日本国総領事館。2001年、外務省文化交流部人物交流課長。02年、在イタリア日本国大使館(参事官、05年より公使)。06年、法務省入国管理局登録管理官。08年、スウェーデン公使・ストックホルム商科大学付属研究所EIJS理事。11年、イラン公使。13~15年、ヒューストン総領事。現在、独立行政法人中小企業基盤整備機構に出向している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1959年生まれ。東京大学教養学部国際関係論分科卒業。82年、外務省入省。83年よりオックスフォード大学ベリオールカレッジ留学(~85年)。93年、在エジプト日本国大使館。96年、在ニューヨーク日本国総領事館。2001年、外務省文化交流部人物交流課長。02年、在イタリア日本国大使館(参事官、05年より公使)。06年、法務省入国管理局登録管理官。08年、スウェーデン公使・ストックホルム商科大学付属研究所EIJS理事。11年、イラン公使。13~15年、ヒューストン総領事。現在、独立行政法人中小企業基盤整備機構に出向している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2016/6/15)
- 発売日 : 2016/6/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 277ページ
- ISBN-10 : 456982966X
- ISBN-13 : 978-4569829661
- Amazon 売れ筋ランキング: - 815,983位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 602位アメリカのエリアスタディ
- - 1,730位PHP新書
- - 11,314位政治入門
- カスタマーレビュー:
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2016年10月27日に日本でレビュー済み
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4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2016年7月4日に日本でレビュー済み
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格差、移民、銃規制、安全保障、そして資源というアメリカ全土が直面している問題が、今後のアメリカを占う大問題であることは、昨年来展開されている大統領選を見てもあきらかでしょう。アメリカでは格差問題への人々の対応が他国とは異なるため、しばしば理解しにくいのですが、著者はこれらの諸問題をクリアに整理しており、アメリカに関する常識的知識さえあれば、容易に理解することができるように構成しています。
さらに著者は自らのヒューストン総領事としての体験から、「テキサスがわかれば、これからのアメリカがわかる」といいます。アメリカが抱える大問題がテキサス州に凝縮しているというわけです。これは一見言い過ぎか?と思う方もいるかもしれません。アメリカにはニューヨークやカリフォルニアなどもあるではないかという意見もあるかと思いますが、実はテキサスには他の州から多くの人々が移動してきており、最も成長している州なのです。テキサスはアメリカの未来を映す鏡の一つかもしれません。
筆者は、その豊富な学術的知識を平易な文章で表現しており、また具体例も豊富に取り上げて、問題を理解しやすいように丁寧に説明しています。本書は今のアメリカを理解するのに非常に有益だと思います。是非、一読されることをお勧めします。
さらに著者は自らのヒューストン総領事としての体験から、「テキサスがわかれば、これからのアメリカがわかる」といいます。アメリカが抱える大問題がテキサス州に凝縮しているというわけです。これは一見言い過ぎか?と思う方もいるかもしれません。アメリカにはニューヨークやカリフォルニアなどもあるではないかという意見もあるかと思いますが、実はテキサスには他の州から多くの人々が移動してきており、最も成長している州なのです。テキサスはアメリカの未来を映す鏡の一つかもしれません。
筆者は、その豊富な学術的知識を平易な文章で表現しており、また具体例も豊富に取り上げて、問題を理解しやすいように丁寧に説明しています。本書は今のアメリカを理解するのに非常に有益だと思います。是非、一読されることをお勧めします。
ベスト500レビュアー
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アメリカ、テキサスはヒューストンの元総領事の著者みずからの体験と理論的分析がうまく組み合わされて、大変魅力的な本になっている。実は評者もアメリカに住んだ事があるのだが、Ark-La-Texと呼ばれるアーカンソー、ルイジアナ、テキサスの州境地帯であった。そのため、テキサスの風景や人情など懐かしく思った。テキサス共和国として独立していた歴史などもあまり日本では知られていないだろう。
大きく3つのテーマについて解説して行く。最初は、移民問題と格差についてである。アメリカは毎年100万人の移民を受け入れている。ほぼ同じ人口規模のEUが100万人の移民、難民受入で政治的に大揺れであるのと比べると、アメリカ社会の安定性は驚くべきことだ。ただ、人種ごとの経済的格差を比べると、ここ数十年で全く変わらない。全ての人種の平均より高いのは2つのグループで、最高がアジア系、続いてヒスパニック以外の白人、以下なのが順にヒスパニック、黒人となる。ただし、ヒスパニックは、毎年大量に流入しており、当初は最下層から始まるから、次世代では上昇していることを示している。これは、今回の大統領予備選でも、ヒスパニック系の人物が複数立候補していたことにも現れている。また、著者は、すでにヒスパニックが主流になりつつあるテキサスを見て、この現象がアメリカ全体に広がることが予想されている2050年代についても、いわゆるアメリカ的価値観が揺らぐことはないと予測している。
ここで特筆されているのは、日系人である。第2次大戦中、日本軍の進攻により窮地に立たされた彼らは、強制収容所に入れられた。これを打破するため、多くの若者がアメリカ軍に志願し、大量の戦死者を出しながら勇猛果敢に戦った。レーガン大統領時代に、公式に謝罪され個人補償も2万ドル程度なされた。しかし、多くの日系人は子供に日本語を教えることを避け、意識的にアメリカへの同化を進め、持ち前の勤勉さで上層部への移行を果たした。意識調査によると、日系人のアメリカ人であるとの意識は、他のエスニック集団に比べ非常に高いのだと言う。
次に銃社会であるアメリカについての話しだ。アメリカでは、伝統的に自分の身は自分で守る気概が強い、特にテキサスのような所ではなおさらだ。このことは、対外的に必要であるならば、軍事力の行使をいとわない政府を国民が支持する基盤でもある。日本では、守旧派のように思われている全米ライフル協会も、実は国民の過半数からの支持を受けている。国民の銃所持率は個人ベースで約30%だ。
さらにアメリカの今後の外交政策について、イアン・ブレマーを参照しながら、3つの選択肢を挙げる。必要不可欠なアメリカ、マネーボール・アメリカ、独立するアメリカ、である。最初のは従来路線の継続、次は世界の警察官はやめないが、よりコストを重視する立場、最後は引きこもりである。最後の路線は、中国の台頭を重視する立場でもあるが、2008年のリーマン危機脱出過程での中国の役割にやや幻惑されたせいでもある。2016年時点では中国の経済的台頭は予想よりだいぶ小規模に終る可能性が高い、と著者は見ているようだ。日本としては、前2者でないと大変困る。そして、最後に解説されるシェール革命がアメリカに新たな力をもたらしつつあり、アメリカが世界から撤退する路線を取ることにはいたらなさそうだ。
シェールガスは、地下深くの頁岩に含まれていてその取り出しは困難だったが、ミッチェル氏という人物の生涯をかけた努力により実用化された。いかにもアメリカ的だ。シェール資源は世界じゅうにあるが、それを開発する条件はテキサスにしかなかった。鉱物資源に関する特殊な法律、豊富な水資源とパイプライン網、ヒューストンというエネルギー会社の本社が集中する都市の存在である。そして、アメリカは世界最大の天然ガス生産国となり(市場の約1/4でロシアの15%より多い)、さらに最大の原油生産国にもなった。このことが、アメリカの中東でのフリーハンドをもたらし、また同盟国への輸出を通じてその紐帯を強化することもできる。日本へは2017年から天然ガスが中東産からの物よりも安く提供される。ガス液化のための1兆円規模の日米共同プロジェクトが2本走っていると言う。
著者の見立てでは、アメリカは当分世界のスーパーパワーであり続けるだろうとの事で、それを助ける賢い同盟国として日本も振る舞う必要がある。大変納得できる論であった。
大きく3つのテーマについて解説して行く。最初は、移民問題と格差についてである。アメリカは毎年100万人の移民を受け入れている。ほぼ同じ人口規模のEUが100万人の移民、難民受入で政治的に大揺れであるのと比べると、アメリカ社会の安定性は驚くべきことだ。ただ、人種ごとの経済的格差を比べると、ここ数十年で全く変わらない。全ての人種の平均より高いのは2つのグループで、最高がアジア系、続いてヒスパニック以外の白人、以下なのが順にヒスパニック、黒人となる。ただし、ヒスパニックは、毎年大量に流入しており、当初は最下層から始まるから、次世代では上昇していることを示している。これは、今回の大統領予備選でも、ヒスパニック系の人物が複数立候補していたことにも現れている。また、著者は、すでにヒスパニックが主流になりつつあるテキサスを見て、この現象がアメリカ全体に広がることが予想されている2050年代についても、いわゆるアメリカ的価値観が揺らぐことはないと予測している。
ここで特筆されているのは、日系人である。第2次大戦中、日本軍の進攻により窮地に立たされた彼らは、強制収容所に入れられた。これを打破するため、多くの若者がアメリカ軍に志願し、大量の戦死者を出しながら勇猛果敢に戦った。レーガン大統領時代に、公式に謝罪され個人補償も2万ドル程度なされた。しかし、多くの日系人は子供に日本語を教えることを避け、意識的にアメリカへの同化を進め、持ち前の勤勉さで上層部への移行を果たした。意識調査によると、日系人のアメリカ人であるとの意識は、他のエスニック集団に比べ非常に高いのだと言う。
次に銃社会であるアメリカについての話しだ。アメリカでは、伝統的に自分の身は自分で守る気概が強い、特にテキサスのような所ではなおさらだ。このことは、対外的に必要であるならば、軍事力の行使をいとわない政府を国民が支持する基盤でもある。日本では、守旧派のように思われている全米ライフル協会も、実は国民の過半数からの支持を受けている。国民の銃所持率は個人ベースで約30%だ。
さらにアメリカの今後の外交政策について、イアン・ブレマーを参照しながら、3つの選択肢を挙げる。必要不可欠なアメリカ、マネーボール・アメリカ、独立するアメリカ、である。最初のは従来路線の継続、次は世界の警察官はやめないが、よりコストを重視する立場、最後は引きこもりである。最後の路線は、中国の台頭を重視する立場でもあるが、2008年のリーマン危機脱出過程での中国の役割にやや幻惑されたせいでもある。2016年時点では中国の経済的台頭は予想よりだいぶ小規模に終る可能性が高い、と著者は見ているようだ。日本としては、前2者でないと大変困る。そして、最後に解説されるシェール革命がアメリカに新たな力をもたらしつつあり、アメリカが世界から撤退する路線を取ることにはいたらなさそうだ。
シェールガスは、地下深くの頁岩に含まれていてその取り出しは困難だったが、ミッチェル氏という人物の生涯をかけた努力により実用化された。いかにもアメリカ的だ。シェール資源は世界じゅうにあるが、それを開発する条件はテキサスにしかなかった。鉱物資源に関する特殊な法律、豊富な水資源とパイプライン網、ヒューストンというエネルギー会社の本社が集中する都市の存在である。そして、アメリカは世界最大の天然ガス生産国となり(市場の約1/4でロシアの15%より多い)、さらに最大の原油生産国にもなった。このことが、アメリカの中東でのフリーハンドをもたらし、また同盟国への輸出を通じてその紐帯を強化することもできる。日本へは2017年から天然ガスが中東産からの物よりも安く提供される。ガス液化のための1兆円規模の日米共同プロジェクトが2本走っていると言う。
著者の見立てでは、アメリカは当分世界のスーパーパワーであり続けるだろうとの事で、それを助ける賢い同盟国として日本も振る舞う必要がある。大変納得できる論であった。
ベスト500レビュアー
色々な意味で、アメリカは岐路に立っていると云える。2016年の大統領選挙は現状の諸課題について、有権者が一つの意思表示をする機会をもたらすが、それもあって、足元では様々な議論が出て来ている印象が強い。
本書は、オックスフォード大学への留学、エジプト、ニューヨーク、イタリア、スウェーデン、イランなど幅広い地域での駐在経験を踏まえ、2013年から15年にかけてヒューストン総領事を務めた外交官の眼を通して、現在のアメリカが抱える問題、特に移民と格差、地政学、エネルギーについて解説したものである。
過去25年に亘り年平均100万人の移民を受け入れて来たアメリカは欧州とは異なる、懐の深さを感じるが、格差自体は広がる宿命を持ちつつ、それを成長につなげる強さを米国は持っている。また、日系移民の苦難の歴史についても、触れられているが、同じ移民でも日系移民は、なぜ米国において母国語や日本の文化を継承しなかったのか、なぜ必要以上に苦労しなければならなかったのか、という歴史・経緯については日本人として知っておくべきである。
アメリカは自身を世界の中でどう位置付けるのか。これまで同様に、世界最強のリーダーとして、世界全体に責任感を持つような行動を取るのか。或いは、ビジネスの論理に従い、費用対効果が最大になるように、世界で果たす役割を限定的にとどめるのか。或いは、国内を最優先とし、「世界の警察官」の役割を捨て、独立するアメリカを目指すのか。2016年の大統領選挙はアメリカ国民の選択の時でもある。
エネルギーについては、シェール革命の本質を解説している。シェールガス、タイトオイルの開発技術の進歩はピークオイル論や埋蔵量に対する考え方を一変させ、まさに「革命」の呼び名に相応しい。ここでの「問題」はアメリカが選択肢という「新しい力」を手に入れたことに起因しており、これは日本を含む世界が注目すべき大きな転換点でもある。
アメリカ大統領選挙を前に、アメリカの問題を改めて考えるには最適の一冊、最適のタイミングである。
本書は、オックスフォード大学への留学、エジプト、ニューヨーク、イタリア、スウェーデン、イランなど幅広い地域での駐在経験を踏まえ、2013年から15年にかけてヒューストン総領事を務めた外交官の眼を通して、現在のアメリカが抱える問題、特に移民と格差、地政学、エネルギーについて解説したものである。
過去25年に亘り年平均100万人の移民を受け入れて来たアメリカは欧州とは異なる、懐の深さを感じるが、格差自体は広がる宿命を持ちつつ、それを成長につなげる強さを米国は持っている。また、日系移民の苦難の歴史についても、触れられているが、同じ移民でも日系移民は、なぜ米国において母国語や日本の文化を継承しなかったのか、なぜ必要以上に苦労しなければならなかったのか、という歴史・経緯については日本人として知っておくべきである。
アメリカは自身を世界の中でどう位置付けるのか。これまで同様に、世界最強のリーダーとして、世界全体に責任感を持つような行動を取るのか。或いは、ビジネスの論理に従い、費用対効果が最大になるように、世界で果たす役割を限定的にとどめるのか。或いは、国内を最優先とし、「世界の警察官」の役割を捨て、独立するアメリカを目指すのか。2016年の大統領選挙はアメリカ国民の選択の時でもある。
エネルギーについては、シェール革命の本質を解説している。シェールガス、タイトオイルの開発技術の進歩はピークオイル論や埋蔵量に対する考え方を一変させ、まさに「革命」の呼び名に相応しい。ここでの「問題」はアメリカが選択肢という「新しい力」を手に入れたことに起因しており、これは日本を含む世界が注目すべき大きな転換点でもある。
アメリカ大統領選挙を前に、アメリカの問題を改めて考えるには最適の一冊、最適のタイミングである。

