『アメリカンデモクラシーの逆襲』の続編。この本は2010年出版の『逆襲』以後、オバマ政権も対象に含まれている。
以前アメリカの貧困を扱ったルポルタージュを読んだとき、著者の主張に沿った一面的な主張しか述べられていないことに不満を感じていた折、東洋経済にこの本の書評が載っていて面白そうだったので購入。
アメリカ研究者として、歴史、文化なども含めて広い視野、フェアな立場から行おうという姿勢は評価できるが、ポジティブ面が無理矢理文章を捻り出した感がやや残念。
読後感としては、やはりアメリカの貧富の格差、貧困問題は深刻な問題という印象。
しかし、それ以外では興味深い点もあった。
・アメリカの基準で保守とリベラルを考えたとき、日本の保守とリベラルは異様に見える。
・アメリカの政治思想はヨーロッパの王への権力集中に反発し、三権分立を徹底しているということでは共通している。そのため、保守とリベラルは距離的に近い。
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アメリカのジレンマ 実験国家はどこへゆくのか NHK出版新書 Kindle版
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反米/親米を超えて変わりゆく大国の素顔をとらえる
「貧困大国」等々のアメリカ衰退論は、どこまで的を射ているのか。これからの対アジア政策、中東政策、日米関係はどうなるのか。そして“ポストオバマ”のアメリカはどこへ向かうのか――。戦後70年を機に、気鋭の文化人類学者が、「歴史認識」「政治」「社会」「外交」から、アメリカ社会の実相とダイナミズムを鮮やかに描きだす。
※写真の一部をカラーで収載しています。
[内容]
第一章 アメリカの「歴史認識」──日本像から見る
(1) 不可解な日本の「保守」
(2) なぜ右派が警戒されるのか
(3) 更新される「歴史認識」
(4) 「ディスカウント・ジャパン」への反応
第二章 アメリカの「戦後」──保守とリベラルの相克
(1) 「自由社会の盟主」はいかにつくられたか
(2) 「黄金の五〇年代」を起点とするアメリカ現代史
第三章 戦後社会の変質──自由大国のジレンマ
(1) 「個人化」する社会
(2) 保守化する経済、拡大する格差
(3) 超資本主義化する政治
(4) 新自由主義的「自治」の加速
(5) 社会のリベラル化
第四章 オバマ外交の現実──「世界の警察官」からの退却
(1) アメリカ再建への要請
(2) アジアへの「リバランス」
(3) 転機を迎える日米関係
(4) 中東をめぐる混迷
第五章 「アメリカの世紀」は終わったのか──親米/反米を超えて
(1) アメリカ衰退論を検証する
(2) アメリカの自画像
(3) アメリカへのまなざし
「貧困大国」等々のアメリカ衰退論は、どこまで的を射ているのか。これからの対アジア政策、中東政策、日米関係はどうなるのか。そして“ポストオバマ”のアメリカはどこへ向かうのか――。戦後70年を機に、気鋭の文化人類学者が、「歴史認識」「政治」「社会」「外交」から、アメリカ社会の実相とダイナミズムを鮮やかに描きだす。
※写真の一部をカラーで収載しています。
[内容]
第一章 アメリカの「歴史認識」──日本像から見る
(1) 不可解な日本の「保守」
(2) なぜ右派が警戒されるのか
(3) 更新される「歴史認識」
(4) 「ディスカウント・ジャパン」への反応
第二章 アメリカの「戦後」──保守とリベラルの相克
(1) 「自由社会の盟主」はいかにつくられたか
(2) 「黄金の五〇年代」を起点とするアメリカ現代史
第三章 戦後社会の変質──自由大国のジレンマ
(1) 「個人化」する社会
(2) 保守化する経済、拡大する格差
(3) 超資本主義化する政治
(4) 新自由主義的「自治」の加速
(5) 社会のリベラル化
第四章 オバマ外交の現実──「世界の警察官」からの退却
(1) アメリカ再建への要請
(2) アジアへの「リバランス」
(3) 転機を迎える日米関係
(4) 中東をめぐる混迷
第五章 「アメリカの世紀」は終わったのか──親米/反米を超えて
(1) アメリカ衰退論を検証する
(2) アメリカの自画像
(3) アメリカへのまなざし
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2015/7/10
- ファイルサイズ6974 KB
商品の説明
出版社からのコメント
オバマ大統領は7月2日、1961年以来半世紀あまり国交を断絶していたキューバと正式に国交を回復すると発表しました。2017年初頭に任期満了となるオバマ大統領にとって、この「冷戦」の終了が最大のレガシー(歴史的遺産)となることは確実です。
2015年は戦後70年ということで、当社を含め(今月のもう一冊『「聖断」の終戦史』等)さまざまな記念企画が目白押しですが、勝戦国アメリカにとっても、当然、戦後70年です。
第二次大戦敗戦後、ずっとアメリカを通して世界を見、アメリカを手本として民主主義社会を築いてきた日本。当のアメリカにとって「戦後」とはどのようなものだったのでしょうか。
あまりにも近く、大きな存在であるため、日本人のアメリカに対する感情は他国に向かうそれよりも大きくバイアスがかかり、結果、非難にせよ礼賛にせよ評価が極端にはしる傾向があるようです。
アメリカ研究の第一人者、渡辺靖さんはかの国を、文化人類学の基本手法である「フィールドワーク」で研究してきました。特定の視点にとらわれず対象を冷静に観察する態度によって、「貧困大国」「自由主義の盟主」などと単純なレッテル貼りをしていては見えてこない大国の葛藤が浮き彫りになります。それは、自由であるがゆえに格差をゆるし、差別が根強いゆえに人権に敏感で、国際秩序を守るために戦争を続ける大国のジレンマです。
同時に彼の描き出すアメリカには、さまざまな民族や宗教の人たちの血が通っており、史上最大の実験国家にふさわしいダイナミズムが感じられます。
建国以来初の黒人大統領として、就任時すでに自身がレガシーとなってしまったオバマ大統領は、アメリカのジレンマとダイナミズムを体現するリーダーでもあります。オバマ時代とは何だったのか。これからのアメリカと日米関係はどこへ向かうのか。アメリカ社会をさまざまな角度から「フェアに」見つめる渡辺さんの視点を借りて、私たちは意外な「同盟国」の素顔を知り、かの国と私たち自身の戦後民主主義について、より深く理解することができるでしょう。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
2015年は戦後70年ということで、当社を含め(今月のもう一冊『「聖断」の終戦史』等)さまざまな記念企画が目白押しですが、勝戦国アメリカにとっても、当然、戦後70年です。
第二次大戦敗戦後、ずっとアメリカを通して世界を見、アメリカを手本として民主主義社会を築いてきた日本。当のアメリカにとって「戦後」とはどのようなものだったのでしょうか。
あまりにも近く、大きな存在であるため、日本人のアメリカに対する感情は他国に向かうそれよりも大きくバイアスがかかり、結果、非難にせよ礼賛にせよ評価が極端にはしる傾向があるようです。
アメリカ研究の第一人者、渡辺靖さんはかの国を、文化人類学の基本手法である「フィールドワーク」で研究してきました。特定の視点にとらわれず対象を冷静に観察する態度によって、「貧困大国」「自由主義の盟主」などと単純なレッテル貼りをしていては見えてこない大国の葛藤が浮き彫りになります。それは、自由であるがゆえに格差をゆるし、差別が根強いゆえに人権に敏感で、国際秩序を守るために戦争を続ける大国のジレンマです。
同時に彼の描き出すアメリカには、さまざまな民族や宗教の人たちの血が通っており、史上最大の実験国家にふさわしいダイナミズムが感じられます。
建国以来初の黒人大統領として、就任時すでに自身がレガシーとなってしまったオバマ大統領は、アメリカのジレンマとダイナミズムを体現するリーダーでもあります。オバマ時代とは何だったのか。これからのアメリカと日米関係はどこへ向かうのか。アメリカ社会をさまざまな角度から「フェアに」見つめる渡辺さんの視点を借りて、私たちは意外な「同盟国」の素顔を知り、かの国と私たち自身の戦後民主主義について、より深く理解することができるでしょう。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
「貧困大国」「格差大国」等、アメリカをめぐる言説はどこまで的を射ているのか。これからの外交政策、日米関係はどうなるのか。そしてオバマはどんな歴史を紡ごうとしているのか。戦後70年を機に、アメリカ研究のトップランナーが、「歴史認識」「政治」「社会」「外交」からアメリカ社会が抱えるジレンマもろとも、その実相とダイナミズムを鮮やかに描き出す。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
渡辺/靖
1967年生まれ。慶應義塾大学SFC教授。専門はアメリカ研究、文化人類学、文化政策研究。ハーバード大学大学院にてPh.D.(社会人類学)取得。ハーバード大学国際問題研究所アソシエート、パリ政治学院客員教授、アメリカ学会常務理事などを歴任。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会。2004年サントリー学芸賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
1967年生まれ。慶應義塾大学SFC教授。専門はアメリカ研究、文化人類学、文化政策研究。ハーバード大学大学院にてPh.D.(社会人類学)取得。ハーバード大学国際問題研究所アソシエート、パリ政治学院客員教授、アメリカ学会常務理事などを歴任。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会。2004年サントリー学芸賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
著者について
渡辺 靖(わたなべ・やすし)
1967年生まれ。慶應義塾大学SFC教授。ハーバード大学大学院にてPh.D.(社会人類学)取得。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会。2004年サントリー学芸賞受賞)、『アメリカン・コミュニティ』(新潮社)、『アメリカン・デモクラシーの逆説』(岩波新書)、『文化と外交』(中公新書)など。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
1967年生まれ。慶應義塾大学SFC教授。ハーバード大学大学院にてPh.D.(社会人類学)取得。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会。2004年サントリー学芸賞受賞)、『アメリカン・コミュニティ』(新潮社)、『アメリカン・デモクラシーの逆説』(岩波新書)、『文化と外交』(中公新書)など。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B012AUWUM8
- 出版社 : NHK出版 (2015/7/10)
- 発売日 : 2015/7/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 6974 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
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- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 177ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 131,285位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 965位国際政治情勢
- - 1,143位政治 (Kindleストア)
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カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年12月31日に日本でレビュー済み
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5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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殿堂入りNo1レビュアーベスト1000レビュアー
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本書の「おわりに」には、「本書の基本的な骨格」となったものが2つあって、「日本記者クラブ」での講演と「アジア調査会」における講演(何れも2014年)であると著者は指摘している。この事(特に前者)は本書第1章の著者のスタンスを理解する上でポイントとなるだろう。と言うのも本書は『アメリカのジレンマ』とあるように、アメリカの近現代史を概観しながら、アメリカの各政権に観る「保守」と「リベラル」政策の相克ーー殊に共和党と民主党の2大政党政治・政策の振幅と同調を基本にしてーー政治・経済・外交の志向性、国際的プレゼンスの変遷、軍事的戦略志向、対日関係などに観る傾向、オバマ政権に至っての相対的存在感の低下ないし国家志向の退徴を考察するものである。これらの考察は主に第2章以降にあるが、全体的には従来の巷間類書・先行書等で議論・考察されてきた範囲に留まり、著者の主張は別論として格別トピックは新しいものではない。他方アメリカとの比較に観る日本の「保守」と「リベラル」、或いは対中韓関係・外交関係、日本の「歴史認識」問題を総括する第1章自体の本書における意義は些か曖昧で、その筆致にも疑問が残るものがある。殊にアメリカ視点を介した形式に観る日本外交・安倍政権の間接的批判(「靖 国」問題を含む)、歴史認識、教科書問題、殊にデリケートな「慰 安 婦」問題についての論旨(批判的筆致)には疑義があると言わねばならない。
著者はまず(日本の「右派」が米国で警戒されるとの論旨から)「慰 安 婦」問題を取り上げるが(34~39頁)、「朝 日」の誤報を取り上げながら、「広義の強制」と「狭義の強制」等といった概念を持ち出し、依然として誰某が固執したような論旨を展開する(38~39頁)。「日本の支配下にあって、本人の自由意思に反する環境下で行われたと言う点」が「広義の強制」で、「政府や軍の直接的な関与がどの程度あったか」が「狭義の強制」であったとした上で、「強制」性の当否を検証することなく「アメリカでは瑣末な問題に過ぎない」等とアメリカ事情を奇貨とする言葉の問題に収斂させているのは、正当な論評とは言い難い。日本ではその「強制」性の問題が「朝 日」報道を含め国家・国民の一大問題になった経緯を考えれば、「アメリカ」視点を著者の主張のエクスキューズとして「強制」の問題を軽々に論じるのは到底看過できるものではない。著者の歴史認識の当否は格別ながら、「強制」の問題を論じるならそれなりの論拠を示すべきだろう。加えて著者は「靖 国」問題にも「アメリカ」視点で言及し、「アメリカが反発したのは2001年の小泉純一郎首相」の時以降であると言うに留まり(40~43頁)、中韓との外交関連の文脈であるのに、79年の「合 祀」以来の大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘元首相ら在任中の「参 拝」について中韓共に問題にしていなかったこと、85年の日本の某新聞社の報道後に中国が初めて非難表明したことなどには全く触れていない。第1章におけるかかる日本批判はその必然性と、「アメリカ」視点と言うエクスキューズに観える(或いは右視点を奇貨とした)論拠不存在又は論点偏向が些か顕著でその意図に疑問を抱かざるを得ない。第2章以降の論点も巷間既に議論されてきたものであり、結局『実験国家』とは何か?は曖昧である。
著者はまず(日本の「右派」が米国で警戒されるとの論旨から)「慰 安 婦」問題を取り上げるが(34~39頁)、「朝 日」の誤報を取り上げながら、「広義の強制」と「狭義の強制」等といった概念を持ち出し、依然として誰某が固執したような論旨を展開する(38~39頁)。「日本の支配下にあって、本人の自由意思に反する環境下で行われたと言う点」が「広義の強制」で、「政府や軍の直接的な関与がどの程度あったか」が「狭義の強制」であったとした上で、「強制」性の当否を検証することなく「アメリカでは瑣末な問題に過ぎない」等とアメリカ事情を奇貨とする言葉の問題に収斂させているのは、正当な論評とは言い難い。日本ではその「強制」性の問題が「朝 日」報道を含め国家・国民の一大問題になった経緯を考えれば、「アメリカ」視点を著者の主張のエクスキューズとして「強制」の問題を軽々に論じるのは到底看過できるものではない。著者の歴史認識の当否は格別ながら、「強制」の問題を論じるならそれなりの論拠を示すべきだろう。加えて著者は「靖 国」問題にも「アメリカ」視点で言及し、「アメリカが反発したのは2001年の小泉純一郎首相」の時以降であると言うに留まり(40~43頁)、中韓との外交関連の文脈であるのに、79年の「合 祀」以来の大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘元首相ら在任中の「参 拝」について中韓共に問題にしていなかったこと、85年の日本の某新聞社の報道後に中国が初めて非難表明したことなどには全く触れていない。第1章におけるかかる日本批判はその必然性と、「アメリカ」視点と言うエクスキューズに観える(或いは右視点を奇貨とした)論拠不存在又は論点偏向が些か顕著でその意図に疑問を抱かざるを得ない。第2章以降の論点も巷間既に議論されてきたものであり、結局『実験国家』とは何か?は曖昧である。
2015年9月2日に日本でレビュー済み
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日本人の視線で日本人的な感覚で最近の米国を論ずる際物刊行物が氾濫しているが、この本は、著者が米国でフィールド ワークを実施した経験もあり、地に着いた視点での観察になっている。米国の歴史からRepublicと Democraticの考え方の違いを解りやすく説明してくれているし、その中だけでは収まり切らない現代社会への対応に関わる相剋も解りやすい。オバマ大統領になって国内での経済格差が拡大している事実や世界の中での米国の位置などデータで示して説得力がある。現代米国を知る手ごろな本。帯紙の見出しはややMisleadingでは?
2015年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実は、オバマ政権になってアメリカの行動について、例えば経済政策ひとつとっても、予測、あるいは理解しがたい行動が多々あるので何かいい本がお手軽にないかと探していた。中国の今後についてたくさん駄本も含めてでているが、米国については堤未果氏の「ルポ・貧困大陸アメリカ」シリーズなど断片的な本でしか出版されていないように思っていたところにこの本を読むことになった。実はなかったわけではないが、おどろおどろしい、陰謀史観本の類とか、バランスの悪いものしかなかった。そこに新書で読めるこの本を福山大学の松原氏が推奨していたので、アマゾンで取り寄せ呼んでみた。松原氏のゆうがごとくバランスが良く、丁度、大学生の教科書のように、わかりやすく丁寧に書いてある。オバマの行動や考え方も素直に頭に入る。サブタイトルにあるがごとく、米国は実験国家なのだろう。膨大な移民を今なを受け入れている、むしろ流入し続けているのかもしれないが.解りやすい図も多用され、「黄金の50年代」を常に意識し、原点は、南北戦争にさかのぼる、双頭のイーグルとしてのアメリカを学ぶことが出来る。共和党と民主党のちがいは、コカコーラとペプシ程の差しかないと説く。金持ちが要塞の郡をつくり、そこの自治権は、かれらの意思で決められている話もNHKスペシャルでみたことがあるが、かなりの数の要塞があることに驚く。また、収監者がほぼ、100人に一人というのも、これを産業することで、看守の雇用が養えているという話は、堤氏のルポにもでてくる。まるで、株式会社のような国であるので、プラグマティズムであることはある面矛盾しないのであろう。オバマが弁護士のように振舞うのは合理的だと考えたからなのだろう。民主主義すら法人化していると説く。これからの日本のかの国との付き合い方にも言及ありと、てんこ盛りなのである。「ニューディール政策についても」、ああそうそうとうなずける。誠に良書であると思う。
2015年11月4日に日本でレビュー済み
アメリカの保守・リベラルの内容は日本とは違う。本書にはアメリカ流の保守・リベラルの潮流が解説されており、深刻化する連邦議会の党派対立も見えてくる。
第1章「アメリカの歴史認識」。米国では「対日戦後レジームが正しかった」という点においては保守・リベラルとも共通であり、日本の右派が戦後レジームを変更しようとしているのではないかと警戒している。首相の靖国参拝でも、「天皇陛下が参拝を取りやめたところ」へあえて行くのは何か意図があるのではないかとの疑いを招く行為であり、それを中国にまんまと利用されてしまうことに「失望した」のだという。
ウーム、いくら「平和を祈念して参拝していると言い張っても、世界からみれば「なぜ神なの?」と理解できない。まあ「変に突っ張って、中韓と同じ次元で争っても自らを貶めるだけ」ということのようだ。
第2章「アメリカの戦後」。独立戦争以降の歴史を、保守・リベラルの観点から概観しており面白い。そもそも米国はヨーロッパ流の保守主義の否定の上に成り立っており、「米国では保守もリベラルも自由主義の中での右派と左派に過ぎない」という。大恐慌により生まれた米国流リベラリズムは、日本のリベラルとは異なり、「政府による一定の介入が自由を保障する手段とする立場」である。そして「黄金の1950年代」は両派にとって良き時代であるとともに呪縛の原点ともなった。60~70年代は公民権運動、「偉大なる社会」でリベラルな潮流だったが、人類の自由のために始めたはずのベトナム戦争で挫折して以降、80年代のレーガン政権から保守派の巻き返しが続いている(経済保守・社会保守・安保保守)。この流れが変わったかどうかは2016大統領選の結果次第。
第3章「戦後社会の変質」。近年、経済面では保守派が主導して個人化が進み、所得格差は拡大、選挙は金権化している。周辺から閉鎖されたゲーテッド・コミュニティが数多く出現し、ついにはSandy Springs市のように市政全体を民間企業に委託するところまで現れた。逆に、社会面ではリベラル派主導で、移民法改革、同性婚、大麻合法化などが進む。その結果、政治でも中道派が先細りして、共和・民主の間で妥協ができなくなった。
ここで書かれた事実に目新しいものはないが、経済・社会における保守・リベラルのねじれからジレンマととらえる見方は興味深い。
第4章「オバマ外交の現実」と第5章「アメリカの世紀は終わったのか」はどちらも30ページ足らずなので、軽く述べた感じ。これを考えたいなら、専門の他書を当たるべきだろう。本書のメインは第1章と第2章の保守・リベラル論だと思う。
第1章「アメリカの歴史認識」。米国では「対日戦後レジームが正しかった」という点においては保守・リベラルとも共通であり、日本の右派が戦後レジームを変更しようとしているのではないかと警戒している。首相の靖国参拝でも、「天皇陛下が参拝を取りやめたところ」へあえて行くのは何か意図があるのではないかとの疑いを招く行為であり、それを中国にまんまと利用されてしまうことに「失望した」のだという。
ウーム、いくら「平和を祈念して参拝していると言い張っても、世界からみれば「なぜ神なの?」と理解できない。まあ「変に突っ張って、中韓と同じ次元で争っても自らを貶めるだけ」ということのようだ。
第2章「アメリカの戦後」。独立戦争以降の歴史を、保守・リベラルの観点から概観しており面白い。そもそも米国はヨーロッパ流の保守主義の否定の上に成り立っており、「米国では保守もリベラルも自由主義の中での右派と左派に過ぎない」という。大恐慌により生まれた米国流リベラリズムは、日本のリベラルとは異なり、「政府による一定の介入が自由を保障する手段とする立場」である。そして「黄金の1950年代」は両派にとって良き時代であるとともに呪縛の原点ともなった。60~70年代は公民権運動、「偉大なる社会」でリベラルな潮流だったが、人類の自由のために始めたはずのベトナム戦争で挫折して以降、80年代のレーガン政権から保守派の巻き返しが続いている(経済保守・社会保守・安保保守)。この流れが変わったかどうかは2016大統領選の結果次第。
第3章「戦後社会の変質」。近年、経済面では保守派が主導して個人化が進み、所得格差は拡大、選挙は金権化している。周辺から閉鎖されたゲーテッド・コミュニティが数多く出現し、ついにはSandy Springs市のように市政全体を民間企業に委託するところまで現れた。逆に、社会面ではリベラル派主導で、移民法改革、同性婚、大麻合法化などが進む。その結果、政治でも中道派が先細りして、共和・民主の間で妥協ができなくなった。
ここで書かれた事実に目新しいものはないが、経済・社会における保守・リベラルのねじれからジレンマととらえる見方は興味深い。
第4章「オバマ外交の現実」と第5章「アメリカの世紀は終わったのか」はどちらも30ページ足らずなので、軽く述べた感じ。これを考えたいなら、専門の他書を当たるべきだろう。本書のメインは第1章と第2章の保守・リベラル論だと思う。






