2004年10月に初版発売された拙著「お父さんのためのピアノ教室
‾体験的コード奏法超入門」はおかげさまで大きな反響を呼び、大人になってか
ら改めてピアノを楽しみたいと思っておられる方が、とてもたくさんいらっしゃ
ることを実感しました。
本書は同書の併用曲集として、あるいは本書単独でも曲を弾く楽しみとコード
奏法練習の一石二鳥が体験できる曲集として企画したものです。
私は音楽の専門家でもなく、若い頃からピアノのレッスンを続けてきたわけで
もありません。ピアノを弾きたいという永年の夢に40代から我流で挑戦して一時
挫折したものの、ある時、コード奏法という、それまで思いもしなかったピアノ
の弾き方に出会って自分のピアノ観が一変したのでした。
「ピアノとは、こんなにも気軽に楽しく弾けるものなのか!」
という感動体験が、私をすっかりピアノのとりこにしてしまいました。それま
で、楽譜に書かれた音符通りに必死で鍵盤を探ろうとしていたのが、コードに
よって音符の呪縛から解き放たれた解放感。たとえ幼稚な弾き方であっても、
自分なりに自分の意思で鍵盤を鳴らしていく感覚は実に愉快です。
コード奏法は10人10色。同じ1枚のコード譜(リードシート)によって、
初心者からプロの演奏家まで、それぞれのレベルでその人なりの全く違う演
奏(アレンジ)が可能です。本書がひとつのきっかけとなり、1人でも多くの方
とピアノで気軽に遊ぶ楽しさを分かち合う事が出来れば、こんなにうれしいこと
はないと思っています。
内容(「BOOK」データベースより)
本書では、第1部(テクニック解説編)でこのコード奏法を分かりやすく「3つのパターンの法則」に整理して解説しています。そして第2部、第3部では収録曲の全てにコード奏法のためのシンプルなリード・シートと、「3つのパターンの法則」を使ってアレンジした演奏例(アレンジ譜)を付けていますので、曲を楽しみながらいつの間にかコード奏法のコツを学ぶことが出来ます。
著者について
1948年熊本市生まれ。熊本大学工学部卒業。熊本市でデザイン企
画会社を経営。40代より娘のピアノ教室の楽譜で丸暗記奏法に挑戦、挫折。その
後、コード奏法に出会い没頭する。ホームページ「くまもと文化の風ドットコ
ム」に「an弾手のピアノ奮戦記」連載。著書に「お父さんのためのピアノ教
室」(ドレミ楽譜出版社)、「40歳からのピアノ入門」(講談社)がある。