アドラー心理学は、「人生に起きる問題は全て対人関係の問題だ」としたうえで、対人関係の考え方を補正することにスポットを当てていて、「コレさえできれば対人関係に悩まされることはない」という最低限の要点が、シンプルかつコンパクトにまとまっています。
ただ、言うは易し行うは難しで、生涯をかけて地道に考え方を改め続ける必要があります。原因療法的です。
即効性のあるステロイドのような金言は眠っていません。
私は対人関係で悩むことが多いので、これまで、
「自己肯定感」「内向型」「HSP」「自分を変える」「怒らない」「努力」
「生きる目的」「脳科学」「経済」「道徳」「非二元論」「感謝」「仏教」
などのキャッチフレーズを掲げる本を、片っ端から手に取ってきました。
えらく回り道をしましたが、"悩み"に関してなら、この一冊だけを読んでいれば十分でした。
どの本を開いたところで、視点や言い回しが違いこそすれ、大要は、同じ真理に向かって話が進んでいくのです。
例えば、「雨風をしのぐために家を建てる」という究極で普遍的な真理があったとしたら、
「伝統に従ってレンガを重ねるのである」「精神衛生上いいので木を組みましょう」
「原理主義的には洞窟に住むのが正解」「シリコンバレーでは鉄筋コンクリートが主流」「日本のプレハブ建築に世界が驚愕!」
そんなような差がそれぞれにあるだけです。
どの本も言葉にしたら不十分ですが、同じ「家を建てる」という究極で普遍的な真理を語っているのです。
本書も同じです。
アドラーという不十分な人の口を借りて、究極で普遍的な真理を説明する試みに過ぎません。
逆に言えば、"悩み"に関するこれ以外の答えは、世界中どこを探しても無いということです。
他の分野に助けを求めたところで、予備知識と言い回しが変わるだけで、突き詰めれば同じ結論になるのです。
そしてなにより、本書を読むことで悩む必要をなくせるのであれば、
教義とか哲学とか知識とか科学的根拠なんてものも欲する必要がなくなるのです。
だから、最初からこの一冊を読んでいればよかったなぁと思うのです。
「アドラーは受け付けない!フロイトの方が正しい!」と、拒絶される方もいます。
でも、発信者で選別する意味はないです。どっちも間違ってるし、どっちも正しいと思います。
どの川の流れに乗ったところで、結局最後はどれも同じ海に流れ着きます。
海に真ん中なんてものが無いのと同じで、完全な真理を語る人なんてそもそも存在しないです。
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