複雑なのに聴きやすく、新しいのにどこかレトロ。
ちょっとムード歌謡のような雰囲気の曲もあり、ここ数年のバクチクの中では大好きな一枚です。
十三階とは違う意味で全体に統一感があり、聴きやすい・・・のですが!実はどれもなかなか個性的で秀逸!
1曲目の「フラスコの別種」とか、こんな危なっかしい曲、バクチク以外じゃ聴けません。ノンマルトは、ウルトラセブン世代にはニヤリですね。
6曲目の「BOY 〜」の“ケダモノだもん”は、自分でそう言ってしまう狡さが潔くてニクい!
ただ、“◯◯だもん”と聞くとつい“くまモン”がイメージされ、ちょっと危ないくまモンが駄々をこねている様子が浮かんで困ります。
8曲目の人魚姫や9曲目の未来の歌は、“とりあえず弱音は吐かない”という今井さんのスタンスが現れていて好印象。
個人的に一番好きだったのは、やはり12曲目の「愛の葬列」。
愛の、とはいえ、これは恋愛というよりは人生の終わりの唄かな。
愛する人を連れて行ってしまう死の葬列を思うと辛くて寂しいのだけれど、やがていつかは自分もその葬列に加わるのだろうと思うと救われるような、そんな切ない想いが伝わってきます。
「死」は、これまでにも扱われてきた題材ですが、年齢的により身近になってきたことでこういう作品になったのだろうと感じました。
それで、ラストが「NEW WORLD」なのは本当に見事!
いろいろと辛かったり大変だったりするけれど、小さくて、悲しくて、夢見る、可笑しい、まばゆい自分の世界を、最後まで全うするとするか!と思わされた一枚でした。
必聴です。
11月21日の熊本ライブ、行って来ましたが、とても良かったです!
人魚姫、愛の葬列はもちろん、このアルバムの曲はどれもCD以上でした。
アルバム自体に統一感があっただけに、これ以外の選曲は難しかったろうなという印象もありましたが、そんなこんなは差し引いてもグレイト!
もし、ライブどうしようかな〜と思っている方は、迷わず行くのをオススメします。