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[千慶烏子]のアデル

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商品の説明

内容紹介

ヴィクトル・ユゴーの娘アデルの悲恋に取材した千慶烏子の長編詩篇『アデル』。その才能をして類稀と評される詩人の書き記す言葉は、あたかも暗室のなかの多感な物質のように、一瞬一瞬の光に触れて鮮明なイマージュを書物の頁に印しづけてゆく。そして恋の苦悩に取り憑かれた女を、その悲嘆に暮れるさまを、失意のなかで愛の真実について語ろうとするさまを、近接性の話法のもとで精緻に写しとどめる。傷ましいほどの明晰な感受性、あるいは極めて写真的なヴァルネラビリティ。

──そしてここ、ガンジーの浜辺でエニシダを挿した食卓の花瓶や静かに揺れるお父さまの椅子、その背もたれの縁に手を差し伸べて優しく微笑むお母さまの美しい横顔、もはや年老いて耳の遠くなったばあやがわたしを気づかって差し出してくれる洋梨のデセール、そのように取り止めもなく瞳に映るもののすべてが、海辺にせまる夕暮れの深い静寂のなかで、もはや決して繰り返されることはないであろう一刻一刻の美しい輝きをおびてわたしの眼の前に立ち現われたその瞬間、わたしは恋に落ちていることを確信しました。

* * *

本書は叢書『Callas Cenquei Femmes』の第一巻『Adele』の表題で2003年P.P.Content Corp.から出版された。叢書『Femmes』はそのタイトルに作者の名前が冠されているとおり、千慶烏子による「五人の女たちが語る五つの物語、五つの作品、五冊の書物」をモチーフにシリーズ作品として企画され、五作品のうち三作品が完成、出版されている。作品はいずれも単体で完結しているが、全作品を通して一つの方法論が共有されている。

叢書『Femmes』は、一人称の話法で「わたし」を語る女主人公を文学空間に登場させ、彼女のひもとく「語り=話法=物語(ナラティブ)」をテクストの舞台で上演するという方法が採用されている。この特殊な話法と「代理=表象=上演」をめぐる方法論に関して、千慶烏子は第三巻『クレール』に収録された批評で緻密な論考を展開しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

計画された五作品のうち三作品が完成し、出版されているが、残りの二作品に関しては、計画が断念されたわけではなく、引き続き執筆・制作にあたることを千慶烏子は明言している。シリーズ制作中の2011年に東日本大震災が発生している。千慶は、彼自身の文学上のプロブレマティークよりも状況的問題に対抗する方法論の構築を優先させたのだと考えられていいだろう。第四巻『ベアトリス』に先だって、脱現代性の文学的方法論をめぐる『ポエジー・デコンタンポレヌ』が2015年に出版されている。

さて、ひとまずここでシリーズ作品の概要を終え、本書『アデル』に関して解説を進めたいと思う。作品はヴィクトル・ユゴーの娘アデルの悲恋に取材している。アデル・ユゴーについては、教養に富んだ読者の皆さんならば、フランソワ・トリュフォーの映画『アデルの恋の物語』でよくご存じかもしれない。本書の執筆にあたって千慶烏子がトリュフォーの映画を参考にしなかったと言えば嘘になるだろう。しかし、本作が映画から着想を得たとか、映画の翻案であるという指摘もまた現実とは著しく異なっていると言わねばならない。

この購読案内では、トリュフォーの『アデル・H』と千慶の『アデル』の基本構造を比較しながら、簡単に本書の独自性に関して読者の皆さんに提案してみようと思う。

まず最初に異なるのは、本書が言葉だけで成立していることである。そこには映像表現に見られる息を飲むような美しい映像もなく、観客を魅了して止まない美貌の女優も存在しない。しかし、読者はありありとそこに女主人公アデルの息づかいや戸惑い、心の揺れ動きを「見る」だろう。本書では、言葉が読者の心を掻き立て、そこにない映像を、そこにいない美貌の女を垣間見させるのである。それは、当たり前のことではあるが、文学空間の特徴である。

そして次に異なるのは、本書は一人称の話法で構成されていることである。映画の空間はカメラの持つ三人称の視点で構成され、女主人公を客観的に映し出すが、本書の文学空間では、女主人公アデルはみずからを語るのである。みずから語ることによって作品世界が構築され、展開される。彼女の目を通して世界は描かれ、彼女の言葉を通して彼女の内面が描かれる。それにもかかわらず、読者はそこに女主人公アデルの存在をありありと目撃するにちがいない。あたかも写真装置のファインダーを通して見るかのように、あるいは映写装置の投げかける光と影の映像に見いだすかのように、あるいは舞台装置の上にその姿を観るかのように。言うなれば、読者は「文学装置」を通して彼女の実在と真実に遭遇するのである。

千慶烏子は、先に挙げた第三巻『クレール』に収録された批評の中で、このシリーズ作品で共有されている方法論に関して「魂の劇場」という呼び方をしている。作品の中で「わたし」を語る女主人公の言葉に誘われ、その見えない姿を追いかけてゆくと、読者は非常に古層的で根源的な「魂の劇場」に行き当たるのだと千慶は言う。そして、目の前で劇場の幕が切って落とされるやいなや、読者は今まさにそこで上演されている演劇に遭遇するのである。本書に関して言うならば、読者の皆さんは「魂の劇場」でアデルのひもとく恋の物語を観劇してもいいだろうし、またカメラを構えてアデルの語るさまをフィルムに撮影してもいいだろう。そこは文学空間であるが、また劇場空間でもある。

もちろん、この「魂の劇場」は、われわれの心の奥底にあってわれわれに幻影を見させるファントームの空間、あるいは文学装置の表象作用を通して実現される夢まぼろしの空間であり、現実の空間でないことは読者の皆さんがご指摘するであろうとおりである。千慶烏子の文学空間は、このファントームの空間へと読者を誘い、われわれの心の奥深くに潜んでいる古層的な何かを舞台に上げるが、その文学空間は、まさしく「夢」のようにはかなく、上演される劇場空間も映像空間も存在しないのである。それにもかかわらず、われわれはそこに何かを見るのである。まさしく「夢」のように。

千慶烏子の提案する「代理=表象=上演」をめぐる文学空間に関して、この小文で読者の皆さんの興味を惹くことができたなら幸いである。また、本書が完全に独自であるだけでなく、完全に新しく、同時に非常に古層的でありかつ根源的な作品であることもご理解いただけたのではないだろうか。ぜひとも作者の名前を冠したシリーズ作品の巻頭を飾る本書をご購読いただきたい。(P.P.Content Corp. 編集部)

登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 2294 KB
  • 推定ページ数: 67 ページ
  • 出版社: P.P.Content Corp. (2017/8/27)
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B07565XRX1
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能): 有効
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