最高でした… これこそ私が求めていたヒーロー映画でした。
2時間以上の長尺。原作知らなくても楽しめる、作品そのものの地力。優れたデザイン/映像美。神秘性溢れるストーリー。重厚で丁寧なドラマ。アドレナリンを大放出させてくれるエキサイティングなノリ。それらすべてを最高のレベルで最後まで維持し続けてくれる作品。人類が生み出せる「映画」という娯楽の最高峰。それが『アクアマン』でした。私にとって本作は間違いなく、ワーナーが生み出したヒーローどころか、マーベルシネマティックユニバース作品すら超えた最高の作品でした。(まだエンドゲーム観てないけど)
今まで私は、映画を観て感動して涙を流すという事はたびたびある人間だったのですが、映像美が凄すぎるから、作品が面白すぎるから、感動して泣くなんて経験をしたのは本作が初めてでした。終盤の大戦シーンではもうずっと泣いてました。美しすぎて凄まじすぎて。
とにかく本作は、常にパワフルかつエネルギッシュなアクションと、人類が生み出す映像美の極致によって彩られ、全編に興奮と爽快感が満ち溢れていました。アクアマンの肉体と性格にふさわしい「殴る」「投げる」といった豪快な格闘は見ていて手に汗握りましたし爽快感に溢れていました。それが海底都市やイタリアの街などの美しいロケーションの中で繰り広げられる光景はすべてが芸術でした。そして終盤の大戦シーンは、あらゆる色の光が高速で飛び交い、大破壊、大生物が縦横無尽に暴れまわる。間違いなく誰も観た事のない、誰も作った事の無い、海が舞台だからこそ生み出せた壮絶な美の世界が絶えず繰り広げられ、私は感極まってしまいました。
パワフルだったのは映像だけではありません。本作登場人物は、主人公アクアマンはもちろん、ヒロイン、悪役、アクアマンの母、蟹に至るまで、みな誇りみなぎる威風堂々たる態度で、言動に迷いがありません。覚悟が決まりまくっている。その確かな生き様たちが怒号と共に激しくぶつかり合う。挑まなければ後悔する。それは嫌だから戦う。その姿は観ているだけで元気が出ました。で、そういうパワフルなだけじゃないアクアマンのキャラもいいですね。柔軟さもあって、シリアスしかない戦いの世界に笑いと安らぎをもたらしてくれる。そしてくよくよしないタフな男。ああいう大らかさが王らしいですね。『ジャスティスリーグ』でもいいポジションでしたし。
「海」感の徹底もいいですね。アクアマンは登場シーンの7割くらいは塗れてて。撮影大変だったでしょうけど、さすが『アクアマン』と感心しました。海中各国の民も、魚、深海魚、蟹などさまざまな造詣が作られていて良かったです。人魚とか半漁人というのは見たことありますが、甲殻類や深海魚をベースにしたデザインは初めて見たので刺激を受けました。
あと宝探しパートも素敵です。ビンの底で謎が解けるとか、昔のアドベンチャー映画みたいでワクワクしました。あのパートのおかげで陸に上がってロケーションが増えましたし、世界観が広がりました。海と陸はひとつの世界。
吹替版についての話ですが、タレント吹替がありませんでした。DC作品はタレント吹替無いのがいいですね。ワーナー(今回は)グッジョブ。最高の作品は最高の人材によってのみ生み出される。
興奮、爽快感、そして元気が出る。これを感じられる事が、私がヒーロー映画に求めているもの、「映画」という娯楽を経験した時に得られるべき喜びだと思っています。それを得られるはず、と期待を込めてお金と時間を費やします。それが徒労に終わることがちょっと前は珍しくありませんでした。ヒーローとしての活躍シーンを観たかったのに、一人の人間として落ち込んでるシーンを長々観せられた、とか結構ありました。最近はそういう事はなくなってきたんですが、本作は「なくなってきた」どころか「なかった」。全瞬間が最高の娯楽でした。
もうひとつ「無かった」ものがありまして… 最近はどこの製作もヒーロー映画である事、娯楽である事に力を注ぎ切らず、社会問題を、人種を、性別を、「テーマ」を、「メッセージ」を、とまるで義務のように余計なものを混ぜ込んでくるようになりました。たった数時間の夢も見せてくれない。「知れ」「意識しろ」「無関心は許さない」と作品の端々で現実世界の闇を突きつけてくる。少なくともヒーロー映画は社会貢献のためにあるわけではないはずなのに。おかげで『ワンダーウーマン』の評価にも余計なものがついてまわった。あの強さと美しさと優しさが純粋に評価されず、ポリだのフェミだのジェンダーだのの争いに巻き込まれた。そういう邪魔なものが『アクアマン』には「無かった」(と思う)。本作はただただ、数時間の夢でした。それが私にはただただありがたかった。ありがたい… ジェームズワン監督ありがとう… 君がいないおかげで死霊館シリーズおかしなことになってきてるけど… えっ次『モータルコンバット』撮るから死霊館ほったらかし… まぁいいけど…
という事で、かなり偏った賛美を長々書き連ねてしまいましたが、だってそう感じたもん!という事で。私もフィッシュボーイと写真撮りてぇなあ!!

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