一、二巻は序奏。「落窪物語」シンデレラ踏襲の部分が強調されていて、異能の「異」の部分がはっきりしないままでした。三巻に入って今後の「異」の部分と主人公とそのまわりの人々のドラマが、楽しみになってきました。
引き続き、注目したい作品です。
<ネタバレ、深読み?>
婚約者に贈る紫の組紐、義母からもらう白いリボン。家族を求める心への無情な言葉にも怯まない主人公に、このエピソードの呼応が好ましい。
また、組紐を贈るとき「いらなければ捨ててください」と言う主人公に、義母は「ゴミだから捨ててもいいのよ」と答える。主人公は気づいただろうか。彼女の誠実さが、自分に戻ってきている、人生を取り戻していることを。
彼女の「異能者」になりきれていない視点が、重要なキーポイントとなる気がして、次作も楽しみ。
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