離婚で妻に子どもを連れていかれた父親の話。自分の不勉強だったが、虚偽DVで逮捕されている間に妻が準備を整え家出するとか、日本の離婚司法がこれほど母親有利なのかと驚かされた。最も衝撃的だったのが、親権・監護権なく我が子を連れだすと、未成年者略取で逮捕される可能性もあるということ。離婚調停で合意した面会期日を妻側が守らないからと言って、予定外に子どもに会いに行くだけで警察に通報されるという。
本書に出てくる妻たちはどれもひどい。浮気したりメンヘルだったり両親が過保護だったり、その複合系だったり。ある日突然子どもと荷物を持って出ていく。子どもを追いかける夫たちは、面会どころか子の学校教員、警察、女性シェルターの運営者・妻側の弁護士から罵詈雑言を浴びせられた挙句「DVしてるんだから、子どもには会う権利はない」と通告される。依頼人で動く弁護士はともかく、家裁は一体誰の人権を守っているのか。シェルターとやらも悪い意味での女権至上主義を体現している。夫たちは辛い。DVや浮気を抱える妻を抱え家事をこなしたのにもの仕打ちだ。多くが子を失って数か月立ち直れず、深刻なうつ状態だったと語る。
だが最もつらいのは、別れた妻に連れ去られた子どもだろう。メンヘラ母といるだけでもきついが、「お父さんに会うなんて言ったらご飯抜き」などと脅される。一人では生きていけないから「お父さんの話はできないんだ」「自分もお父さんが嫌いにならないと家で暮らしていけない」と自己洗脳し、母親に付いていかざるを得ない。父親との面会交流で、離れたくないあまりに父親の車から降りない子どももいるという。離婚で最も不利益をこうむるのは子どもなのだから、子の意向は最優先されるべきではないか、と本書を読むと強く思う。離婚調停の話を読むと、「母親の手元にあるのが望ましい」という先入観ありきで調停が行われ、「子どもが母親になついている」など母親に有利な事情は汲まれる一方、父親の事情は一顧だにされない。現状は、母親であるというだけで連れ去りが合法化されていた日本もようやく変わろうとしている。連れ去り禁止などを盛り込んだ親子断絶防止法の整備が議論されているとのことだった。
確かにDVは深刻な問題であり、母親の権利が重視されてきたのはやむを得ない。だが、父親への権利侵害に思いが至らなかった。「父親の話だけで書いている」という本書への批判もある。確かに本書の父親の話がすべて正しいとは思わない。だが、むしろ今まで母親サイドの本で、父親の事情を考えた本がどれほどあったのか。家庭内の問題は当事者以外には見えない。本書は少なくとも一側面は示しているのだろう。自身も似たような立場にある著者が、多くの父親が絞り出す苦しい胸中を聞き取り、メッセージを届けている。「家庭問題は女性の視点で論じるべきもの」という社会のコンセンサスが強い昨今、あえて一石を投じる良書だと思う。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち 単行本(ソフトカバー) – 2017/1/19
年間20万組超が離婚する現代――。ある日、子どもたちと会えなくなってしまった父親が急増している。
彼らはなぜ子どもに会えなくなったのか?
男たちが歩むそれぞれの人生を、自身も当事者であるライターが描く。
別れてから現在までのこの2年半の間にお会いした当事者の方々。彼らの声を集めたのが、この本である。本のタイトルを『わが子に会えない』としたが、今は会えている人、再び会えなくなった人も証言者に含めている。子どもに会えなくなった男たちとはいったいどのような人なのか。別れに至るまでにどのように出会い、子どもをつくり、そして別れたのか。そして別れた後、どんなことを思い、どのような人生を歩んでいるのか。善悪では計りきれない多くの人生、つまりはより多くの視座を伝えることで、〝会えない〟という現象に可能な限り接近したいと思っている。(本書「プロローグ」より)。
『僕の見た「大日本帝国」』、『本で床は抜けるのか』の著者による最新作!
彼らはなぜ子どもに会えなくなったのか?
男たちが歩むそれぞれの人生を、自身も当事者であるライターが描く。
別れてから現在までのこの2年半の間にお会いした当事者の方々。彼らの声を集めたのが、この本である。本のタイトルを『わが子に会えない』としたが、今は会えている人、再び会えなくなった人も証言者に含めている。子どもに会えなくなった男たちとはいったいどのような人なのか。別れに至るまでにどのように出会い、子どもをつくり、そして別れたのか。そして別れた後、どんなことを思い、どのような人生を歩んでいるのか。善悪では計りきれない多くの人生、つまりはより多くの視座を伝えることで、〝会えない〟という現象に可能な限り接近したいと思っている。(本書「プロローグ」より)。
『僕の見た「大日本帝国」』、『本で床は抜けるのか』の著者による最新作!
- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2017/1/19
- 寸法13 x 2.4 x 18.8 cm
- ISBN-104569831427
- ISBN-13978-4569831428
- UNSPSC-Code
この商品を見た後に買っているのは?
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
彼らはなぜ子どもに会えなくなったのか?年間20万組超が離婚する現代―。ある日、子どもたちと会えなくなってしまった父親が急増している。彼らが歩むそれぞれの人生を、自身も当事者であるライターが描く。
著者について
ノンフィクション作家
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
西牟田/靖
ノンフィクション作家。1970年大阪府生まれ。神戸学院大学卒業。等身大のニュートラルな視点を持ち味に、「歴史と記憶」「国境と国家」「家族」といったテーマに真摯に向き合っている。旧日本領のその後を訪ね歩いた『僕の見た「大日本帝国」』が2005年度の新潮ドキュメント賞候補作となる。2014年の離婚をきっかけに親権問題、虚偽DV、“逆DV”、シングルマザーなど家族問題へとテーマを広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ノンフィクション作家。1970年大阪府生まれ。神戸学院大学卒業。等身大のニュートラルな視点を持ち味に、「歴史と記憶」「国境と国家」「家族」といったテーマに真摯に向き合っている。旧日本領のその後を訪ね歩いた『僕の見た「大日本帝国」』が2005年度の新潮ドキュメント賞候補作となる。2014年の離婚をきっかけに親権問題、虚偽DV、“逆DV”、シングルマザーなど家族問題へとテーマを広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1分以内にKindleで わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2017/1/19)
- 発売日 : 2017/1/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 318ページ
- ISBN-10 : 4569831427
- ISBN-13 : 978-4569831428
- 寸法 : 13 x 2.4 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 407,762位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 2,734位社会一般関連書籍
- - 15,341位社会学概論
- - 40,391位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

70年大阪生まれ。神戸学院大学法学部卒。日本の領土問題や旧植民地に残る日本の足あと、引揚等、硬派なテーマを取材執筆しているうちに書斎が本で埋まる。著書に『僕の見た「大日本帝国」』『誰も国境を知らない』『〈日本國〉から来た日本人』『ニッポンの穴紀行』等
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.3
星5つ中の4.3
35 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年11月3日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
72人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
親権獲得のため虚偽のDVをでっちあげる事が横行していたり、面会交流がなかなか実現できなかったりして、子供と離れて暮らす父親が悲痛な声を上げている。
この本では、その父親の無念や、悔しさ、そして子供の思う気持ちが、強く伝わってくる。
さらに伝わってきたのは、子どもの気持ちだ。
絶対会いたくないという断固たる決意がある子供もいれば、本当は会いたいけど同居親に遠慮して会いたくないと言う子供、でもその子供が試行面会をしてみたらとびきりの笑顔を見せる。
また、面会を繰り返すうちに別居親への愛情が深まり、別居親と暮らしたいと決意していくような子供もいる。
一番印象深かったのは、母親に連れられて別居したものの、自分の意思で、父親の元に住もうとした子供。
でも裁判官は、父親に親権をすぐには認めず、子供が村や学校などに差別されることになる。
その子供が行政訴訟の最中、こんな事っておかしいじゃないかと裁判官に訴える。
子供にも気持ちがある、一人の人間なんだと、つよく思い知らされる本でした。
この本では、その父親の無念や、悔しさ、そして子供の思う気持ちが、強く伝わってくる。
さらに伝わってきたのは、子どもの気持ちだ。
絶対会いたくないという断固たる決意がある子供もいれば、本当は会いたいけど同居親に遠慮して会いたくないと言う子供、でもその子供が試行面会をしてみたらとびきりの笑顔を見せる。
また、面会を繰り返すうちに別居親への愛情が深まり、別居親と暮らしたいと決意していくような子供もいる。
一番印象深かったのは、母親に連れられて別居したものの、自分の意思で、父親の元に住もうとした子供。
でも裁判官は、父親に親権をすぐには認めず、子供が村や学校などに差別されることになる。
その子供が行政訴訟の最中、こんな事っておかしいじゃないかと裁判官に訴える。
子供にも気持ちがある、一人の人間なんだと、つよく思い知らされる本でした。
2017年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本における十数名の当事者の「わが子に会えない」さまざまな事情を読ませて頂きました。
涙が溢れました。どうして、日本は単独親権なのかと疑問を呈するようになりました。
ほぼ、ここに載っている皆さんは裁判所に公平かつ人情味のある裁きを期待していたのでしょうが、
実は、その司法権により親子関係を断絶されたといっても言い過ぎではないと思いました。
それでも、胸を張って生きている当事者の皆さまに頑張って頂きたいと思うようになりました。
とても、辛い経験をよく話して頂いたと感銘しております。
今後の人生において、子どもとは親の関係とはどうゆうものなのか、一方の親にだけ加担するべきものなのか、
立法、行政、司法の権利者が、しっかりと子どもを中心に考える日本にして頂きたいと心から思いました。
このようなノンフィクションはとても大事です。当事者さまの声が司法に蓋をされてしまわないよう祈る次第です。
涙が溢れました。どうして、日本は単独親権なのかと疑問を呈するようになりました。
ほぼ、ここに載っている皆さんは裁判所に公平かつ人情味のある裁きを期待していたのでしょうが、
実は、その司法権により親子関係を断絶されたといっても言い過ぎではないと思いました。
それでも、胸を張って生きている当事者の皆さまに頑張って頂きたいと思うようになりました。
とても、辛い経験をよく話して頂いたと感銘しております。
今後の人生において、子どもとは親の関係とはどうゆうものなのか、一方の親にだけ加担するべきものなのか、
立法、行政、司法の権利者が、しっかりと子どもを中心に考える日本にして頂きたいと心から思いました。
このようなノンフィクションはとても大事です。当事者さまの声が司法に蓋をされてしまわないよう祈る次第です。




