追億編と星霜編を同じ感覚で見ている方がたまにいるので突っ込みたいのですが、
監督が同じでも、脚本家も違うし、全くの別物ですよ〜
追億編は原作者が関わっていましたが、こっちはノータッチのオリジナルです。
原作者が「剣心のドラマは人誅編で既に終わっている」と語っているように、
人誅編のその後にあたるこれはある意味完全な二次作、同人作品です。
さらに、主観から語るとして、追億編も重く暗いテーマを扱っていましたが、
作風が違うとはいえ、あちらは原作との違和感がありませんでした。
というのが、物語の細部に変更が加えられていても、
キャラクター設定に大きな齟齬を感じなかったからです。
さらに、追憶編に関しては「原作超え」という高い評価も耳にしますが、
その意見と同じく、作風が変わっても、キャラクターの芯は変わっていない
と感じたので、正統な公式作品として私も素直に受け止められました。
むしろ、原作を更に細かくリアルに砕いたんだなぁ、と感じる仕上がりで、
文句なしに☆5の評価だったのですが、こちらはどうも……
多くの方が指摘していますが、
キャラクターが違う。何よりも、
リアリティを装って死を美化しすぎです。
確かに、たくさんの悲劇を見つめれば心は折れるでしょう。
以前の瞳の輝きを失い、厭世的になるかもしれません。
原作のような剣心の陽気な姿はそこにないかもしれません。
『星霜』の名の如く歳月は人を変えてしまうのかもしれません……
と、そこまでは解ります。
でも、そこから狂って、過去の自分の不殺の誓いを反故にして
最愛の人に病を移すなんていう『恋空』もびっくりのスイーツ(笑)
および中二病的な発想には、重度の精神病患者か狂信者でもない限り
しらふでは間違いなく繋がらないと思うのですが……
挙句の果てに育児放棄ですか…… www
そもそも心が折れるようなたくさんの悲しみは
幼少期〜人斬り時代に散々味わってきたはずなので、
「 え、いまさらその程度のことで狂うはずないでしょ?
自分の罪の重さは自覚してたでしょ??
人の心の闇は存分に見てきたはずでしょ???
追億編〜原作で描かれた数多の経験は何だったの????
人物像が繋がってないよ!!!!」
と、星霜編の剣心の心情の変化に疑念を感じてしまう私は浅はかでしょうか?
巴を亡くした時の緋村の誓いはそんなに軽いものだったのでしょうか……
残念ながら、心から疑念を感じざるを得ません。
追億編があまりに素晴らしかったのでこちらも期待したのですが、
同じ監督とは思えない謎の作品でした。
最後に……
散々落としましたが、本作の映像作品としてのクオリティ自体は
非常に素晴らしく、退廃的で耽美な世界観もよく演出されていると思います。
その点に感動して高く評価するのは納得できます。
とはいえ、映像作品としてではなく、本作を「るろうに剣心」として、
高評価にしてしまう方は、ちょっと雰囲気に呑まれすぎではないでしょうか。
オリジナルを描くに際し、どんな改変をするにしても、
原作に対する敬意は絶対に失ってはいけないと思います。
繰り返しますが、星霜編は追憶編とは別物の二次創作です。
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 星霜編 ~下巻~ [DVD]
-5% ¥5,828¥5,828
参考価格: ¥6,160¥6,160
特別な表記がない限り、参考価格は、製造業者、卸売業者、輸入総代理店等、小売業者以外の者(以下「製造業者等」といいます)が設定し、あらかじめカタログや商品本体への印字等により公表されている希望小売価格または製造業者等が小売業者に対して呈示している参考小売価格です。
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フォーマット | 色 |
コントリビュータ | 和月伸宏, 土井美加, 白鳥由里, 冨永み~な, 涼風真世, 藤谷美紀, 上田祐司 |
稼働時間 | 1 時間 |
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商品の説明
レビュー
監督・演出: 古橋一浩 原作: 和月伸宏 脚本: 吉田玲子 キャラクターデザイン: 松島晃 音楽: 岩崎琢 声の出演: 涼風真世/藤谷美紀/冨永みーな/上田祐司/土井美加/白鳥由里/池田秀一/佐々木望/大塚明夫/金子はりい
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.66:1
- Is Discontinued By Manufacturer : いいえ
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4534530000583
- メディア形式 : 色
- 時間 : 1 時間
- 発売日 : 2002/3/20
- 出演 : 涼風真世, 藤谷美紀, 冨永み~な, 上田祐司, 土井美加
- 販売元 : SME・ビジュアルワークス
- ASIN : B00005V4G5
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 144,551位DVD (の売れ筋ランキングを見るDVD)
- - 25,527位アニメ (DVD)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月26日に日本でレビュー済み
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8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2002年9月23日に日本でレビュー済み
まず、はじめに言っておきます。るろうに剣心の原作とは、かなりかけ離れています。「贖罪」をテーマとして真面目に取り組んでいるので、話がシビアです。幸せ一杯なハッピーエンドを好む方、原作の雰囲気を尊重したい方は見ない方が良いかもしれません。そうは言っても気になると思うので、せめて見た後で不快にならないように、一つの視点(捉え方)を以下に紹介しておきます。
星霜編には様々なレビューが為されており、その内「納得いかない」という人がほとんどです。そこで「こうすれば納得がいくのでは?」という私の捉え方を紹介しておこうと思います。
それは一言で言えば「生成継承性」です。つまり「受け継ぎ受け継がれそしてさらに発展を」といった意味です。つまり人の命や贖罪を個人のものとして考えず、集団のものとして考えてはどうですか、と言いたいわけです。
簡単に言うと「剣心の命や人生は、その息子の命や人生を合わせて一つの物」ということです。
この様にして見ると、ラストもそれ以外の部分にも「継承」というテーマが見え隠れしてくると思います。そうすると、ある程度は作品に納得できるのではないでしょうか。
それでも納得いかない方は、「剣心華伝」を読んでください。作者は「ハッピーエンド」を基本とは考えていますが、それを「絶対視」はしていないと分かるでしょう。
星霜編には様々なレビューが為されており、その内「納得いかない」という人がほとんどです。そこで「こうすれば納得がいくのでは?」という私の捉え方を紹介しておこうと思います。
それは一言で言えば「生成継承性」です。つまり「受け継ぎ受け継がれそしてさらに発展を」といった意味です。つまり人の命や贖罪を個人のものとして考えず、集団のものとして考えてはどうですか、と言いたいわけです。
簡単に言うと「剣心の命や人生は、その息子の命や人生を合わせて一つの物」ということです。
この様にして見ると、ラストもそれ以外の部分にも「継承」というテーマが見え隠れしてくると思います。そうすると、ある程度は作品に納得できるのではないでしょうか。
それでも納得いかない方は、「剣心華伝」を読んでください。作者は「ハッピーエンド」を基本とは考えていますが、それを「絶対視」はしていないと分かるでしょう。
2007年2月25日に日本でレビュー済み
集英社ジャンプコミックス刊・和月伸宏原作
「るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー」のその後を描いたOVA作品「星霜編」の下巻DVDです。
舞台は日清戦争の勝利に沸く明治29年。戦う人々のため大陸へ渡ったまま
帰らぬ剣心を待つ薫をメインに構え、二人の過去と最期の姿を丹念に描いた最終章です。
上巻最後の「人誅編」から雪代縁が登場し、本作のテーマをさらに色濃く表現します。
再会した二人の友情と薫の愛情の姿にも胸を打ち、贖罪を終えた彼の姿に驚き、感動必至です。
『星霜=年月』の名の通り、原作のその後の二人の苦難と物悲しさが特出されている展開は見応え充分。
安易な剣劇アクションではなく、真っ向からその晩年の姿を描いた製作者の姿勢にも感心させられました。
賛否両論を承知の上で、ビデオ作品ならではの媒体を生かした渾身の完成度に圧倒されます。
本作は完全に原作既読者向けに製作されているので要注意です。
また、OVA「追憶編」との繋がりも若干あるため、そちらも押さえておくとより楽しめます。
リニアPCM音声の音質の抜けの良さも、重厚な音楽に拍車を掛けており好感触。
ただ、画質面では輪郭にボケやモアレのようなノイズが目立っていたのが残念です。
「るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー」のその後を描いたOVA作品「星霜編」の下巻DVDです。
舞台は日清戦争の勝利に沸く明治29年。戦う人々のため大陸へ渡ったまま
帰らぬ剣心を待つ薫をメインに構え、二人の過去と最期の姿を丹念に描いた最終章です。
上巻最後の「人誅編」から雪代縁が登場し、本作のテーマをさらに色濃く表現します。
再会した二人の友情と薫の愛情の姿にも胸を打ち、贖罪を終えた彼の姿に驚き、感動必至です。
『星霜=年月』の名の通り、原作のその後の二人の苦難と物悲しさが特出されている展開は見応え充分。
安易な剣劇アクションではなく、真っ向からその晩年の姿を描いた製作者の姿勢にも感心させられました。
賛否両論を承知の上で、ビデオ作品ならではの媒体を生かした渾身の完成度に圧倒されます。
本作は完全に原作既読者向けに製作されているので要注意です。
また、OVA「追憶編」との繋がりも若干あるため、そちらも押さえておくとより楽しめます。
リニアPCM音声の音質の抜けの良さも、重厚な音楽に拍車を掛けており好感触。
ただ、画質面では輪郭にボケやモアレのようなノイズが目立っていたのが残念です。
2007年1月21日に日本でレビュー済み
見終わった後、ものが言えませんでした。
なぜって涙と鼻水でもう喋られるような状態じゃないからです。
上巻とは打って変わって、下巻からは物語の本質へと・・・となるはずが
一番肝心な雪代縁との話がちょっと不十分でした。
原作では総勢7名(不確か)で島に上陸したはずなのに、なぜか剣心のみだったりしますが
まぁ、それはそれということで。
「剣と心を賭して、闘いの人生を完遂する」
という答えを導き出した剣心は、同時に壮絶な人生を歩むことへの覚悟の表れだったのです。
それは、見ている人、ファンの人には十分伝わっているはずです。
だから、この作品の最期を見たとき、泣くんでしょうね。
そして、こうあって欲しかったのにと思い欝になるんでしょう。
これはこれと割り切れる方、見て、そして思い切り泣いて、欝になってください。
なぜって涙と鼻水でもう喋られるような状態じゃないからです。
上巻とは打って変わって、下巻からは物語の本質へと・・・となるはずが
一番肝心な雪代縁との話がちょっと不十分でした。
原作では総勢7名(不確か)で島に上陸したはずなのに、なぜか剣心のみだったりしますが
まぁ、それはそれということで。
「剣と心を賭して、闘いの人生を完遂する」
という答えを導き出した剣心は、同時に壮絶な人生を歩むことへの覚悟の表れだったのです。
それは、見ている人、ファンの人には十分伝わっているはずです。
だから、この作品の最期を見たとき、泣くんでしょうね。
そして、こうあって欲しかったのにと思い欝になるんでしょう。
これはこれと割り切れる方、見て、そして思い切り泣いて、欝になってください。
2002年3月26日に日本でレビュー済み
この作品、賛否両論だと思います。はっきり言って
かつてのかっこいい剣心像をくつがえす事が多いのでびっくりの人が
多いのではないでしょうか?
ですが、カッコよく記号化されたキャラクターアニメが多い中、
一人の人間として老いていく様をカメラをそらさずに描ききった事に
むしろ、よく挑戦し、よくやってくれたと思います。
色々主観なので、お勧めはできませんが、
私はベストアニメ10の内に入ります。
動き、キレ、美しさは全くもって最高クラスです。
現代の動く浮世絵といった風情です。
かつてのかっこいい剣心像をくつがえす事が多いのでびっくりの人が
多いのではないでしょうか?
ですが、カッコよく記号化されたキャラクターアニメが多い中、
一人の人間として老いていく様をカメラをそらさずに描ききった事に
むしろ、よく挑戦し、よくやってくれたと思います。
色々主観なので、お勧めはできませんが、
私はベストアニメ10の内に入ります。
動き、キレ、美しさは全くもって最高クラスです。
現代の動く浮世絵といった風情です。
2002年9月10日に日本でレビュー済み
追憶編と立て続けに見たせいか、見終わった後は放心状態でした。三日ほど、意味もなくブルーになってしまいました。レヴュー書いてる今もブルー入ってます。追憶編は原作に近い筋描きだったので、ショックはある程度受け止めれました。(でも泣いちゃいましたが)この星霜編(下巻)でとどめを刺された感じです。剣心の選んだ贖罪の道って、あまりに自虐的です。もっと自分や周りの人を大切にしてほしかった・・・ってほんとにほんとにこれで終わりなんでしょか!?!?原作者の和月さんの考えてた本当のラストってこの作品と近いものなんでしょうか!?今、気持ちのやり場にすごく困ってます。ああ。。。(泣)
2008年1月8日に日本でレビュー済み
私の意見は原作ファンの方々にとって邪道だろう。だが、書かせていただきます。
私が、原作で唯一、一番嫌いで、気に入らないのは巴のことを剣心が何度か「幻だ」と言って、まして最終回近くでお墓の前で「さようなら」と言っていることです。死んでしまった人間ですが、剣心自身をかえた初めての人だったんじゃなかったの?と、どうも納得がいきませんでした。
だか、このDVDでは巴が出ていないのにも関わらず、剣心や薫の心の中に色濃く存在しています。剣心の罪の重さが、薫の嫉妬がよく伝わります。
巴や殺めた人々のことを思い、人々を救う旅に出た剣心。薫のために帰ってきた剣心。二人の女性を愛しているんだと思いました。
動乱の中で生きた男の最期の姿を見てください。
私が、原作で唯一、一番嫌いで、気に入らないのは巴のことを剣心が何度か「幻だ」と言って、まして最終回近くでお墓の前で「さようなら」と言っていることです。死んでしまった人間ですが、剣心自身をかえた初めての人だったんじゃなかったの?と、どうも納得がいきませんでした。
だか、このDVDでは巴が出ていないのにも関わらず、剣心や薫の心の中に色濃く存在しています。剣心の罪の重さが、薫の嫉妬がよく伝わります。
巴や殺めた人々のことを思い、人々を救う旅に出た剣心。薫のために帰ってきた剣心。二人の女性を愛しているんだと思いました。
動乱の中で生きた男の最期の姿を見てください。
2003年8月5日に日本でレビュー済み
これを見終わって、しばらく放心状態だったのを覚えています。
ひとつは、『どうしてこんな結末になってしまったんだろう』という
やりきれなさ…というか、哀しさ。
もうひとつは、タイトルにもありますが『薫の愛情の深さ』。
遠くに行ってしまう剣心を「待つことしか残されていないから」と
ただただ、一途に待ち続ける薫。
これ程までに、一人の人間を愛せる事。
この星霜編が、薫視点で進むので仕方ないかもしれませんが、
薫の想いが、これでもかという位に伝わってきます。
本当に、この星霜編には賛否両論のようですが、私は好きです。大好きです。
そして、本編とは関係ないのですが、私が本当にオススメするのは最後のエンドロールです。
どのようなエンドロールかといいますと!、真っ暗な背景に、桜の花びらが散るだけ…というシンプルなモノ。
それに、とても哀しい(聞くだけで涙が出るような)曲が流れ
……そして、薫の今までのセリフがゆっくり、ゆっくりと流れるのです。
その言葉ひとつ、ひとつに今までの原作・アニメのシーンが重なって、
そこでも私は号泣でした。 本当に印象的なエンドロールです。
これを見るには、多少の覚悟が必要だと思います。
そして、見終わった後に少なからず、胸を締め付けられるような哀しさに襲われると思います。
ですが、観る価値は絶対にある作品だと思います。ぜひ、ご覧になって下さい。
ひとつは、『どうしてこんな結末になってしまったんだろう』という
やりきれなさ…というか、哀しさ。
もうひとつは、タイトルにもありますが『薫の愛情の深さ』。
遠くに行ってしまう剣心を「待つことしか残されていないから」と
ただただ、一途に待ち続ける薫。
これ程までに、一人の人間を愛せる事。
この星霜編が、薫視点で進むので仕方ないかもしれませんが、
薫の想いが、これでもかという位に伝わってきます。
本当に、この星霜編には賛否両論のようですが、私は好きです。大好きです。
そして、本編とは関係ないのですが、私が本当にオススメするのは最後のエンドロールです。
どのようなエンドロールかといいますと!、真っ暗な背景に、桜の花びらが散るだけ…というシンプルなモノ。
それに、とても哀しい(聞くだけで涙が出るような)曲が流れ
……そして、薫の今までのセリフがゆっくり、ゆっくりと流れるのです。
その言葉ひとつ、ひとつに今までの原作・アニメのシーンが重なって、
そこでも私は号泣でした。 本当に印象的なエンドロールです。
これを見るには、多少の覚悟が必要だと思います。
そして、見終わった後に少なからず、胸を締め付けられるような哀しさに襲われると思います。
ですが、観る価値は絶対にある作品だと思います。ぜひ、ご覧になって下さい。