奨励会編のクライマックスではあるけれど、いまいち熱量不足。病人に無茶をさせればいいというもんじゃない。
竜王の帝位戦も、何か「竜王は人間じゃないくらいスゲー」で片付いてしまう感じで、そろそろネタ切れ感が見えています。面白いことは間違いなく面白いのですが。
というわけで、そろそろ「のうりん」の続きが読みたいと思ってたところですが、
「あとがきに代えて」で本作以前の作品を「流行の二番煎じ以下のもの」と自分で斬って捨てちゃってます。
のうりん、ものすごく面白いんだけどなぁ・・・間違いなく傑作だと思うんですけれどね。
6巻以降の本作よりも、のうりんの方が勢いがあったと思うのですが。
作者がそんな認識なら、もう続きは出ないっぽいなぁ。
りゅうおうのおしごと! 12 (GA文庫) (日本語) 文庫 – 2020/2/14
白鳥 士郎
(著)
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本の長さ400ページ
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言語日本語
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出版社SBクリエイティブ
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発売日2020/2/14
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ISBN-104815605335
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ISBN-13978-4815605339
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
奨励会三段リーグ。四段になれる者は2人だけという苛酷な戦場。そこに史上初めて女性として参戦した銀子は、八一と交わした約束を胸に封じ、孤独な戦いを続けていた。八一もまた、新たなタイトルを目指し最強の敵と対峙する。そんな2人を複雑な思いで見守るあいと、動き出す天衣。そして立ちはだかる奨励会員たち。大切な人の夢を踏み砕くことでしか夢を叶えられない。それが将棋の世界で生きるということ。銀子が、創多が、鏡洲が…純粋なる者たちの熱き死闘に幕が下りる奨励会編堂々のフィナーレ!第28回将棋ペンクラブ大賞優秀賞。
著者について
白鳥士郎(しらとりしろう) GA文庫より『らじかるエレメンツ』でデビュー。 代表作として『りゅうおうのおしごと!』『のうりん』シリーズ(GA文庫)など
出版社より

登録情報
- 出版社 : SBクリエイティブ (2020/2/14)
- 発売日 : 2020/2/14
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 400ページ
- ISBN-10 : 4815605335
- ISBN-13 : 978-4815605339
- Amazon 売れ筋ランキング: - 186,235位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年2月14日に日本でレビュー済み
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2020年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
相変わらずAmazonレビューの場で暴論ばかり吐かせて頂いている訳だが、今回も相変わらず暴論を吐く事にする。
雛鶴あいは本作に置いて邪魔以外の何物でも無いのでトラックで轢くなりなんなりして放逐してしまうべきでは?
……うん、本作ファンの皆さんから冷たい視線が送られてくるのが感じられる様で結構。けど、意見を変えるつもりは無いし、なんならJS研も基本的には不要なのでそろそろご退場頂いても良いかと思ってる。幼女キャラなんて天衣だけで十分というのが正直な所。
さて、今回は6巻以降続いていた姉弟子・銀子の挑む三段リーグを描いたセカンドシリーズの完結編、前巻と前後編の関係にある「後編」となるわけだ。ただ、このセカンドシリーズは銀子にスポットライトを当てているとはいえより大きく見れば将棋というゲームに人生丸ごと振り回されている群像を描くシリーズだったと思っている。
個人的には主人公の八一や雛鶴あいが異能を発揮していた5巻までのファーストシリーズより余程こちらの方が趣味に合っている。超人的な才能の持ち主が見せる無双ぶりを描く展開よりも限られた才能しか持たない凡人がそれでもなお己の夢にしがみ付き打ちのめされながらも必死で前に進む方が余程「人間」という物を見せて貰っているという気がする。
それは清滝師匠が老骨に鞭を打ちながら奮戦する姿に大いに唸らされた7巻でも感じさせられた事でもあるし、亡き両親への誓いを胸に闘志を燃やしながらも銀子に敗れ去った天衣も見せてくれたし、何よりこのシリーズの実質的主人公である銀子の「将棋星人の星を目指す地球人」としての苦悩が何より示している。そしてこの三段リーグというまさに「生死を賭けた生き残りの場」においてはその殺し合いに挑む全ての奨励会三段メンバー全員が「人間という物」を余さず見せてくれる大変に見ごたえのあるシリーズになっていたと言える。
その三段リーグの終盤を描いた本作は間違いなく昇格という「生死」を前に清濁併せた存在である「人間」がこれでもかとばかりに描かれていた。銀子や年齢制限ギリギリの鏡洲はもとより、人間コンピューターみたいな椚創多が陥っていたどうしようもない孤独、そして何より辛香である。このピエロの仮面を顔に張り付けたセカンドシーズン最大の「悪役」こそが誰よりも人間臭かった。
後書きで白鳥士郎が大学院まで進んでなお弁護士になれず、三十路を迎えて職歴真っ白という絶望感に打ちのめされたと語っていたが、年齢制限で奨励会を退会させられプロの道を一度は断たれた辛香というキャラクターは作者が情念を思い切り注ぎ込んで産み出した存在だと言わざるを得ない。
作中で三段リーグの同期であった生石を相手に退会後の自分の人生をピエロの仮面を張り付けたまま語り生石を絶句させる辛香の姿はこの巻最大の見所であった。その辛香をして「将棋に関わる仕事は二番目に辛かった」と言わせた「一番辛い仕事」の中で出会った僅かな希望と再会する場面、将棋を捨てた筈の辛香に再び駒を握らせた相手と相対する場面など最高に盛り上がる可能性を秘めていた……秘めていたのだけどここがちょっと不満。
本来であればセカンドシリーズ開幕の6巻で退会駒という番外戦術を用いてメンタルがお豆腐な銀子を退けた対辛香のリベンジマッチ。この一戦こそがこの巻のクライマックスになり得た筈であるのに酷くあっさりと描かれておりどうにも物足りなさが残った。ピエロの仮面を被った極悪人……という仮面を剥ぎ取り、奨励会退会後辛香という人間がどんな人生を送って来たか、そしてその数奇な人生の果てに巡り合った奇跡を相手にどう振る舞ったかを描くのに僅か10頁というのは余りにも短い。
この短さが最近のライトノベルファンの「悪役が大手を振って歩いている姿を見るのは耐えられない」という根性の無さから来る商業的要請からなのか、それとも自身の情念を注ぎ込んで創り上げた辛香というキャラクターに作者である白鳥士郎が向き合うのが辛くなってしまったからなのか、それは分からない。ただ、これだけは言える。セカンドシリーズ最大の見せ場となるべき銀子vs辛香という一戦はもっと徹底的に泥臭く「人間と人間のナマのぶつかり合い」が描かれてしかるべきだったし、それは徹底すればこのセカンドシリーズの集大成となり得たとも思う。
人間というのは綺麗なばかりじゃないし、時には心の弱さからひどく醜い所も見せてしまうという部分を徹底して描いてきたからこそこのセカンドシリーズは大いに盛り上がったし、その象徴である辛香というキャラは鏡洲や椚創多以上に掘り下げられてしかるべき登場人物だったんじゃないだろうか?
……で、そのもっと描かれるべきだった辛香の代わりに余計なページを使っているのが雛鶴あいとJS研である。前巻で八一と銀子が相思相愛の関係である事が示されたのだけど、そうなると八一相手に「師匠、師匠」と迫ってくる雛鶴あいは最早脈も無いのに無駄な好意だけを押し付けてくるお邪魔虫キャラにしかなり得ない。話を発展させる要素にすらならない、要はラブコメ的展開において無駄キャラなのである。銀子相手に敗れてなおライバル意識を滾らせ、八一への執念を隠そうともしない天衣の姿と比較すると余計にその印象は強くなる。
それでは将棋指しとしての雛鶴あいはどうか?これがまた使い道がひどく限られてくる。確かに今回銀子の窮地を救うヒントに繋がる展開に関わってきたり、於鬼頭帝位を相手にギリギリの戦いを強いられながらも逆転の一手を見出した八一の守護天使みたいな描かれ方をされていたのだが……これがどうにも扱いに困った白鳥士郎があいの使い方として無理やりに捻り出したようにしか思えない。「封じ手」という前巻で用いたモチーフを活かす形で八一が見せた「ハチワンダイバー」並みの将棋盤への深い深いダイブに雛鶴あいを絡ませる必要があるとはとても思えない。
雛鶴あいが異常と言って良い才能を持つ描写は繰り返し描かれてきたのだけど、それが行き過ぎてしまった結果下手に対局シーンを描く事が出来なくなってしまっているのではないだろうか?将棋に振り回され、自分の限られた才能に打ちのめされる「凡庸な将棋指し」たちを軸としてきたセカンドシーズンのリアリティのレベルを根こそぎ破壊してしまう様な対局シーンは描くわけにはいかないだろうし、そもそもこの巻で八一がリアリティをひっくり返しかねない才能を見せてしまった事で八一と雛鶴あいのキャラクターはどうしようもなく被ってしまうのである。故にどちらかには消えて貰う意外に無い。
……冒頭で述べさせて頂いた「雛鶴あいはトラックに轢かせて異世界転生でもさせてしまうべき」という暴言の真意をつらつらと語らせて頂いたがこの一点を除けば本作は紛れもなく熱い血の通った、そして限りのある才能を死に物狂いで稼働させて凄惨極まりない生き残りに全てを賭けた四人の奨励会員の姿を描いた紛れもない傑作である。余り評判の宜しくない白鳥士郎のあとがきも辛香という悪役誕生の物語だと思えば作者の人間臭さ・泥臭さが伝わってきてそれほど悪くも無いと思わされる。
わざと読者に対して憎まれ口を叩きつけた様な白鳥士郎だけど、その悪役ぶりを貫き前作まででは書けなかった世界を、どうしようもなく泥臭い人間の世界を徹底して描き続けて欲しい。そんな事を想わされたシリーズ第12巻であった。
雛鶴あいは本作に置いて邪魔以外の何物でも無いのでトラックで轢くなりなんなりして放逐してしまうべきでは?
……うん、本作ファンの皆さんから冷たい視線が送られてくるのが感じられる様で結構。けど、意見を変えるつもりは無いし、なんならJS研も基本的には不要なのでそろそろご退場頂いても良いかと思ってる。幼女キャラなんて天衣だけで十分というのが正直な所。
さて、今回は6巻以降続いていた姉弟子・銀子の挑む三段リーグを描いたセカンドシリーズの完結編、前巻と前後編の関係にある「後編」となるわけだ。ただ、このセカンドシリーズは銀子にスポットライトを当てているとはいえより大きく見れば将棋というゲームに人生丸ごと振り回されている群像を描くシリーズだったと思っている。
個人的には主人公の八一や雛鶴あいが異能を発揮していた5巻までのファーストシリーズより余程こちらの方が趣味に合っている。超人的な才能の持ち主が見せる無双ぶりを描く展開よりも限られた才能しか持たない凡人がそれでもなお己の夢にしがみ付き打ちのめされながらも必死で前に進む方が余程「人間」という物を見せて貰っているという気がする。
それは清滝師匠が老骨に鞭を打ちながら奮戦する姿に大いに唸らされた7巻でも感じさせられた事でもあるし、亡き両親への誓いを胸に闘志を燃やしながらも銀子に敗れ去った天衣も見せてくれたし、何よりこのシリーズの実質的主人公である銀子の「将棋星人の星を目指す地球人」としての苦悩が何より示している。そしてこの三段リーグというまさに「生死を賭けた生き残りの場」においてはその殺し合いに挑む全ての奨励会三段メンバー全員が「人間という物」を余さず見せてくれる大変に見ごたえのあるシリーズになっていたと言える。
その三段リーグの終盤を描いた本作は間違いなく昇格という「生死」を前に清濁併せた存在である「人間」がこれでもかとばかりに描かれていた。銀子や年齢制限ギリギリの鏡洲はもとより、人間コンピューターみたいな椚創多が陥っていたどうしようもない孤独、そして何より辛香である。このピエロの仮面を顔に張り付けたセカンドシーズン最大の「悪役」こそが誰よりも人間臭かった。
後書きで白鳥士郎が大学院まで進んでなお弁護士になれず、三十路を迎えて職歴真っ白という絶望感に打ちのめされたと語っていたが、年齢制限で奨励会を退会させられプロの道を一度は断たれた辛香というキャラクターは作者が情念を思い切り注ぎ込んで産み出した存在だと言わざるを得ない。
作中で三段リーグの同期であった生石を相手に退会後の自分の人生をピエロの仮面を張り付けたまま語り生石を絶句させる辛香の姿はこの巻最大の見所であった。その辛香をして「将棋に関わる仕事は二番目に辛かった」と言わせた「一番辛い仕事」の中で出会った僅かな希望と再会する場面、将棋を捨てた筈の辛香に再び駒を握らせた相手と相対する場面など最高に盛り上がる可能性を秘めていた……秘めていたのだけどここがちょっと不満。
本来であればセカンドシリーズ開幕の6巻で退会駒という番外戦術を用いてメンタルがお豆腐な銀子を退けた対辛香のリベンジマッチ。この一戦こそがこの巻のクライマックスになり得た筈であるのに酷くあっさりと描かれておりどうにも物足りなさが残った。ピエロの仮面を被った極悪人……という仮面を剥ぎ取り、奨励会退会後辛香という人間がどんな人生を送って来たか、そしてその数奇な人生の果てに巡り合った奇跡を相手にどう振る舞ったかを描くのに僅か10頁というのは余りにも短い。
この短さが最近のライトノベルファンの「悪役が大手を振って歩いている姿を見るのは耐えられない」という根性の無さから来る商業的要請からなのか、それとも自身の情念を注ぎ込んで創り上げた辛香というキャラクターに作者である白鳥士郎が向き合うのが辛くなってしまったからなのか、それは分からない。ただ、これだけは言える。セカンドシリーズ最大の見せ場となるべき銀子vs辛香という一戦はもっと徹底的に泥臭く「人間と人間のナマのぶつかり合い」が描かれてしかるべきだったし、それは徹底すればこのセカンドシリーズの集大成となり得たとも思う。
人間というのは綺麗なばかりじゃないし、時には心の弱さからひどく醜い所も見せてしまうという部分を徹底して描いてきたからこそこのセカンドシリーズは大いに盛り上がったし、その象徴である辛香というキャラは鏡洲や椚創多以上に掘り下げられてしかるべき登場人物だったんじゃないだろうか?
……で、そのもっと描かれるべきだった辛香の代わりに余計なページを使っているのが雛鶴あいとJS研である。前巻で八一と銀子が相思相愛の関係である事が示されたのだけど、そうなると八一相手に「師匠、師匠」と迫ってくる雛鶴あいは最早脈も無いのに無駄な好意だけを押し付けてくるお邪魔虫キャラにしかなり得ない。話を発展させる要素にすらならない、要はラブコメ的展開において無駄キャラなのである。銀子相手に敗れてなおライバル意識を滾らせ、八一への執念を隠そうともしない天衣の姿と比較すると余計にその印象は強くなる。
それでは将棋指しとしての雛鶴あいはどうか?これがまた使い道がひどく限られてくる。確かに今回銀子の窮地を救うヒントに繋がる展開に関わってきたり、於鬼頭帝位を相手にギリギリの戦いを強いられながらも逆転の一手を見出した八一の守護天使みたいな描かれ方をされていたのだが……これがどうにも扱いに困った白鳥士郎があいの使い方として無理やりに捻り出したようにしか思えない。「封じ手」という前巻で用いたモチーフを活かす形で八一が見せた「ハチワンダイバー」並みの将棋盤への深い深いダイブに雛鶴あいを絡ませる必要があるとはとても思えない。
雛鶴あいが異常と言って良い才能を持つ描写は繰り返し描かれてきたのだけど、それが行き過ぎてしまった結果下手に対局シーンを描く事が出来なくなってしまっているのではないだろうか?将棋に振り回され、自分の限られた才能に打ちのめされる「凡庸な将棋指し」たちを軸としてきたセカンドシーズンのリアリティのレベルを根こそぎ破壊してしまう様な対局シーンは描くわけにはいかないだろうし、そもそもこの巻で八一がリアリティをひっくり返しかねない才能を見せてしまった事で八一と雛鶴あいのキャラクターはどうしようもなく被ってしまうのである。故にどちらかには消えて貰う意外に無い。
……冒頭で述べさせて頂いた「雛鶴あいはトラックに轢かせて異世界転生でもさせてしまうべき」という暴言の真意をつらつらと語らせて頂いたがこの一点を除けば本作は紛れもなく熱い血の通った、そして限りのある才能を死に物狂いで稼働させて凄惨極まりない生き残りに全てを賭けた四人の奨励会員の姿を描いた紛れもない傑作である。余り評判の宜しくない白鳥士郎のあとがきも辛香という悪役誕生の物語だと思えば作者の人間臭さ・泥臭さが伝わってきてそれほど悪くも無いと思わされる。
わざと読者に対して憎まれ口を叩きつけた様な白鳥士郎だけど、その悪役ぶりを貫き前作まででは書けなかった世界を、どうしようもなく泥臭い人間の世界を徹底して描き続けて欲しい。そんな事を想わされたシリーズ第12巻であった。
2020年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この巻も読者の心を揺さぶる素晴らしい作品でした。
昨今のライトノベルでこれほどの熱量を持った作品は希少だと思います。
ただ、本巻において著者ご自身が過去の自作を貶める発言をされたこと。
もちろん本作が著者の作品で最も素晴らしい作品であることに異論はありません。
著者ご自身の並々ならぬ努力と成長の結晶でしょう。
しかし、著者の商業作品を発売当時から全て購入し、その全てに思い入れのある身としては非常に残念と言わざるをえません。
また、それらの作品の完成に尽力、協力された関係者にとっても残念な発言ではないでしょうか。
きっと著者は将棋以外を切り捨てて前へ進む棋士たちのように、私のような古い読者を切り捨てて更に前へと進まれるのでしょう。
著者の情熱、プロ意識に疑いはありませんが、古い読者のわがままとして、今一度、ご自身のこれまでの歩みとその意味についてご一考いただければ幸いに思います。
昨今のライトノベルでこれほどの熱量を持った作品は希少だと思います。
ただ、本巻において著者ご自身が過去の自作を貶める発言をされたこと。
もちろん本作が著者の作品で最も素晴らしい作品であることに異論はありません。
著者ご自身の並々ならぬ努力と成長の結晶でしょう。
しかし、著者の商業作品を発売当時から全て購入し、その全てに思い入れのある身としては非常に残念と言わざるをえません。
また、それらの作品の完成に尽力、協力された関係者にとっても残念な発言ではないでしょうか。
きっと著者は将棋以外を切り捨てて前へ進む棋士たちのように、私のような古い読者を切り捨てて更に前へと進まれるのでしょう。
著者の情熱、プロ意識に疑いはありませんが、古い読者のわがままとして、今一度、ご自身のこれまでの歩みとその意味についてご一考いただければ幸いに思います。
2020年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネタバレを全力でするので、嫌いな人は読み飛ばしてください。
長かった奨励会編、一番のお気に入りは大人気のおっさんが活躍する七巻の話で、「やっと目が醒めたんや」が最高ですが、その巻の鏡洲も大好きでした。もう十回は読み返しましたね。
今巻、物語を盛り上げるためには仕方ないとは言え、あそこまで鏡洲を応援させてこれとは……。それでも創太にネクタイを受け継ぐシーンで泣きしましたが笑。
僕個人としては二人が結ばれるよりも、鏡洲の話が大きく印象に残ります。
奨励会編は非常に長く、りゅうおうがおしごとすることがほとんどない章で、もっと帝位戦にスポットを当てた話をしてくれよと思っていましたが、大満足です!
あとがきを読むとこれフィクションだけどフィクションじゃないなってなりましたね。より感動。
と、ここまでは感想戦を読むまでの感想です。
六巻を読んだ時あー、どっかタイミングで○○王って出して盛り上げてくるんだなって予想してましたが、ある意味裏切られました。後半の於鬼頭インタビューは読んでいて凍りつくほど夢中になりました。読んだ直後にレビューってなるともう感想戦しか出てこないレベルです。
やっぱり八一が魔王みたく恐れられるシーンは最高。二ツ塚(どこかで読んだことあるキャラが本当に沢山出てくる巻でしたね)が最高の喜劇って言った話で、五巻の八一が自分は負け続けて才能がない、だとか言ったシーンが広まったら大ブーイング間違いなしだな、と思い笑いました。
まず七巻を読んで奨励会編を再度楽しみ、十一巻を読み返して封じ手を堪能してこの巻に入ることをオススメします。もちろん生石との挑決者決定前の対局や、三段リーグ初戦や、八一の新構想が出る話を振り返ってからってのも大アリですね。
総括して、この巻は長いようで短かった奨励会編の幕閉めと、ちょこちょこ出てきた八一のヤバさを全面に出した名作です。奨励会編の中でも女流名跡戦の話が培われており、この巻でもそれに繋がりそうな場面があるので、この先も読み返す必要があります。
熱い!
長かった奨励会編、一番のお気に入りは大人気のおっさんが活躍する七巻の話で、「やっと目が醒めたんや」が最高ですが、その巻の鏡洲も大好きでした。もう十回は読み返しましたね。
今巻、物語を盛り上げるためには仕方ないとは言え、あそこまで鏡洲を応援させてこれとは……。それでも創太にネクタイを受け継ぐシーンで泣きしましたが笑。
僕個人としては二人が結ばれるよりも、鏡洲の話が大きく印象に残ります。
奨励会編は非常に長く、りゅうおうがおしごとすることがほとんどない章で、もっと帝位戦にスポットを当てた話をしてくれよと思っていましたが、大満足です!
あとがきを読むとこれフィクションだけどフィクションじゃないなってなりましたね。より感動。
と、ここまでは感想戦を読むまでの感想です。
六巻を読んだ時あー、どっかタイミングで○○王って出して盛り上げてくるんだなって予想してましたが、ある意味裏切られました。後半の於鬼頭インタビューは読んでいて凍りつくほど夢中になりました。読んだ直後にレビューってなるともう感想戦しか出てこないレベルです。
やっぱり八一が魔王みたく恐れられるシーンは最高。二ツ塚(どこかで読んだことあるキャラが本当に沢山出てくる巻でしたね)が最高の喜劇って言った話で、五巻の八一が自分は負け続けて才能がない、だとか言ったシーンが広まったら大ブーイング間違いなしだな、と思い笑いました。
まず七巻を読んで奨励会編を再度楽しみ、十一巻を読み返して封じ手を堪能してこの巻に入ることをオススメします。もちろん生石との挑決者決定前の対局や、三段リーグ初戦や、八一の新構想が出る話を振り返ってからってのも大アリですね。
総括して、この巻は長いようで短かった奨励会編の幕閉めと、ちょこちょこ出てきた八一のヤバさを全面に出した名作です。奨励会編の中でも女流名跡戦の話が培われており、この巻でもそれに繋がりそうな場面があるので、この先も読み返す必要があります。
熱い!
2020年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・「熱い」将棋小説の12巻目。6巻から続いていた奨励会編の一区切り。四段昇格者決定。主人公の新タイトル挑戦も含む。
・いわゆるライトノベル的な、かわいい・あざとい・どたばた要素はあるものの控えめ。10巻以降は、作品の看板が幼女から人間にシフトしている印象。わかりやすい看板で知名度を上げる段階は越えたからか。今巻は表紙にも幼女はいません。
・個人的には、前巻や今巻の姿勢の方が好ましい。幼女パートは物語の推進力が薄いので。愛らしくても話が進まないのなら、削ってくれて構わない。
・奨励会編で登場した様々なキャラクター達に、一応の落としどころが用意されている。年齢も才能も生き様もばらばらな面々に命を与え、人間関係の大風呂敷を畳み切る手腕はお見事。ただ扱う人数が人数なため、今巻は描き方が群像劇寄り。視点人物がころころ変わる。そこは読み手によって好みが分かれるかもしれない。
・出戻りの奨励会員・辛香さんの描写が秀逸だった。主要人物達に比べれば僅かなページ数の割き方ながら、読者に与える印象をがらりと変えてくれた。
・一番面白かったのは感想戦パート。今作が友情・努力・勝利で仕上がるのは、その下に主人公の圧倒的な才があるからなのかどうか。人もソフトも超越した存在が、今後何をやらかしてくれるのか。
・竜王防衛戦以降長らく引っ張られてきた、関東棋士達からの主人公への呼び方も判明。新シリーズにも期待。
・今作の著者は、桂香さんや鏡州さんのような持たざる者を描くときに強く感情移入するようだが……私はできたら、才ある側にも深く切り込んでみて欲しい。それも3巻の桂香さんのような凡人視点ではなく、確かな天才の視点で。持たざる者の嫉妬や羨望や情熱や諦めない姿は、それはそれは共感を呼ぶのだろうが――共感を呼ぶだろうことが、既に見えてしまっている。評価の高い定石を繰り返すだけでは、将棋も物語もつまらないだろう。理解されざる者を、容易くは理解されざるままに、しかし理解可能な物語で描き切ってみて欲しい。その点では、今巻終盤の創多のパートはまだまだ不足を感じた。この作者ならもっとやれるはずだ。
・いわゆるライトノベル的な、かわいい・あざとい・どたばた要素はあるものの控えめ。10巻以降は、作品の看板が幼女から人間にシフトしている印象。わかりやすい看板で知名度を上げる段階は越えたからか。今巻は表紙にも幼女はいません。
・個人的には、前巻や今巻の姿勢の方が好ましい。幼女パートは物語の推進力が薄いので。愛らしくても話が進まないのなら、削ってくれて構わない。
・奨励会編で登場した様々なキャラクター達に、一応の落としどころが用意されている。年齢も才能も生き様もばらばらな面々に命を与え、人間関係の大風呂敷を畳み切る手腕はお見事。ただ扱う人数が人数なため、今巻は描き方が群像劇寄り。視点人物がころころ変わる。そこは読み手によって好みが分かれるかもしれない。
・出戻りの奨励会員・辛香さんの描写が秀逸だった。主要人物達に比べれば僅かなページ数の割き方ながら、読者に与える印象をがらりと変えてくれた。
・一番面白かったのは感想戦パート。今作が友情・努力・勝利で仕上がるのは、その下に主人公の圧倒的な才があるからなのかどうか。人もソフトも超越した存在が、今後何をやらかしてくれるのか。
・竜王防衛戦以降長らく引っ張られてきた、関東棋士達からの主人公への呼び方も判明。新シリーズにも期待。
・今作の著者は、桂香さんや鏡州さんのような持たざる者を描くときに強く感情移入するようだが……私はできたら、才ある側にも深く切り込んでみて欲しい。それも3巻の桂香さんのような凡人視点ではなく、確かな天才の視点で。持たざる者の嫉妬や羨望や情熱や諦めない姿は、それはそれは共感を呼ぶのだろうが――共感を呼ぶだろうことが、既に見えてしまっている。評価の高い定石を繰り返すだけでは、将棋も物語もつまらないだろう。理解されざる者を、容易くは理解されざるままに、しかし理解可能な物語で描き切ってみて欲しい。その点では、今巻終盤の創多のパートはまだまだ不足を感じた。この作者ならもっとやれるはずだ。
2020年2月14日に日本でレビュー済み
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於鬼頭、辛香と嫌な奴なのかなと思わせてからの彼らにも彼らの人生があるんだなと思った巻でした
基本的に小説にはモブが必ずいます、そしてそのモブにはなかなか焦点なんて当たらず、いるのかいないのかよく分からないモブばかりです
しかし、りゅうおうのお仕事にはそんなモブはいないことに気づかされました
いやそもそもモブという枠組みすらいないのかもしれない
独り立ちして物語を動かすキャラしかいない
どのキャラの生命に息を吹き込む作者を改めて凄いと感じた巻です
基本的に小説にはモブが必ずいます、そしてそのモブにはなかなか焦点なんて当たらず、いるのかいないのかよく分からないモブばかりです
しかし、りゅうおうのお仕事にはそんなモブはいないことに気づかされました
いやそもそもモブという枠組みすらいないのかもしれない
独り立ちして物語を動かすキャラしかいない
どのキャラの生命に息を吹き込む作者を改めて凄いと感じた巻です