と思っていた時期が私にも昔ありました。
前巻でも書いたけれど、待たされすぎて醒めてしまった。ほぼ想像あるいは期待に沿った
結末ではあったし、ゆきのんの気持ちも声に出して伝えられてヨカッタヨカッタだし、ラ
ストも悪いとは思わない。しかし一方で想定外のサプライズも無く、ひたすら待たされて
出てきたものは、あくまでプロム編の延長線上に過ぎない俺ガイルだった。凡人ならとも
かく、「俺ガイル」というたぶん名作(だった)を立ち上げた著者が構想1年以上かけて満
を持して発売された作品なんだぜ?
2.5cmを超える本の厚さに、待たせただけあるのか!と興奮もしたが、キャラ総出演な展
開でひたすら「~だろう」「~かも」なんて文章ばっかり並べられてもな・・・大雑把にいっ
て300P以前の話は後に出るという短編集とかでやってくれ。代わりにははのんと陽乃さん
に一矢報いる話でも足してください。今のままだとゆきのんの将来に関わりそうな問題は、
パートナーを得ただけで何一つ解決していない。
主要3人の話は決着していたが、それ以外の重要そうなキャラの掘り下げは省みられること
もなく(とくに陽乃・葉山な)。肉付けだけはやたら多かったのでストーリーに締まりが欠け
ているように感じられた。昔はここが肝!ってあたりで文章の雰囲気が独特のものに変わっ
て、主人公が損な役回りを選ぶことで周りが上手く回る、ゆきのんや由比ヶ浜が嫌った、や
るせない展開に進むのがいい味を出していたのだが。思い起こせば、本物だの偽物だの概念
的でお高い思想に囚われてから筆も遅くなったし徐々につまらなくなってきた。
絶賛されておられる方が多々おられるので私の感性が歪んでいるのを認めるのはやぶさかで
ない。全体的かつ個人的にはさして面白いとは思えなかった。あらすじ・結末はともかく、
皆ほんとうに、「俺ガイル」という一種のブランドを剥いでみても、この最終刊は面白いと
人に薦められるほどの作品だった?
どうでもいいけど、Amazonって批判的なレビューは公開するの遅いのな。2日後か…。
![[渡航, ぽんかん(8)]のやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14 (ガガガ文庫)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ifl5aJKaL._SY346_.jpg)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14 (ガガガ文庫) Kindle版
渡航
(著)
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言語日本語
-
出版社小学館
-
発売日2019/11/24
-
ファイルサイズ11052 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
孤独に負けず。友達もなく、彼女もなく。青春を謳歌するクラスメイトを見れば「あいつらは嘘つきだ。欺瞞だ。爆発しろ」とつぶやき、将来の夢はと聞かれれば「働かないこと」とのたまう―そんなひねくれ高校生・八幡が生活指導の先生に連れてこられたのは、学校一の美少女・雪乃が所属する「奉仕部」。さえない俺がひょんなことから美少女と出会い…どう考えてもラブコメ展開!?と思いきや、雪乃と八幡の残念な性格がどうしてもそれを許さない!繰り広げられる間違いだらけの青春模様―俺の青春、どうしてこうなった。
--このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
渡/航
1987年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
1987年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B07ZR8XLWW
- 出版社 : 小学館 (2019/11/24)
- 発売日 : 2019/11/24
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 11052 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 495ページ
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Amazon 売れ筋ランキング:
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- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.6
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上位レビュー、対象国: 日本
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ベスト100レビュアー
Amazonで購入
231人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幾度も延期を重ねてやっと発売された14巻ですが、読み終わった後の印象としては「作者様は物語の収拾がつかなくなっていたのでは?」でした。
断片的にしか触れられていなかった雪乃と葉山の過去や葉山の好きな人Yなど、読者が気になっていたであろう謎が明かされることはなかったですし、主人公たちに問いかけをする役回りの陽乃に関してもあまり上手く使いこなせていなかったのか、妹にちょっかいをかける嫌な奴という単なるヘイト要員のまま終わってしまったように思えます。
私は本当にこの作品が好きで、尚且つ何度も延期があったためどんなラストを迎えるのかという期待も大きかったのですが、青春ラブコメの金字塔とも言える人気作品の締め方としては無難すぎるようにも感じました。
しかし、逆に言えばラノベにありがちな無駄に引き伸ばして最後に意味不明な終わり方をしたというわけではありませんし、文章としての完成度や面白さは健在だったので、読んでいて退屈に感じることはないと思います。
本筋のストーリーはこれで完結ですが、短編集などで俺ガイルは続いていくそうなので、そちらでは序盤のような魅力的なキャラクターたちの楽しいお話を期待したいです。
断片的にしか触れられていなかった雪乃と葉山の過去や葉山の好きな人Yなど、読者が気になっていたであろう謎が明かされることはなかったですし、主人公たちに問いかけをする役回りの陽乃に関してもあまり上手く使いこなせていなかったのか、妹にちょっかいをかける嫌な奴という単なるヘイト要員のまま終わってしまったように思えます。
私は本当にこの作品が好きで、尚且つ何度も延期があったためどんなラストを迎えるのかという期待も大きかったのですが、青春ラブコメの金字塔とも言える人気作品の締め方としては無難すぎるようにも感じました。
しかし、逆に言えばラノベにありがちな無駄に引き伸ばして最後に意味不明な終わり方をしたというわけではありませんし、文章としての完成度や面白さは健在だったので、読んでいて退屈に感じることはないと思います。
本筋のストーリーはこれで完結ですが、短編集などで俺ガイルは続いていくそうなので、そちらでは序盤のような魅力的なキャラクターたちの楽しいお話を期待したいです。
2019年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「めんどくさい」主人公こと八幡と雪乃と結衣のWヒロインによる学園ラブコメラノベ最終巻。
6巻で最高に盛り上がった後、少し中だるみ感があったり最終巻出る出る詐欺があったりしましたが無事完結です。
最後だけあってボリュームが凄いです。530ページ!分厚い!読み終わるのに結構時間かかりました。
「このライトノベルが凄い!」を3連覇、殿堂入りしたり、アニメも2期放送されるなど注目されまくっただけあって
作者自身もどう締めるか苦労した感じはありました。ですが同時に熱意も感じられました。
なあなあで終わって「???」となるラノベが多い中で良いエンドだったと僕は思います。
八幡が「けじめをつける」為に起こした行動が賛否両論ありそうだったり、全巻通して言えることですが
言い回しとかがくどいなーと思ったりはしましたが、その「めんどくささ」こそがこの作品であり、
主人公・八幡なのでそれを最後まで貫いたのは良かったです。真っ直ぐストレートな八幡なんてもはや別人ですし。
ただ、読んでて「こいつらめんどくせーなーw」って思うのは最初から最後まで健在でした。(笑)
八幡は最後までめんどくさかったし、雪乃は最後まで強く儚く美しくだったし、結衣は最後まで健気で天真爛漫
だったし、小町は最後まで最高に可愛い妹だったし、平塚先生は最後までかっこよかったし、戸塚は最後まで
天使だったし…キリがないので止めますが、全員が最後まで全員であり続けた作品でした。
個人的に一色はこの作品の救世主だと思います。初期メンで回す作品全体がマンネリ化してきた頃にいい意味で
刺激を与えてくれ、最終的にはメイン人物の一人になってました。マジあざといろはす。
途中で断念するラノベも多い中で最後で読破した貴重な作品です。渡航先生、ぽんかん⑧先生9年間お疲れ様でした!
そして色んな意味で読者を振り回し、楽しませてくれた八幡、雪乃、結衣を初めとする登場人物たち、ありがとう!
最後に一言…「え、待って。可愛い。やだなにこの子、超可愛い」のシーン良かったね。挿絵も含めてハッ!?って
なったね。そして2回ある「完全な不意打ち」ね。素晴らしかったね。エモかったね。尊死したね。
あっ全然一言じゃなくなっちゃった。とにかく言いたいことは「いい…」(←
6巻で最高に盛り上がった後、少し中だるみ感があったり最終巻出る出る詐欺があったりしましたが無事完結です。
最後だけあってボリュームが凄いです。530ページ!分厚い!読み終わるのに結構時間かかりました。
「このライトノベルが凄い!」を3連覇、殿堂入りしたり、アニメも2期放送されるなど注目されまくっただけあって
作者自身もどう締めるか苦労した感じはありました。ですが同時に熱意も感じられました。
なあなあで終わって「???」となるラノベが多い中で良いエンドだったと僕は思います。
八幡が「けじめをつける」為に起こした行動が賛否両論ありそうだったり、全巻通して言えることですが
言い回しとかがくどいなーと思ったりはしましたが、その「めんどくささ」こそがこの作品であり、
主人公・八幡なのでそれを最後まで貫いたのは良かったです。真っ直ぐストレートな八幡なんてもはや別人ですし。
ただ、読んでて「こいつらめんどくせーなーw」って思うのは最初から最後まで健在でした。(笑)
八幡は最後までめんどくさかったし、雪乃は最後まで強く儚く美しくだったし、結衣は最後まで健気で天真爛漫
だったし、小町は最後まで最高に可愛い妹だったし、平塚先生は最後までかっこよかったし、戸塚は最後まで
天使だったし…キリがないので止めますが、全員が最後まで全員であり続けた作品でした。
個人的に一色はこの作品の救世主だと思います。初期メンで回す作品全体がマンネリ化してきた頃にいい意味で
刺激を与えてくれ、最終的にはメイン人物の一人になってました。マジあざといろはす。
途中で断念するラノベも多い中で最後で読破した貴重な作品です。渡航先生、ぽんかん⑧先生9年間お疲れ様でした!
そして色んな意味で読者を振り回し、楽しませてくれた八幡、雪乃、結衣を初めとする登場人物たち、ありがとう!
最後に一言…「え、待って。可愛い。やだなにこの子、超可愛い」のシーン良かったね。挿絵も含めてハッ!?って
なったね。そして2回ある「完全な不意打ち」ね。素晴らしかったね。エモかったね。尊死したね。
あっ全然一言じゃなくなっちゃった。とにかく言いたいことは「いい…」(←
2019年11月28日に日本でレビュー済み
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完結ありがとうございました。
八幡雪乃結衣他沢山大好きなキャラを産み出してくれたことに感謝します。
そのうえで、私はもう俺ガイル系の商品を買うのはこれで最後にします。
またもう渡航先生の作品は一生購入しません。
アニメも見ません。
私はこれが成長物語と信じていましたが見事に裏切られました。
また作者様にも裏切られたと感じました。
八幡に甘い世界にはしない→甘々でした
恋愛レースではない→ほぼ恋愛の話でした
それぞれ大切なものを失う→失ったのは結衣だけ。八幡と雪乃は何を失ったんですか?
結衣の好意には疑心暗鬼だったのに、雪乃の好意はすんなり受け入れるのは何故ですか?
一人の少女をボロボロにして、フォローもせずに使い捨てる。
これが☆5評価の作品だと言うのなら、もう言うことはないです。
今までありがとうございました。
八幡雪乃結衣他沢山大好きなキャラを産み出してくれたことに感謝します。
そのうえで、私はもう俺ガイル系の商品を買うのはこれで最後にします。
またもう渡航先生の作品は一生購入しません。
アニメも見ません。
私はこれが成長物語と信じていましたが見事に裏切られました。
また作者様にも裏切られたと感じました。
八幡に甘い世界にはしない→甘々でした
恋愛レースではない→ほぼ恋愛の話でした
それぞれ大切なものを失う→失ったのは結衣だけ。八幡と雪乃は何を失ったんですか?
結衣の好意には疑心暗鬼だったのに、雪乃の好意はすんなり受け入れるのは何故ですか?
一人の少女をボロボロにして、フォローもせずに使い捨てる。
これが☆5評価の作品だと言うのなら、もう言うことはないです。
今までありがとうございました。
ベスト500レビュアー
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表紙の雪乃は、文実の「また、明日」を思い出させてくれますね。
あの頃から、全てを敵に回しても自分を守ってくれた八幡に、
淡い恋心を抱いていたのでしょうか。
文化祭のエピソード好きだったので感慨深い。
大筋では、「呪縛に囚われた姫(雪乃)」を
勇者(八幡)が助けるお話でした。
12巻ではっきりした、八幡の「ホンモノの感情」が、
(それを知った結衣は耐えて八幡を送り出した後、号泣でしたが)
13巻で拗らせて、どういう決着を迎えるのか。
生徒会選挙のようにバッドエンドなのか・・・。
ドキドキしながら読み進めました。
【シリーズ通して】
捻くれ”ボッチ”が故意に間違い続けた偽物の青春から、
本物に辿り着く物語。
平塚先生が「いい先生」をしています。
間違いそうになった教え子に正しい選択をさせる、後押しをする。
思えば、”ボッチ”に自己満足して、
偽物でもいいから無難にその場が心地よければ良い、
という八幡を奉仕部に入れたのは平塚先生。
おかげで、「専業主夫」とか言っていた八幡が、
社畜になる、と言うまでに社会性?を身に付けました。
八幡と雪乃を人間的に大きく成長させました。
「後悔しない青春」を選択させるきっかけをつくったと言えるでしょう。
この作品の魅力は多々ありますが、
一つには主人公:八幡の尖ったキャラ設定が秀逸だったことがあります。
これ極端すぎると普通は、
リアリティを欠いて感情移入し難いのですが、
そこの塩梅が絶妙でした。
多くの”ボッチ”経験者が「あるある」、
と八幡のモノローグに共感し、
「それでも俺は八幡ほど”ボッチ”じゃなかったな」と
優越感を持ちながら作品を追体験できる、そんな絶妙さでした。
話す言葉も自意識過剰から飾っている時は、
モノローグで「飾っている・恥ずかしい」と告白し、
ときには「ごめん、カッコつけてた」と言葉にする率直さは魅力的でした。
気取った言葉で女の子を口説く、ギャルゲー(泣きゲ―)モドキの
主人公と違い、例え女の子にモテても好感の持てる主人公でした。
ヒロインも才色兼備ながら”ボッチ”というのも、かなりよい構図でした。
オタクの妄想だと、社交性抜群の人気者が主人公に好意のバーゲンセールという設定が多いのですが、
この作品以降は、ヒロインが”ボッチ”という設定の作品が増えたように思えます。
そもそも1巻で終わる予定の物を、
ここまで引っ張ったので少々薄味になった部分もあり、
そこに批判的な意見もありますが、
途中ダレ場があるのはどの作品も一緒でしょう。
数々の金字塔を打ち立てた作品らしく、
最後は綺麗にまとめてくれました。
【14巻について:ネタバレ有り】
本巻のメインパーソンは結衣でしょう。
結衣がサブレを抱きながら、涙を溢れさせるシーンには、
胸がグッと締め付けられました。
彼女は大切な友達が、自分の為に本心を誤魔化して偽物を選ぶのを
黙って見ていられなかったのですね。
彼女の前では、雪乃も八幡も嘘やごまかしは許されなかった。
その結果、「お前は待たなくていい」という言葉にどんなに傷ついたとしても。
いつも面倒事から逃げ回っていた八幡も苦しみながら、
何度も無様にやり直しながら、
自分を飾るための、気取った美辞麗句を洗い流し、
「お前は待たなくていい」という言葉を口にする。
”世界でただ一人、この子にだけは真摯に向き合わなければいけない”
という覚悟もよく伝わってきました。
雪乃も八幡も異口同音に「いつかきっと、もっとうまくやれるようになる」と心に思う。
”うまくやれない”青い時代の甘酸っぱさ、苦さは心に沁みます。
ガハママに抱きしめられ涙を流す彼女に幸多からんことを。
あの頃から、全てを敵に回しても自分を守ってくれた八幡に、
淡い恋心を抱いていたのでしょうか。
文化祭のエピソード好きだったので感慨深い。
大筋では、「呪縛に囚われた姫(雪乃)」を
勇者(八幡)が助けるお話でした。
12巻ではっきりした、八幡の「ホンモノの感情」が、
(それを知った結衣は耐えて八幡を送り出した後、号泣でしたが)
13巻で拗らせて、どういう決着を迎えるのか。
生徒会選挙のようにバッドエンドなのか・・・。
ドキドキしながら読み進めました。
【シリーズ通して】
捻くれ”ボッチ”が故意に間違い続けた偽物の青春から、
本物に辿り着く物語。
平塚先生が「いい先生」をしています。
間違いそうになった教え子に正しい選択をさせる、後押しをする。
思えば、”ボッチ”に自己満足して、
偽物でもいいから無難にその場が心地よければ良い、
という八幡を奉仕部に入れたのは平塚先生。
おかげで、「専業主夫」とか言っていた八幡が、
社畜になる、と言うまでに社会性?を身に付けました。
八幡と雪乃を人間的に大きく成長させました。
「後悔しない青春」を選択させるきっかけをつくったと言えるでしょう。
この作品の魅力は多々ありますが、
一つには主人公:八幡の尖ったキャラ設定が秀逸だったことがあります。
これ極端すぎると普通は、
リアリティを欠いて感情移入し難いのですが、
そこの塩梅が絶妙でした。
多くの”ボッチ”経験者が「あるある」、
と八幡のモノローグに共感し、
「それでも俺は八幡ほど”ボッチ”じゃなかったな」と
優越感を持ちながら作品を追体験できる、そんな絶妙さでした。
話す言葉も自意識過剰から飾っている時は、
モノローグで「飾っている・恥ずかしい」と告白し、
ときには「ごめん、カッコつけてた」と言葉にする率直さは魅力的でした。
気取った言葉で女の子を口説く、ギャルゲー(泣きゲ―)モドキの
主人公と違い、例え女の子にモテても好感の持てる主人公でした。
ヒロインも才色兼備ながら”ボッチ”というのも、かなりよい構図でした。
オタクの妄想だと、社交性抜群の人気者が主人公に好意のバーゲンセールという設定が多いのですが、
この作品以降は、ヒロインが”ボッチ”という設定の作品が増えたように思えます。
そもそも1巻で終わる予定の物を、
ここまで引っ張ったので少々薄味になった部分もあり、
そこに批判的な意見もありますが、
途中ダレ場があるのはどの作品も一緒でしょう。
数々の金字塔を打ち立てた作品らしく、
最後は綺麗にまとめてくれました。
【14巻について:ネタバレ有り】
本巻のメインパーソンは結衣でしょう。
結衣がサブレを抱きながら、涙を溢れさせるシーンには、
胸がグッと締め付けられました。
彼女は大切な友達が、自分の為に本心を誤魔化して偽物を選ぶのを
黙って見ていられなかったのですね。
彼女の前では、雪乃も八幡も嘘やごまかしは許されなかった。
その結果、「お前は待たなくていい」という言葉にどんなに傷ついたとしても。
いつも面倒事から逃げ回っていた八幡も苦しみながら、
何度も無様にやり直しながら、
自分を飾るための、気取った美辞麗句を洗い流し、
「お前は待たなくていい」という言葉を口にする。
”世界でただ一人、この子にだけは真摯に向き合わなければいけない”
という覚悟もよく伝わってきました。
雪乃も八幡も異口同音に「いつかきっと、もっとうまくやれるようになる」と心に思う。
”うまくやれない”青い時代の甘酸っぱさ、苦さは心に沁みます。
ガハママに抱きしめられ涙を流す彼女に幸多からんことを。
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