私も歯医者の選択に悩んでいる一人です。
現在通院している歯科医が老人専門病院内の歯科であるため、通ってくる患者さんがほとんどが入院患者で、杖を突いたり看護師さんに車いすを押してもらって通院しているようです。私のように外部から通院している患者は少ないようです。
そのせいか、医師は老人を見くびったようなところがあり「詳しい説明をしても、どうせぼけ老人でわからないだろう。」みたいな、態度がありありと見え、よほどしつこく訊かない限り詳しい説明をしてくれません。
診療方法は本書でいうところの「たこ焼き診療」で患者を3人くらい椅子に座らせてあっちを診たりこっちを診たりしながらやっています。
本書では東京医科歯科大学や東京歯科大の教授の言い分をかなり高く評価していますが、私はこのうちの一つの大学病院に10年間も通院した結果、それまでそろっていた歯が次々と根元から折れて歯を失ってしまいました。大学病院の歯科は担当医師が何年かごとに変わります。ある時、新しく来た医師が「あなたの7年前の初診の時の記録を診ましたが、当時はすごくいい歯がそろっていたんですね。」といいます「私はそうでしょう、一流の歯科大で毎月定期的に検査してもらって、これほど歯を失うとは信じられません。」と答えました。
そのご、一か月に一度の診療では歯の治療が悪くなるスピードに追い付かなくなり「あなたのような患者さんは、歯科大で診療するのは無理なので、町の歯医者さんへ通ってください。」と言われて、体よく追い出されてしまいました。
その結果、今の老人病院の歯科に落ち着いたのです。
本書では大学病院のかかる実態について、ある程度糾弾あるいは記述があるかと思いましたが、大学の先生の言い分ばかり詳しく紹介していて、私のような患者もいることに一切触れられておりません。
町医者=悪、大学病院=善みたいな書き方なので、一言指摘しておきます。
本書では銀歯はタブーみたいな、書き方をしているけれども、私は町医者で今年になってから2本の虫歯を銀歯のクラウンにし、残り2本も銀歯にすべく治療中なので、困惑しているところです。ただ、よく読んでみると本当に出来のいい銀歯なら大丈夫みたいなので、それに賭けるよりは仕方がありません。
また、インプラントは本書を読んで本当に怖い治療であることもよくわかりました。最近は歯医者がテレビCMでインプラント治療のことを宣伝しています。弁護士事務所も司法書士事務所もテレビCMを流す時代なので、私はこういうところは信用しておりません。
結局、本書には一長一短あるので☆三つにしておきました。
なお、最後に著者の著書歴があげてありますが、「薬害C型肝炎 女たちの闘い」「バリウム検査は危ない 1000万人のリスクと600億円利権のからくり」、など。ほかにテレビでC型肝炎問題や胃がん検診問題などのドキュメンタリーも制作しており、医療ジャーナリストであって、歯科医でも歯科学者でもないことを付記しておきます。
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