震災で親友を亡くした主人公が、なかなかその哀しみから抜け出せず、
「忘れたくない、つらいままでいい」ともがく心の叫びも共感が得られ、
何度も涙した。しかし、たぶんその亡くなったであろう親友側からの項目の
亡霊的で表現があまりにもわかりにくかったし、やはり震災の様子を思い起こすシーンは
映像でしか見たことはない自分にとっても、つらすぎ、胸が締め付けられた。まだまだ避けたいような気がした。
この親友の項目は必要だったのか?記録的に必要だったのだろうか。なくても本筋だけで良かったのでは・・・。
やがて海へと届く (日本語) 単行本 – 2016/2/3
彩瀬 まる
(著)
著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます
この著者の 検索結果 を表示
あなたは著者ですか?
著者セントラルはこちら
|
-
本の長さ226ページ
-
言語日本語
-
出版社講談社
-
発売日2016/2/3
-
寸法13.5 x 2 x 19.9 cm
-
ISBN-104062199254
-
ISBN-13978-4062199254
よく一緒に購入されている商品
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
すみれが消息を絶ったあの日から三年。真奈の働くホテルのダイニングバーに現れた、親友のかつての恋人、遠野敦。彼はすみれと住んでいた部屋を引き払い、彼女の荷物を処分しようと思う、と言い出す。地震の前日、すみれは遠野くんに「最近忙しかったから、ちょっと息抜きに出かけてくるね」と伝えたらしい。そして、そのまま行方がわからなくなった―親友を亡き人として扱う遠野を許せず反発する真奈は、どれだけ時が経っても自分だけは暗い死の淵を彷徨う彼女と繋がっていたいと、悼み悲しみ続けるが―。死者の不在を祈るように埋めていく、喪失と再生の物語。
著者について
彩瀬 まる
1986年生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR-18文学賞読者賞」を受賞しデビュー。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』(新潮社)『骨を彩る』(幻冬舎)『神様のケーキを頬ばるまで』(光文社)『桜の下で待っている』(実業之日本社)がある。自身が一人旅の途中で被災した東日本大震災時の混乱を描いたノンフィクション『暗い夜、星を数えて――3・11被災鉄道からの脱出――』を2012年に刊行。
1986年生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR-18文学賞読者賞」を受賞しデビュー。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』(新潮社)『骨を彩る』(幻冬舎)『神様のケーキを頬ばるまで』(光文社)『桜の下で待っている』(実業之日本社)がある。自身が一人旅の途中で被災した東日本大震災時の混乱を描いたノンフィクション『暗い夜、星を数えて――3・11被災鉄道からの脱出――』を2012年に刊行。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
彩瀬/まる
1986年生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1986年生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2016/2/3)
- 発売日 : 2016/2/3
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 226ページ
- ISBN-10 : 4062199254
- ISBN-13 : 978-4062199254
- 寸法 : 13.5 x 2 x 19.9 cm
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 500,063位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 15,351位日本文学
- カスタマーレビュー:
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.2
星5つ中の4.2
29 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年8月29日に日本でレビュー済み
違反を報告
Amazonで購入
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2016年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人を愛すること、愛したいと思うこと。失うこと、失いたくないと思うこと。生きること。
普遍的な営みと感情の動きを、どこまでも繊細に丁寧に掬いとり、かけがえのない言葉にしてくれた小説です。
作中の女子高生が「教訓とは別に、何を忘れるなというのか」と投げた疑問に、簡単に答えられる言葉はない。被災してない私にとって、あの震災で心に生じた感情の渦が、日々の中で風化していくのを、何もできずにぼんやりと眺めていた5年だった。
けれど私たちには小説がある、と思わせてくれる一作でした。
普遍的な営みと感情の動きを、どこまでも繊細に丁寧に掬いとり、かけがえのない言葉にしてくれた小説です。
作中の女子高生が「教訓とは別に、何を忘れるなというのか」と投げた疑問に、簡単に答えられる言葉はない。被災してない私にとって、あの震災で心に生じた感情の渦が、日々の中で風化していくのを、何もできずにぼんやりと眺めていた5年だった。
けれど私たちには小説がある、と思わせてくれる一作でした。
2016年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読書前は、「3.11の震災をテーマとした、喪失と再生の物語」というコピーを
どこかで見かけたのだが、そうではなくて、もっと普遍的な死にまつわる物語である。
年齢を重ねれば、誰しも身近な人の死を経験するし
自らの死についても、考えずにはいられない。
いつ死ぬのか、どういうふうに死ぬのか、
そして自分はその死を受け入れられるだろうか。
もやもやと考えはするが、答えが出るものではないし、
答えが出たところで、その通りになるかどうかなんて、誰にも分からない。
誰もが必ず死ぬけれど、そのかたちは決して平等ではない。
死とはかように個人的なものであることを再確認した。
この物語は、その個人的な、本当の意味ではおそらく分かち合い難いものを、
少しでも世界(誰か)と共有しようと、誠実に格闘した軌跡であると感じた。
幻想的で意味のとらえにくいところがある一方、
単純な喜怒哀楽では表現できない、グッと胸を突かれるような痺れる表現も多々あった。
とてもよい小説だった。
どこかで見かけたのだが、そうではなくて、もっと普遍的な死にまつわる物語である。
年齢を重ねれば、誰しも身近な人の死を経験するし
自らの死についても、考えずにはいられない。
いつ死ぬのか、どういうふうに死ぬのか、
そして自分はその死を受け入れられるだろうか。
もやもやと考えはするが、答えが出るものではないし、
答えが出たところで、その通りになるかどうかなんて、誰にも分からない。
誰もが必ず死ぬけれど、そのかたちは決して平等ではない。
死とはかように個人的なものであることを再確認した。
この物語は、その個人的な、本当の意味ではおそらく分かち合い難いものを、
少しでも世界(誰か)と共有しようと、誠実に格闘した軌跡であると感じた。
幻想的で意味のとらえにくいところがある一方、
単純な喜怒哀楽では表現できない、グッと胸を突かれるような痺れる表現も多々あった。
とてもよい小説だった。