悪くないけど、他の作品に比べると完成度が低かった。
元々は『みんな元気。』って言う単行本に、この文庫版『みんな元気。』と『スクールアタックシンドローム』がまとめられてたみたいだけど、文庫なら『スクールアタックシンドローム』の方がはるかに完成度が高いと思う。
発想・構想はいいんだけど、舞城のよさである「無茶苦茶なんだけど最後は上手い具合にまとまってくる感」があまり感じられない。
とりあえず書いてやったぜ!!で終っている。
でも才能の片鱗を感じることは出来る。
みんな元気。 Kindle版
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言語日本語
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出版社新潮社
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発売日2007/6/1
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ファイルサイズ639 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
空飛ぶ一家と家族の交換。額に書かれた自分の名前。バットでボコボコ僕のプリウス。学校襲撃絶対ノンノン!夢と嘘と優しさと愛と憎しみと悲しみと平和と暴力。どうして目に見えないものばかりが世界に満ちているのだろう?
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
舞城/王太郎
1973年、福井県生まれ。2001年、『煙か土か食い物』(講談社)でメフィスト賞を受賞し、衝撃的にデビュー。03年、『阿修羅ガール』(新潮社)で三島由紀夫賞を受賞する。エンターテインメント、純文学などのジャンルを越境し、新世界を創造しつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
1973年、福井県生まれ。2001年、『煙か土か食い物』(講談社)でメフィスト賞を受賞し、衝撃的にデビュー。03年、『阿修羅ガール』(新潮社)で三島由紀夫賞を受賞する。エンターテインメント、純文学などのジャンルを越境し、新世界を創造しつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B00CL6N332
- 出版社 : 新潮社 (2007/6/1)
- 発売日 : 2007/6/1
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 639 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 274ページ
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 153,922位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
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- - 4,421位日本文学研究
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カスタマーレビュー
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2007年11月27日に日本でレビュー済み
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9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2005年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大炸裂です。何を考えてこれ芥川賞の候補にすらならなかったのでしょう。
表題作は家族のあり方というものを徹底的に書いた作品。だと、一回読んだときは思った。だけど、再読してみると、むしろ人生においての選択をテーマを取り入れたテーマだと思う。選択肢を選ぶとき、選ばなかった人生と選ばれる人生も存在するわけで、とそんな感じ。やっぱりなぜかしら愛に溢れているこの作風はやはり独特ですばらしいです。
個人的に一番おすすめはスクールアタックシンドローム。学校が次々に襲われる話ですが、あまりにあまりにもで面白い。
ただ、舞城王太郎の中で一番読みにくい、とっつきにくい作品なのは確か。初めて舞城を読む人はやはり熊の場所や煙か土か食い物なんかがお勧め。
表題作は家族のあり方というものを徹底的に書いた作品。だと、一回読んだときは思った。だけど、再読してみると、むしろ人生においての選択をテーマを取り入れたテーマだと思う。選択肢を選ぶとき、選ばなかった人生と選ばれる人生も存在するわけで、とそんな感じ。やっぱりなぜかしら愛に溢れているこの作風はやはり独特ですばらしいです。
個人的に一番おすすめはスクールアタックシンドローム。学校が次々に襲われる話ですが、あまりにあまりにもで面白い。
ただ、舞城王太郎の中で一番読みにくい、とっつきにくい作品なのは確か。初めて舞城を読む人はやはり熊の場所や煙か土か食い物なんかがお勧め。
2004年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ぼくも、ようやく前作ぐらいから薄々感じてたんですけども、舞城作品は結構強いメッセージを放射してるんです。
それはとても前向きなもので、元気でいこう、よく考えよう、正しく生きよう、人類を愛そう、愛こそすべてって感じで、彼独特のグロテスクでキッチュな世界に散りばめられている。相変わらず、人は飛ぶわ、全国のイトウタカコが次々と殺されるわ、猫がトトロになっちゃうわ、三人の高校生が学校襲撃して六百二十三人を殺してしまうわと、あまりにも世紀末的なカタストロフィーが次々とあらわれるが、でも真のメッセージはそういうこと、『愛こそすべて』なのだ。う~ん、舞城君ってチャーミングじゃのう。
それはとても前向きなもので、元気でいこう、よく考えよう、正しく生きよう、人類を愛そう、愛こそすべてって感じで、彼独特のグロテスクでキッチュな世界に散りばめられている。相変わらず、人は飛ぶわ、全国のイトウタカコが次々と殺されるわ、猫がトトロになっちゃうわ、三人の高校生が学校襲撃して六百二十三人を殺してしまうわと、あまりにも世紀末的なカタストロフィーが次々とあらわれるが、でも真のメッセージはそういうこと、『愛こそすべて』なのだ。う~ん、舞城君ってチャーミングじゃのう。
2013年1月20日に日本でレビュー済み
いろんな楽しいこと、辛いこと、気味の悪こと、痛快なこと、エッチなことをぐるぐるぐるぐるしていったら、こんなお話ができましたよ というような作品。コトバがコトバをうんで、枝葉をつけて、どんどん広がっていく。枝葉ばかりを見ていると、迷子になってしまうから、コトバの森をゆったり見渡してあげる必要がある。
物語は、主人公の枇杷の姉ゆりが、眠りながら浮かんでいるところから始まる。家族の中で、浮くことができるのは、ゆりと妹の朝ちゃんだけだ。父や母、枇杷、弟の秀之は、真似することができない。
枇杷が小学六年の頃、竜巻とともに杉山家がやってきた。息子の昭を置いていく代わりに、朝ちゃんを杉山家の娘にするという。そして、朝ちゃんは、強引に空の上のどこかにある杉山家へ連れ去られてしまうのだった。枇杷も、ゆりも、父も、朝ちゃんを追って竜巻に飛び込んでいく。 ・・・
そこから物語は、成長していく枇杷と、枇杷の家族との関係だったり、恋愛だったりに広がりをみせる。死体で傘を作る殺人鬼や、空飛ぶ警察官が登場して、現実と非現実がごちゃまぜだ。枇杷が朝ちゃんとめぐり合うシーンは、どーんと悪夢の世界に真っ逆さま。一見するとわけがわからない。
あえて、深読みしてみると、
本作品は、子を亡く崩壊した家族、そして愛することに臆病になってしまった女性の物語なのではないか。そう考えると、朝ちゃんが杉山家にいくと決断したときに発した、「みんな元気」は、とても悲しく響いてくる。ラストは、朝ちゃんの赦しを感じ、新しい恋に踏みだす枇杷を描いたのかもしれないな。では、昭は何もの?など、色々と語りあってみたくなる作品である。(考えすぎだろうか)
物語は、主人公の枇杷の姉ゆりが、眠りながら浮かんでいるところから始まる。家族の中で、浮くことができるのは、ゆりと妹の朝ちゃんだけだ。父や母、枇杷、弟の秀之は、真似することができない。
枇杷が小学六年の頃、竜巻とともに杉山家がやってきた。息子の昭を置いていく代わりに、朝ちゃんを杉山家の娘にするという。そして、朝ちゃんは、強引に空の上のどこかにある杉山家へ連れ去られてしまうのだった。枇杷も、ゆりも、父も、朝ちゃんを追って竜巻に飛び込んでいく。 ・・・
そこから物語は、成長していく枇杷と、枇杷の家族との関係だったり、恋愛だったりに広がりをみせる。死体で傘を作る殺人鬼や、空飛ぶ警察官が登場して、現実と非現実がごちゃまぜだ。枇杷が朝ちゃんとめぐり合うシーンは、どーんと悪夢の世界に真っ逆さま。一見するとわけがわからない。
あえて、深読みしてみると、
本作品は、子を亡く崩壊した家族、そして愛することに臆病になってしまった女性の物語なのではないか。そう考えると、朝ちゃんが杉山家にいくと決断したときに発した、「みんな元気」は、とても悲しく響いてくる。ラストは、朝ちゃんの赦しを感じ、新しい恋に踏みだす枇杷を描いたのかもしれないな。では、昭は何もの?など、色々と語りあってみたくなる作品である。(考えすぎだろうか)
2008年9月1日に日本でレビュー済み
表題作は、ある晩いきなりお姉ちゃんがベッドから宙に浮いているのを発見した語り手(女)が、いろいろなトラブルに巻き込まれる話。相変わらずあの勢いがあるので好きな人にはお勧めだけど、最近の作品で明らかなようにまとまりがない。わざとなんだろうけど、いろいろなプロットが絡み合って発散していく。例えば:
・小学生の同級生のモデルみたいな女子に迫られる。いつの間にか消える。
・そのモデルみたいなの子の彼氏(がいるのだ)のことを好きな「イトウタカコ」という子が登場する。それで、日本中で、「イトウタカコ」という名前の女性が突然次々に死体で発見されるが、なぞは放り出されたまま。
・お姉ちゃんの彼氏が自分を口説くので悩む。ときどき関係を持つ。もっと悩む。あまり解決されず。
・妹が空から来た変な家族にさらわれる。この奪還が小説の主要なモチーフのように見えるが実はそうではないかもしれない。
という感じ。こういうのを一つずつ短編にすればいいのに。『熊の場所』くらいのときは、そうやってたと思うんだけどな。あの頃の方がよかった。これから読む『ディスコ探偵』に期待。
・小学生の同級生のモデルみたいな女子に迫られる。いつの間にか消える。
・そのモデルみたいなの子の彼氏(がいるのだ)のことを好きな「イトウタカコ」という子が登場する。それで、日本中で、「イトウタカコ」という名前の女性が突然次々に死体で発見されるが、なぞは放り出されたまま。
・お姉ちゃんの彼氏が自分を口説くので悩む。ときどき関係を持つ。もっと悩む。あまり解決されず。
・妹が空から来た変な家族にさらわれる。この奪還が小説の主要なモチーフのように見えるが実はそうではないかもしれない。
という感じ。こういうのを一つずつ短編にすればいいのに。『熊の場所』くらいのときは、そうやってたと思うんだけどな。あの頃の方がよかった。これから読む『ディスコ探偵』に期待。
2005年2月9日に日本でレビュー済み
表題作を初め、いくつかの作品が入っていますが、やっぱり独特のスピード感、リズム感溢れる文体にボコボコ出てくる死体(そんな酷くもないですが)、訳わからん登場人物となんじゃこりゃな展開。
そのへんが今回も舞城王太郎だ!と感じさせてくれる。
生きてれば愛だの何だのばっか言ってるわけにもいかない。いろいろ考えて選択して、もう一生懸命だ。そのへんのぐしゃぐしゃ感一番は表題作「みんな元気。」。登場人物「朝ちゃん」の意味不明だけれど一生懸命な「みんな元気」という言葉。ストーリーの中でも??だけれど、なにかきゅんとくるモノがあるのでは。
この話はちょっとわかりにくい・・・というか、はっきり言って読みにくい。登場人物も??だし設定もよく分からない。だけどとりあえず読み終わって、何かよくわからないけれども心に残るものがあるような気がするのが、うーんやっぱり舞城さんっぽい。
他の作品は比較的読みやすいのではないかと思います。
ほんわかするものもあれば、やっぱ歪んでてもなんでも家族なんだよね!的なモノも、底に見つけられるのはきっと愛。
やっぱり人は死にますが他の舞城作品に比べれば(あくまでも他の舞城作品と比べて)、そんな読むに耐えない!事は無いと思います。舞城さんのテンポの良さは好きだけどグロすぎるのはちょっと・・・・と言う人(いないかも)、この期に是非。
初めて王城舞太郎作品に手を出そうとしてこれを読むのなら、「みんな元気。」はこういうモノとして受け入れて下さい。
そのへんが今回も舞城王太郎だ!と感じさせてくれる。
生きてれば愛だの何だのばっか言ってるわけにもいかない。いろいろ考えて選択して、もう一生懸命だ。そのへんのぐしゃぐしゃ感一番は表題作「みんな元気。」。登場人物「朝ちゃん」の意味不明だけれど一生懸命な「みんな元気」という言葉。ストーリーの中でも??だけれど、なにかきゅんとくるモノがあるのでは。
この話はちょっとわかりにくい・・・というか、はっきり言って読みにくい。登場人物も??だし設定もよく分からない。だけどとりあえず読み終わって、何かよくわからないけれども心に残るものがあるような気がするのが、うーんやっぱり舞城さんっぽい。
他の作品は比較的読みやすいのではないかと思います。
ほんわかするものもあれば、やっぱ歪んでてもなんでも家族なんだよね!的なモノも、底に見つけられるのはきっと愛。
やっぱり人は死にますが他の舞城作品に比べれば(あくまでも他の舞城作品と比べて)、そんな読むに耐えない!事は無いと思います。舞城さんのテンポの良さは好きだけどグロすぎるのはちょっと・・・・と言う人(いないかも)、この期に是非。
初めて王城舞太郎作品に手を出そうとしてこれを読むのなら、「みんな元気。」はこういうモノとして受け入れて下さい。
ベスト1000レビュアー
ファンの間では余り相対評価の高くない作品集だけど、それでもやっぱりその辺の「純文学作家」よりは遥かに凄いことをやっていると思う。一見、血生臭くハチャメチャでぶっ壊れた筋の中に、「世界に暴力が存在してしまうこと」のどうしようもない哀しさと、だからこそ語られる家族や夫婦・恋人の間の愛情へのポジティブな思いがいつも通り書き込まれている作品が並んでいます。僕は舞城作品の持つこのポジティブさが好きです。不可解だけど確実に存在する暴力のシステムをきちんと描いているからこそ、彼が書くポジティブさが上っ面なものにならないで済んでいると思うんですね。
出身地の福井や調布を舞台として一人称で語られる登場人物の内面の語りは、そのまま「世界」「暴力」「愛」に関する作家本人の思索の吐露のようです。暴力が絶対的に存在することに対して舞城氏が持ってくることが多いのが「親子・家族の愛」というのも慧眼だと思っています。だって、血縁関係というのは主体的選択の結果存在するわけではないので、そういう意味では暴力のシステムと同じくらい不条理なものなのですから。でも、だからこそ暴力への対抗力になるはずだという作家の祈りにも似たメッセージを僕は彼の作品から感じずにはいられません。
本書一番のお気に入りは表題作。思春期の主人公が選択するラストの出来栄えはやっぱり感動もんでしょう。「スクールアタック・シンドローム」も悪くないけど、包丁を振り回す年頃の息子のパッションを漠然とした「感情の連鎖」を鍵に理解しようとする主人公には若干納得できなかったですかね。それでも、一冊全体としての仕上がりは十分五つ星に値する本だと思います。
出身地の福井や調布を舞台として一人称で語られる登場人物の内面の語りは、そのまま「世界」「暴力」「愛」に関する作家本人の思索の吐露のようです。暴力が絶対的に存在することに対して舞城氏が持ってくることが多いのが「親子・家族の愛」というのも慧眼だと思っています。だって、血縁関係というのは主体的選択の結果存在するわけではないので、そういう意味では暴力のシステムと同じくらい不条理なものなのですから。でも、だからこそ暴力への対抗力になるはずだという作家の祈りにも似たメッセージを僕は彼の作品から感じずにはいられません。
本書一番のお気に入りは表題作。思春期の主人公が選択するラストの出来栄えはやっぱり感動もんでしょう。「スクールアタック・シンドローム」も悪くないけど、包丁を振り回す年頃の息子のパッションを漠然とした「感情の連鎖」を鍵に理解しようとする主人公には若干納得できなかったですかね。それでも、一冊全体としての仕上がりは十分五つ星に値する本だと思います。
2005年9月7日に日本でレビュー済み
とにかく、並の作家は持ち合わせないほどの想像力を全開にして書きまくった印象で、表題作はその真骨頂。しかし、これまでの作品に比べて、少し荒い(もっと悪く言えばつまらない)部分があるのが残念。特に、他作品の登場人物が出てくるものは、正直内輪受けでしかないように感じました。あと、前作『好き好き~』には感動しましたが、これほどポジティヴなメッセージを放ち続けられると閉口します。教育テレビじゃないんだから。舞城作品には、もっと邪悪なものを期待してしまうんだけどなあ…。それは『煙か土か~』のシリーズに期待しろということなんでしょうか。
難点が目につきますが、現代でもっとも注目すべき作家の一人であることは疑いようがないわけで、読む価値は十分にあります。
難点が目につきますが、現代でもっとも注目すべき作家の一人であることは疑いようがないわけで、読む価値は十分にあります。