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みんなではじめる低エネルギー社会のつくり方―日本のエネルギー問題を解決する15のポイント単行本 – 2013/5/1

大久保泰邦 (著), 石井吉徳 (監修)

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本の長さ

149ページ
出版社

合同出版
発売日

2013/5/1
ISBN-10

4772611088
ISBN-13

978-4772611084
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商品の説明

内容（「BOOK」データベースより）

石油生産量はすでに減りはじめている。原子力で日本のエネルギーをまかなうなら270基の原発が必要。太陽光や風力などの自然エネルギーは地産地消がいちばん。メタンハイドレートに過大な期待はできない。「エネルギーとはなにか」がわかれば、進むべき道が見えてくる。見かけや期待にダマされないための、ほんとうのエネルギー論。低エネルギー社会を本気で考えたくなるガイドブック。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大久保/泰邦
NPO法人石油ピークを啓蒙し脱浪費社会をめざすもったいない学会副会長。東京都生まれ、東京大学工学部卒業。工学博士。通産省工業技術院地質調査所入所、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、アジアの政府間機関COOP、経済産業省・産業技術統括調査官、政府間機関Group on Earth Observation(ジュネーブ)を経て、現在、産業技術総合研究所地質分野企画室に勤務。日本学術会議連携会員

石井/吉徳
元国立環境研究所所長。もったいない学会会長。東京大学名誉教授。東京大学理学部卒。帝国石油、石油資源開発を経て、1971年より東京大学工学部資源開発工学科助教授、1978年より同大学教授。1993年、東京大学を退官し名誉教授。1994年から1998年、国立環境研究所副所長、所長。1998年から2006年、富山国際学園にて特命参事と大学教授。2006年、もったいない学会創設、会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

出版社 : 合同出版 (2013/5/1)
発売日 : 2013/5/1
単行本 : 149ページ
ISBN-10 : 4772611088
ISBN-13 : 978-4772611084

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ひろ

みんなで、地球のことを考えよう！！

2013年10月15日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

　環境問題というと、温暖化などは、よくマスコミでとり上げられているが、実は安い石油が手に入らなくなることが、非常に重要だということが良く解かった。もっとこのことをみんなが知り、これからの地球のことを真剣に考えるべきだと強く思う！！
　エネルギーのことを、広く知らせる必要がある。
　ぜひ、多くの人に読んでもらいたい１冊です。

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みつぞー

日本の日常は、続かないものだ。思考を変えよう

2013年7月19日に日本でレビュー済み

例えばそれを３．１１以降の放射能汚染で感じた方もおられるだろう。
原子力発電は地震国日本には脆弱過ぎる技術だったのだ。

私ごとになるが、石油ショックによる物資高騰を幼い頃体験し有名な「成長の限界」
も読んで、化学屋を志した私は「化学の力で日本と世界の役に立ちたい」と思っていた。
しかし学べば学ぶほど、今の人間（少なくとも”先進国”の）は石油で衣食住の全て
が成り立っている事。　そして石油がそれだけ便利な資源かつ一次エネルギーである
事を知った。　そして近年。●深海とか極地とかとんでもない所から石油を採らざる
を得ない状況は、採りやすい＝安い石油が尽きかけている証拠●だと思っていた。
他にもそれを論じた本は多く世に出るようになったが･･･

本書の著者と監修者は共に石油探査やエネルギー政策に携わってきた方のようで、
●・・・●に関し同じ見解であった。
また石油は現代日本の生活に必要な食糧・物資・エネルギーを生んでいるため、
原子力でさえも石油が尽きれば動かない（もっともウランの消費される割合が石油
よりずっと高いため、早く尽きるとの統計もある）。　
自然エネルギーは密度が小さいため、同様な電気・エネルギー使い放題の生活を
望むなら大量に石油資源を投入しなければならない（種を蒔いて太陽電池
が生えてくる訳ではない！）ので、結論としては無理である。

必要最小限のエネルギーを自然から得て、人間の労働力を集約し土地を無駄なく
農業生産に向け地産地消（食糧の運送に輸入国日本が費やしているエネルギーは、
例えばフード・マイレージ：一定重量の食糧を平均何マイル運んでいるか　の
観点からは世界でワースト！　との統計もある）を心がける･･･　道しかない。
近年では旧ソ連崩壊後石油供給を絶たれたキューバに実践例はあるし、
世界では少しずつだが地域で取り組む人々も表れている（別にレビュー予定）

ただこういう社会の実現は現代日本の政治家や企業が経済成長路線に固執する限り
：彼らそして私たちのほとんどが保守的なため難しいだろう。

●このまま突っ走り続ければ、当然クラッシュする●
ニュースや経済誌で語られる「シェール・ガス」や「メタン・ハイドレート」
は本当に”救世主”となるのか？　皆さん１人１人が情報を集め、自分の頭で
考えることから、一種コペルニクス的な転回は始まるのです★

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役に立った

toku-toku

現状認識と問題把握のために

2014年1月27日に日本でレビュー済み

　宮本武蔵や沖田総司のような剣鬼であっても、もしも目隠しをされてしまったら、そこらの素人にさえ勝てないでしょう。
　世界最強の米軍といえど、仮に偵察衛星も早期警戒機も地上配備レーダーも無力化されてしまえば、極東の某国軍相手にも苦戦を強いられるでしょう。
　客観的で信頼に足る統計データが無ければ、経済学者は有効な経済政策を打ち出せないでしょう。
「敵はどこに居るのか？　＝　現況はどうなっているのか？　問題点は果たして何であるのか？」
　これが判っていなければ、どんな作戦や計画を立てようが、絵に描いた餅といいますか、砂上の楼閣にしかならないわけです。

　んなこと当たり前じゃねーか、と皆さんおっしゃるでしょうが、現にその「当たり前」が出来なかったばっかりに大失敗を演じた事例は、古今東西幾らでもあります。
　例えば、70年前の対米戦争末期。『台湾沖航空戦』で米機動部隊に殲滅的打撃（空母十数隻撃沈）を与えた、という大誤報を信じた大本営は、当初予定していたルソン島持久方針を、（現地軍の大反対を押し切って、）急遽レイテ決戦へと変更します。米機動部隊が活動できない今こそ、決戦のチャンスだ！　と判断してしまったわけです。
　しかし所詮、誤報は誤報でしかなく。全く無傷で健在であった米機動部隊が周囲の制空・制海権を掌握していたレイテ島へと海路送り込まれた増援部隊（約三個師団＋一個旅団）は、その大半が揚陸前に輸送船ごと海上で撃沈され、または部隊だけ上陸できても重火器や糧秣弾薬の補給は殆どできず、戦わずして大打撃を被ってしまいます。
　結局、誤報を前提として遂行されたレイテ決戦は、損害ばかり大きくフィリピンの防衛計画を破綻させ、却って敵を利するような結果になってしまいました。

　この戦例と全く同じく、現状把握からしてまるきし出来ていないのが、現代日本の反原発主義者の皆さんです。（全員とは申しませんが……。）
　彼らは大体のところ、以下のような「現状把握」をしているように見受けられます。

「石油はあと40年で無くなると、40年前も言っていた。そして今も、あと40年だと言ってる。実際には石油は、半永久的に無くならないんじゃね？　オオカミは来ないよ」
「中東油田が枯渇したって、北極海油田とか海底油田があるんでしょ？」
「石油が枯渇したって、石炭や天然ガスで代替できるでしょ？」
「シェールガスが増産されてるし、メタンハイドレードだって何百年分もあるよね？」
「エネルギーなんて外国からいくらでも買えばいーじゃん。カネさえあれば」
「太陽光とか風力とか地熱とか、本腰を入れて開発すれば、電力需要の何割かは賄えるようになるんじゃない？　100％は無理にしても」
「きっとそのうち、すげー技術革新が起こって、石油にも負けないすげー新エネルギーが実用化されるさ。ドラえもんの『ドライ・ライト』みたいな」
「ガソリン車が石油枯渇で使えなくなったら、EVや燃料電池車を使えばいいじゃない」
「そもそもこのtoku-tokuとかいう奴、ウザいしクドい」

　……こういった「現状把握」がハナから間違っている（いや、最後の一文を除いては）ことを、本書は豊富な数値データによって教えてくれます。

　全世界の石油生産量は2005年頃がピーク。後は横ばいから減少する一方。石油に代替できるエネルギー源は半永久的に有り得ない。
　太陽エネルギーのみによって世界のエネルギー需要を賄うには、およそ64万平方キロメートル（日本の面積の1.7倍）の太陽光発電パネルが必要。日本のエネルギー需要を賄うには、同じくおよそ3万平方キロが必要。（東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬・栃木に山梨を加えたぐらい。）無理だって。
　メタンハイドレードは資源となるかどうか疑問。エネルギー収支が低ければ開発する意味が無い。
　自動車を全て電気自動車に置き換えるには、原発100基ぐらいの増設が必要。

　間違った情報によって政策を決定すれば、九分九厘大失敗を免れ得ないことは、我々の父祖が身を以て教えてくれた通りです。
　原発推進にしろ反原発にしろ、まずはこのようなシビアな現実を、きちんと踏まえたうえで主張するべきでしょう。（「それ行けっ！　今がチャンスだ！」とばかりに、何も考えていないのが、小泉氏のような人たちです。服部卓四郎や辻政信のようなもの。）

　本書の結論は、「原発は危険だからダメ。エネルギーが無いなら低エネルギー社会にすればいいじゃない。サツマイモでも作れば食糧自給できるよ」なのですが、これは俄かには賛同いたしかねます。理由はこんな処です。
　第一に、原発に対するリスク評価の誤り。今まで何度も書いてきたので省略します。
　第二に、安全保障上の問題。エネルギーは食糧供給だけではなく、治安や国防にも不可欠です。いくら最新鋭の戦闘機や戦車や軍艦を揃えていたところで、化石燃料が無ければクソの役にも立ちません。そして精鋭の軍備を保有するのも維持するのも、「低エネルギー社会」などでは不可能でしょう。迂闊にそんな真似をすれば、日本の敵国を喜ばせるだけです。
　第三に、道義上の問題。＜プランB＞などとカッコつけてみても、結局は、子孫を貧困のどん底に叩き込む政策であるのには変りが無いはずです。年寄りがこのような主張をしたところで、「俺たちは石油を思う存分使って豊かで贅沢な暮らしをしたけど、もう石油は無くなっちまったから、お前ら子供や孫の世代は貧乏暮らしで我慢しろw運が悪かったなw」……と、言っているように解釈せざるを得ません。それは子孫に対して、余りに不誠実かつ無責任でしょう。

　つまるところ、原発を大増設し、高速増殖炉も実用化し、石油に代替できるものは極力置き換え、可能な限り石油を節約する社会を作る。……これしか、日本がサバイバルする道は無いと思います。

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