著者はこのエッセイを通して、イギリスが現在抱える問題点を具体的に挙げ、それについての考察や打開策を著者なりに打ち出し、それを実行している。我が子を敢えて問題のある学校に入学させ、問題と向き合う強さを育ませている。子供に寄り添い、子供が突き当たる人種やアイデンティティの問題を共に考え、乗り越えさせる様は、称賛に値すると思う。
私事になるが、この著書の一読者である私も、ブレイディさんと同じように若かりし頃ブリティッシュロックに感銘を受けのめり込み、イギリスという国に憧れ、18歳の頃に学校のプログラムで初めて渡英し、ある出来事で大きなカルチャーショックを受け、以来渡英を繰り返し、留学を経て、恋愛・結婚・出産を経験し、10年のイギリス在住歴がある。
私が思うに、イギリスに単身で行く女性には、「イギリスに恋して」いる人が多い。日本とイギリスは、島国という或る意味似通った地理条件がありながら、イギリスには日本とは全く違う文化があり、個人主義に基づいた違う考え方が存在し、日本しか知らなかった裏若き女性がある種の憧れを抱きやすい国なのかなぁ、と感じる。おまけにイギリスでは東洋女性がやたらもてはやされた時期が一時期あって、留学を経験した20代後半、私もその「恩恵」に預かった一人だ。そして恐らくブレイディさんもその一人ではないのかな、と思う。
イギリスという異文化国で、日本人女性として尊重され自己を再認識し、フワフワした楽しい時期を過ごし、現地の男性と恋に落ち結婚をして。。。そこから突然、現実を突きつけられる。それも人種差別満載の、かなり最悪なタイプの現実を。「個人主義」の社会は確かに個人の意思が尊重されるだろう。だが逆に一人一人の考えがバラバラだと、当然考えがまとまりにくい欠点がある。誰も「妥協」することを覚えず、長い押し問答が続き、問題がいつまでも解決しない。その際たるものが、「EU離脱」問題なのではないだろうか?
「EU離脱」は、私が思うに、イギリス人が掲げる「デモクラシー」という名の鎖国だ。かつてイギリスは移民を大量に受け入れ、都合の良い労働力として扱った。掃除員などイギリス人がやりたくない仕事を押し付け、イギリス人の苦手とする料理を担う人材として重宝した。ところが経済情勢が変わるうちに、移民がただ邪魔な存在になった。そこで国民は移民を追い出すべく、「デモクラシー」という言葉を盾に移民を悪者扱いし、EUから抜け出し独立してやっていくという。EUに入ることでかなりの恩恵も受けてきたにも拘らず、そんなことはすっかり忘れたフリである。ここにはイギリス人の独特の人種差別な考えが根底にある気がする。
私がこのエッセイに関して、一つ付け加えておきたいのは、問題から顔を背けず向き合う親子の姿は素晴らしいとしても、決して、決してイギリスの教育方針や政治体制に学ぶ点などは何もない、と私が強く思っていることだ。確かに著者の息子が人種問題等で悩みもがいて学んだ点は彼にとって良い経験だったかも知れない。でも。。。皆さん一人一人に考えてみて欲しい。自分の子供が、人種差別にあって辛い思いをしてでも、人種問題に向き合って欲しいだろうか?それは人生に於いて「必要な」ことだろうか?できれば、そんなこととは無縁に生きて欲しいと願う親が殆どではないだろうか?勿論、それは私のように一度経験したから思うことなのかも知れない。でも、皆さんが一度イギリスに住んであからさまな人種差別にあったと仮定して(そして断言するが、イギリスに住んだ日本人なら誰でも必ず経験する)、同じことを子供にも敢えて経験して欲しいと思うだろうか?
私は、子供がプライマリー(小学校)に入る前に、日本に本帰国した。仕事の都合で夫はヨーロッパにいるのだが、私は敢えて夫と遠距離になってもそういう選択をした。苦渋の選択ではあったが数年考えて得た選択だ。帰国して2年経つが、このエッセイを読んだ後、改めて私は思った。やはり日本に帰ってきて良かった、と。イギリスは素晴らしいとか、イギリスに倣え的エッセイは過去にも沢山出版されてきたが、私は強くその意見一つ一つに反対する。もともとイギリスと日本のバックグラウンドは違うし、日本にイギリス的な考えを切り張りするように当てはめてもうまくいかない。大体イギリスでもイギリス的な考えは結局うまくいかずに崩壊寸前なのだから。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 単行本 – 2019/6/21
購入を強化する
日本テレビ系「世界一受けたい授業」
NHK「おはよう日本」「あさイチ」
NHK「SWITCHインタビュー 達人達」
フジテレビ系「めざましテレビ」
TBS系「王様のブランチ」で紹介!
Yahoo!ニュース|本屋大賞2019
ノンフィクション本大賞受賞!
第73回毎日出版文化賞特別賞受賞!
第2回八重洲本大賞受賞!
第7回ブクログ大賞 エッセイ・ノンフィクション部門受賞!
紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする
ベスト30「キノベス! 2020」第1位!
We Love Books 中高生におすすめする
司書のイチオシ本2019年版第1位!
第13回神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)!
読者が選ぶビジネス書グランプリ2020
リベラルアーツ部門 第1位!
埼玉県の高校図書館司書が選んだ
イチオシ本2019 第1位!
◎西加奈子さん
隣に座って、肩を叩いて、「一緒に考えない」
そう言ってくれました。
絶対に忘れたくない、大切な友達みたいな本です。
◎中川李枝子さん
子どもの感覚に、母ちゃんとともに脱帽。
先生方にも、ぜひ読んで欲しい。
◎三浦しをんさん
これは「異国に暮らすひとたちの話」ではなく、
「私たち一人一人の話」だ。
◎高橋源一郎さん
思わず考え込む。あるいは、胸をうたれる。
そして最後に、自分たちの子どもや社会について
考えざるをえなくなる。
大人の凝り固まった常識を、
子どもたちは軽く飛び越えていく。
世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、
落涙必至の等身大ノンフィクション。
優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜの
イカした「元・底辺中学校」だった。
ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。
人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。
時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。
世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子と
パンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。
連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」。
はじめに
1 元底辺中学校への道
2 「glee/グリー」みたいな新学期
3 バッドでラップなクリスマス
4 スクール・ポリティクス
5 誰かの靴を履いてみること
6 プールサイドのあちら側とこちら側
7 ユニフォーム・ブギ
8 クールなのかジャパン
9 地雷だらけの多様性ワールド
10 母ちゃんの国にて
11 未来は君らの手の中
12 フォスター・チルドレンズ・ストーリー
13 いじめと皆勤賞のはざま
14 アイデンティティ熱のゆくえ
15 存在の耐えられない格差
16 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン
NHK「おはよう日本」「あさイチ」
NHK「SWITCHインタビュー 達人達」
フジテレビ系「めざましテレビ」
TBS系「王様のブランチ」で紹介!
Yahoo!ニュース|本屋大賞2019
ノンフィクション本大賞受賞!
第73回毎日出版文化賞特別賞受賞!
第2回八重洲本大賞受賞!
第7回ブクログ大賞 エッセイ・ノンフィクション部門受賞!
紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする
ベスト30「キノベス! 2020」第1位!
We Love Books 中高生におすすめする
司書のイチオシ本2019年版第1位!
第13回神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)!
読者が選ぶビジネス書グランプリ2020
リベラルアーツ部門 第1位!
埼玉県の高校図書館司書が選んだ
イチオシ本2019 第1位!
◎西加奈子さん
隣に座って、肩を叩いて、「一緒に考えない」
そう言ってくれました。
絶対に忘れたくない、大切な友達みたいな本です。
◎中川李枝子さん
子どもの感覚に、母ちゃんとともに脱帽。
先生方にも、ぜひ読んで欲しい。
◎三浦しをんさん
これは「異国に暮らすひとたちの話」ではなく、
「私たち一人一人の話」だ。
◎高橋源一郎さん
思わず考え込む。あるいは、胸をうたれる。
そして最後に、自分たちの子どもや社会について
考えざるをえなくなる。
大人の凝り固まった常識を、
子どもたちは軽く飛び越えていく。
世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、
落涙必至の等身大ノンフィクション。
優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜの
イカした「元・底辺中学校」だった。
ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。
人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。
時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。
世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子と
パンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。
連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」。
はじめに
1 元底辺中学校への道
2 「glee/グリー」みたいな新学期
3 バッドでラップなクリスマス
4 スクール・ポリティクス
5 誰かの靴を履いてみること
6 プールサイドのあちら側とこちら側
7 ユニフォーム・ブギ
8 クールなのかジャパン
9 地雷だらけの多様性ワールド
10 母ちゃんの国にて
11 未来は君らの手の中
12 フォスター・チルドレンズ・ストーリー
13 いじめと皆勤賞のはざま
14 アイデンティティ熱のゆくえ
15 存在の耐えられない格差
16 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2019/6/21
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104103526815
- ISBN-13978-4103526810
この商品を見た後に買っているのは?
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
出版社からのコメント
新潮社の社内でも大反響! 部署の垣根を超え、たくさんの社員が今作の虜に! !
ほんの一部ですが、掛け値なしの熱い感想をご紹介! ! !
◎子育てとは親の覚悟と子への信頼につきると強く思います。多様な環境の中、
みかこさんが腹をくくって本音で息子さんと接し、息子さんはそれをちゃんと
受け止めて、ぐんぐん成長していく姿がすばらしく、胸がいっぱい涙なくては読めません。
思春期子育て世代必見の書です。(出版部一般職Y・40代)
◎「答え」が安売りされる時代に、それって本当! ?と立ち止まらせてくれる本。
私もこういうお母さんが欲しかったな。本当は誰もが真剣に考えないといけない問題を、
率直に、気持ちよく、(おそらく)誰のことも断罪せず、傷つけずに書けるなんて、
ブレイディさん凄すぎ! (フォーサイト編集部K・20代)
◎「彼」がしなやかな感性で自分の答えを導き出す姿に、子どもだってディープに
「社会」と対峙してるんだ! と衝撃を受け、子育てちょっとナメてたかも…と反省。
これから多感な時期を迎える我が子。書名を呪文のように唱えて、一緒に考えられる
母ちゃんを目指そうと思います。(芸術新潮A・30代)
◎一度読み始めたら止まらない。とても12歳とは思えない考え方をする大人っぽい面と、
音楽に熱中して変な「ボンサイの歌」を作って歌ったりする子供らしい面のある息子さん。
そんな息子さんと正面からきちんと向き合うみかこさんとの親子関係がまた素敵。
彼の成長を見届けたくなります! (広告部I)
◎イエローでホワイトで、ちょっとブルー。きれいな色。爽やかな話に違いない。
そう思って読んだら……がつん。偏見。差別。実際にその渦の中にいると、
こんなにも心で受けるものが違うのか。私のエンパシー、まだまだだな。
ちょっと泣いてしまいました。(出版企画部一般職・30代)
◎差別、格差、分断といった進行形の問題を「他人事」として考えないようにしていた私は、
著者の11歳の息子のフラットで豊かな「想像力」に打ちのめされました。
「君は僕の友だちだからだよ」――彼の一言がずっと胸に響いている。(企画編集部T・30代)
◎この親子、とにかく最高! パンクで熱い母ちゃんと、ときにクールに母を諭す11歳の息子。
自分を取り巻く雑多で厳しい世界で、何が正しく何が大切かを見極めようとする彼の眼差しに
心打たれ、いつの間にか一緒に考えている自分に気づくはず。心から思います、こんな息子がほしかった!
(営業部I・40代)
etc.etc・・・
ほんの一部ですが、掛け値なしの熱い感想をご紹介! ! !
◎子育てとは親の覚悟と子への信頼につきると強く思います。多様な環境の中、
みかこさんが腹をくくって本音で息子さんと接し、息子さんはそれをちゃんと
受け止めて、ぐんぐん成長していく姿がすばらしく、胸がいっぱい涙なくては読めません。
思春期子育て世代必見の書です。(出版部一般職Y・40代)
◎「答え」が安売りされる時代に、それって本当! ?と立ち止まらせてくれる本。
私もこういうお母さんが欲しかったな。本当は誰もが真剣に考えないといけない問題を、
率直に、気持ちよく、(おそらく)誰のことも断罪せず、傷つけずに書けるなんて、
ブレイディさん凄すぎ! (フォーサイト編集部K・20代)
◎「彼」がしなやかな感性で自分の答えを導き出す姿に、子どもだってディープに
「社会」と対峙してるんだ! と衝撃を受け、子育てちょっとナメてたかも…と反省。
これから多感な時期を迎える我が子。書名を呪文のように唱えて、一緒に考えられる
母ちゃんを目指そうと思います。(芸術新潮A・30代)
◎一度読み始めたら止まらない。とても12歳とは思えない考え方をする大人っぽい面と、
音楽に熱中して変な「ボンサイの歌」を作って歌ったりする子供らしい面のある息子さん。
そんな息子さんと正面からきちんと向き合うみかこさんとの親子関係がまた素敵。
彼の成長を見届けたくなります! (広告部I)
◎イエローでホワイトで、ちょっとブルー。きれいな色。爽やかな話に違いない。
そう思って読んだら……がつん。偏見。差別。実際にその渦の中にいると、
こんなにも心で受けるものが違うのか。私のエンパシー、まだまだだな。
ちょっと泣いてしまいました。(出版企画部一般職・30代)
◎差別、格差、分断といった進行形の問題を「他人事」として考えないようにしていた私は、
著者の11歳の息子のフラットで豊かな「想像力」に打ちのめされました。
「君は僕の友だちだからだよ」――彼の一言がずっと胸に響いている。(企画編集部T・30代)
◎この親子、とにかく最高! パンクで熱い母ちゃんと、ときにクールに母を諭す11歳の息子。
自分を取り巻く雑多で厳しい世界で、何が正しく何が大切かを見極めようとする彼の眼差しに
心打たれ、いつの間にか一緒に考えている自分に気づくはず。心から思います、こんな息子がほしかった!
(営業部I・40代)
etc.etc・・・
内容(「BOOK」データベースより)
大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至のノンフィクション。
著者について
ブレイディみかこ
保育士・ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。県立修猷館高校卒。
音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。
ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で
働きながらライター活動を開始。
2017年に新潮ドキュメント賞を受賞し、大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞
候補となった『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』
(みすず書房)をはじめ、著書多数。
保育士・ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。県立修猷館高校卒。
音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。
ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で
働きながらライター活動を開始。
2017年に新潮ドキュメント賞を受賞し、大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞
候補となった『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』
(みすず書房)をはじめ、著書多数。
1分以内にKindleで ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫) をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2019/6/21)
- 発売日 : 2019/6/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4103526815
- ISBN-13 : 978-4103526810
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,898位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 157位教育学一般関連書籍
- - 421位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.5
星5つ中の4.5
4,450 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。

予定より早く届いたので楽しみに本を取り出して、ガッカリしました。本の裏表紙のカバーの上の方に折り傷のような跡がついてました。店頭なら自分は買わないと思います。
このレビューの画像
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年11月1日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
2,447人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私の中では、著者の作品としては『子どもたちの階級闘争』と同じぐらい面白い。ほかの本も興味深い指摘は多いが、同書にしても本書にしても、子どもの世界を書いたものに著者の面白さが最も出ている気がする。ただ、この内容で、日本の学校や教育を否定していると考える短絡的な人には向かないかもしれない。
著者の「息子」が主人公。イギリス・ブライトン市の学校ランキング1位である公立カトリック小学校を卒業した「息子」は、カトリックの中学校ではなく、元底辺中学校に進学する。本書は、その中学生活の最初の一年半を描いている。
いきなり新入生ばかりでのミュージカル上演など、日本の中学校との違いに驚かされる。音楽部のクリスマス・コンサートで披露されたラップの歌詞などは、日本の学校内で歌ったら確実に大問題になるだろうし、LGBTQの問題も含めた性教育やシティズンシップ教育、子どもの権利条約などに関する学習の部分、優秀な学校ほどデモの参加に寛容なことなどを読むと、「市民社会としての成熟」が日本とは全く違うレベルなのに愕然とする。
中学校で出会うのは、人種差別をむき出しにする同級生、制服などの購入にさえ苦労するほど貧しい同級生、ジェンダーにとまどう同級生などなど。
父がアイルランド人、母が日本人(著者のこと)の「息子」は、時に自分の東洋的な容姿のために差別されることがあっても、「善意」の存在を信じ、得意な音楽や水泳に夢中になり、いがみ合う友達の間に立ちながら、様々にもがく同級生たちと関係を築き、著者や父親のアドバイスやサジェスチョンがあるにしても、自分なりの答えを探し出している。
イギリスの学校の話なのに、時に日本社会が透けて見えるように思える部分もある。ヘイトや差別、「無知」ゆえのわだかまりは、どのような社会であっても逃れられないものかもしれない。だからこそ、「息子」のように私たちも少しずつ学び理解する努力を重ねる必要があるのだろう。
タイトルに書いたように、私は「多様性」を避けて、「無知にな」りたいとは思わない。
著者の「息子」が主人公。イギリス・ブライトン市の学校ランキング1位である公立カトリック小学校を卒業した「息子」は、カトリックの中学校ではなく、元底辺中学校に進学する。本書は、その中学生活の最初の一年半を描いている。
いきなり新入生ばかりでのミュージカル上演など、日本の中学校との違いに驚かされる。音楽部のクリスマス・コンサートで披露されたラップの歌詞などは、日本の学校内で歌ったら確実に大問題になるだろうし、LGBTQの問題も含めた性教育やシティズンシップ教育、子どもの権利条約などに関する学習の部分、優秀な学校ほどデモの参加に寛容なことなどを読むと、「市民社会としての成熟」が日本とは全く違うレベルなのに愕然とする。
中学校で出会うのは、人種差別をむき出しにする同級生、制服などの購入にさえ苦労するほど貧しい同級生、ジェンダーにとまどう同級生などなど。
父がアイルランド人、母が日本人(著者のこと)の「息子」は、時に自分の東洋的な容姿のために差別されることがあっても、「善意」の存在を信じ、得意な音楽や水泳に夢中になり、いがみ合う友達の間に立ちながら、様々にもがく同級生たちと関係を築き、著者や父親のアドバイスやサジェスチョンがあるにしても、自分なりの答えを探し出している。
イギリスの学校の話なのに、時に日本社会が透けて見えるように思える部分もある。ヘイトや差別、「無知」ゆえのわだかまりは、どのような社会であっても逃れられないものかもしれない。だからこそ、「息子」のように私たちも少しずつ学び理解する努力を重ねる必要があるのだろう。
タイトルに書いたように、私は「多様性」を避けて、「無知にな」りたいとは思わない。
2020年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今読み終わり、すぐにこれを書いている。
この本の評価が高いのも解るし、実際おもしろかったのだか、なぜかねっとりと不快感が残る。いくつか釈然としない点があるからだ。意地悪な見方をして考えてみると、底辺学校に子供を入れることに偏見のない自分、それを子供に選択させる余裕のある大人な自分、政治的な関心が高く知的であるが、パンクでロックな感覚もあるから口は悪いですよ、というプラス面とマイナス面を一見バランスよく配置している感覚がどうしてもあざとく匂い立つのだ。
筆者の周りでは筆者のいう底辺な人たちの様々な問題が起こり、ひとつひとつのエピソードは英国の一地域の思春期の子どもを取り巻く状況がよくわかり大変興味深いのだが、いつも友人の話であり、筆者や筆者の息子は無傷なのだ。生々しく悩んだり苦しんだりリアルな姿を見せてはいない。同じ年頃の息子がうちにもいるから、時には羨ましく、頼もしく、感心もしながら読んだのだが、あまりに優等生過ぎやしないだろうか。
そして日本帰国時のエピソードにいたっては読むのも面倒くさくなるほどに古臭い出来事ではないか。あんな酔っぱらいのオヤジいる? 少年に対してあんな醜態をさらして、同じ日本人としても大人としても申し訳なく思うが、あれはレアなオヤジである。あのエピソードをあえて執筆するのに選んだのは筆者の思想的な偏りや思惑もあるだろうが、あまりにもお粗末なネタ。DVDレンタルでの店員の発言や態度もレア中のレアと思える。日本の田舎とはいえ今どきそんな人いる?と違和感をおぼえた、田舎の人にしても反応が古すぎる。海外からみた日本人の国際感覚の遅れの印象を際立たせたいための逸話を盛り込んだつもりなのだろうが、30年くらい前にどこかで聞いたようなエピソードだなとしか思わなかった。自分も海外で生活して帰国した時には日本や日本人に新しい発見や新鮮な感動もあったので、ステレオタイプのこの対比方法の描き方は残念なところ。
とはいえ英国の教育システムや環境、思春期の子どもの様子など知らなかったことが多く興味深く読めた。途中胸のすくエピソードや、筆者の献身的な体質にも感心した。が、あざとさと優等生感と、筆者の安全地帯からの眺めてる立ち位置がモヤモヤしたので星3つにしました。
この本の評価が高いのも解るし、実際おもしろかったのだか、なぜかねっとりと不快感が残る。いくつか釈然としない点があるからだ。意地悪な見方をして考えてみると、底辺学校に子供を入れることに偏見のない自分、それを子供に選択させる余裕のある大人な自分、政治的な関心が高く知的であるが、パンクでロックな感覚もあるから口は悪いですよ、というプラス面とマイナス面を一見バランスよく配置している感覚がどうしてもあざとく匂い立つのだ。
筆者の周りでは筆者のいう底辺な人たちの様々な問題が起こり、ひとつひとつのエピソードは英国の一地域の思春期の子どもを取り巻く状況がよくわかり大変興味深いのだが、いつも友人の話であり、筆者や筆者の息子は無傷なのだ。生々しく悩んだり苦しんだりリアルな姿を見せてはいない。同じ年頃の息子がうちにもいるから、時には羨ましく、頼もしく、感心もしながら読んだのだが、あまりに優等生過ぎやしないだろうか。
そして日本帰国時のエピソードにいたっては読むのも面倒くさくなるほどに古臭い出来事ではないか。あんな酔っぱらいのオヤジいる? 少年に対してあんな醜態をさらして、同じ日本人としても大人としても申し訳なく思うが、あれはレアなオヤジである。あのエピソードをあえて執筆するのに選んだのは筆者の思想的な偏りや思惑もあるだろうが、あまりにもお粗末なネタ。DVDレンタルでの店員の発言や態度もレア中のレアと思える。日本の田舎とはいえ今どきそんな人いる?と違和感をおぼえた、田舎の人にしても反応が古すぎる。海外からみた日本人の国際感覚の遅れの印象を際立たせたいための逸話を盛り込んだつもりなのだろうが、30年くらい前にどこかで聞いたようなエピソードだなとしか思わなかった。自分も海外で生活して帰国した時には日本や日本人に新しい発見や新鮮な感動もあったので、ステレオタイプのこの対比方法の描き方は残念なところ。
とはいえ英国の教育システムや環境、思春期の子どもの様子など知らなかったことが多く興味深く読めた。途中胸のすくエピソードや、筆者の献身的な体質にも感心した。が、あざとさと優等生感と、筆者の安全地帯からの眺めてる立ち位置がモヤモヤしたので星3つにしました。
2020年1月28日に日本でレビュー済み
あまり心に響かなかった。何故なら色々事件や問題が起きているのは息子さんのお友達の話であり、息子さん自身はハッピーで特にイジメを受ける訳でもなく、底辺中学という環境の中で階段1段分、心に余裕がある感じで上から周りを見下ろして書かれたように思えたからだ。意地の悪い書き方になるが、時折なされる息子自慢を悪い環境下で学んでいる事でうまくバランスをとって目立たないようにしている風にも感じられた。
2020年2月12日に日本でレビュー済み
九州ラジオの番組で著者が登場してこの本の紹介していたのを聞いて興味を持ち読みました。
この本についてプラス評価を耳にするのであえて厳しく書きますが、正直言って同じ日本人として恥ずかしいです。
前提の説明があったとしても、「底辺」保育園などの差別的用語の連発、差別的言葉の使い方に対するポリシーに欠けています。そう思われていることと、実態の表現は線引きすべきでしょう。
様々な場面で著者の観点からの意見が語られますが、例えば万引きの問題は犯罪の根深い複雑な問題を内包しており単純に犯罪者に同情するべきではありません。
この本を評価する日本の社会はもっと教育について考えるべきではないかと改めて感じました。
この本についてプラス評価を耳にするのであえて厳しく書きますが、正直言って同じ日本人として恥ずかしいです。
前提の説明があったとしても、「底辺」保育園などの差別的用語の連発、差別的言葉の使い方に対するポリシーに欠けています。そう思われていることと、実態の表現は線引きすべきでしょう。
様々な場面で著者の観点からの意見が語られますが、例えば万引きの問題は犯罪の根深い複雑な問題を内包しており単純に犯罪者に同情するべきではありません。
この本を評価する日本の社会はもっと教育について考えるべきではないかと改めて感じました。
2019年11月23日に日本でレビュー済み
自分の子供の自慢ばかりで、つじつまの合わないことを言うことも多く、ありふれた考えしか書いてない。なぜかこんな評価がいいかってまったくピント来ないです。