私はこの本の著者を「治らない癌になった、まだ若い男性の方で幼児の父親であり、現役で写真をとっている写真家」という情報で、Twitterで流れてきたツイートで偶然知りました。その時見た写真の内容ははっきりとは覚えていないのですが写真が美しかったので、なんとなくフォローをして、そのうち少しずつこの方の状況や考えを断片的に知っていき、特に、安楽死の話題でTwitterが炎上というか、非常に穏やかではない状態になっているのを見て不穏な気持ちになったり、また著者がいろんな方の悩みに答えている記事などを斜め読みしたりしていました。
このたび、私がこの本を手に取った理由は、私自身が自分の人生を決めるべき時が来ているのに決断ができず苦しんでいたから、つまり、この著者の癌のことを知りたいとか、言いたいことを読みたいというような好奇心は無くて、「自分のため」でした。
最後まで読んでみて、最初に思い浮かんだ言葉は「強いなあ…」でした。
『友人、恋人、結婚相手、自分に良い影響を与える相手を自分選ぶことができるのだ』
と言い切れるのは、精神と心が強いと思います。
著者が不治の癌になったから強いのではなくて、この著者だから強いのだ、と思います。
自分で選んだつもりでも、何かに流されたり、何かのせいにしたり、うやむやにしてしまう、なってしまうことの方が、私は、生きていて多いと感じます。それをきちっと切り分けていこうとする強さです。
全部、自分で選んで決めたのだから後悔はない、自分は幸せだ、と自分の選択の責任を取る覚悟。
周りの人間や状況に流されたりひっぱられたりせず、自分の選択を遂行すること、自分にはすごく難しいと思いましたが、
どういう考え方を持とうとすればそれができるのか、1冊の本として長い文章にまとめられいると、お手本になり、こころ強く思いました。
安楽死の件については、ツイッターで見た時には、短文の応酬で、話が掴みにくいと感じたのですが、この本ではいたってシンプルでわかりやすく、やはりTwitterという短文がばらばらになった情報だけでは多くの人間が分かり合うのは難しい、と思いました。治らない病気でひどい苦痛があり本人が望んでいるのなら、安楽死は肯定されるものだと私はこの本を読むことで、はっきりと思いました。Twitterだけでは、ぐちゃぐちゃしていて、もやもやしていた情報が、すっきり整頓されていました。
ご病気の状態で、1冊の本をしあげることは、ことばにできないくらいに、大変だったと思います。
読ませていただきありがとうございました。
ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。 (日本語) 単行本 – 2019/5/28
幡野 広志
(著)
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本の長さ210ページ
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言語日本語
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出版社ポプラ社
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発売日2019/5/28
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ISBN-104591161005
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ISBN-13978-4591161005
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
自分の人生を生きろ。写真家で猟師のぼくは、34歳の時に治らないがんの告知を受けた。後悔はない。それは、すべてを自分で選んできたからだ。家族、仕事、お金、そして生と死。選ぶことから人生は始まる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
幡野/広志
1983年、東京生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事、「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。2011年、独立し結婚する。2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。2016年に長男が誕生。2017年多発性骨髄腫を発病し、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1983年、東京生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事、「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。2011年、独立し結婚する。2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。2016年に長男が誕生。2017年多発性骨髄腫を発病し、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : ポプラ社 (2019/5/28)
- 発売日 : 2019/5/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 210ページ
- ISBN-10 : 4591161005
- ISBN-13 : 978-4591161005
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 18,091位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 6位闘病記
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年6月4日に日本でレビュー済み
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295人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は先日親子の縁を切りました。
私や私の家族を守るためにはもう、こうするしかありませんでした。
友人や知人に親不孝者だと言われ、親子の縁切ることなんて出来ないと親にも言われ、自分自身でもこの選択が正しかったのかずっと自問自答を繰り返していました。
そこでたどり着いたのが、旙野さんのこの本です。
親を選択する。家族を選択する。自分の生き方を選択する。
旙野さんの強い意思のもと書かれたこの本は、自分の人生を生きることを力強く後押ししてくれます。
難しい内容なのに文章も簡潔で読みやすく、一気に読むことができました。
ぜひたくさんの人に読んでもらいたいです。
私や私の家族を守るためにはもう、こうするしかありませんでした。
友人や知人に親不孝者だと言われ、親子の縁切ることなんて出来ないと親にも言われ、自分自身でもこの選択が正しかったのかずっと自問自答を繰り返していました。
そこでたどり着いたのが、旙野さんのこの本です。
親を選択する。家族を選択する。自分の生き方を選択する。
旙野さんの強い意思のもと書かれたこの本は、自分の人生を生きることを力強く後押ししてくれます。
難しい内容なのに文章も簡潔で読みやすく、一気に読むことができました。
ぜひたくさんの人に読んでもらいたいです。
2019年7月29日に日本でレビュー済み
後半はアダルトチルドレンの話です。要するに、合わない親と無理に付き合わず、潔く捨てて大丈夫ですよということ。家族関係でずっと悩んでいる方には救いのような言葉です。私もその一人ですが、やはり無責任な気もします。著者の母は息子の病状を知り、墓参りを欠かさなかったようですがその息子は「だから?」「そういうのやめてよ」という感じ。気持ちはわかるけど別にいいじゃないですか。何かしないといられなかったのだと思います。告知の後に怒ったように席を立った母を恨み著者は「もう死ぬまであいません」と書きますが、席を立ったのは単にものすごくショックだったからではないかと。本で「死ぬまであわない」と書かれたお母さまが気の毒です。また、著者は葬儀にも親せきを呼ばない勢いですが自分亡き後の奥様はどうなるのか? 奥様が責められると思います。ものすごく乱暴な言い方になりますが「自分がしぬからってやっていいことと悪いことがある」と思いました。多分、奥様はよくできた方なのだと思います。感銘を受けた方、ごめんなさい。前半の闘病の話は彼の本音の部分がいい意味で出ており、読み応えがありました。
2019年6月1日に日本でレビュー済み
最近、幡野さんを知ったので、最近のtwitterとブログでしか幡野さんと色々な人のの安楽死に関する意見の対立とかを見てなかったので、この本を読んではじめて、何故、幡野さんが安楽死も視野に入れて生きているのかを知った。
それから、何となく幡野さんとご親族の関係を察してはいたけど、この本を読んでよく分かった。
私達、団塊ジュニアに多い感じだった。
私達の親世代、団塊の世代は、ホントにこういう人が多くて、私も、愛がよく分からないまま大人になり、愛は呪いだと思って生きてきた1人かもしれない。
家族は自分で選べる、自分の人生は自分で選べるという、幡野さんの言葉には凄みがあった。
人によってはこの本を読んで拒絶したくなるかもしれない。それはきっと、いつまでも支配する側でいたい毒親気質の人だと思う。
それから、何となく幡野さんとご親族の関係を察してはいたけど、この本を読んでよく分かった。
私達、団塊ジュニアに多い感じだった。
私達の親世代、団塊の世代は、ホントにこういう人が多くて、私も、愛がよく分からないまま大人になり、愛は呪いだと思って生きてきた1人かもしれない。
家族は自分で選べる、自分の人生は自分で選べるという、幡野さんの言葉には凄みがあった。
人によってはこの本を読んで拒絶したくなるかもしれない。それはきっと、いつまでも支配する側でいたい毒親気質の人だと思う。
2019年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終えて、正直、全面的に共感する、と言う訳にはいかなかったが、
やわな(?)悩みを持つ年齢でもなく人の親でもある私が読んでも、
眼からウロコが取れる箇所が何度かあった。
例えば、本当の強さとは、「助けて」と声をあげられることではないかという考え。
ただ、周りが悲鳴をあげていて、自分までそれはできない、という環境もある。
実際はどうなのか?とも思えるけど、素直に共感した。
この作者の凄いところは、
自分でも、壮絶な最期が待っているかもしれないのに、
他人の悩みを聴き、それを自分なりに考え、発信していること。
そして、それを使命感の押し売りにしていないことだと思う。
作者は、自分が辛かった時に向き合ってくれなかった母とは、会うつもりはないという。
本当に大切にすべき家族は誰か、それを真剣に考えさせてくれる。
誰でも、避けては通れない家族のしがらみがあると思う。
家族に対して、同じような立場にたった時、そういう潔さが自分にあるだろうかと、
いろいろ考えさせられる。
家族にあり方も、多様化する、しなければいけない時代になったんだなと、
遅ればせながら思う。
やわな(?)悩みを持つ年齢でもなく人の親でもある私が読んでも、
眼からウロコが取れる箇所が何度かあった。
例えば、本当の強さとは、「助けて」と声をあげられることではないかという考え。
ただ、周りが悲鳴をあげていて、自分までそれはできない、という環境もある。
実際はどうなのか?とも思えるけど、素直に共感した。
この作者の凄いところは、
自分でも、壮絶な最期が待っているかもしれないのに、
他人の悩みを聴き、それを自分なりに考え、発信していること。
そして、それを使命感の押し売りにしていないことだと思う。
作者は、自分が辛かった時に向き合ってくれなかった母とは、会うつもりはないという。
本当に大切にすべき家族は誰か、それを真剣に考えさせてくれる。
誰でも、避けては通れない家族のしがらみがあると思う。
家族に対して、同じような立場にたった時、そういう潔さが自分にあるだろうかと、
いろいろ考えさせられる。
家族にあり方も、多様化する、しなければいけない時代になったんだなと、
遅ればせながら思う。