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ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書) 新書 – 2011/8/17

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商品の説明

出版社からのコメント

◎アルムの森にやってきたハイジは、なぜ次々と服を脱ぎ捨てていくのか?

◎テレビゲームから、テレビヒーローもの、アニメ、マンガ、児童文学まで、「子どもの物語」を串刺しにして読み解く試み。

◎「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ペルソナ」などのテレビゲームから、ウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズなどのテレビヒーローもの、「ガンダム」「エヴァンゲリオン」「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」「美少女戦士セーラームーン」「プリキュア」「ムーミン」「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」などのアニメ、「ベルサイユのばら」「綿の国星」「ホットロード」「ドラゴンボール」「ONE PIECE」などのマンガ、そして著者が専門の児童文学まで、あらゆるジャンルの「子どもの物語」を串刺しにして読み解く試み。そこから見えてきた、「子どもの物語」の大きな変化とは?

【目次】
1章 テレビゲーム
変わる、テレビへの感覚/実は、喜んでいたのはお父さん?/自分で自分を採点できる/印象に残る物語性の高いゲーム/元祖は「テーブルトークRPG」/自由に名前を付けられる/主人公を自由に操れる/ドラクエとFF/主人公が一言もしゃべらない物語/RPGの経済学/「経験値」という概念/子どもから大人へ/「結婚」「家族」、そして「自由」/『DQ』と『FF』、スタンスの違い/サブタイトルの不在/チラつく『DQ』の影/「中世ヨーロッパ騎士物語風」からの脱却/罪と罰/リセットをリセット/RPGのパロディ

2章 テレビヒーロー
まねしやすい実写版/「おじさん」ヒーロー考/少年が主人公の作品/子どもという消費者の不在/ウルトラシリーズ/ウルトラQ/ウルトラマン/怪獣=悪ではない/「正義」のあいまいさ/ウルトラセブン/物語の軸は怪獣/幼児層に広がっていった怪獣ブーム/後から作られた兄弟という設定/兄弟化のリセット/主人公とウルトラマンは別/いまだ変わっていない一つのこと/仮面ライダーシリーズ/スト破りの撮影/マンガ原作ものの隆盛/ターゲットは原作の年齢層よりも下に/戦時下体験の影/饒舌なナレーションやセリフと、その場しのぎの展開/「変身!」ポーズの誕生/チープな匂い/ライダーは仕事

3章 アニメ(男の子編)
三人のロボット/手塚のせいでアニメーターの待遇は悪くなった?/チープさ故に子どもの心をつかんだ?/アニメでこそ活かされる素材/なぜロボットだったのか?/自我のコントロール/エイトマン/機動準備 137/キャラとキャラクター/ガンダムにはない「キャラの安定性」/マジンガーZ/宇宙戦艦ヤマト/岡田斗司夫たちの違和感/高年齢の子どもたちが発見したガンダム/大人への不信感・子ども同士の疑似家族/一九歳が一五歳をぶつ/共感・尊敬できない親/卒業しない「子ども」たち/死んでいく大人たち/ランバ・ラル/ククルス・ドアン/存在しない成長モデル/シャアの存在/ピーター・パンとしてのガンダム/『ファースト』のネガとしての『Z』/黒歴史/「愚民」は『ファースト』の影響で生まれたわけではない/時代の物語----新世紀エヴァンゲリオン/出口のない子どもたち

4章 アニメ(女の子編)----魔法少女
ストライクウィッチーズ/初の少女向けアニメ----魔法使いサリー/性的役割分担/サリーとピッピ/女の子ものはなぜ後回しにされるのか/性的存在としてのサファイア/ひみつのアッコちゃん/魔法のマコちゃん/魔法使いチャッピー/ミラクル少女リミットちゃん/魔女っ子メグちゃん/思春期の女の子の幼児化/魔法少女の正統な子孫たち/少しも新しくないところが新しい----美少女戦士セーラームーン/時代の物語----プリキュア

5章 世界名作劇場
「大人」にとって危険ではない内容/アルプスの少女 ハイジ/アニメ版『フランダースの犬』のストーリー/英国でもベルギーでも知られていない物語/アニメ版の世界から一歩も外に出ない人々/無垢な子ども?/「世界名作劇場」の終わり/親の欲望を敏感に察知する子どもたち/怪獣・変身ものの否定と「世界----」の肯定/孤児、もしくは孤児的な子どもが主人公/歓迎していたのは親

6章 マンガ
六〇年代の少年マンガ/少女マンガの「偽装」/少年ジャンプな時代/終われない、終わらない物語/消えた?「成長の物語」/「等価交換」の世界/取り替え可能なキャラ

7章 児童文学
新しい消費者としての子ども/ペローとグリムの違い/アイデンティティを描く近代文学/子どもは親の庇護の下でしか生きていけない、という問題/アイデンティティは自由を保障しない/親の離婚と児童文学/始まった離婚の情報開示/児童文学という枠組みそのものへの疑問/枠の外側に出た子どもたち/「子どもから大人への成長過程」そのものの切断

8章 子どもの物語たちが示すもの
なぜ大人にならねばならないのか?/子どもの物語と成長/大人と子どもの差異の減少

【著者紹介】
ひこ・田中(ひこたなか)
一九五三年大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。児童文学作家。「児童文学書評」主宰。一九九〇年『お引越し』(講談社文庫)で第1回椋鳩十児童文学賞受賞。一九九七年『ごめん』(偕成社)で第四四回産経児童出版文化賞JR賞受賞。他の著書に『大人のための児童文学講座』(徳間書店)、『レッツのネコさん』『レッツのふみだい』『レッツがおつかい』(以上、そうえん社)がある。

内容(「BOOK」データベースより)

「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ペルソナ」などのテレビゲームから、ウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズなどのテレビヒーローもの、「ガンダム」「エヴァンゲリオン」「魔法使いサリー」などのアニメ、「ベルサイユのばら」「綿の国星」「ホットロード」などのマンガ、そして著者が専門の児童文学まで、あらゆるジャンルの「子どもの物語」を串刺しにして読み解く試み。そこから見えてきた、「子どもの物語」の大きな変化とは―。

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登録情報

  • 新書: 372ページ
  • 出版社: 光文社 (2011/8/17)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4334036384
  • ISBN-13: 978-4334036386
  • 発売日: 2011/8/17
  • 梱包サイズ: 17 x 10.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3 15件のカスタマーレビュー
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ここまで広範囲の「子どもの物語」周辺を網羅した文章ははじめて読みました。連載中から楽しく読んでいましたが、まとめてみるとまた流れが把握できて、興味深いです。文学は古いものも手に取れますが、ゲームは古くなると遊べないので、資料として残されているの、とても貴重だと思います。
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形式: 新書
新書を読んで泣いた、なんてはじめてだ。

私は、アニメは東映の長編動画(白蛇伝とか、安寿と厨子王とか)から、ヒーロー物は月光仮面からライブで見ていた人間であるが、メディアによって供給されるそれらを見続けた結果、子ども心にも軽くトラウマになっていた疑問、なんで成長物語ってのは男の子のためのものばっかりなんだ、に著者は言及してくれている。
第四章アニメ(女の子編)魔法少女である。
著者はその冒頭を「パンツ」で飾ってくれた。「パンツ」で始まったのはまったく正しい。
本当に、いつからこんなパンツ満載になっちまったんだ。なんでいちいちパンツ見せて戦うんだ。ていうか、女の子のパンツや下着や裸を見てよろこんでいる女の子はいないだろう。視聴者は他にいるんだ。と常々感じていた自分にとって、著者が提示するパンツを見せるに及んだアニメ(女の子)の歴史は、苦い現実だ。
しかし、著者は未来に希望を託す明るい現実も見せてくれる。現代の女の子の物語はもう、パンツを見せたり太ももあらわなレオタード姿になったりはしない、戦うための変身はするがスカートの下はレギンスで決めている、と。
アニメ(女の子編)の締めくくりは、「お気に入りのプリキュアのコスチュームを着た、小さな女の子たちの楽しげな姿が劇場にはあふれていました。パンツは見せずに、レギンスでね
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形式: 新書
たいへん刺激的な「物語論」、いや文明論だ。
子どものための物語はどうして成長を描かなくなったのか? この社会の中で子どもはほんとうに成長して大人にならなければならないのか? を、実際の作品を紹介しながら考えていく。ふたつ目の問いに対して筆者は明確な答えを提示していないが、性急に結論を押しつける前に、子どものための物語に関して私たちが持っている既成概念をつぎつぎにぶっ壊し、考えるヒントを提供してくれる。
子どものための物語=児童書という「既成概念」で読み始めた読者は、冒頭のかなりの部分を児童読み物以外の作品が占めていることにとまどうかもしれないが、読んでいくうちに、この構成になった理由がわかってくると思う。そういった意味で、児童書に関わる人たちにこそ読んでほしい本。
同じ作品がちがう視点で読み解かれているので、同じくひこ・田中氏が書いた『大人のための児童文学講座』と読み比べてみるのもおもしろいのではないだろうか。
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形式: 新書
「子どもの物語を提供するメディアは数多く存在します。本、マンガ、テレビ、アニメ、
ゲーム、携帯電話。……物語が届けられるのなら、どんなメディアでもかまわないと私は
思います。他のメディアが非難されたために、子どもが物語嫌いになることの方を私は
恐れます。何故なら人間には物語が必要だからです。……本書は、様々なメディアの
子どもの物語に起こっている変化を眺め、新しい動向を探る、ささやかな試みです」。

 本書の主役は「子ども」というよりもむしろ、その対義語としての成長の果てに辿り着く
べきものとしての「大人」、「子ども」の物語表象における「大人」。
 まとめにおいて繰り出される「もし×年前(お好きな時代でかまいません)の大人が
大人らしく見えていたとしても、それは単に情報量の差によって、そう振る舞って見せる
ことがまだできた時代だった、というだけのこと」との指摘はまさに慧眼。
 物語における保護者機能の担い手としての、ロールプレイとしての「大人」はあり得ても、
成長の帰結を担保する存在としての「大人」はもはやあり得ない。そもそも何をもって
「成長」とするのか、を規定する価値判断すらその自明性を喪失してしまった以上、
その宙吊り状態を佇む他ない存在
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形式: 新書
著者のひこ・田中さんは中井貴一、桜田淳子、田畑智子主演の名作『お引越し』
の原作者である。その田中さんが
・テレビゲーム
・TVヒーロー
・男の子向けアニメ
・女の子向けアニメ
・世界名作劇場
・マンガ
・児童文学
の、以上各ジャンルの戦後史を膨大な資料を渉猟して綴った。

但し私は、本書の副題である
「なぜ成長を描かなくなったのか?」の方に興味を持っていたので、
その考察が余り無いことは、大変残念であった。

子どもを対象にした物語は、主人公の成長物語であることが多いわけだが、
それが無くなってきているのだろうか。私は無理やり大人にしなければならない
「成長物語」に、ある種の嫌悪感を持っているのである。
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