女子大生の圭子は、恋人・朗から突然の別れを告げられた。自分は癌にかかって余命いくばくもない、と言うのだ。翌日、こんなニュースが届く。「一週間後、地球に隕石が激突する。人類に逃げ延びる道はない」圭子は決意した。最後にもう一度、朗に会いに行こう。練馬の家から、彼の住む鎌倉を目指し、彼女は徒歩で旅をはじめた。道中での4人の女性との出会いを経て鎌倉にたどり着いた圭子は、何を思うのだろうか。
ライトノベルの元祖、とも言われる新井素子は1960年生まれ。高校2年生のときに第1回奇想天外SF新人賞に投じた「あたしの中の……」が佳作入選しデビューした。大学在学中に発表した「グリーン・レクイエム」で、第12回星雲賞を受賞。99年には『チグリスとユーフラテス』で第20回日本SF大賞を受賞した。
本書は、1981年に発表された作品である。1985年に文庫化され、装いも新たに2008年に再度文庫化された。著者が最初の文庫版のあとがきに「政府だの科学者だの」という単語はまったく出てこない、と書いているように、内容はいわゆるパニック小説ではない。人が人を好きになることの素晴らしさ、恐ろしさという普遍的テーマを極限状態において描いた内容は、発表から四半世紀たった今も独自の輝きを放っている。今回の文庫化に際しては、著者本人によるあとがきと、東浩紀の解説が新たに加えられており、そちらも読みごたえのあるものとなっている。(取理 望)
女子大生の圭子は最愛の恋人から突然の別れを告げられる。自分は癌で余命いくばくもないのだと。茫然自失する圭子の耳にさらにこんな報道が―“地球に隕石が激突する。人類に逃げ延びる道はない”。彼女は決意した。もう一度だけ彼に会いに行こう。練馬から鎌倉をめざして徒歩で旅に出た彼女が遭遇する4つの物語。来週地球が滅びるとしたら、あなたはどうやって過ごしますか。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
新井/素子
1960年東京生まれ。立教大学文学部卒。77年、高校2年生のとき第1回奇想天外SF新人賞に「あたしの中の…」が佳作入選しデビュー。大学在学中に発表した「グリーン・レクイエム」「ネプチューン」は第12回、第13回星雲賞を受賞。99年には『チグリスとユーフラテス』で第20回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)