空自岐阜基地が舞台、ということで話題になったりもしているようですが、制作が描きたかったのは自衛隊ではなく、空飛ぶドラゴンと女の子の妄想ファンタジーのようです。なので、自衛隊について正確なのはビジュアルだけ、ぐらいで見ておくのがいいかと思います。
13話という話数の割に登場人物が多いため、展開は駆け足で、もう少しじっくりと描き込んだほうがいいのではと思いました。が、一方で、制作側があまり深く考えないで作っている気配もちらほら見えるので、話数を増やして破綻するより、これぐらいできれいにまとめるのベターなのかという気もします。
また、女性キャラクター達の葛藤を描こうとするあまり「これだから女は……(チッ)」的な印象を持つエピソードが多くなっているのが残念です。
特に盛り上がるのは最終回直前、周囲の思惑に振り回されて悩む主人公ひそねが、精一杯考えて出した結論が気に入らずに激高し、基地から叩き出す女性上司の有様です。上司として諭すのでも叱責するのでもなく、ただ鬼の形相でひそねをクズだの今すぐ出ていけだのとののしる姿はただのパワハラですし、その根底にあるのはかつて仕事も男も横取りしていった同僚に対するコンプレックスとなると、まあ何というか、いろいろドン引きするしかありません。
自分がなぜ罵倒されたのかも分からないまま、ドラゴンに乗りたい一心で彼女にジャンピング土下座をするひそねが哀れにすら見えます。